マーラー交響曲第10番(クック版) : ハーディング

マーラー10番ハーディング

僕の会社には日本に駐在する外国人が何人もいるのだが、彼らは例外なく日本に生まれ育った我々よりも日本各地の名所を訪れるのに熱心だ。こっちで仕事を始めて数か月くらいの時に「休みはどうしているの?」と聞くと、「箱根に行った。」「日光に行った。」等々早速観光地を訪れているのが珍しくないし、驚くほどの割合で「富士山に登った。」と言う。僕が富士山に登ったことがないと知ると大抵驚く。「なぜ登らないの?」なぜって、言われても。そもそも登山しないし。。

とは言え、自分がニューヨークに住んでいた時のことを考えればわからなくはない。当時は仕事の関係も含め全米各地、と言うか北米各地をあちこち訪れていた。モンタナに行った時は空港のカウンターで黒人の女性係員に「Why are you going to Montana?」と真面目な顔で不思議がられた。なぜって、言われても。。

アメリカから来た駐在員を除くと彼らに共通する訪問先がある。「広島」である。"Hiroshima"は僕らが思う以上に僕の同僚外国人には有名な場所だ。僕が知っているだけで今年の夏も何人もが広島を訪れている。日本にいる間に一度自分の目で歴史を見たいと思う人が多いのだろう。世界中の緊張が高まる中、感覚的にはここ10年くらいの間、その数はぐんと増えている。

「北朝鮮は大丈夫?」 ニューヨークに住んでいる弟夫妻から、ここ数か月で何回か同じ質問を受けた。僕には何が答えなのかわからない。誰にも正解はわからないだろうし、万一、悲観的な答えが本当だったとして自分には何ができるだろうか?とにかく、これまでも繰り返し東アジアの中で軍事的緊張があったから、日本で報道を見てもある意味、感覚が麻痺しているが、米国に住む弟にはこれまでと違うレベルの懸念があることには間違いない。

閑話休題。今日も朝から雨。昨日から腰の具合もベストではないので今日はゴルフに行くのを止めた。休み中にオーディオの断捨離を行うべく、使用頻度の低い機器を確認して買取の見積りをお願いした。一時、見境なくアナログ関係を収集していたが、この一年間くらいで聴く機器は限定的になった。新しいものを導入してパッと聴いた時には目新しさも手伝ってどれもこれも良いと思うのだが、一年も聴くとしっくりくるものは自ずからはっきりする。見積次第ではあるが、おそらく週末にはまとめて引き取ってもらうつもりである。

今朝、聴いたのはハーディング/VPOのマーラー交響曲第10番。クック版による演奏。ハーディングのDGデビュー盤である。かつてラトルのアシスタントを務め、バーミンガム市響を振ってデビューしたハーディングのメジャー契約初めての録音がマーラーの10番となると、ラトルとの因縁を感じざるを得ない。ハーディングは東日本大震災当日に新日フィルとコンサートを敢行したことが有名だが、99年には早くも初来日しているらしい。日本にも馴染みの名指揮者である。

この演奏の録音時ハーディングは20代である。若いなあ。が、このCDでは、そういう若い指揮者であるという事実から想像する荒々しい勢いのある演奏とか、きびきびとした爽やかな演奏という予想を大幅に超越した演奏が聴ける。一言で言えば、非常にバランスの取れた美しい演奏である。最強音時でもきつい音がしない。変な話、不協和音が不協和に聞こえない。感情的な表現なしにスコアに記された感情を表現するような、抑制された美を感じる。録音も良い。これは良い演奏。
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マーラー交響曲第10番(バルシャイ版) : バルシャイ

バルシャイマーラー10番

お休み二日目の今日も朝から小雨。しかも涼しいを通り越して半袖半ズボンでは少し寒い。天気予報を見ても終日傘マークだったので出かける前に少し悩んだのだが、結局、予定どおりゴルフに行った。ゴルフ場に着くまで運転しながら、天気の回復を祈り続けたのだが、神様もいちいちそんな取るに足らない願いを叶えるには忙しすぎるだろうから、雨脚に変化なし。

