マーラー交響曲第10番(クック版) : オーマンディ

オーマンディマーラー10番

オーマンディ/フィラデルフィア管のマーラー交響曲第10番は同じクック版でも64年に出版された第2稿を使用している。72年に第3稿が出版されて以降、クック版使用の録音はすべて第3稿を使用しているようなので、現行盤でこのバージョンを使用しているのはオーマンディとゴルトシュミットのみである。

第2稿と第3稿がどのくらい違うのだろうかと思いつつ聴いてみたのだが、違うと知っていたから違うような気がする、くらいの違いである(笑)。いい加減なこと言うなと怒らないでほしい。これに限らず、その程度の感想文なのだ。

第2稿と第3稿の違いは明確にわからないものの、オーマンディ/フィラデルフィア管の演奏自体はなかなか個性的なものだった。64年のCBS録音なので、特に高音がきついというところは差っ引いて考える必要があるが、それを考慮に入れてもこの演奏はメランコリックなところを排した結構、辛口なものと感じた。

聴き始めてすぐ気づくのがテンポが非常に速いこと。稿を問わず今まで聴いたクック版の中ではインバルの演奏が一番速くて全体で70分強。一通りいろいろ聴いた後にインバルを聴くと軽い違和感を感じるくらい速いのだが、オーマンディはそれより速い69分台である。この上となると65分台とぶっちぎりで速いマルティノン/CSOくらいしか見当たらない。10番にマーラーが細かいテンポ記号を残したのか不明だが、第3稿の初演を残したモリスは全曲に79分もかけていて、どうもそれ以降、10番のテンポは遅くなったようだ。インバルを除いて新しいものはだいたい75分前後である。

このテンポの速さに加えて少々ハイ上がりの録音の相乗効果か、この演奏は即物的で厳しく聴こえる。シャイーの演奏からは慈愛を感じたが、オーマンディの演奏は突き放すようだ。いつものフィラデルフィア管より粗野に聞こえるのも指揮者が意図した音作りなのかも。作曲者の気持ちは知る由もないが、(ほぼ)同じ楽譜からこれだけ違う表現が聴けるところが面白い。
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モーツァルト ホルン協奏曲 : シヴィル/クレンペラー

クレンペラー協奏曲

昨日の夜遅くに電話会議があったので、今日はいつもより早めに仕事を切り上げて帰宅した。確か、今日の天気予報では暑いと言われていたと思うのだが、蓋を開けてみれば今にも雨が降りそうな涼しい一日だった。暑いことを予想していたので肌寒いくらいである。それに、湿った空気が流れ込んだのだろうか、高原のように少し霞んでいた。

早めの夕食を済ませてからモーツァルトのホルン協奏曲を聴いた。クレンペラーが伴奏指揮する協奏曲を集めたボックスセットからの一枚。このボックスセット、そもそものお目当てはオイストラフとのブラームスとバレンボイムとのベートーヴェンなのだが、シヴィル/クレンペラー/フィルハーモニア管のホルン協奏曲が一枚目のCDだった。

ホルン協奏曲と言えば、モーツァルトとR・シュトラウスが有名だと思うが、今までどちらも食わず嫌いで聴かずじまい。最近は努めてそういう曲に親しんでみようと思っているので、とにかく聴いてみる。

と、1番の最初からどこかで聞いたことがある音楽が聴こえてくるではないか。似た曲と勘違いかとも思ったが、そうではなく、これは間違いなく聴いたことがある。う~ん、どこだったろうかと思って調べたら、バラエティ番組で使われていた(笑)。なるほど、モーツァルトクラスになるとあちこちで使われているんだなあ。

このCDにはホルン協奏曲が1番から4番までとリストのピアノ協奏曲1番が収められている。せっかく聴き始めたからと思って1番から4番まで通しで聴いてみたのだが、どの曲もとてもPeacefulである。ホルンの響きって柔らかくて癒し系。初めてきちんと聴いたので他の演奏をぜんぜん知らないが、独奏もクレンペラー/フィルハーモニア管の伴奏もとても品が良くて気持ち良い演奏だった。

