ベートーヴェン交響曲第6番 : クーベリック

クーベリック

昨日は小雨の降る中、京都に日帰り出張だった。出かける前に家人からは「良いねえ京都」と言われたのだが、このところ定番になった感のある顧客への謝罪訪問である。「紅葉見ごろじゃない?」の声もむなしい。。たしかに良い季節なので京都は観光客と思しき人達で賑やかだったが、こちらは駅に到着早々、同僚と客先での段取りの確認が始まって観光どころではない。案の定、紅葉のこの字も見れないまま、すっかり暗くなった京都を発つことになった。休日前だったこともあって、帰りの新幹線も結構な混雑だった。帰宅は深夜。

今朝、起きた時にはまだ小雨が残っていたが、午後には雨も上がって良い天気になったので、最近、使い始めた厚手のカーテンを干した。長い間、使っていなかったのでなんとなく気になっていたのだ。小一時間干しておいたらすっかり湿っぽさが取れてお日様の匂いがした。ちょっと気分が良い。

職場では明日を休みにして四連休の人も多いのだが、僕は明日出勤なので今日はどこにも出かけず一日のんびりと音楽を聴いた。今日聴いて良いなあと思ったのがクーベリック/パリ管の「田園」。この全集、ライナーノーツによるともともとはバイエルン放送響とBPOのみで完成させる予定だったらしい。同時期にベームとカラヤンが全集を録音することになって、マーケティング戦略上、クーベリックの全集は9つすべて違うオケで録音という建付けになったらしいが、実にナイスなアイディアである。

9つのオケのうちちょっと異色に感じるのが4番のイスラエル・フィルとこのパリ管。オケの選定はクーベリックとの関係、レーベルとの関係等いろいろあると思うが、邪推するにこの二つはけっこう悩んだのではなかろうか。が、実際、「田園」を聴いてみるとパリ管という選択はとても正しかったと思う。

と言ってもパリ管の音色がこうであるからこの曲に合っている、的なことを言っているのではない。1番と6番が組み合わされたCDがボックスセットの一枚目になっているのだが、聴き始めた時にそれぞれの曲がどのオーケストラであるかきちんと把握していなかった。それぞれ別のオケであることは十分知っていたので音を聴きながらオケの名前を想像したのだが、正直に言って、ぜんぜんわからなかった(笑)。ちなみに1番はLSOが演奏している。

オケ当てクイズはわからなかったが、ちょっと遅めのテンポで柔らかく優しく癒し系の演奏が実に心地良いのである。ヴァイオリンは両翼配置になっているのでブレンドされた弦楽器がベースを支える中、管楽器のソロがまた良い感じである。録音も良い。
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Laughin' to Keep from Cryin' : レスター・ヤング

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寒いなあ。そろそろヒートテック着ようかなあ。と思いつつ、昔はそんなものなくても大丈夫だったんだから、まだ着なくても大丈夫いと思い直したり。。一度着てしまうと暖かくなるまでやめられない機能性下着を着始めるタイミングが毎年早まるばかりの自分に焦燥感を感じたり。。って、下着くらいで大袈裟な、と思われそうだが、実際、毎朝、悩んでいる。年々、自分がひ弱になっているのではないかと自問自答しながら。

そもそもヒートテックっていつ頃登場したんだっけ。自分の記憶では冬のゴルフで初めて機能性下着を着て感動したのが2004年くらい。その時着たのはミズノの製品で、ユニクロから出たのはもう少し後だったと思っていたのだが、調べてみるとヒートテックの登場は今から15年前の2002年らしい。へえ、そんな前からあったんだ。

天気予報によれば明日明後日は雨っぽい。でも、気温は多少上がりそうである。せめて今週末までは普通の下着で頑張ろうか。

なんて、おっさんのやせ我慢の話はこのくらいにして、久しぶりにディアゴスティーニのジャズLPの話。早いものでシリーズ30枚目を越え、最近届くものは僕にとって未知のLPばかりになった。今月届いたのがレスター・ヤングの"Laughin' to Keep from Cryin'"。

