Saturday Morning : アーマッド・ジャマル

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先日、「But Not For Me」のLPがとても気に入ったアーマッド・ジャマルの現時点で最新のアルバムである「Saturday Morning」が届いた。前の年に録音された「Blue Moon」も一緒に買おうと思ったのだが在庫切れだったのでとりあえずの一枚。

録音した時に83歳というお爺さんだが、矍鑠とした演奏で知らなければ絶対そんな歳とは思わない。十分な重みをもちつつ濁りのないキラキラした音でスタインウェイを弾いていてなんとも素敵である。アーマッド・ジャマルはフランスで人気が高いらしく、二枚のアルバムとも彼の地で録音されている。

ライナーノーツに短い言葉で収録されたオリジナル曲について本人が解説しているが、曰く「いつもコンサートにケーキを焼いてきてくれるスタッフの妻への曲」とか「土曜日に自宅で書いた」とか脱力感溢れるコメントで良い感じ。演奏スタイルともどもとってもお洒落である。

スチューダーのオープンリールデッキを使いながらフィルターなしリミッターも最小限で収録されたとクレジットされている録音は鮮明でありながら音に厚みがあってこれまたとても良い感じである。
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ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」 : レヴァイン

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昨日まで出張だったので今日はその分の振替休日。予報ではいい天気だったのでゴルフ行こうかとも思ったのだが、届いてからしばらく手元にある書類とにらめっこした上で思いとどまった。代わりに午前中、申請書類を整えて午後一番で確定申告に行ってきた。毎年、ぎりぎりに書類を作成するので税務署に行く時間もなく郵送していたのだが、今日は時間があったのでこのあたりを管轄する税務署まで出向いた。

行ってみると締め切りまでまだ三週間以上ある平日だというのに駐車場は満車である。仕方ないので近くのコインパーキングに車を止めて歩いていったのだが、中は税務署の職員と一緒に書類と格闘する人たちで溢れている。総じて年齢層は高く、女性が多い。外国人と思しき方も何人かいる。自分でビジネスを営んでいたり、収入源が多数にわたる人、加えて外国でも税金を納めてたりすると計算も大変そうである。それに比べれば僕の場合、単純なのでまだ助かる。入り口そばの申請書提出窓口で作ったばかりの書類を渡して無事終わり。ああ、これで今年は締切前にハラハラせずに済む。

帰宅するとちょうど宅急便が届いたところだった。ジェームス・レヴァインがDGに残した録音をまとめたボックスセット。最近の報道を見る限りこのまま引退してもおかしくないレヴァインだし、理由が理由だけにひとたび廃盤になったら再販されないかも?と思って手に入れることにした。僕はレヴァインがRCAに残した録音は良く聴いたが、DGの録音はあまり聴いたことがない。完全にオペラの人という印象だったので管弦楽曲はほとんど興味なかった。

23枚組のCDの中できちんと聴いたことがあるのはBPOと組んだ「オルガン付き」やCSOと組んだ「惑星」くらいである。「幻想交響曲」とか「春の祭典」なんて存在も知らなかった。「天地創造」、「ミサ・ソレムニス」、ベルリオーズの「レクイエム」に加えて「大地の歌」と歌モノが多いのが、歌劇場の人らしい。ブラームスとシューマンの交響曲は旧録を全集で持っているので比較も楽しみである。

最初の2枚がベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」だったので一回くらい聴こうかとおもいつつやっぱりパス。で次に入っていたのが「英雄」と「未完成」の組合せ。オケはメトロポリタン歌劇場管弦楽団である。レヴァインとMETの「英雄」「未完成」とはなかなかの組合せである。これってアメリカ以外でも売れるのだろうか?最近珍しいベートーヴェンとシューベルトの組合せというのはボックスセット化の結果なのかなあ。