マーラー交響曲第10番(クック版) : シャイー

シャイーマーラー10

今日は体育の日である。となれば、運動しなくてはいけない。なのでゴルフに行ってきた。昨日一昨日と打ちっ放しで試して上手く行ったことをコースで検証したのだが、結果は悲惨なものだった(>_<)。一番ホールのティーショットだけは実にうまく行ったのだが、それっきりである(笑)。だいたい練習で上手く行くと本番が良くないものだが、それにしてもひどかった。とほほ。

まあ、お天気は良かったし、一緒に回った人達も良い人だったので楽しい時間を過ごせたのがせめてもの救いである。どのみちプロゴルファーではないのだから、スコアが良かろうと悪かろうと違いはない。はい、負け惜しみです。実際は非常に悔しい。。次はリベンジだ。

帰宅してからシャイー/ベルリン放送響のマーラー交響曲第10番を聴いた。例年、秋になると無性にブラームスが聴きたくなるのだが、ここのところマーラーを聴くことが多い。一時、ショスタコーヴィチばかり聴いていたのでその反動だろうか。今年の前半はもしかしたらちょっとマーラー飽きたかもと思ったこともあったのだが、どうやら勘違いだったようだ。

この演奏はシャイーにとって初めてのマーラー録音らしい。10番全曲がマーラー初録音という指揮者、けっこう多いんだな。マーラーの他の交響曲はすべてコンセルトヘボウと録音しているが、全集でも10番だけはこの録音がそのまま使われている。自信作だったのだろうか。

これはクック第3稿第1版(紛らわしい)を使った演奏とのことである。細かい差異はよくわからないので無視するとして、この演奏、最初聴いた時はふ~ん、なるほど、くらいの感想だったのだが、聴けば聴くほど味わい深い良い演奏に思えてきた。暴力的なところの少ない、デリケートな演奏なので、他の演奏と比較してインパクトに欠けるように感じたのだが、ベルリン放送響(ベルリン・ドイツ響)の音色も相まって優しくて切ないところがとても良い。東も西もベルリン放送響はなかなか良いね。これみよがしなところなくオケの音を余すところなく収めた録音も秀逸である。良い演奏だ。

マーラー交響曲第2番「復活」 : ショルティ

ショルティ復活

連休前の金曜日だった昨日、夕方の雨も重なって、都内の道はすごく混んでいた。今日もどこかへ移動する人達で家の周りの道はふだんの土曜日よりも車が多かった。計画的かつアクティブに活動する人達を横目で見ながら連休の初日はだらだらと過ぎてしまったなあ。なんとなく反省である。でも今日はちょっと疲れていたので良しとしよう。

4日の十五夜くらいから関東もずいぶん涼しくなって、特に朝晩は冷え込む。本格的に寒くなる前に箪笥の整理をして、衣服の準備をしないといけないなと思っていたのだが、午後から天気が急に良くなって暖かさが少し戻ってきた。う~ん、出鼻をくじかれた感じである。週間予報を見るとどうやら来週は気温が回復するようだ。入れ替えは来週末にしようかな。。

さて、今週末も連休である。休めるのは言うまでもなくありがたいことだが、このところ休日がやたら多いような気がする。ハッピーマンデー法の恩恵だが、あれっていつ頃できたんだっけ?以前は「体育の日」と言えば10月10日だったが、今や知らない人も多いだろう。2020年に二回目の東京オリンピックが開催された後、「体育の日」は日付が変わるのだろうか?あるいは、もう一日祝日が増えるのだろうか?

そんなことを考えつつ、疲れた心身の復活を願ってショルティ/シカゴ響の「復活」を聴いた。

この演奏は僕が生まれて初めて聴いた「デジタル録音」である。正直、今もデジタル録音を技術的にきちんと理解できているわけではないが、CD登場以前、LP時代の田舎の中学生にはそれこそちんぷんかんぷんな話だった。家に遊びに来た友達に「結局、以前と同じLPだし、デジタル録音ってなんか意味あるの?」と言われて、僕は彼が何を言わんとしているのかすらわからなかった。でも、良くわからないままこのアルバムに針を落とした瞬間、非常に感動したことは良く覚えている。デジタル録音だから、という単純な話ではなかろうが、最初の弦の切れ味、それに続く低弦の斉奏の迫力に「新しい時代が来た」と思ったものである。この録音、今となってはオケの重さが足りないと思わなくもないが、当時はそんな不満はつゆも感じなかった。