まずもってタイトルが良い。「上を向いて歩こう」にも通じるものがある。音楽も切なく哀しい感じが見え隠れしつつ、すべてを包み込んで優しい感じ。解説を読むとレスター・ヤングは薬物とアルコールで健康を害して、50歳になる前に亡くなったようだ。駆け足の人生を過ごした録音時48歳のレスター・ヤングの演奏はもっと年上の大ベテランのような趣きである。トランペットの二人の演奏も素敵。58年録音のステレオ録音だが、音楽そのものも含め、全体的にもう少し前の時代のような雰囲気を醸し出している。「Laughin'」というよりはすべてを受け入れた穏やかな笑顔が思い浮かぶ。良いアルバムだと思った。

マーラー交響曲第10番(サマーレ&マツッカ版) : ジークハルト

ジークハルトマーラー10番

今日は最高気温が一桁の寒い一日だった。終日雲が多く、日が陰っていたのでなおさら寒い。最近、電車に乗るとマスクをする人が多い。咳の音も頻繁に聞くので風邪に罹っている人も多いのだろう。僕はここ十年くらいインフルエンザの予防接種をしていなかったのだが、今年は早々に受けて来た。健保のプログラムで会社で予防接種を受けられる機会があったので、それを活用したのである。注射が大嫌いなので緊張(笑)したが、さほど痛くもなく、気分が悪くなることもなかった。もう、気持ち的にはインフルエンザ来るなら来いである。でも、予防接種を受けた年に限ってインフルエンザに罹るという「あるある」もあるらしい。やっぱり油断しないよう、気を付けないと。

帰宅するとHMVからCDが届いていた。最近はHMVも中古の扱いが充実してきて結構な品揃えになっている。今回はジークハルト/アーネム・フィルハーモニーによるマーラーの交響曲第10番を買った。エクストンのハイブリッドCDで一曲のために二枚組である。たしかに全曲で80分弱と長い演奏であるが、その気になればギリギリ一枚に入るものを音にこだわって二枚にしたのだろうか。

この演奏は初めて聴くサマーレ&マツッカ版。誰それと思ったが、ブルックナー9番の第4楽章の補筆もしたコンビとのこと。イタリアの音楽祭の委嘱で2001年に完成された補筆版である。録音されたのはこれが初めてらしい。解説を金子建志氏が書いていて、丁寧に比較用のスコアも同梱されている。同氏によればサマーレ&マツッカ版はスコアの変更の観点からはクック版と(クック版によっているはずの)ザンデルリンクの演奏の中間くらいのものらしい。

そう書いてあるもんだから、ほぼクック版と一緒かと思って聞き始めたのだが、スコアの変更がどうであるかは別として、この演奏、僕にはカーペンター版よりもやりたい放題に聴こえた。思うに、旋律を書き換えたり書き足したりは少ない一方でオーケストレーションが相当違うのだと思う。まず、全楽章にわたって大太鼓の存在感が凄い。あちこちでドロドロと大太鼓が追加されていて、それがエクストン自慢の高音質で迫ってくる。迫力はあるが、おかげで後半の消音バスドラムが霞んでしまっている。後半の2楽章もあちこちずいぶんと違う感じ。個人的にはマーラーの音楽っぽくは聞こえなかったが、この曲のバリエーションとしてこれはこれでありなのかな。

R・シュトラウス「ばらの騎士」抜粋 : バーンスタイン

バーンスタインばらの騎士

昨日の夜は風が強く、時折家が揺れるくらいの突風が吹いていた。関東地方でも雪が降るかもという予報が出ていたのでもしかしたら初雪かと思ったのだが、朝起きてみれば雲が風に吹き飛ばされて綺麗な青空だった。日中、気温は低かったが、穏やかな天気の一日であった。

