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ベルリオーズ 「幻想交響曲」 : デイヴィス

幻想Cデイヴィスコンセルトヘボウ

友達から電話がかかってきて音楽を聴いていると言ったところ、どんな音楽かと聞かれた。「ショスタコーヴィチの交響曲第11番」と言うと作曲家の名前も知らないと言うので、YouTubeでも調べて、特に第2楽章を聴いてみると良いよと伝えた。しばらくしてまた電話があり、「こんな音楽ばかり聴いていてストレスでもあるのか?」と言われた。実話である(笑)。ちなみにYouTubeでこの曲を検索すると第2楽章の虐殺シーンのみ同曲異演を抜粋したクリップが並んでいる。年代別に代表的な演奏を切り取ってくれているので僕的にはとても面白い。この作品を作った人もストレスを抱えているのだろうか(笑)?映像付きの全曲もいくつか聴けるが、音楽だけの時とはまた違った感動が味わえる。

友人にそう言われたからというわけでもないのだが、3回に1回くらいは違う曲をと思って聴いたのがC・デイヴィス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏による「幻想交響曲」。とはいえ、最近、「幻想」も良く聴いている(笑)。74年録音のデイヴィス2回目の録音である。デイヴィスの「幻想」と言えばやはりこれか次のVPO盤ではなかろうか。この演奏、若い頃は正直言ってそれほど良いと思わなかった。ミュンシュに代表される情熱的な演奏に比べるとずいぶん地味に聞こえたし、フィリップスの録音が大人の味付けでパッとしなかったのである。

今、この演奏を聴き返すと知情のバランスが見事に取れた音楽に圧倒される。96kHz/24Bitにリマスタリングされた録音もホールの雰囲気を多めに残して良い感じ。もっとも自分が気づかなかっただけで元から良い音なんだと思う。この曲、演奏によっては3楽章を挟んで前半と後半で極端に違うものもあるが、デイヴィス/コンセルトヘボウ管の演奏は最初から最後まで細部にまで神経の行き届いた丁寧な演奏である。後半二楽章は馬力もあるが、決して下品にならない。オケの響きの良さも特筆ものである。
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ショスタコーヴィチ交響曲第11番 : 井上

井上ショスタコ全集 (2)

金曜日に有給をもらったので僕は四連休だったのだが、いつものように、あっという間に休みは過ぎ去ろうとしている。昨日は用事があって休みには珍しく都心に出かけたのだが、雨まじりの天気もなんのその、三連休の街はどこもかしこもとても混んでいた。探し物があって東京駅の東側から新宿駅の西側まで移動したのだが、最後に訪れた三つ目の店で気に入ったものを見つけることができた。買い物嫌いなので、出かけるのはとても苦痛だったのだが、その甲斐あって良い買い物ができた、かな?と思う。

Qobuzのメンバーシップには何種類かあって、HiFi Sublime +というメンバーシップだとハイレゾデータストリーミングに加えてダウンロードファイルが割引になる。最初に登録する時には勝手がわからなかったのでファイル購入もするかもと思って加入したのだが、今のところ一つも購入していない。もったいないと思って昨日の夜、ハイレゾファイルを物色していたらカラヤン/BPOのブルックナー選集を見つけた。4番~9番までの6曲が最高192kHz/24Bitのデータで割引後9ドル弱である。こりゃ、安いんじゃなかろうか?と言うことで、今朝、早速購入した。ところが、である。ダウンロード速度の遅いことと言ったら今までe-OnkyoやMoraで体験したことのないレベル。仕方ないので今晩、一晩かけてチャレンジしてみようと思う。もしかしたら、使い方、間違っているのかなあ。

さてさて、ここ最近、すっかり嵌ってしまっているショスタコーヴィチの交響曲第11番。今日はストリーミングでは聴けない井上さんのCD全集から聴いてみた。この全集、全部で6つのオーケストラとの演奏が録音されていて、11番と12番は名古屋フィルの演奏である。申し訳ないが、名古屋フィル?大丈夫か?という気持ちで聴き始めたのだが、いやはや、この演奏は優秀である。凄演と言って良いと思う。細かい疵はある。多少、縦の線が揃わないところもある。が、そんなことまったく関係ない。

