ショスタコーヴィチ交響曲第15番 : ザンデルリンク(クリーブランド管)

ザンデルリンクショスタコ

一日遅れでザンデルリンク/クリーブランド管のショスタコーヴィチ交響曲第15番が到着した。ショスタコーヴィチが楽しみなだけでなく、組合せのマーラー9番も楽しみである。それにしてもショスタコが91年、マーラーが92年と録音年代は近いがオケも違うし、エラートがこの二曲を組み合わせて販売したのは面白い。マーラーを1枚に収めるには長すぎるし、単独で2枚にしたら割高で売れないとでも思ったのだろうか?

マーラーも非常に興味深いのだが、まずは最近個人的大流行のショスタコーヴィチを聴く。一昨日のベルリン響との演奏ですでに驚いたのだが、クリーブランド管との演奏はそれ以上にテンポが遅い。こちらを初めに聴けばそう感じなかったかもしれないが、どちらかと言うとベルリン響とのテンポの方がギリギリ絶妙な感じでしっくり来た。

テンポ以上にベルリン響とクリーブランド管との演奏で違いを感じるのが音色の明るさ。録音の違いもあると思うが、クリーブランド管との演奏は明晰で響きが明るい。ザンデルリンクの解釈にはほとんど違いを感じないが、クリーブランド管の精巧なアンサンブルを鮮明な録音で聴くと暗い影の部分まで明るく照らされてしまっているように感じる。演奏の完成度は凄く高いが個人的にはベルリン響との演奏が好みかな、と思った。

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ショスタコーヴィチ交響曲第15番 : ザンデルリンク

ショスタコザンデルリンク

今日もショスタコーヴィチの交響曲第15番を聴く。

この曲を聴くきっかけとなった七味とうがらしさんのサイトで紹介されていたのがザンデルリンクの演奏。その時紹介されていたのはマーラーの9番と組んだクリーブランド管との演奏で、そちらも発注しているのだが、今日、一足先に届いたのは78年に録音されたベルリン響との演奏だった。

これまでM・ショスタコーヴィチ、コンドラシン、ムラヴィンスキー、ハイティンク、ロストロポーヴィチ、バルシャイ、カエターニと15番の演奏を聴いたが、この演奏のテンポがもっとも遅い。第3楽章なんてスコアを紐解くためにスロービデオを見ているみたいで、この間聴いたチェリビダッケのプロコフィエフみたいな遅さである。ただ遅いだけでなく、一番沈鬱な表情の演奏だ。

表情が暗いだけに終楽章で弦楽器が優しいメロディを奏でるあたり、いつもより余計にはかなく美しく感じる。例の「ボン・ボン・ボ・ボンボン」もこの上なく遅い。ライナーノーツによればザンデルリンクはこの曲を最後は集中治療室で点滴の音を聴く重病人に例えていたそうだから、「ボン・ボン・ボ・ボンボン」はさながら迫りくる死神の足音だろうか。静かにゆっくりしかし確実に迫ってくる。中間の大団円で鐘の音がはっきり鳴るのをこの演奏で初めて聴いた。そういう説明を読んだせいか、大団円以降はもう意識を失って夢の中にいるようである。時折意識を取り戻すと死神の足音が聞こえる。根暗な演奏である。ちなみに僕は根暗な演奏が大好きだ(笑)。

アナログ全盛期の録音でとても聴きやすい。マルチトラックで録音したと思われる打楽器群の音が全編通じて明確で演奏の意図が良く分かるし、何より聴いてて面白い。クリーブランド管との演奏を聴くのが楽しみである。

R・シュトラウス アルプス交響曲 : 朝比奈

朝比奈アルプス

もう10年くらい前だろうか、朝比奈隆さんのシカゴ響コンサートのドキュメンタリーを観た時、朝比奈さんを招聘したシカゴ響のマネージャーが、彼のアルプス交響曲を聴いてシカゴ響への招聘を思い立ったと語っていた。さっそくCDを探したのだが、晩年の大阪フィルとの録音は廃盤になってしまったのか手に入らなかった。その後しばらくは話自体を忘れていたのだが、一昨年、1964年にベルリン放送響と録音した演奏のCDが発売された。このCDは昨年どこかのタイミングで購入したのだが、CDそのものをあんまり聴かなくなってしまったタイミングに当たって聴かないままだった。今日、ようやく開封。