この演奏は、ショルティのマーラー全集の中でもいわゆるショルティらしさが一番徹底している。苦悩し、迷いながら遠くに見える明かりを目指して歩む、という演奏ではない。どちらかと言えば、苦悩や迷いをブルドーザーで根こそぎなぎ倒していくような演奏である。とにかくグイグイ進む。シカゴ響の演奏も容赦なく、ショルティの望むままに終始、ボリューム全開である。演奏に影がない。ただ、途中で影がないから演奏自体は素晴らしいのに終楽章、特にフィナーレが少しだけ物足りない。野球に例えれば、最初から押されっぱなしで負け試合濃厚だったところから涙の大逆転ホームランという展開ではなく、初回から猛打爆発でセーフティリードを保ったまま万全の投手リレーで危なげなく勝つって感じかな?まあ、そういう演奏があっても良いでしょう。

シベリウス交響曲第1番

370 (2)

久しぶりにカラヤンのシベリウスを聴いてみた。EMI(ワーナー)のリマスタリングシリーズの1枚で、交響曲1番と6番がカップリングされている。最新の名曲名盤500を見てもこの演奏の評価はカラヤンにしてはイマイチである。有名過ぎて、なんだかんだ演奏に文句を言われることが多いカラヤンだが、とは言え、こうした名曲名盤的なところではほぼ必ず上位に顔を見せるのが常なので、シベリウスの低評価は珍しい。

この曲、DGの旧録音にはなくカラヤン唯一の録音である。演奏はかなりドラマチック。第一楽章から弦楽器も管楽器もかなりの勢いで飛ばしているし、そこにある時は遠雷のごとく、ある時は落雷のごとく、ティンパニが乱れ打ちである。シベリウスの音楽に清澄な北欧の空気を求めるとがっかりするかも。ちなみにこのティンパニの大活躍は第二楽章以降も続く。

81年録音で初出時は間違いなくデジタル録音を謳っていた(ジャケットを覚えている)のだが、ライナーノーツにはADDとあり、一方、外箱にはADD/DDDと表記されている。詳しい録音の解説はなく、何が正しいのか判然としない。はっきりしているのは2014年にリマスタリングを受けていることで、実際、このCDを聴く限り、巷間言われるほどひどい録音ではない。とは言え、DECCAのような抜けの良さとはぜんぜん違って、何やら粘り濃くて切れが悪く、見通しもやや不良である。加えて、ショルティのブルックナー6番を彷彿させるようなティンパニの乱打。それらがすべて相まって個性的なアルバムを作り上げている。この演奏、僕はとても好きである(笑)。

ショスタコーヴィチ交響曲第8番 : ネルソンス

ネルソンスショスタコ589

今日は有給休暇をもらってゴルフに行ってきた。また、年末でクローズしてしまう例のコースである。昨日、ふいに思い立って、ネットで一人予約を申し込んだのだが、月曜日だったせいか僕以外に誰も申し込まず、予約がキャンセルされてしまった。電話してもダメなら有給休暇は延期して会社に行こうと思ったのだが、あっけなく受け付けてくれた。

と言うことで、お盆休み以来の完全一人プレー\(^_^)/。8時半スタートでスループレーだったのでお昼前にはラウンド終了。怒られるかもしれないが、毎ホール、最初から最後までボール二つ交互に打って回ってこの時間である。それに比べて週末のゴルフの時間のかかること。。本来、ゴルフは気が向いた時に気軽にできるスポーツなのに。かえすがえす、このコースがクローズするのは惜しい。が、それも止むを得ないかな。今日も数えるほどの組しか回っていなかったし、回っているのはみな一人プレーかツーサムばかり。これではスタッフの人件費も出ない。