井上さんの指揮はこの曲でも非常にダイナミックで、じっくり静かに始まる冒頭から音楽が次第に熱くなって、二楽章に入る頃には不穏なムードとともにテンポもかなり上がってくる。虐殺シーンはライブであることも手伝って聴いている方が思わず身を乗り出すような迫力。頂点からの静寂がまた良い。そのまま静かな第三楽章に入っていくが、ここでも後半に音楽はどんどん熱を帯びて終楽章になだれ込む。最後の最後までメリハリの利いた、聞かせ上手な演奏である。録音も優秀。これは名盤だと思う。

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 : ガーディナー/レヴィン

レヴィンガーディナーベートーヴェン

夕方、美容室に行ってきた。僕が良く美容室は近くのショッピングモールの中にあって、お客さんは(僕も含めて)大半がモールの近所に住んでいる人達のようだ。男女比はだいたい3対7くらいだろうか。と言っても、僕が行くのはほとんど週末なので、平日がどうかはよくわからない。何度か平日の午後早くに行ったことがあるが、男女比の前にお店はガラガラでスタッフの方が多かった。

僕の住んでいる郊外は人口減少と高齢化が進んでいるのだが、その割に美容室はあちこち目につく。競争が激しそうである。そのせいで客の数が足りないのか、人件費が高騰しているのかわからないが、最近、多少の値上げがあった。都心の美容室に比べればまだ安いが、1,000円台で散髪できる店に比べるとだいぶ高い。うーむ、大丈夫だろうか。面倒くさがりの僕はこの店が閉店して新しい美容室を探さなくてはならない事態はなんとしても回避してほしいと願っている。

閑話休題。ショスタコーヴィチばかり聴いているのもなんなので、気分を変えてガーディナー/レヴィン/オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクの演奏でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を聴いた。レヴィンはハーバード大学で教鞭もとっていた音楽学者にしてピアニストということである。

レヴィンはピアノフォルテを弾いているのだが、これがまずとても良い。小さめの音量で素朴な響きに魅せられる。レヴィンの演奏はと言うと、これが意外なほどに思い入れたっぷりなのである。ガーディナー/オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクの演奏は交響曲と同様、ダイナミックで生気に満ちたワクワクするもの。自由闊達なフォルテピアノを見事にバックアップしている。実際の演奏ではフォルテピアノの音がかき消されてしまいそうだが、音量のバランスも良い。これは良い演奏である。

ショスタコーヴィチ交響曲第11番 : スラドコフスキー

スラドコフスキーショスタコーヴィチ

昨日の夜、ヤルヴィの11番を聴き過ぎたせいか、夢の中でも第2楽章が鳴っていたような気がする(笑)。結果、せっかくゆっくり寝ようと思って、実際、いつもよりずいぶんゆっくり起きたのだが、なんとなく寝不足である。特に予定もなかったのでもっと寝ても良かったのだが、寝過ぎで頭が痛くなるのも嫌なのでのろのろと起きだしてきた。

遅めの食事をしているうちに家人はそれぞれ用事があって出かけて行った。これは大音量での音楽鑑賞のチャンス(笑)とばかりにそそくさとオーディオ部屋に移動して音楽を聴き始める。聴くのはもちろん昨日に続いて11番である。

昔から時折、一つの曲を集中して聴く癖があったが、ちょっと前まではこれはという曲を見つけてからCDを物色していたので実際に届いて聴くまで時間がかかった。が、今や、クリック一つで何十種類も同曲異演が楽しめてしまう。なんと素晴らしいことか。

第2楽章のピーク部分のみ聞き比べることも簡単に可能だが、そこまで行くと音楽鑑賞なんだかなんだかわからなくなってしまう。いや、ただの趣味なので、別になんでも良いのだろうが、今のところ、そこには一線を引きたい。と言うことで、どの演奏で全曲聴こうかと思った時に指揮者もオケも今まで一度も聴いたことのない組み合わせが何枚かあった。

それぞれ面白そうだったが、今朝、聴いたのはアレクサンダー・スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団の演奏する全集からの一枚。スラドコフスキーはロシアの指揮者で経歴を見るとロシア国内やヨーロッパでかなり活躍している様子。タタルスタンと言うのはロシア連邦の中の一つの共和国でモスクワから数百キロ離れた場所にあるらしい。数年前にリリースされたばかりの全集でレーベルはかのメロディアである。欧米のクラシックレーベルが消滅寸前のところ、国営(なのかな?)レーベルはしぶとい。