正直、このCDはあんまり期待していなかった。録音が64年と古いし、朝比奈さんにとってこれが初めてのアルプス交響曲だと言う。その後、この曲を得意にするようになったとはいえ、大器晩成型の朝比奈さんだし、録音時56歳となると80年代以降のスケールとは違っても仕方ない。

なんて不遜な気持ちを抱きつつ聴き始めたのだが、まったくの見当違いだった。個人的にR・シュトラウスの曲はことさら良い音で聴きたいのだが、この録音は低音の伸びと重さが足りないものの演奏を楽しむには何の問題もないレベル。大阪フィルとの演奏を聴いたことがないので比較できないが、ドイツ放送響とのスタジオ録音なので技術的にもばっちり。初めて振ったとは思えない落ち着き払った演奏である。これみよがしなところなく誠実な演奏が展開されるが、なんとも聴き応えがあった。

64年の録音だからこの曲のステレオ録音としては最も早い時期に当たるのではなかろうか。ケンペを皮切りに80年録音のカラヤンまで70年代には世界的有名指揮者の録音が目白押しであるが、この演奏は内容的にそうした高名な演奏に一歩も劣らないと思う。こんな演奏が立派な録音で残ってなんとも幸いなことである。

プロコフィエフ交響曲第5番 : チェリビダッケ

チェリビダッケフランスロシア

部屋の片づけをしながら久しく聴いていないCDボックスセットを見ていたところ、チェリビダッケのボックスにプロコフィエフの録音があることに気付いた。このボックスセットを買った当時はプロコフィエフの交響曲に興味がなかったのですっかり見落としていた。輸入ボックスセットが格安で買えるようになって以来、そんなCDがたくさんある。もったいない。

チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルのライブ録音で1番と5番が録音されている。チェリビダッケはこの2曲が得意だったらしい。最初に1番が収録されているが、もう典型的なチェリビダッケ的演奏である。遅いテンポでニュアンス豊かにこの小曲を演奏している。「古典」交響曲と言われるだけにきびきびとした演奏を好まれる方も多いだろう。そういう人にとっては受け入れがたい演奏だと思う。が、僕はチェリビダッケのアプローチも好きである。

前菜と言うにはあまりに重い1番の後、いよいよ5番が始まるが、こちらもかなりのスローモーション。しかしながら、この説得力は凄い。チェリビダッケのスローモーションはただ鈍重なのではなくて、スローなペースの中でスコアを完全に解きほぐして、透明でありながら分厚い音楽を形成していく。楽器の扱い方はけっこう大胆で、金管の音の割り方やティンパニ、大太鼓の使い方は非常に効果的。これを実演で聴いたら圧倒されるだろう。幸い、CDの音も悪くない。日中なので普段の音量の3割増しくらいで聴いたが、うるさくない。これは良い演奏、良い録音である。

ショスタコーヴィチ交響曲第15番 : ハイティンク

ショスタコハイティンク

今週は実に久しぶりに土日がお休み。とてもうれしい。今日は夕方、にわか雨があったものの、天気もまずますだった。午前中、歯医者に行った。最近の歯医者と言うのは虫歯一つとっても治療に実に時間がかかる。以前、治療した奥歯にかぶせてあったものが取れてしまったことから通い始めたのだが、その過程で見つかった要治療の前歯をずーーっと治療中である。もう、なんと言うかライフワークという感じの長大な治療だ。人気がある歯医者さんで多くても月に2度しか行けないということもあるのだが、それにしてもかれこれ一年は通っているような。

午後は音楽を聴きながらオーディオ弄り。場所を変えたり元に戻したり非生産的な作業を繰り返した。自分でもあきれるが、先日、導入をお伝えしたばかりのD-TK10を古いセレッションSL6に入れ替えてみたり。ほら、言わんこっちゃない(笑)。しかし、この古い密閉型スピーカーも良く出来たスピーカーなのである。バスレフの解放感はないが、密閉型特有のみっちりと暗い音が好きだ。

今日は音楽を聴く時間があったのでいろいろ聴いたが、その中で良かったのがハイティンク/ロンドン・フィルの演奏するショスタコーヴィチの交響曲第15番。最近、すっかりこの曲にはまっていて、今日はこの他にロストロポーヴィチの演奏でも聴いた。