そのまま家に帰ってちょっと遅めの昼食の後、風呂に入ってからしばらく仕事のメールをチェック。今日はいつもに比べて急ぎの案件も少なく、小一時間で終了。さて音楽を聴こうと取り出したCDがネルソンス/ボストン響のショスタコーヴィチ交響曲第8番。5番、8番、9番が二枚組のCDに収められている。ネルソンス/ボストン響のショスタコーヴィチは10番もとても良い演奏だったが、あれはグラミー賞を取ったらしい。

8番を聴く前にカップリングの「ハムレット」組曲が始まる。10番の時もそう思ったが、このシリーズは録音が実に素晴らしい。非常にステージが広く、だからと言ってステレオ感を強調し過ぎて違和感を感じさせることもない。ライブ録音だが、聴衆ノイズは皆無である。そうなるとノイズリダクションで抜けが悪くなりそうなものだが、それも感じさせない。明晰な録音であるが、デッカと違って空気はもう少しウエットな感じ。DGの録音に感心したことはあまりないが、これは例外的に良いと思った。

肝心の演奏もとても好印象である。オーケストラの響きは十分に厚みがあるし、管楽器も万全だが、いたずらにオーケストラの機能を見せつけるような演奏ではなく、とてもデリケートに演奏がコントロールされている。決して迫力に乏しいわけではないが、8番に破壊的な演奏を求めたい人にはちょっと不満かもしれない。しかし、まだネルソンスは40歳にもなっていないはずだが、それを考えると驚きの成熟した音楽だ。若くしてこういう音楽造りだと、将来、どんな風に進化するのだろうか?

ハイドン交響曲第93番 : アバド

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気が付けば9月も最終日。1年の4分の3が早くも終了である。それにしても異動後9か月も経ってしまったのか。。9月末時点で目標達成率にギリギリ届かずの状況だが、とにかく月曜日から頑張って気持ち良く年末を迎えたいところである。

今日、今年に入って3回動かなくなったこの部屋のエアコンをとうとう交換してもらった。壁の中に隠したオリジナルの配管を活かすか、この際、今後の工事が簡単な位置にエアコンを移設するか少々迷ったのだが、結局、オリジナル配管を活かすことにした。住宅メーカーに連絡して工事業者を紹介してもらう。エアコン代、工賃とも一生懸命探せばもっと安いところがあるに違いないが、10年単位で使用するものだし、安心を選択することにした。良い日差しで日中暑かったので、早速、交換したばかりの新しいエアコンを稼働させたところ、まずその静かさにびっくり。室内機だけでなく室外機もだいぶ静かである。外から見たらほとんど変わらないが、中身はずいぶん進歩しているようだ。こういう生活家電製品の進化に比べるとオーディオの進化はずいぶん緩やかな気がする。半世紀前の機械から最新機器より良い音がしても驚かないのだから。

アバド/ヨーロッパ室内管のハイドンはロンドンセットの中から7曲と協奏交響曲の計8曲しか残されなかった。(「驚愕」、95番、97番、99番、「ロンドン」がない。)もともと全集化を考えていたわけではないそうだが、93番を始めとして残った演奏を聴くと、いかにも指揮者とオーケストラが演奏を楽しんでいる様子が伝わる好演なので、せめてロンドンセットが完成していればなあと思う。オーケストラの自発性を引き出すことにかけてはぴか一のアバドとハイドンの親和性はすごく高いと感じるのに残念だ。。

ベートーヴェン交響曲第6番 : マゼール

ボックスマゼール

この間の日曜日は行きつけのゴルフ場に行ったのだが、その日コースではちょうどクラブ選手権の決勝戦が行われていた。コースは通常営業なので、プレー中、決勝戦の進行を優先させるために待ち合わせすることになる。はたして、僕たちがインコースの半ばに差し掛かったところで決勝戦と3位決定戦の二組に追いつかれた。彼らは朝一番に準決勝で1ラウンドしていて、2ラウンド目である。僕がショートホールのパーパットをミスしてボギーとしたところで二組をパスさせることになった。