僕がオーディオを置いている部屋は家の西の隅にあって、南向き(座っている場所から見て右側)と西向き(真後ろ)に出窓がある。したがって早朝以外日中は日光が降り注ぐ。出窓は常時レースのカーテンを閉めている。厚手の生地のカーテンもあるのだが、これを使うと太陽の光が完全にカットされるだけでなく、紺とベージュの縞模様なので色合い的にも部屋が暗くなるので、これまでずっと使わずにいた。

昨日の晩、風が強くなるとともに気温が下がって部屋が寒々としてきたので、エアコンを点けると同時に珍しく両方の出窓の厚手のカーテンを閉じてみた。すると、どうだろう。まず、風の音が一段静かになった。が、驚いたのは、それだけでなく音楽が聴きやすくなったことだ。背景が静かになっただけでなく、これまで何度も左右のバランスが悪い(常に多少右スピーカー側が強い。)と感じていたのが、ずいぶん緩和された。これまで試しに出窓に吸音材を置いてみたこともあったのだが、カーテンほどの効果は感じられなかった。一日中、暗いのは気に入らないのだが、当面、音楽鑑賞中はカーテンを閉めておくことにした。

音の良さに気を良くして聴いたのがバーンスタイン/VPOの「ばらの騎士」抜粋。カラヤンとウィーン国立歌劇場が喧嘩別れしたおかげでバーンスタインにオペラのお鉢が回ってきて大成功。それが後年、DGに残したVPOとの数々の名録音に繋がっていく。これまでバーンスタインの振ったオペラは「トリスタン」以外、全曲を聴いたことがなかったが、この抜粋LPを聴いて「ファルスタッフ」と「ばらの騎士」のCDを買うことにした。

冒頭のホルン一発でワクワクうきうきするような演奏である。「ばらの騎士」の筋書きはなんとなくしか知らないが、今のご時世ではいろいろお叱りを受けそうな内容である。登場人物、すべてが謝罪会見を求められよう(笑)。ま、お話である。愛と喜び、人間の弱さ、哀しさといった様々な要素を慈愛に満ちた音楽が見事に描写していく。オペラの満漢全席。バーンスタインとVPOの調理は素晴らしい。CBSとDECCAのコラボレーションが実現したのは対カラヤン/DGで利害一致したからだろうか。ジョン・カルショウ率いるDECCAのエンジニアチームが録音というすごいおまけ付き。名盤。

オーディオテクニカ AT517CP

前半楽勝、反動で後半バタバタの一週間が終わった。そして、帰宅後は毎晩、スピーカーをあちこち動かすという日々。音楽を聴くためのスピーカーなのにスピーカーのせいで音楽が聴けないのも考えてみればトホホな状態である。と言うことで、ここに調整終了を宣言したい。

今回は正方形の部屋用計算式と3分の1ルールの折衷のような位置で調整を終える。折衷したら意味ないじゃないかと思われるかもしれないが、オーディオ95%の部屋でも最低限の生活空間は必要だし、ラックやら収納棚やらもあるのでどこかで妥協が必要なのである。とりあえず、変更前よりは良い感じである。スピーカー後方への広がりは間違いなく以前より大きい。ショップの試聴室のような前方への広がりは実現できなかったが、それなりに満足。

が、これに伴って、一つ問題が発生した。スピーカーが部屋の中央近くまでせり出して来たために、右側に置いてあるオーディオラックの排他的経済水域を侵犯し始めたのである。もちろんもともとそこに陣取っていたオーディオラックとソース機器の一個連隊は対決を望んだのだが、これ以上、調整は面倒くさいので、あっさり1m撤退させることにした。