最初に聴いた時には「ウィリアム・テル」ばかり耳に残ったのだが、聴けば聴くほど実に素晴らしい曲である。どの楽章も良いが、特に最終楽章は凄い。ハイドンの「ロンドン」と似たフレーズ(ちなみになんであるか思い出せないのだが、時代劇のテーマにも似ている。)で中間の大団円を迎える手前くらいから低弦が「ボン、ボン、ボ、ボンボン」をいうリズムを刻みだすが、ここからの展開はもう天才としか言いようがない。いろいろな打楽器が鳴りながら静かに終わっていくのが大層印象的。ハイティンクはこの楽章に限らず緩やかなテンポで大きな音楽を作り上げている。打楽器の掛け合いがリズミカルに行かないところが玉に瑕ではあるものの、録音も良くて納得感の高い演奏である。

ショスタコーヴィチ交響曲第15番 : コンドラシン

ショスタココンドラシン

昨日、仕事の兼ね合いで誘われてバスケットボールの試合を観に行ってきた。僕はバスケットボールは昼休みに遊びでやったことがあるくらいで、ルールも良くは知らない。そういえばリーグが2つ存在していて問題になってたなと思ったのだが、昨年リーグが統一されてBリーグとしての最初のシーズンが始まったことも今回、初めて知った。試合は代々木で行われたが、誘ってくれた方は千葉のファンで、アウェーでの観戦となった。ぜんぜん興味がなかったにも関わらず、実際に試合を見るとさすがの迫力。何より昨日の試合は最後の最後で追いついて延長で千葉が大逆転勝ちを収めると言う最高の展開だったのでラッキーだった。その後、会食が予定されていたので、逆の展開では困るのである(笑)。

さて、M・ショスタコーヴィチの演奏を聴いてから、ショスタコーヴィチの交響曲第15番の演奏をぼちぼちと聴いている。バルシャイ、カエターニの全集を聴いてみたが、CDと言うこともあるのかダイナミックレンジが広くてノイズがないのは良い一方、ちょっと大人しい感じ。比較するまでもなくムラヴィンスキーの演奏は説得力抜群のものだった。

次に聴いたのがこのコンドラシン盤だが、これは非常に良い演奏だと思った。第一楽章のテンポはムラヴィンスキーと並んで非常に速い。確信に満ちた速さである。この演奏は録音も良く、最強音部でダイナミックレンジは圧縮されるものの演奏の大きさをスポイルすることはなく、十分に良好。高音部もギラギラと聴きづらかったりしない。

厳しい表現でこの曲の魅力を存分に描き出す。オケも充実している。多彩な打楽器の取扱いも文句なし。名盤。

ショスタコーヴィチ交響曲第4番 : ロストロポーヴィチ

ロストロショスタコ

ロストロポーヴィチのショスタコーヴィチ交響曲全集はナショナル・フィル、ロンドン響、モスクワフィルと3つのオーケストラとのコンビで完成されている。4番は自身の手兵だったナショナル・フィルとの演奏。

管楽器、弦楽器、打楽器のバランスが整った節度ある演奏と言うのが聴いての感想。管楽器が決して暴力的に咆哮しないので爆演好みの人には物足りないだろうが、金管が全面に押し寄せてこないおかげで弦楽器が良く聴こえる。特に低弦の動きがここまではっきりと見える演奏はあまりない。終楽章のコラールではティンパニが管楽器を隈取りするかのごとくアクセントをつけているが、この部分、演奏によっては打楽器とそれ以外の拍が合わずイライラするので、ロストロポーヴィチのアプローチは効果的に感じた。

録音は92年と比較的新しい。ダイナミクスも大きく、最強音でも余裕を感じる。やっぱり、こういう曲は録音が良いに越したことはない。

HITnRUN Phase One : Prince

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プリンスが昨年4月に急死したことで最後のアルバムとなってしまった「HIT n RUN」。そのPhase One、冒頭の曲は過去の名曲である「1999」とか「Purple Rain」の引用で始まる。単なる偶然であろうが、あたかも死を予感していたような始まり方である。