二組がプレーする間、競技委員を務めていた支配人と一緒に観戦していたのだが、そのとき、このコースが年末で閉鎖予定であることを聞いた。ハイシーズンの週末でも枠が残っているようなコースだったのでとても重宝していたのだが、こんな状態でよく経営できるなとたびたび思っていたのも事実。夏休みに一人予約したら一人プレーだったのもこのコース。支配人によれば、ここ数年はまったくビジネスにならなかったそうだ。心なしか悲しそうな表情で、閉鎖後、コースは丸ごと太陽光発電所になると教えてくれた。ゴルフ場自体、自然破壊と言われればそれまでだが、コース全体に太陽光パネルが設置されるのはどうなんだろう。。とは言え、ゴルフ場跡地を放置することもできないだろうし。いろいろな意味で残念な話である。。

話は変わって、今週、月曜日は午後から札幌出張だった。夕方5時頃到着したところ、東京に比べて5度は涼しくてとても快適な気候だった。現地で打ち合わせの後、夜は札幌営業所メンバーを中心に会食した。こういう機会、最近はなかなかない。ご当地料理ではなく、カジュアルなイタリアンレストランだったが、適度にお酒も入ってみなご機嫌。おかげで楽しい時間を過ごすことができた。

昨日、帰宅して、マゼールの「田園」を聴いた。古楽器のインマゼールではなく、マゼールである。マゼールの「田園」は若い頃にBPOと録音した演奏もあるが、聴いたのはクリーブランド管との全集の中の一枚である。クリーブランド管の音楽監督を務めていた頃のマゼールが普段、ベートーヴェンをどの程度のレパートリーとしていたのか承知していないが、マゼールとベートーヴェンというのはあまりピンと来ない組み合わせだ。と言っても、コロンビア/CBSの指揮者と言うと、ワルター、セル以外はバーンスタイン、オーマンディ、ブーレーズ、メータとベートーヴェンがレパートリーの核にはならない指揮者ばかりではある(笑)。

なんてことを以前、1番を記事にした時にも書いたのだが、実際、聴いてみると「田園」も意外と良いのだ。マゼール/クリーブランド管の名演というと僕の中では「幻想交響曲」と「英雄の生涯」が筆頭に上がるのだが、ベートーヴェンへのアプローチにも似たものを感じる。スマートで知的なアプローチである。室内楽的というか、楽器の動きがよく見える。暖かい音色で聴いていて心地良い。これはなかなかの名演奏だと思う。

チャイコフスキー交響曲第5番 : ショルティ

ショルティチャイコ5

昨日は秋分の日だった。生まれてからもう何十回も「秋分の日」を経験してきたが、その実、何が「秋分」なのかいまだによく分かっていない。確か太陽が赤道の真上を通る日だったような。長い間、「秋分」は昼と夜の時間が等しいと思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。多少、昼の方が長いそうな。。

秋分の日は片田舎に暮らす身にとっては「お彼岸」の中日でもある。自分も昨日、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんのお墓参りに行ってきた。ふだんはごく静かなお寺のお墓にはあちこちの家族がやってきてお墓に水をかけ、お花を活けていた。穏やかな気候に線香の匂いが心地よかった。

それにしても、せっかくの祝日が土曜日だと振替休日がないのでちと残念。。カレンダーを見ると昨年は22日木曜日が「秋分」だった。たしか、金曜日に有給休暇をもらって4連休にしたと思うのだが、何をしていたのかまったく記憶にない。。なので、今年はここに書いておこう。秋分の日はお墓参り以外、特に何もせずのんびりしていた、と(笑)。ちなみに来年の秋分の日は23日、日曜日なので3連休である。

昨日、今日とショルティ/シカゴ響のチャイコフスキー交響曲第5番を聴いた。ショルティはこの曲をシカゴ響と2回録音している。シカゴ響の音楽監督に就任する前に録音していた曲をシカゴ響と再録する例は多いが、シカゴ響と録音した曲を後年、再録した曲と言うのはそれほど多くない。ベートーヴェンの交響曲全集、マーラーの5番、幻想交響曲、ドビュッシーの「海」、それにこの曲がその例に当たるが、たくさんの曲を何度も録音したカラヤンに比べれば、意外と思うほど少ない。再録もスタジオ録音となるとさらにその数は少なく、ベートーヴェンとこの曲くらいではなかろうか。