重たいラックをずりずりと動かしたのだが、今度はアンプに繋いでいるケーブルの長さが足りない。考えてみれば当たり前である。そこで登場してもらったのが、これ。

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オーディオテクニカのAT517CPというプラグアダプターである。定価1188円、実売は700円を切る。これで今まで繋いでいたRCAケーブルともう一本別のケーブルを連結して延長するのである。心配性の人、ものすごく耳の良い人には薦めないが、半導体の機器同士を繋ぐ場合で連結するケーブルが怪しいモノでない限り、まず大丈夫である。今回は3mと1mのケーブルを繋いだが、4mのそれなりのケーブルを買うことに比べてなんて経済的なことだろうか。こういう挟みモノを認めるか否かはあくまで使い手の自由だが、新しいケーブルを買う前に試してみる価値はあると思う。

スピーカーの配置

ゆるやかな時間は案の定長続きせず、今週はそこそこ忙しい毎日を過ごしている。と言っても、帰宅してから音楽を聴けないほどのことはない。それにしては記事の更新がしばらくないのは、この間のアンプ試聴以来、スピーカーの配置がついつい気になって、あちこち動かしながら聴いているので、音楽がぜんぜん入ってこないからである。

部屋の中にどう二本のスピーカーを配置すべきか。ネットで検索すると実に様々な見解がある。これだけ違う見解があると言うことは一つの正解はないということなのだろう。そもそも部屋にたっぷりとした空間があれば良いのだが、日本の住宅事情ではそういう人は少数派だし、たとえ同じサイズの部屋でも素材や造りが違えば音も違う。結局、試してみるしかない。

とりあえずのスタート地点として、部屋の寸法からスピーカー配置点を計算してくれるサイトを頼りにすることにした。

有名(?)なカルダスのサイト
Speaker Placement Calculators

上記カルダスも含めていろいろなスピーカー設置位置計算法をまとめたサイト
Noaudiophile Speaker Placement Calculators

両方とも部屋の寸法(縦・横・天井高)を記入すると壁からの距離を自動計算してくれる。

例えば僕の部屋の幅は3.5mなので上記カルダスのサイトで計算すると「スピーカー後方の壁から1.56m、横の壁から96cmのところがウーファーセンター」という答えが出る。

実際にこの位置にスピーカーを置いてみると今までと比較してスピーカーは相当手前に比較的狭い間隔で並ぶことになる。そこで音楽を聴くとなるほど低音は豊かになるし、壁から離れた視覚的効果も含めて奥行きは増す。引き換えにスピーカーが近づいた分、広がりは減った。

とかなんとか言いながら、今週は毎晩、違う方法を試している。アクセサリーの変更に比べて効果がわかりやすいので面白い。

前後の音場感

先日も書いたが、このところちょっと仕事に余裕がある。ありがたいことである。経験上、こういう時間は長くは続かない。なので、同僚に対して一切の遠慮なく早めに会社を出た(笑)。

会社からほど近い所に商社系のオーディオショップがある。今までも何度かお邪魔しているのだが、ウエブサイトを見たら面白そうなアンプがあったので、電話していくつか試聴させてもらうことにした。

今日聴いたのはいずれもプリメインアンプで、SPEC、Gato Audio、LUXMANの3つ。前二者はD級、LUXMANはA級の方である。先日、視聴して好印象だったマグネパンのスピーカーを用意してもらって、CDとレコードを3つのアンプを切り替えながら聴くという、お店のスタッフにとっては面倒くさいことこの上ない客だったのだが、一緒に聴きながらにこにこと対応してくれた。

スタッフは僕が到着するまでにセッティングして先に聴いていたので感想を聞くと、彼はラックスが良いと言う。今日のマグネパンは一番小さなタイプだったが、それなりに力のいるスピーカーなので出力以上に馬力のあるラックスが合うのではないかというコメントである。

なるほど。

ではではと聞き始めた。まずはお薦めのラックスから。う~ん、ラックスのA級と聞くととろっと甘い音を想像してしまうが、意外に歯切れの良い音である。高音も綺麗だがそれ以上に中低域に充実感がある。プレナーからそれなりに重みのある音が出るあたり、スタッフの言うとおり馬力があるのだろうか。