なんてことをつらつら考えつつ聴いてみたのだが、冒頭の「ジャン。ジャン。」二発ですっかりお気に入り(笑)。ちなみにこの部分に重さと厚さを求める人は聞かない方が良い。93年録音なので当時レヴァイン50歳。まだ実に溌剌としている。全体に流麗かつアップテンポな演奏で深刻にならずネアカな感じ。2楽章の木管も3楽章のホルンも達者な演奏だが、音楽は終始弦楽器主導のバランスでそこに管やティンパニが巧みにアクセントを付けていく。無数の演奏がある「英雄」の中で一番にはならないだろうが、良い演奏、好録音だと思う。

ブルックナー交響曲第4番 : ワルター

ワルターロマンティック

もしかしたら花粉症かなと思い始めたら自己催眠のようなもので、だんだんそうに違いないと思えてきた。試しにマスクをして出勤したらなんとなく調子が良いような。タイミングよく午後少し時間が空いたので、会社の近くにあるメディカルモールに立ち寄ることにした。午後1時をちょっと回ったところだったので、お昼休みのクリニックが多かったのだが、1時半まで空いているところを見つけて入ってみると運良く誰も待っていない。受付を済ませて数分後には名前を呼ばれて診察室へ。

「先生、かくかくしかじか、今まで花粉症という自覚はなかったのですが、かくかくしかじか。」と話をし終わるや否や「はい、じゃあ、花粉症の薬出しましょう。ひと月分で良いですか?」と言う返事。「いや、先生、話がわかる!」とも言えるし、「いやいや、先生、ぜんぜん患者のこと診てないじゃない。」とも言える。

まあ、せっかく処方していただけるものを断るのもなんなので、メジャーな抗アレルギー薬を処方してもらって同じビルの中の薬局で薬をもらうまでまた数分。都合10分くらいだろうか。首尾よく薬をもらえたわけだが、内心、これじゃ日本の医療費は嵩むわ、と思いつつ仕事に戻った。昼食後だったので早速一回目の薬を飲んだが、確か、この手の薬は血中濃度が上がるまでしばらく時間がかかるはず。まあ明日中には効果のほどがわかるだろう。

さて、今日も家に帰ってワルター/コロンビア響の演奏を聴いた。実はリッピングしたCDのほとんどがワルターのBOXセットなのである。何枚かのCDを手始めにリッピングした後、この39枚組のボックスセットに挑んで力尽きたというのが真相。まあ、そのおかげで最近、集中的に聴けている。

ワルター/コロンビア響の録音はオケが貧弱だとか音が薄いと言う意見も見かけるが、ベートーヴェンやブラームスを聴いてみると個人的にはぜんぜん気にならない。一方、この「ロマンティック」については、確かにオケの分厚さや迫力には欠けるかもしれない。低音域、特に低弦が足りないかなあ。ワルターの指揮も大きな演出がないのでなおさらそう感じるのかもしれない。が、一体、他の演奏とどこがどう違うのか僕にはわからないのだが、この「ロマンティック」は実に魅力的な演奏だった。音が薄いというか、実際、奏者の数も少ないのだろうか?それが不利に働かず、逆にあたかもすごく大きな編成の室内楽曲を聴いているような感じがする。全員が一斉に強奏している時ですら、それぞれの奏者が周りの音を聴きながら有機的自発的に細かい表情付けをしているような、そんな演奏だった。これはこれで素晴らしい。

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 : ブレンデル/アバド

アバドブレンデルブラームス2

午後、打ちっ放しに出かけたら昨日までのポカポカした陽気が嘘のように冷たい北風が吹き荒れていた。混雑を避けるつもりでお昼過ぎに行ったにも関わらず打ちっ放しはすごく混んでいて二階しか打席が空いていなかった。手がかじかむほどの寒さだったので100球だけ買って打ち始めたのだが、風にあおられて曲がる曲がる。こういう時に無理をするとスイングがぜんぜんわからなくなってしまうので後半はアプローチの練習に専念した。二階からアプローチと言うのもイマイチだったが、とにかく買った分の球を消化してそそくさと帰ってきた。