ウイキペディアによればこれはプリンスの38枚目のスタジオ録音アルバムである。プリンスはいつも膨大な数のストック曲を持っていてこの先何十枚でもアルバムが作れると言われていたが、結局、それらの曲が日の目を見ることはない。

個人的には2014年の「Plectrumelectrum」を買ったのが久々のプリンスだったが、どっちにしても2010年前後はネット配信による海賊コピーに対する抗議としてアルバムを出していない。ネット音楽の普及、ハイレゾ化に歩調を合わせたアナログリバイバルは考えてみればポップアーティスト(とレコード会社)によるパッケージメディア戦略の意味合いもあるのかもしれない。デジタルデータのまとめ方の違いでしかないCDは売れなくてもレコードは音楽を手に入れる以上の目的で買うユーザーがいるだろう。

「Plectrumelectrum」と続く「Art Official Age」がレコードで販売され、僕は嬉々としてそれを買ったわけだが、「HIT n RUN」はデータ配信がCD販売に先行し、レコードは今のところない。それ以前も既存の音楽チャネルを無視して特定のショップだけで独占販売させたり、新聞のおまけとして楽曲を提供したりいろいろ試してきたプリンスだが、それがどこに向かう予定だったのかも今となってはわからなくなってしまった。

90年代にリリースされたアルバム以降、プリンスの録音に対するクリティックの評価は必ずしも高くない。が、そんなことは関係なくこのアルバムに聴く音楽はファンキーでノリの良いまんまプリンスである。望むらくはレコード化して欲しいなあ。

ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」 : ケンペ

出張中、機内で何曲かクラシックを聴いたのだが、その中でなかなかの演奏と思ったのがケンペ/ミュンヘン・フィルの演奏する「合唱付き」。行きと帰りの二度聴いたのだが、最初に聴いた時には演奏者のクレジットがどこを見ても見つからず、てっきり新しい録音かと思っていた。帰りのフライトでケンペ指揮と判明。

ケンペの指揮はR・シュトラウスにせよ、ブルックナーにせよ、ぱっと聞いてハッとするようなものではないが、良く言われるような「堅実」とか「地味」という形容も当たらないと思う。このベートーヴェンもそうだったが、音楽が盛り上がるに連れ、この人の指揮はだんだん熱さを増してくる。緩急のつけ方が非常に巧みでぐいぐいと引き込まれる。

調べてみると1973年の録音のようである。国内盤は昨年の秋にリニューアルリリースされているので、これを聴いたに違いない。良い演奏である。

ハイドン交響曲第92番「オックスフォード」 : 朝比奈

朝比奈ハイドン

長い冬休み開け、二日頑張れば三連休のはずが昨日今日と休日出勤。。二日とも半日勤務だったとはいえ、ちと残念。それでも明日がまだお休みで良かった。このところレコードを聴く時間が長く、CDはあまり聴いていなかったのだが、今日、帰宅すると朝比奈隆さんがベルリン・ドイツ響を振ったハイドンのCDが届いていたのでさっそく聴いてみた。

朝比奈隆さんは晩年ほとんどハイドンを演奏しなかったので全然イメージにないが、HMVの解説によれば若い頃は交響曲全曲演奏をもくろんだことがあるらしい。どういう経緯かわからないが、放送用にセッション録音されたのは実に幸甚。日本のオーケストラが悪いと思っているわけではないが、この演奏を聴くともっとたくさん海外の実力あるオケで録音していたらなあという思いを抱かざるを得ない。

92番と99番の組合せだが、一言で言って両方とも実に素晴らしい演奏である。70年代の放送用録音と聞いてどんなものかと思ったが、録音も文句なし。プラセボ効果か、あたかも良好な電波環境でFM放送を聴いているような感じである(笑)。

ヨッフムのハイドンも格調高く立派と思ったが、朝比奈さんの演奏もそれに負けず劣らず立派である。加えて音楽が暖かく、愉しい。もちろんオケは万全。実はこのCDが発売された時に絶賛されていたのは知っていたのだが、評論家のバイアスを疑ってすぐに買わなかった。しかし、これは本当に良い演奏である。名盤。

p.s. 最後にドイツ語でインタビューが収録されているが訳がないのでちんぷんかんぷん。日本語訳を付けてほしい。。
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