ESL63 proのセッティング

ESLを購入して3か月。まだ3か月しか経っていないと考えるとちょっと驚き。毎日のように向き合っているのでもうずいぶん長い付き合いのような気がする。前にも書いたが、僕の部屋にこのスピーカーはかなり大きい。先日、久しぶりに遊びに来た妹夫婦は「衝立」と呼んでいたが、確かにそんな感じだ。隣の部屋に続く扉側にスピーカーを置いているので出入りにも少々邪魔である。おまけに左右のスピーカーの間には、右側のスピーカーに寄せてCW250Aが置いてあり、都合三本の電源ケーブルが6口の電源タップから延びているのでまさに足の踏み場がない。ESLで検索すると素敵な応接間に余裕をもってセッティングされた写真が並んでいる。うらやましい限りである。

僕の部屋はごくごく普通の長方形で天井も標準の2.4mしかないので壁に平行にセッティングすると盛大に定在波が発生してしまう。だいたいスピーカーから試聴位置までが1m強しかないので、そもそも平行セッティングは無理がある。ということで、導入当初から多少の内振りにしていた。

ESLの前に所有していた通常のダイナミック型のスピーカーとは鳴り方が全然違うので、まずはこのスピーカーに馴れるため、導入後、しばらくはセッティングを変更せずにじっと聴いていたが、だいたいどんな曲がどんな風に鳴るか感覚が掴めてからはソファの位置を前に出したり後ろに下げたり、スピーカーと壁の距離を開けたり詰めたり、左右のスピーカーの間隔を変えてみたりといろいろ試してみた。

ムラタのツィーターとサブウーファーも併用しているので、これも外したりまた付けたり。ツィーターを置く位置を内寄りにしたり外寄りにしたり、細かく前後位置を変えたりと神経質に実験してみた。スーパーツィーターが再生するような高音域は波長が短いのでそれこそミリ単位で調整が必要という記事をけっこう目にするのだが、僕の駄耳には残念ながらミリ単位では違いがわからないようだ。ただツィーターの位置を中央からオフセットしたり、ESL本体と違う向きにした時にはステレオイメージの点で違和感を感じたのでESLと同じ向きで中央にセットしている。

サブウーファーの方はいまだに迷いがあって電源を入れたり落としたり、時には完全に外したりしている。オーケストラ物を聴く時にはやっぱりある方がバランスが良いのだが、多少低音が足りなくてもサブウーファーなしの方がすっきりと透明感があって良いと思う時もある。曲によってかなり印象が違うので、本当は録音ソースによってこまめに調整しなおす方が良いのだろう。真剣にやるならソースごとに設定を記録すべきだろうが、そこまでいくと面倒くさい。音楽を聴くことが二の次になってしまいそうなのでそこまではしないことに決めた。

最後まで悩んだのがESLの内振りの角度なのだが、最終的にはかなり内振りにした。ソファに座っている時の膝の位置よりも少し前で交差するくらいの内振りなので、頭の位置では完全にクロスしているが、この振り方の時が一番スピーカーの存在を気にせずに済む。左右のスピーカーの真ん中にきちんと奥行を持って空間が広がる。こんなにクロスにしてなぜきちんとステレオイメージができるのか理屈がわからないのだが、結果は明らかに良い。こうすることでスピーカーの背面は部屋のコーナーを向くが、結果的には最も距離を稼げるのでそれも悪くないようだ。
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ESL63ProとEvanui μ

導入初期に故障続きだったESL63は最近、大きな問題もなく順調に稼働している。厳密に言うと電源投入後一時間くらい、二台のうち左側スピーカーに使用してる個体が不定期にノイズを発することがあるのだが、その後はまったく静かになる。このノイズは前にも書いた「薄い紙を破いた時のような音」なのだが、原因不明、正体不明である。最初は振動膜が破れているに違いないと思っていたのだが、ノイズが一日中まったく出ない時もあり、もしかしたらこれも電源由来の問題か?とも思う。いずれにしても実用上は問題ないのだから良しとしよう。

しばらくの間、ESLを押しのけて主役に座っていたEvanui μだが、今はベンチを温めている状態。キレの良い中高音は素晴らしいのだが、やはり曲によって低音不足が否めない。フォステクスのサブウーファー併用で聴いていたのだが、スピードの問題よりも音色が合わないのがだんだん気になってきてしまった。

高音から低音まで揃ったESLのスピードとμの中高音の切れ味、それに無指向性ならではの空間表現を併せ持つようなスピーカーがあったら理想だなあ、と思っているうちにふと気づいた。ESLにμを追加したらいいんじゃない?