21世紀のメロディアレーベルは録音クオリティも実にしっかりしていて、最新録音だけにスッキリと鮮明な音で録られている。90年代に録音されたDGのヤルヴィ盤よりはるかに良好。そういう好条件の下、演奏もまた実に良い。タタルスタン国立交響楽団、今まで聴いたことなかったが、さすが、ロシアのオーケストラである。なんのためらいもなくまっすぐ飛んでくる金管の響きに雰囲気のある弦楽器と少々軽いが明確な打楽器が織りなす音楽はとても聴きごたえがある。楽しみにしていた第二楽章はヤルヴィほどではないが、これまたスピーディ。途中からの狂乱的な部分の響きがなぜかハチャトゥリアンを彷彿とさせるのが面白い。ほかの曲もしっかり聴いてみたくなる好演奏だった。

ショスタコーヴィチ交響曲第11番 : ヤルヴィ

ヤルヴィショスタコーヴィチエーテボリ

明日から三連休だというのにあいにくの空模様。もっとも、関東について言えば、完全に雨模様は日曜日だけのようだが、中日が雨となるとお出かけの予定も立てづらい。なんて言ってるが、個人的には特に予定があるわけでもない(笑)。しばらくずっと忙しかったし、三連休はいつにもましてのんびりしようという算段である。

三連休は家でグダグダする代わりに今日、有給休暇をもらってゴルフに行ってきた。昨日の午後からずっと雨が降っていて、朝起きた時にも霧雨が続いていたのだが、ゴルフ場周辺のピンポイント予報では遅くとも昼頃に雨は上がるとされている。それを信じて決行したところ、予報は実に正しく、ティーオフ時点で邪魔にならない程度に振っていた雨も9時半頃にはほぼ止んだ。雨が止んでも分厚い雲に覆われたままだったが、風はまったくないし、暑くもなく寒くもなく、日焼けの心配も少ないという、ゴルフには理想的な天候だった。今日はショットの調子も良くてスコアも良かった。しかも最終ホールはバーディというおまけ付き。いやあ、楽しかった。

平日だけあって進行も早く、3時過ぎには家に帰った。風呂に入って早めに食事を済ませてから聴いたのがネーメ・ヤルヴィ指揮エーテボリ交響楽団の演奏するショスタコーヴィチの交響曲第11番。以前に比べて満遍なく聴くようになったショスタコーヴィチの交響曲だが、歌(合唱)なしの交響曲の中で今のところもっとも疎遠なのがこの曲。最近、ショスタコーヴィチ本人立ち合いの下録音されたというクリュイタンス指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏を皮切りにちょこちょこ聴き始めている。

同様にロシアの革命の歴史を描写した12番に比べると晦渋で長いという印象だったが、聴き続けているうちにだんだん面白い曲と思えるようになってきた。全曲で60分前後、長い演奏だと70分を超えるものもある中、ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団の演奏は55分を切るテンポ設定である。全部調べたわけではないが、録音された中で最も速い演奏かもしれない。とはいえ、聴いていて急ぎ過ぎと感じたり、消化不足を感じることはない。実に見事なオケの統率であり、オケもそれに存分に応えていて素晴らしい。特に第二楽章の展開はスリリングでこれを聴くだけでもこの演奏を聴いてみる価値があると思った。非常に良い演奏である。

ベルリオーズ 「幻想交響曲」 : ムーティ/フィラデルフィア管

ムーティ幻想フィラデルフィア

昨日はCSOとの「幻想」を聴いたので、今日はフィラデルフィア管との演奏を聴いてみた。ムーティは80年から92年までフィラデルフィア管の音楽監督を務め、かなりの数の録音を残している。僕はリアルタイムでは旧譜で安くなっていたオーマンディ盤を購入することが圧倒的に多くてムーティ/フィラデルフィア管の録音を聴くことは稀だった。最近になってCDやストリーミングでこのコンビの演奏を聴くと、まず内容に不満を感じることはない。さすが、クレンペラー、オーマンディ、チェリビダッケといった巨匠達がその才能を認めた指揮者だけのことはある。

この演奏は84年の録音。EMIの録音というと少々音が心配になるのだが、Qobuzで聴く限り、スカッと爽やかとは言い難いが、しかし、適当な奥行き感を持った落ち着いた録音である。これなら演奏の足を引っ張ることはない。40代前半のムーティの指揮は非常にオーソドックスにこの曲を構成しながら、ここぞという時の歯切れが非常に良く、聴いていてワクワクする。重戦車のようなCSOとはまた違ったフィラデルフィア管の妙技も素晴らしい。これもとても良い演奏である。