テレビを観たら平昌でも強風が吹き荒れているらしい。女子のスノーボード競技に至ってはほぼ全員転倒したと聞いたが事実ならちょっと選手がかわいそうだ。練習中に怪我をして決勝に臨めなかった選手もいるというし、天候はどうしようもないとはいえ、とにかく気の毒だと思う。

しばらくテレビを観た後に音楽を聴き始めた。今日は、このところ悪戦苦闘しながらリッピングしたCDをいろいろと聴いてみた。前にも同じことを感じたのだが、PCオーディオ(と言うのか?)って、手元、うちの場合はiPadで操作ができるのは便利なのだが、それが災いして一曲通して聴くのに忍耐力がいる(笑)。ある曲を聴き始めてはすぐに違う曲が聴きたくなったりして落ち着かない。LPは言うに及ばずCDであってもアルバムを入れ替えるには立ち上がって作業が必要なせいか、一枚聴き始めたらそれなりの時間聴き続けるのが普通だが、ファイルオーディオ(と言うのか?)の場合、曲のさわりを聴いたらすぐ次に行ってしまったりする。

そういう状況で、今日、曲を聴き通すことができたのはワルター/コロンビア響のブラームス交響曲第1番とブレンデル/アバド/BPOのピアノ協奏曲第2番だけだった。二曲ともブラームスってところが自分でも面白い。自分でも気づかずに今日はブラームスの日だったのだろうか。

ワルターの1番もすごく良かったので今度感想を書こうと思う。まずピアノ協奏曲第2番の方。この曲、古今東西のピアノ協奏曲の中でも個人的には1、2を争うお気に入りの曲である。高校生の頃に当時リリースされて間もなかったアシュケナージ/ハイティンク/VPOのLPを手に入れてしょっちゅう聴いていた。なのでこの曲を聴くともれなく高校時代を思い出す。特定の場面ではなくてあの頃をぼやーっと思い出すのである。今から思えばもっといろいろなことができたと思うのに実際は何もできなかったあの頃。あの頃、なんとなく思い描いていた将来と今の僕はずいぶん違ってしまったが、まあ、それはそれ。とにかく、この曲には思い出が詰まっているのである。

てなわけでいつもとおりちっとも演奏の感想がない。アバド指揮と言うと若い頃にポリーニと入れた演奏を思い出すが、血気盛んな印象だったそれと比べて15年後のこの演奏はやはり円熟している。もちろん、それはブレンデルのピアノあってのことに違いない。年齢はたった二つしか違わない二人だが、なんとなく若い頃から落ち着いた感じのブレンデルのピアノはちょうど還暦を迎える頃のこの録音では実にこの曲に相応しいと感じる。相変わらずの語彙不足で、まあ、一言で言えばとても素敵な演奏であった(笑)。だからこそ、最後まで聴いてしまったのである。

マーラー交響曲第10番 (フィーラー版) : オルソン

マーラー10番オルソン

連日寒い寒い言っているが、ニュースを見ると北陸では大雪だし、もうすぐオリンピック開幕の平昌では氷点下15度だという。昨日のスーパーボウルの舞台となったミネアポリスに至っては氷点下20度である。せいぜい氷点下一桁の環境で寒がっていたら罰が当たる。これからはあんまり言わないようにしよう。

帰宅して聴いたのがオルソン/ポーランド国立管によるマーラーの交響曲第10番。フィーラー版による演奏。フィーラーもカーペンター同様、プロの作曲家ではなく音楽愛好家だという。本業は公務員らしい。クックより早く補筆に着手し、第三稿が65年に初演された後も改訂を続けて翌年に第四稿が完成。指揮者のオルソンが明らかな間違いを修正したものがこの演奏のスコアである。

今まで聴いてきた演奏は版を問わずそれなりに有名な指揮者とオーケストラによる演奏だったが、ロバート・オルソンもポーランド国立管も(たぶん)初めて聴いた。そもそもオルソンさんの情報が少ないのだが、現役の指揮者にしてアメリカの音楽大学の指揮法の教授のようだ。長年に渡るコロラド州でのマーラー音楽祭への貢献に対してマーラーメダルを授与されている。地味(失礼)だがスペシャリストらしい。