ゴルフ場に着いたのは7時半くらいだったが、気温は22度だった。ちょうどひと月前7月15日のブログを読むと朝から34度と書いてある。いったい夏はどこへ行ってしまったのか!猛暑かと思ったら冷夏の様相である。梅雨の間は雨が降らないなあと思っていたのだが、最近はずっと雨ばかり。

お盆の上にこの天気なのでゴルフ場はさぞかし空いているだろうと思ったのだが、さにあらず。駐車場はけっこう一杯である。東京をはじめとして他県ナンバーも多い。里帰り組か、夏休み組かよくわからないが、皆さん熱心。ちなみに残念ながら今日はラウンド終了まで雨は止まなかった。

夕方、家に帰ってPCをチェックするとかなりの数のメールが来ている。夏休みと言っても自分が有給休暇を取得しているだけなので、仕事をしている皆さんからは遠慮なくメールが届けられる。社会とつながっていることを確認できて、ありがたい限りである(笑)。しばらく、その対応に追われた後、ようやく音楽にありついた。

マーラーの交響曲第10番、次なるバージョンはルドルフ・バルシャイがユンゲ・ドイッチェ・フィルを振ったバルシャイ版。バルシャイと言えば僕にはやっぱりショスタコーヴィチだが、この演奏を聴くとマーラーを得意としていたという話も納得する。HMVの紹介記事によればたくさんの打楽器を追加してクック版に比べればはるかに介入的な補筆が行われているらしいが、そのあたり正確なところは相変わらずわからない。

このCDの素晴らしさはなんといってもバルシャイ/ユンゲ・ドイッチェ・フィルの気持ちの入った演奏である。録音もクレジットを見るまでライブ録音かスタジオ録音か判別できなかったくらいバランス良く収録されている。わびさびで寂寥感を伝えるような演奏ではなく、もっとエモーショナルで情熱的。そういうのは外面的と思う人には合わないと思う。僕はこの演奏、大いに楽しめた。

ジョンゲン 協奏交響曲 : フォックス/プレートル

プレートル

今日から今週いっぱい夏休み。今度の日曜日から出張にでなくてはいけないのがちょっと残念であるが、それでも一週間休めるのだから贅沢は言えない。もう一つ残念なのがお天気。今日も朝からしとしと雨が降って気温も低め。天気予報を見ると週の前半はほぼ雨マークである。特に予定を入れなかった今日はともかく、明日からはお出かけの予定なのに。。

さて、ガーシュインで気を良くしてプレートルボックスから次に聴いたのがサン=サーンスの「オルガン付き」。この演奏も良かったのでそのうち感想を書こうと思うのだが、それ以上に面白く聴けたのがジョゼフ・ジョンゲン (Joseph Jongen) の協奏交響曲。ジョゼフ・ジョンゲンという作曲家はこの曲を聴くまで知らなかった。7歳で音楽学校に入学を許可されたとは凄いが、その後、16年もその学校にいたというのも凄い。ピアノとオルガンを修め、作曲ではローマ大賞を受賞していると言うから、やっぱり天才なんだろうなあ。

この人が書いた曲で最も有名なものが、この協奏交響曲だと言う。協奏曲だか交響曲だか紛らわしいが、聴いた感じではオルガン協奏曲である。第一楽章冒頭の弦のリズムを聴いただけでオッて感じだったが、オルガンの入りもなかなか華やかで非常に受け入れやすい曲である。オルガンと言うのは日ごろ教会に馴染みのある人は別として、日本ではやはり非日常的な楽器だと思う。そのせいか、はたまた思い起こせば幼稚園がキリスト教系でそこで洗脳されたせいか、僕はオルガンの曲を聴くと大抵ありがたい気持ちになるのだが、この曲は一際そうであった。もっと人気があってしかるべき曲だと思った。