そこまでして録り直したチャイコフスキーの5番である。75年録音と87年録音の間にはどんな違いがあるのかと大いなる興味を持って二日間聴いてみたのだが、一言でいうと、本質というか、音楽の造り方はまったく変わらない(笑)。細かいことを言えば、87年録音は75年録音に比べてもう少し即興性と言うか、フレージングの自由度合いが高いとか、弦がもっとしなやかであるとか、逆に言えば75年録音の方がグリップが効いているとかは言えると思うが、二つの演奏を聴き終えての感想はほぼ同じだった。

一つ大きく違うのは演奏時間である。よくある巨匠の晩年とは真逆で、75歳のショルティのテンポは63歳のショルティを大幅に上回っている。面白いことに調べてみるとこれはベートーヴェンでもまったく同じ。いずれも旧録音はメジナ寺院かイリノイ大学で、新録は新オーケストラホール。デッドなオーケストラホールの方がテンポが速いわけだが、となるとショルティにとって、ベートーヴェンとこの曲の旧録のテンポは妥協の産物だったのだろうか?なかなか興味深いのだが、真相は藪の中である。

ところで、念のため付け加えれば、チャイコフスキーの5番、二つとも名演である。ショルティ嫌いの方、または、旧ソ連以外チャイコでない的な方でなければこの演奏はacceptableだろうと思う。

マーラー交響曲第1番 : ショルティ

ショルティ巨人

今週は月曜日が休みだったので稼働日が一日少ないのに金曜日の今日はもう朝からバテバテ。火曜日から木曜日まで三日連続、会食があったとは言え、体力なさすぎである。思い当たることが一つあって、どうも最近、夜、眠りが浅い。普段に比べると寝付きも悪い。夜、しっかり眠れないから昼間眠くなると思うのだが、会議中なんて油断したらすぐ落ちそうなほど眠いのに、ベッドに入ると寝付けない。。まるで時差ぼけしてるみたいである。仕事上のストレスか?とも思ったのだが、幸い、最近、特に激しいストレス状態にあるわけでもない。う~ん、なんだろう?

僕は小さい頃からなぜか睡眠時間が短いことに異常な恐怖心があって、今も毎日7時間以上睡眠時間が欲しい。世の中4時間睡眠で大丈夫なんて人もいるので結構なLong Sleeperの部類だと思う。だから寝付きが悪いとそれだけで不安になってしまうのだが、そういう時は、ずいぶん前に亡くなったお祖父ちゃんが言ってた「戦場で不眠症になる兵士はいない。」という言葉を思い出すことにしている。要するに疲れて身体が睡眠を求めれば自然と眠れるから心配するな、という話である。実際には本当に眠れない人だっているわけだから、この言葉も気休めに過ぎないが、それでも少しホッとする。きっとこの寝付きの悪さもいつか自然に解消するだろう。

さて、今日はショルティ/シカゴ響の「巨人」を聴いた。僕が高校入学のお祝いにお祖父ちゃんからショルティ/シカゴ響のマーラー全集を買ってもらった時、16枚組のLPセットに収載されていた最新の録音は80年録音の「復活」で、「巨人」は64年に録音されたロンドン響との演奏だった。ロンドン響との演奏に特に不満はなく、83年に録音されたシカゴ響との再録は値段の高さもあって長い間、手が出なかった。初めて聴いた時には「復活」同様、デジタル録音ならではの鮮明な音に感動したが、演奏そのものについては新旧それぞれ良い所があるかなあという感想だった。

今日、久しぶりにボックスセットの中のこの演奏を聴いてみると、やはり20年近い時間の中でショルティのアプローチはロンドン響と演奏した頃に比べて成熟し、時に穏やかになったかなあと思う。オケが違うことも大きいが、それだけではなく、フレージングの一つ一つ、なんというか呼吸が深くなったような余裕を感じる。テンポそのものはおそらくほとんど変わっていないと思うのだが、音の出方がほんの少しずつ違うような、前のめりになりそうな前傾姿勢がもう少し直立に近づいたような、その積み重ねが印象の違いを生んでいるのだろうか?う~ん、でも、ロンドン響との演奏も長い間聴いていないからなあ。久しぶりに旧録音も聴いてみたくなった。
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