さて、巷間、フィーラー版は一番地味なバージョンと評価されているようだ。草稿に忠実に最小限のオーケストレーションを施したということだろうか?この間聴いたサマーレ&マツッカ版なんて自分にはかなりの違和感があったので油断ならない。さて、この演奏はどうか。

で、早速、結論から書くと、個人的にはこの演奏、大変気に入った。楽譜的にどの程度創作されているのか自分には不明だが、このバージョンも太鼓の入る第一楽章からしてクック版とはあちこち違う音がする。あと、最終楽章の入りが何かの間違いかと思うほど速い。(次第にテンポは落ち着くが。)そういう違いはあるのだが、この録音を気に入った最大の理由はシンプルに演奏が良いのである。全体的に落ち着いた大人の演奏って感じ。それも、うまく言えないが非常に趣味が良い、上品な音色でありフレージングである。録音も非常に良い。

ベートーヴェン交響曲第2番 : バレンボイム

バレンボイムベートーヴェン

今日はのんびりブログを書いている時間がないので簡潔に書こうと思う。

R・シュトラウスでは正直ちょっとがっかりしたバレンボイムだが、シュターツカペレ・ベルリンと組んだベートーヴェンの交響曲は今のところ実に良い感じである。1番、2番、6番と聴いてみたが、どの曲もしっかりとした構成の中、溌剌と勢いもある。ティンパニなんて結構強く叩かせているが、オケの性格もあってか派手な感じがしない。これはなかなかの演奏だと思う。「英雄」「運命」「合唱」といった超メジャー曲でどんな個性が聴けるか期待させられる演奏だった。

このボックスセット、6枚組で1,800円くらいだった。99年の録音なのでさほど古くないのにやたら安い(のではなかろうか。)。やっぱり人気ないのかなあ。

R・シュトラウス 家庭交響曲 : ケンペ

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今日も終日家で静養。結局、この土日は歯医者に行った以外、一歩も外に出なかった。。せっかくの休みなのになんともったいないと思ったり、体調も回復したことだし、たまにはこういう週末があっても良いと思ったり。どっちにしても明日からまた仕事と言う事実にブルーである。

昨日のバレンボイムのR・シュトラウスがもう一つしっくりこなかったので、今日はケンペ/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏を聴いた。ただし、聴いたのは「ドン・キホーテ」でも「アルプス交響曲」でもなくて「家庭交響曲」。

ケンペのR・シュトラウス集は70年代前半に完成されている。特に「アルプス交響曲」や「家庭交響曲」のステレオ録音としては先駆け的存在である。以来、ほぼ半世紀(!)の間にたくさん、他の演奏がリリースされているわけだが、この演奏の完成度の高さはいまだにまったく色あせていないと思う。

全体のバランスが良くてすごく端正な演奏に聞こえるのに、よく聴くと冒頭からフレーズごとに味付けが細かく、そして、濃い。オケはとても上手いし音色がまた良い。熱く盛り上がるフィナーレも感動もの。うん、やっぱりこれは名盤である。

R・シュトラウス アルプス交響曲 : バレンボイム

バレンボイムシカゴボックス

朝起きると昨日よりもだいぶ身体が軽い。幸いなことに回復しているようだ。とは言え、外はひどく寒いし調子に乗ってまた具合が悪くなっても困るので今日は一日家にいることにした。

今日はバレンボイムとシカゴ響がエラートとテルデックに残した録音をまとめたボックスセットというのを聴いてみた。R・シュトラウスのとマーラー、それにシェーンベルクというとても魅力的なラインナップ。クラシックを聴き始めた頃のイメージからするとバレンボイム/シカゴ響の録音がエラートというのはすごく意外に感じてしまう。なんでまたエラート?って感じである。シカゴ響はバレンボイムの音楽監督就任以降もショルティとデッカに録音を残しているので、なおさらそう感じるのだが、このあたりいろいろ事情があるんだろう。