ガーシュイン ピアノ協奏曲 : ウェイエンバーグ/プレートル

プレートル

今週は月曜日から昨日の「山の日」までずーっと出張。で、今日は朝からゴルフに行ってきた。昨日の夜、けっこうな勢いで雨が降っていたので天気がやや心配だったのだが、ゴルフ場に着いてみると雲間からお日様が姿を現して、あれよあれよという間に暑くなった。ラウンド中はちょっと暑すぎるくらい。たっぷり水を飲みながらのラウンドになった。今日は転職してしまった元同僚と久しぶりに回ったのだが、ラウンド中に話を聞くと新しい職場はとても居心地が良さそうである。一緒に仕事をしていた時はいろいろお世話になったので、そうとわかって嬉しかった。

時間がなかったのでオーディオに電源を入れるのも久しぶりである。今どき、外で音楽を聴きたければいくらでも手段はあるのだが、僕はヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聴くのが好きでない。小さい頃に母親から「イヤフォンを使うと耳を悪くする。」と脅されたのがトラウマになっているのかも。なので、音楽を聴くのも日曜日以来だ。

以前、「幻想交響曲」の演奏で同じことを書いたが、僕がクラシックを聴き始めた頃、日本におけるジョルジュ・プレートルの評価は非常に低かったと思う。再評価されるきっかけは2008年のニューイヤーコンサートだと思うが、それがなければこの名演集ボックスセットも生産されることはなかっただろうし、仮に発売されていても僕は買わなかったに違いない。

そうなるとボックスセットの一枚目に収録されたこのワイエンベルクかウェイエンバーグか知らないが、オランダの音楽学校の先生が弾くガーシュインのピアノ協奏曲を聴くこともなかったはずだ。こんなに素晴らしい演奏なのに。

僕がガーシュインのピアノ協奏曲を初めて聴いたのは90年代前半だった。ちょうど北米に短期で駐在していた時期、まだ大衆車にはCDデッキではなく、カセットデッキが装備されていた時期である。あれは確かアントルモンの独奏だったと思うが、向こうの大学の生協みたいなところで買ったカセットテープで聴いたのが初めてだった。懐かしい。

プレートルはトランペットを学んでジャズのバイトをしていたらしい。ウェイエンバーグ先生もジャズを弾くと言う。その二人がパリ音楽院管弦楽団とともに作り上げる音楽は、クラシックとジャズの融合みたいなこの協奏曲の演奏に実に相応しい。60年代初頭の録音にも関わらず音も鮮明である。名盤。

マーラー交響曲第10番(カーペンター版) : ジンマン

マーラー10番ジンマン

今日は朝からとても暑かった。午前中、家の周りを歩いただけで汗びっしょり。懲りずに午後、打ちっぱなしに行ったら滝のような汗が出た。確実に35℃は超えていたと思う。帰り道、遠くの方の雲が怪しい色しているなと思ったのだが、案の定、ついさっき雹が降り始めて、その後かなりの大雨になった。暑いので夕立は歓迎だが、できればもう少し穏やかな雨をお願いしたい。

モリス、ラトル、インバルとクック版の演奏を聴いて、次に聴いてみたのがジンマン/チューリヒ・トーンハレ管による演奏。カーペンター版による演奏である。

カーペンターって誰?Wikipediaにはアマチュア音楽家としか書いていない。1946年から補筆を始めて20年かかりでまとめたのがカーペンター版である。なんだかロマンを感じるなあ。どことなく「復活」のキャプランみたいだ。Clinton Carpenterで検索してもあんまりヒットしないが、2005年に亡くなった時のニュース記事を見つけた。(Clinton A. Carpentar)

姪のHayashiさん(日本人と結婚されたのだろうか?)によれば、Carpenterさんは物静かで思慮深く、感受性に富んだ人だったらしい。昼は保険会社のサラリーマン、夜はマーラーの補筆という努力の結果がCarpenter版である。このバージョン、手を加えすぎであるとと総じて批判的に論じられている。批評が肯定的でないことについては本人も承知していたようだ。それにしてもジンマンがクック版ではなくてカーペンター版を選んだのは非常に興味深い。人一倍オリジナルスコアの深読みをしそうなジンマンがなぜこの版なのだろう。いまさらクック版録っても売れないと踏んだのだろうか?