次にSPECを聴いた。スタッフによれば、この組合せは綺麗で優しい音だが力感が足りないかも、とのことである。なるほど。ちなみに聴いていたのは上原ひろみの"Another Mind"だったのだが、優しいとか力感がとか言う前にピアノがびっくりするほど手前で鳴っている。まるで自分がピアノに向かって弾いているような感覚だ。ベースやドラムスとの前後の距離感が凄い。家でこのCDを聴いてここまで前後の奥行き感を感じたことはなかった。

Gato Audioに行く前にもう一度ラックスマンに戻してもらったのだが、SPECほどの奥行き感はない。が、やはり家で聴くよりはピアノは手前にあって、ベースやドラムスとはきっちり分離している。

なるほど。

一応、Gato Audioにも繋ぎ変えてもらったのだが、すでに頭の中はアンプの違いより前後の音場感のことでいっぱい。Gato Audioも奥行き表現は深い。ただし、3つの中では力感は一番少ないか。

なんだかんだ小一時間試聴した後、スタッフにお礼を言ってお店を出た。帰りながら、やっぱり大事なのはセッティングだなと思った。正直に言えば、3つのアンプ、僕はどれでも満足できる。だが、おそらくどれを家に持ち帰っても今日聴いた奥行きは再現できないだろう。少しでも近づけるように今の機材でいろいろ試してみよう。

たまにはちゃんとした環境で試聴するのも良いものだ。

シューベルト交響曲第9番「グレート」 : ワルター

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ワルター・ステレオ大全集から引き続きシューベルトの交響曲集を聴いた。このセットには5番、8番「未完成」、9番「グレート」の3曲が収録されている。

ところで、このブログではずっと「未完成」を8番、「グレート」を9番と表記しているが、どうも最近は「未完成」が7番、「グレート」が8番と呼ばれることもあるらしい。ウィキペディアによれば国際シューベルト協会が1978年に目録を改訂して以降、そういう付番になっているという。このLPは71年の発売なので当然、「未完成」が8番、「グレート」が9番になっている。78年と言うと僕がクラシック音楽を聴き始めた頃にはすでに改訂後である。それ以来、ずいぶん時間が経っているが、割と最近の録音でも9番「グレート」となっていたりして紛らわしい。今後もこの曲を取り上げる時にはLPなりCDの表記に従うことにしよう。

さて、ワルターのシューベルトだが、昔、何度か聴いたことがあるのは「未完成」だけで5番は初めて聴いた。そもそもシューベルトと言うと普段「未完成」と「グレート」くらいしか聴かない。クライバーが録音してなかったら3番は一生聴かなかっただろう。そんな状況で聴いたのだが5番の演奏は素晴らしかった。こんな良い曲なのかと驚いた。思わず2回聴いたくらいである。続いて聴いた「未完成」は期待が大きすぎたのか正直言って驚きはなかった。それに前の持ち主が「未完成」ばかり聴いたのかちょっとノイズも多めだった。で、次に「グレート」を聴いているのだが、これはもう最上級に素晴らしいと思った。

なんというか、陽だまりのような、明るくて朗らかで暖かい演奏である。明るいけど眩しすぎず、朗らかだけどうるさくなく、暑苦しくもなく本当にちょうどいい塩梅の、幸せな演奏だ。ワルターのこの曲の録音はこれ一枚らしいが、こんな素敵な演奏がステレオ録音で残ったのはこれまた幸せなことである。59年録音だが演奏を楽しむになんの不満もない。名盤。

ハイドン交響曲第100番「軍隊」 : ワルター

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去年までは年末前の11月がやたら忙しくてこのブログの更新も滞りがちな月の筆頭だったのだが、1月の異動後初めて迎えた11月は幸せなことに今のところ時間に余裕がある。昨日に続いて今日の昼食後も空き時間があったので、連日のレコード社詣でとなった。3階のクラシックフロアに上がるとレジにいたのは昨日と同じ店員さん。まっすぐボックスセットの並ぶ棚に向かって見上げると、まあ当然だが、昨日買わなかったワルター大全集がそのまま残っている。2割引セールは昨日までと知っていたが、あと三巻、値札のとおり、1枚当たり500円で買うかどうか考える。その間おそらく5秒くらいか。