IMG_0659 (2)
ということでやってみました「ESL μ」。ESLが三角形の帽子を被っているみたいだ。

並列に繋いだだけなのでスペック上、かなりの音域が重なることになる。これでμが普通のスピーカーだったら二つのスピーカーが干渉しあって話にならないだろうが、μは放射状に音を出すので何とかなるかもしれない。と思って、とにかく音を出してみた。

このところまったく使っていなかったので最初μは非常に奥ゆかしく鳴っていたのだが、だんだん調子が出てきた。それに連れて中高音がどんどん鮮やかになってくる。正直、思った以上に悪くない。背が高くなった上に天井に向けて音が出ている効果か全体的に音像がかなり上に移動する。

しかし、というか、当たり前というか、しばらく聞いているとだんだん粗も気になってきた。まず、特に一部の音域で定位がぼける。それに、例えばピアノの高音部でタッチが不鮮明になる。上下左右のステージ感は増したが、奥行がなくなってしまった。音としては面白いもののステレオイメージの点では問題ありだ。

帽子の位置をあれこれ移動させてみたのだが、本質的な解決にはならず結局元に戻した。複数のスピーカーを同時に鳴らして全体をまとめるのは大変だという勉強になった。

QUAD ESL 63 pro (3)

やはりというか、恐れていたとおりというか、QUAD ESLが故障した。到着直後からヒュ~~という空気が抜けるような音がした方のユニットがおかしくなった。

そうは言っても、ヒュ~という音はショップの方の言うとおり、それほど害のあるものではなかったようだ。始終ヒュ~と言ってたわけでもないし、ずっと正常に動作していたのだ。

つい先日記事にした「惑星」を喜んで聴いていたところ、急にクシャっという感じで薄い紙を破るような音がした。「あれ?」と思ってCDを止めてみるとクシャ、、、、、、クシャ、、、、クシャという感じで断続的に同じ音がする。一度、電源を落とすとしばらくは静かなのだが、しばらくすると同じことの繰り返し。正面から見て右手上方の同じところから音がするので、その部分の振動膜に何か異常が起きたようだ。購入して一か月なのでまだ保証期間内。修理してくれることは間違いないが、さあて、この大物をどうやって発送したらよいものか?仄聞するにヤマトはらくらく家財便でのスピーカーの取り扱いを止めてしまったというし。しばらくスピーカーがないのも痛い。ヘッドフォンもないし、音楽を聞く手段がないなあ。いろいろ考えたが、思い悩んでも仕方ないのでショップにメールして寝た。

翌日、朝、メールが届いていた。返送修理でもいいが、同等品と交換もできると言う。交換ならばその梱包でそのまま故障品を返品できるので迷わず交換を選んだ。もともとシリアルがバラバラの中古品である。こだわりはない。

うまくいけば日曜(今日)の夜にも発送できると聞いていたのだが、予想以上に速く、昨日、交換品が届いた。相当に年季の入った段ボールで到着したが、どうやらこれがオリジナルの箱のようだ。輸送中にダメージを受けないようたっぷり緩衝材が入っている。中からスピーカーを引っ張り出し、故障品とそっくり入れ替える。音出しして異常のないことを確認。ボーカルもしっかり真ん中に定位するので左右のユニットで大きな差はなさそうだ。耳を近づけても今度はほとんど無音。ホッとした。

ものすごく音は良いが、中古でこのスピーカーを買う場合には信頼できるところから買わないとエライ目に遭うこと間違いなしである。

Quad ESL63 Pro (2)

昨日に引き続きESLの話。このスピーカー、普通のスピーカーと違って故障のリスクが高いことは昨日も書いたが、実はすでに三日目にして気になることが起きた。。。一本のスピーカーからヒューという、まるで空気が抜けるような音がし始めたのである。音楽は普通に鳴っていたが、心配だったので早速、ショップにメール。小一時間で返信があり、「おそらく部屋の湿度の関係で放電している音なので大丈夫。」とのこと。ああ、良かった。念のためエアコンを除湿にしてみるとなるほどしばらくしてその音は消えた。大事には至らなかったものの、不安である。

「ESL63」で検索してみるとけっこうたくさんヒットするのだが、相当の割合で「故障」や「修理」の話である。皆さん苦労しているようだ。それでもこのスピーカーには持ち主を惹き付けて止まない魅力があるらしい。アメリカのStereophile.comでまとまったレビュー記事が読めるが、83年の初出記事から89年まで複数のReviewerがこのスピーカーについて語っている。一つのスピーカーについてこれだけ多くのReviewerが繰り返し記事を寄せているスピーカーは他に例を見ないのではないだろうか。

ESL63 Stereophile

「ESL63Pro」で検索しても日本語しかヒットしないのでてっきりこのモデルは日本仕様かと思ったら上記記事によるとアメリカでは「ESL63 US Monitor」と呼ばれているようだ。フィリップスの要請でスタジオ仕様に改良された「ESL63」をUSのディーラが輸入したものだが、当時ドル安でオリジナルの「ESL63」を値上げせざるを得ない状況だったことが背景にあるらしい。なるほどモデルチェンジすれば値上げしやすい。記事からは、この値上げに耐えられるマーケットでのみ「Pro」仕様が販売される予定と示唆されているが、実際はどうだったんだろう。(ちなみに、そうした背景はともかくとして、レビュー記事によれば、耐久性はもちろん、音の面でも「Pro」ないし「US Monitor」はオリジナルより優れていると結論づけられている。)