R・シュトラウスのアルバムは「ドン・キホーテ」「英雄の生涯」「アルプス交響曲」がメインでそれぞれにいくつかの交響詩がフィルアップされている。いずれもシカゴ響就任後比較的初期に録音されたものである。90年代は仕事が忙しくて個人的にもっとも音楽を聴く時間がなかった時期に当たるせいか、この頃リリースされたアルバムはジャンル的に良く聴く曲であってもまったく記憶に残っていないものが多いのだが、バレンボイムのR・シュトラウスも今までノーマーク。ま、「名曲名盤500」を見ても基本的にスルーされているので、一般的に人気がないのだろう。

「ドン・キホーテ」から聴き始めたのだが、ショルティ時代のシカゴ響のイメージとはかなり違うものに仕上がっている。懇切丁寧で上品な演奏だが、代償として刺激的な部分が失われているとも言えそう。悪くはないが強く印象に残る演奏ではない、かな。まあ、最初に聴いてう~んと思った演奏がある日突然素晴らしいと思えたりするのは先日聴いたマーラーの9番で体験済みなのでしばらく聴いたら違う感想になるかもしれない。

午後、今度は「アルプス交響曲」を聴いてみた。「ドン・キホーテ」で感じたことがそのまま当てはまる演奏だった(笑)。バレンボイムの解釈もシカゴ響の演奏もこれと言って不満に感じる点はないのだが、では、この演奏を「アルプス交響曲」を聴く時にいの一番に思い出すかと言うとう~んと言う感じ。なんか惜しい。バレンボイムとシカゴ響だったら嵌ればもの凄い録音ができるような気がするのだが。。

Cleopatra's Dream : デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ

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ここ数日体調がパッとしない状況が続いている。熱も咳もないが、ちまたでは隠れインフルエンザというのも流行っているらしい。言われてみれば身体の節々が少々痛い。もしや自分もそれか?今さら遅いような気もするし、実際、だんだん元気になってきてはいるものの、もし、明日も調子が悪いようであれば医者に行こう。

さて、この辺り一円で雪が降った月曜日以降、めっきり寒くなった。毎日、当たり前のように最低気温はマイナスだし、最高気温に比べて数字も大きい。先週までの陽気が嘘のようである。郊外にある我が家ではこの時期気温が零下になるのは普通だが、都心でここまで下がるのは相当久しぶりのようだ。特に風が冷たく、気温以上に肌寒く感じる。まあ、体感温度の方は体調との兼ね合いもあるかもしれないが。。

今日は午後、社外で会議だったので、会社には戻らず直帰した。おかげで昨日に続いて割と早めに帰宅することができた。早めに夕飯を済ませてからしばらくレコードを聴く。TD124に装着しているグランツのアームは標準ウェイトでも11g~28gまでカバーするので、SMEのシェルに付けたV15シリーズからまあまあ重量級のカートリッジまで使えるのだが、やっぱりこの組合せにはM44かSPU-GTが良さそうだ。

ひとしきりレコードを聴いたところで次に聴いたのがデイヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオの「クレオパトラの夢」。たしか横浜のHMVがまだビブレにあった頃に店のレコメンドを見て買ったCDである。「クレオパトラの夢」が好きなので買ってみたのだが、オリジナルとはまた違ってリラックスした演奏と音の良さで長い間の愛聴盤である。

これがヴィーナス・レコードというレーベルのものであることを認識したのはつい最近のことである。「オーディオ・アクセサリー」という雑誌をほぼ毎回買っているのだが、そこで何度かヴィーナス・レコードの記事を読んだ。去年の暮れに発売された直近号でまたこのレーベルの記事があって、25周年記念ボックスセットを発売するという。ふーんと思ってタイトルを眺めていたらこのCDを見つけた。という経緯。