演奏を聴くとカーペンター版がクック版とかなり違うのはすぐわかる。アメリカでのこの演奏の評論に「マーラーがほぼ完成させた第一楽章と第三楽章はまだしも。。」という趣旨のコメントがあったが、その両楽章ですらけっこう違う。第二楽章や第四楽章はかなり違う。そこここにマーラーの別の交響曲で聴いたことがあるようなフレーズが聴こえるし、第二楽章の終わりなんてどことなくアイブズみたいに感じた。終楽章のオーケストレーションは悲劇的な映画音楽みたいに聞こえなくもない。「これはマーラーじゃない、俺は絶対許さない。」と言う人がいるのもわかる。

しかし、である。どっちにしてもマーラーは死んじゃってるわけだし。世の中にマーラーと同じ作曲能力を持っている人もいなかろう。さっきのChicago Tribuneの記事を先に読んだこともあって、個人的にはカーペンター版、万歳である(笑)。デカい仕事を成し遂げた良い人生だなあと思う。羨ましい。

ところでジンマン/チューリヒ・トーンハレ管の演奏だが、一言、素晴らしい。録音も最高。

ショスタコーヴィチ交響曲第15番 : ヤルヴィ

ショスタコヤルヴィ15番

今週末は出勤もお出かけの予定もない。ちょっと久しぶりにのんびり過ごせる。いつもは車で歯医者に行くのだが、時間に余裕があったので歩きで行ってきた。iPhoneで地図を見ると家から片道1.5km。せいぜい20分くらいの距離である。このくらいならと思って歩いてみると予想以上に蒸し暑い。歩いている人はほとんど見かけず、行き交うのは車ばかりである。不便なせいか、片田舎ほど車が多く感じる。往復ですっかり汗を掻いてしまったが、とは言え、このくらいの距離なら歩く方がやはり身体には良さそうである。これから時間がある時はいつもこうしてみよう。

さて、しばらくぶりに手に入れた次なるショスタコーヴィチ15番はネーメ・ヤルヴィ/エーテボリ交響楽団。ヤルヴィはシャンドスとDGにまたがってショスタコーヴィチの交響曲全集を完成させている。旧ソ連出身でムラヴィンスキーが指揮者としての師匠だけにショスタコーヴィチの曲は十八番の一つであろう。

親子で指揮者と言うのは珍しくないが、ネーメ/パーヴォ・ヤルヴィ親子みたいに二人ともクラシックの大レーベルにたくさん録音を残している親子は珍しい。オケを統率するだけではなく、音楽産業との付き合い方がうまくないとこうはいかないだろう。ところで、Wikipediaによれば、ネーメの方はカラヤン以降の世代の指揮者(定義が曖昧だが。)で最も録音数の多い指揮者らしい。えー!そうなんだ、ちょっと意外と言う感じである。

演奏は最初、かなり淡々と始まるので、あっさり味かなと思いきや、第二楽章終盤の盛り上がりや終楽章の大団円部分など一転して濃厚劇的である。録音のダイナミックレンジが広く、冒頭、物足りないと思って音量を上げると先の部分でかなりの大音量になる。久しぶりにこの曲を聴いたということもあるが、非常に説得力のある良い演奏だと思った。

マーラー交響曲第10番(クック版) : ラトル

ラトルマーラー10番

モリスの10番を聴いて全曲版に俄然興味が湧いたので、所有するCDを調べてみるとラトル(クック版)、インバル(クック版)、ジンマン(カーペンター版)、バルシャイ(バルシャイ版)が手元にあった。いずれも今までしっかりと聞いたことがないので順次聴いていくことにした。

まず最初に聴いてみたのがラトル/ベルリン・フィルによる演奏。ラトルは指揮者としてのキャリア初期からこの曲を得意としていたそうで、80年にはボーンマス響との録音も残している。80年と言えばラトルがバーミンガム市響の音楽監督に就任した年であり、EMIとの専属契約を結んだ年である。BPOとの録音は99年だが、この年にラトルがアバドの後任になることが発表されている。節目の年にはマーラーの10番を録音するみたいで面白い。もしかしたら来年、LSOと三回目の録音を行うかもしれないな(笑)。