さて、昨日から肝心の音についてちょっとは気の利いたことを書こうと思って四苦八苦しているのだが、相変わらず文才に乏しいのでどうもうまく説明できない。はなはだ断片的だが今のところ感じていることをいくつか書くと、まず振動板が圧倒的に軽い上にストロークがごく短いおかげで音が軽々と出てくる。半面、低音はどうしても軽くなるが、ここはサブウーファーをごく控えめに使うことで補える。

位相がビシッと揃っている結果、奥行方向の情報がとっても正確。基本的に良いことなのだが、結果として録音ソースには敏感。マルチマイク録音やミキシングで必要以上にステレオ感や遠近感を強調した録音の場合、楽器が必要以上に前後左右に離れて聞こえて違和感が残る。さらにスピーカーケーブルによっては位相が微妙にずれるのか気持ち悪い。

もう一つ、不思議なことに、スピーカーを変えてからCDを聴く頻度が大幅に上がった。もしかしたら「不気味の谷」を越えたのだろうか?

Quad ESL63 Pro

僕が普段音楽を聴いている部屋は八畳間くらいの大きさの洋間だが、一つの壁(背中側)に作り付けの収納棚があり、向かって左側の壁には家の中で行き場を失った箪笥があるので、実際には六畳間程度の平面しかない。以前、リビングにオーディオを置いていた時にはもっと空間があったので大型スピーカーを置いていたのだが、オーディオをこの部屋に移してからは小型スピーカーで音楽を聴いていた。クラシック、特に管弦楽曲を聴く時の低音補強用にフォステクスのサブウーファーを一つ追加して、いわゆる2.1chで聴くことも多い。小型スピーカーでも特に不満はなかったのだが、先日、オーディオに目覚めた頃からずーっと欲しいと思っていたQuadのESL63Proを購入してしまった。

わかっていたことだが、部屋に入れるとかなり大きい。初代のESLに比べれば横幅がないとはいえ66cm×92.5cmの物体が目の前にあるのはかなりの圧迫感だが、背面からも音が出るので壁からはなるべく離したい。ぎりぎりのセッティングをした結果、壁からの距離は115cmになった。二台のスピーカーの中心とリスニングポジションは一辺1.2mの正三角形で配置している。おそらくESLを使っている方々の中では相当ニアフィールドセッティングだと思う。

ESL63proは86年の発売なのでもうすぐ30年選手になる。古い製品である上に高い電圧をかけて薄いフィルムを動かすという仕組みゆえか故障が多いらしい。僕が購入した個体はとあるショップで整備されたものだが、外見はネットがほつれていたり黒い木枠が擦れていたりと決して綺麗ではない。使い方を間違えなければ言うほど壊れないらしいが、少しでもおかしいと思ったら様子を見ないですぐに送り返してほしいと言われたのでデリケートな製品であることは間違いなさそうだ。今まで使っていたスピーカーは下取りに出そうかと思ったが、故障した時のバックアップとして保管することにした。

このスピーカー、巷では低音が足りないと言われていたのでその点は覚悟していたのだが、ボリュームを上げると結構なレベルで低音も出てくる。大きな出力を受け付けないので大音量も出せないと聞いていたが、狭い僕の部屋ではこれ以上の音量は無理というレベルでもびくともしなかった。スピーカー後ろからの音も反射するので意外なほど賑やかに鳴る。低音が出ないというより反射音の効果もあってか聴感上高音のレベルが高いと感じる。何曲かいろいろなジャンルの音楽を聴いて、低音を補強して全体のボリュームを下げるために、今までも使っていた村田製作所のES105とフォステクスのCW250を引き続き併用することにした。ES105は単体ではほとんど音が聞こえないが、併用するとなぜか低音が充実する。CW250は今までと同じレベルで鳴らすと中低音が濁って話にならなかったのでLPFを一杯まで下げてボリュームもごくごく小さくした。これも単体では隠し味程度にしか鳴っていないが効果は間違いなくある。ESLの使い方として邪道かもしれないが、エアボリュームを考えるとこうする方が無理がない。

到着してまだ三日目。それほど聴きこんでいないが、実に良い音だ。良く言われている通り、ボーカルや小編成の音楽はジャンルを問わず抜群に良いが、サブウーファーを併用している甲斐あってか大編成のオーケストラも悪くない。ESL本体のスピードが速いのでサブウーファーを使うことによるもたつきを懸念したが、僕の耳では大きな弊害は感じなかった。もう元のスピーカーには戻れない感じ。故障せず長く付き合えるといいのだが。
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