ベルリオーズ 「幻想交響曲」 : ムーティ/CSO

ムーティCSO幻想

今日は天気が持つという予報だったので、予定どおりゴルフに行ってきた。考えてみればたぶんGW以来なので、自分的には結構久しぶりのゴルフである。たしかに雨がは降らなかったのだが、ゴルフ場に行くと思いのほか風が強い。山の上にあるゴルフ場なので、特にそう感じるのかもしれない。朝イチの練習場から今日は上手く打てそうな気がしなかったが、実際、その通りで前半は9つのホールでOB 6回(笑)。お話になりません。

情けない気持ちいっぱいで帰宅したのだが、帰ってすぐに石川遼選手が日本プロゴルフ選手権に優勝したことを知って、悲しい気持ちもすっかり吹き飛んだ。昨日まで良い調子だったので期待しつつ、今日、ゴルフ場で途中経過を見た時にはトップから8打くらい離されていたので、正直、そこから優勝するとは思わなかった。とにかく、めでたいことである。優勝は3年ぶりということだが、その間、怪我もあったし、思ったとおりにいかず辛かったことだろう。顔つきもすっかり精悍になって、ますます恰好良いと思う。これからもどんどん活躍してほしい。

さてさて、昨日のガーディナーに続いて今日はムーティ指揮シカゴ交響楽団の演奏による「幻想交響曲」を聴いた。ムーティがCSOの音楽監督に就任した時のコンサートで、「幻想」の対になっている「レリオ」とカップリングされている。CSOの「幻想」と言うとショルティ、アバドの演奏を思い出すが、ムーティとのライブ録音も安定感抜群で非常に良い演奏である。ムーティはCSOとは自分の好きな演目しか演奏しないと言っていたと思うので、就任コンサートに選んだということはこの曲によっぽど自信を持っているのだろう。最初から最後まで見事なフレームワークで盤石の展開。巨匠の演奏である。

ベルリオーズ 「幻想交響曲」 : ガーディナー

幻想ガーディナー

ベートーヴェンに続いてガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネール・エ・ロマンティークの演奏で「幻想交響曲」を聴いてみた。91年録音ということなので、録音順で言えばベートーヴェンより前ということになる。リリース当時はおそらく大きな話題になったのではないかと思うが、当時の僕はのんびり音楽を聴けるような生活状態ではなかったので、この演奏のこともぜんぜん知らなかった。考えてみれば90年代全体を通じてあまり音楽を聴けていないが、特に前半は新譜に触れる機会なんてほとんどなかった。これからはその時期の録音を意識して聴いてみようかな。

自分にとって、「幻想交響曲」はクラシック音楽を聴き始めたかなり初期の段階で出会った曲の一つである。モントゥー最後の「幻想」である北ドイツ放送交響楽団との演奏が記念すべき最初のアルバムだった。それ以来、ずっと好きな曲の一つであるものの、いまだにどうも掴みどころのない、得体のしれないところがある曲の一つだ。指揮者とオケの組合せと解釈で振れ幅の大きな曲と言っても良い。ミュンシュ、ショルティ、コリン・デイヴィス等々好きな演奏はたくさんあるのだが、それぞれは相当違う。自分の中でこういう演奏が良い(って言うのもおこがましいが。)という基準がないのである。

ガーディナーの演奏を聴いてみるとこれはまた聴き慣れたモダン楽器の世界観とはかなり違った音楽が聴ける。古楽器で演奏されることによってより古典派的な印象が強まるかと思いきや、たしかにコンパクトでキビキビとした演奏ではあるのだが、むしろ、この曲の狂気じみたところがますます強調されて異端の色合いが濃くなるような気がした。この曲って当時、すごく斬新で型破りだったんだろうなあと思う。とても面白い演奏である。

マーラー交響曲第6番 : パーヴォ・ヤルヴィ

ヤルヴィ悲劇的

職場の同僚が留学するために会社を辞めることになり、今週は彼の送別会があった。うちの職場の場合、組織としてそういう会合を開催する習慣がなく、有志による企画なものだから、人望の厚い人の場合、何度も送別会がアレンジされることになる。彼の場合、僕が呼ばれているものだけで先週からすでに3回、来週にももう1回送別会が予定されている。そろそろ話す話題もなくなってきた(笑)。なんにしても大きな決断をした彼の将来が明るいことを祈ってやまない。