「2割引で良いですよ。」

僕の心中お見通しのごとく、店員さんから声がかかって、勝負あり。結局、お店に並んでいた七巻のうち、手持ちのマーラー選集以外、六巻をまとめて買ってしまった。

ハイドンとシューベルトのレコードが収めれたボックスは全集八巻のうちの第六巻に当たる。4枚組だがハイドンは88番と100番のカップリングの一枚のみ。背表紙の日焼け具合がほとんど同じなので、今回購入した六巻は一人の持ち主がまとめて売ったものと思ったのだが、帰って良く見るとこのボックスだけ帯とワルターのポスターが付いていないので別の売り主なのかもしれない。実際、ハイドンに針を落とすと昨日のモーツァルトとは明らかに盤面の状態が違う。パッと見たところ綺麗なところは同じだが、針を落とすと特に外周部分でプチプチとノイズが入る。手荒に扱った様子はないが、それなりに聴き込んだレコードと言う感じがする。

ワルターのハイドンは手持ちのCDボックスにもあるはずだが、聴いたことがなかった。88番から聴き始めたが、最近の細身でシャープなハイドンの演奏はもとより、デイヴィスやドラティ、さらにはヨッフムの演奏でも聴けないなんとも懐かしいような心地の良い演奏が聴ける。「軍隊」も同じで聴き始めてすぐにゆっくりとしたテンポに驚かされる。でも、ゆっくりゆったりとしているからと言ってのろまな感じもしない。絶妙な味付けである。解説は故宇野功芳氏が書いているが、なるほどこういうのを「ロマンティック」な解釈と言うのか。で、あれば、ロマンティックなハイドンもぜんぜん悪くない。これまた素晴らしい演奏である。

モーツァルト交響曲第36番「リンツ」 : ワルター

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今日は仕事に余裕があったので、お昼ご飯を食べた後にふらふらとレコード社に寄ってみた。新入荷の棚をぱらぱらと見た後に気になる作曲家のコーナーをちらっと見たのだが、特にこれと言ったものなし。さあ、帰るかと思って棚の上を見上げるとワルターのステレオ大全集がずらりと並んでいるではないか。今まで気づかなかった。

マーラーから始まってブラームスまで全八巻のうちベートーヴェンの「その2」を除いた七巻が揃っている。マーラーは家にあるのでブルックナーとブラームスを手にしてレジに向かったところ今日はセールで2割引だと言う。ちょっと考えてモーツァルトも買うことにした。本当は全部買いたかったくらいだが、三巻、14枚のレコードでも十分重いので止めた。

帰宅してうちにあるマーラーのBOXと比べたのだが、今日買ったものは保存状態が良かったらしく背表紙の色がぜんぜん違う。モーツァルトの箱を開けると経年変化で紙にシミはあるが、盤面はすこぶる綺麗。それほど聴かれていないようである。元気がないと聞く気が起きないモーツァルトだが、良いレコードが手に入って気分が良いので早速一枚目の「ハフナー」と「リンツ」を聴いた。

「ハフナー」ももの凄く良いのだが、裏返して聴いた「リンツ」は個人的にはもっと良かった。「何これ!良い!」って思わず口に出してしまうくらい良い。序奏から典雅で弦楽器が艶やかだし、木管の響きも柔らかくてすっかり惹き込まれる。そこに絶妙なテンポで第一主題が出てくるのだが、下で支える低弦の刻み方がまた素晴らしい。てな感じでいつまでも滔々と良いのである。録音も59年というステレオ初期のものとしてはとても充実している。ある程度ヒスノイズはあるが、高音の耳当たりが良くて、むしろ60年代から70年代のCBS録音より聞きやすい。名盤。
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ばけぺん

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