日本人が運営する個人レーベルが25年もジャズ・アルバムをリリースし続けているだけでもなかなかのものだが、奏者がほとんど外人で海外で収録していながら対象マーケットはほぼ日本限定ということにちょっと驚いた。シングルレイヤーのSACDもかなりの数発売しているようだが、それで商売が成り立つとは。。

「クレオパトラの夢」だけでなく、最後の曲を除いてバド・パウエルのカバーなのでずっと聴いていてもスッと耳に入ってくる。うまく言葉で形容できないが、ピラミッド型で弾力のある独特の録音も僕は好きだ。海外サイトでレーベルの評価を読むとスタンダード曲偏重のラインアップや尖ったところのない演奏スタイルに加えて価格の高さは不評なようだが、それなりに認知されているのは立派だと思う。そのうち、SACDも買ってみようかな。

マーラー交響曲第9番 : バレンボイム(スカラ座フィル)

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このところの寒さのせいか、立て続けにあったイベントのせいか、はたまた人混みの中にいたせいか、昨日から体調不良。身体の節々が痛くてインフルエンザかとも思ったのだが、その割には熱も咳もなし。風邪のひき始めのようだ。こういう時は無理は大敵なので早々と仕事を切り上げて帰宅した。

うちの周りは人通りが少ないので日陰にはまだ一昨日の雪が残っていて部分的にすっかり凍っている。歩く時に気を付けないと足をすくわれそうになる。昨日の朝も思ったのだが、年に一度あるかないかでも雪の時に履くブーツがあると良いな。革靴で歩くのは非常に危険である。反射神経の衰えた昨今、万一、転んだら怪我しそうだ。

東京には33年振りに低温注意報が出たという。水道管や路面の凍結に注意と言われている。外の水道管には保温材を巻き付けて凍結を防ぐようにと言うが、いきなりのことで戸惑う人も多そう。その昔、雪国にいた頃には外に面した水道の蛇口はほんの少しだけ弛めて水滴が落ちるくらいにしておいたような気もするが、記憶違いだっただろうか。

さて、今日は久しぶりにマーラーの交響曲第9番を聴いた。一時期はこの曲ばっかり聴いていたものだが、比較すると最近はぐっと聴く頻度が落ちている。今日、この曲を聴こうと思ったのはバレンボイム/スカラ座フィルのライブ録音を最近手に入れたから。2014年のライブ録音である。

バレンボイムは僕がクラシックを聴き始めた頃にはすでにパリ管の音楽監督だったが、まだピアニストとしての印象が強かった。ピアニストから指揮者になった人はソロ活動が減るのが普通だが、この人の場合、指揮者転向後もピアノ独奏の録音をたくさん残している。他方、指揮者としてもパリ管の後にシカゴ響、さらにはベルリン国立歌劇場やミラノスカラ座と重要ポストにずっと座っている。しかもどのポストも10年以上務めている。きっと楽団からの評価も高いのだろう。これって凄いことだと思う。

その割に今までバレンボイムの録音ってあまり聴いたことがなかったので、これからちょっとまとめて聴いてみようと思って何枚かバレンボイムの録音を買った。そのうちの一枚が今日のマーラーというわけである。

イスラエル国籍のユダヤ人であるバレンボイムだが、3回(!)も全集を録音しているブルックナーと比較してマーラーの録音は非常に少ない。その中で9番だけは2回(映像を入れると3回)録音している。ミラノ・スカラ座音楽監督を退く際の最後のコンサートの演目に選ばれていることからも思い入れがあるに違いない。

ライブ録音ということもあって熱い演奏が聴ける。音楽の流れはスムーズで劇的な表現の部分でもフレーズはあまり粘らない。むしろ強奏時にはテンポが少し上がって畳みかけるような感じでグイグイ進む。一昔前ならもっと腰をグッと落として大見得を切るような演奏が好みだったが、今日、聴いてみると音楽に十分なメリハリを利かせながら、下品にならず節度を保ったこの演奏は非常に好ましく感じる。オケの音色が適度にウエットで重厚な感じがするのも良い。なかなか良い演奏だと思う。
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