このところずっと天気が悪い。天気図を見る限り、今日は晴れているようだが、九州では雨が長い間降り続いて被害が出ているし、関東も毎日雨が降ったりやんだり。今日はゴルフの予定があったのだが、今週初めの段階で無理をせず中止にすることにした。蓋を開ければゴルフ場の周りの雨は上がっているようだが、しょせん遊びである。無理をする必要はどこにもない。ゴルフが中止になったおかげで、今日は3か月ぶりの歯科検診に行くことができた。毎日頑張って歯をきれいにしているつもりなのだが、検診に行くたびに磨き残しを指摘されてしまう。あまり歯並びが良くないせいか、よほど根を詰めて磨かないといけないようだ。

職場の友人からパーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団の指揮するマーラーの交響曲第6番のハイブリッドCDを貰った。僕にくれた友人はどうもこのCDをN響関係者から貰ったらしい。せっかくのプレゼントだったのだろうが、クラシック音楽に興味のない人達にとっては無価値なのだ。僕は思わぬ幸運に大喜びだが(笑)。

ヤルヴィがN響をヨーロッパに連れて行った時のメインレパートリーの一つがこの「悲劇的」だったようなので、常任指揮者就任以来、力を入れている曲なのだろう。このCDの演奏はヨーロッパツアー前に横浜で演奏されたライブ録音ということである。今はまたSACDを再生する機材がなく、CD層で聴いたのだが、こういう立派な録音で聴くとSACDもハイレゾも特に必要性を感じない。少々ドライな録音だが、それゆえに各楽器の分離がことのほか良くて、主旋律の背景で目まぐるしく動きまくる弦楽器の音やら旋律を受け渡しする楽器の移ろいが非常によく聞き取れる。そして、どの楽器もライブでありながら完璧である。第1楽章を聴き始めた時には、とてもクリスプだがちょっとこじんまりし過ぎかと思ったのだが、楽章が進むとともに丁寧で精密なミクロが積みあがって出来上がったオケ全体の迫力も増してくる。終楽章は特に熱い演奏だが、全体の印象は知的なままでものすごくクールに感じる。これは良い演奏である。名盤。

ベートーヴェン交響曲第7番 : ガーディナー

ガーディナーベートーヴェン78

火曜日からの出張を終え、今日は早めに帰宅することができた。出勤時間と重ならない午後の新幹線に乗ったのだが、自分が乗った車両はアジア系の旅行客とインド系の旅行客の二つのグループが乗り合わせていてほぼ満席だった。確かにグループで席を押さえるには良い時間帯かもしれない。それにしても、一昔前に比べて日本を訪れる外国人観光客の数は相当増えているように感じる。経済発展を続ける国の人たちから見たら長期にわたって物価の変わらない日本は値ごろ感があるに違いない。

どうもGW以降、ずっと仕事が忙しく、このところ、まとまった時間音楽を聴けない日々が続いている。とはいえ、家に帰れる限り、その気になれば一時間くらいは時間が取れないこともないのだが、そういうせわしない時間だと聴く気になれない作曲家や特定の曲があって、僕にとってはベートーヴェン、特に3番以降の曲はそういう例の一つである。

曲の長短は物理的な制約要件ではあるものの、むしろ気分的なものが大きい。ハイドンは良くてモーツァルトはだめ、シューベルトやシューマンは大丈夫でベートーヴェンはきつい。ブルックナー、マーラーよりはショスタコーヴィチの方が聴きやすい。こうやって羅列してみても法則性が見いだせないのだが、まあ、実際、そうなのである。

と言うことで、平日としてはいつもよりもうんと時間のある今日はベートーヴェンを聴いてみた。ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック(覚えられない名前である。)の演奏。実はこのところプチ・ガーディナー・ブームなのだ。同じコンビによるシューマンの交響曲集を比較的最近聴いたところ、非常に鮮烈で良い演奏だった。

このベートーヴェン全集は94年のレコード・アカデミー大賞を受賞している。時期的に言っても古楽器演奏のポジションを確立させた、というか、以降、むしろこういうベートーヴェンが正統という風潮を生みだした演奏に当たるだろうか。僕は初めてこの演奏を聴いたのだが、組み合わせられた8番ともども、実に溌溂として生命力に溢れた演奏である。いかに史実に忠実でもはく製のように干からびた演奏では説得力がない。その点、この演奏はリズミカルでメリハリの利いたわかりやすい名演奏である。録音も良い。名盤。
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ばけぺん

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