モリス指揮の演奏に比べてより劇的な、説得力ある演奏と感じた。さすがラトル/BPOと素直に思う演奏である。美しい弦楽器、パワフルな金管、重要な役割を担う打楽器もパンチが効いている。そう言えば、ミュート付きの大太鼓がこの演奏では第4楽章のラストに、モリス盤では終楽章の開始に入っているのだが、同じクック版でもいろいろあるのだろうか?録音は十分鮮明。難ありなことの多いEMI録音だが、この演奏に関しては大きな不満はない。

ハイドン 交響曲第93番 : アーノンクール 

アーノンクールロンドンセット

先週木曜日に札幌に日帰り出張した後、金曜日から昨日まで沖縄に行ってきた。たまたま重なってしまったのだが、札幌往復の次の日に沖縄まで移動するとさすがに疲れる。沖縄は本島だけでなく那覇で乗り換えてその先の島まで行ったのでなおさらである。折悪くダブル台風が近海にいて、特に9号の方は沖縄県西部を直撃しそうな勢いだったので天気が非常に心配だったのだが、幸運なことに台風はさらに西に逸れてくれたので飛行機に影響はなかった。

関東も毎日暑いと感じていたが、南国の気温はやはり一枚上手で曇っていれば湿度がすごいし、雲間に太陽が覗けばそれはもう容赦ない日差しである。二日目の土曜日はレンタカーを借りて日中島内移動したのだが、それだけで心なしか日焼けした。ゴルフに行くわけではないので油断して日焼け対策を講じなかったのが失敗。まあ、仕事とはいえ沖縄では宿泊したホテルも立派で良い記念になったので良しとしよう。

土日が出勤になったので、今日は終日在宅勤務にさせてもらった。在宅勤務と言っても午後一つ電話会議があった以外、会話する必要がなかったので音楽を聴きながらメールをチェックしたり、資料を読んだりしていた。最初は仕事が7くらいの割合だったのだが、徐々に音楽の比重が増えて、気が付けばスピーカーを入れ替えたりしている(笑)。

ディナウディオ→D-TK10→AM105iと変遷するにつれ、どんどんニアフィールドリスニングになってきたが、なんとなく閃いて今日はそのセッティングのまま久しぶりにディナウディオを繋いでみた。スピーカー間1.5mのセッティングにブックシェルフの中では大ぶりなディナウディオを置くとバッフル面がかなり近く、大きく感じる。かぶりつきで聴いているような感じ。いかにも出てくる音がスピーカー自体の影響を受けそうだなと思ったのだが、案に反してまともに鳴る。と言うか、もっと左右を離し、自分の位置も下げて一回り大きな三角形で聴いていた時よりもはるかにまともに鳴っている。これにはちょっと驚いた。ずっと気になっていた低音の膨らみと定位の揺らぎもまったく気にならない。距離が近いことで直接音のウェイトが増えるとともに壁面から距離が増えたことで不要な反響が少ないのだろう。つまり、それくらい部屋の影響が大きいと言うことである。気に入ったのでしばらくこれで聴くことにした。

午前中、HMVでまとめ買いした中古CDが届いた。その中からアーノンクールのハイドンを聴いた。86年から92年にかけて録音されたロンドンセット。その一枚目の一曲目が93番である。ロンドンセットのうち愛称のない6曲は自分の中でどうしても影が薄いのだが、順番通り聴き始めた93番の、特に弦楽四重奏で始まる第2楽章が気に入った。アーノンクール/コンセルトヘボウと言うと強烈な演奏を想像するし、実際、メリハリの効いた男性的な演奏であるが、ハイドンの曲はそうしたアプローチも鷹揚に受け止めて傷つくことがない。疲れた時にはやっぱりハイドンである。

マーラー交響曲第10番(クック版) : モリス

morrismahler10.jpg

休日出勤の振り替えで今日はお休み。あいにくの天気だが、小雨のおかげでさほど暑くもなく、のんびりするには良い感じ。明日からまた週末まで出張続きなので今日は一日何もせず完全休暇にしようと思っていたのだが。。

朝ご飯食べて、朝風呂入って、明日以降の準備を頭の中で一通り済ませる。明日の出張は普通の顧客訪問なので特に悩む必要ないのだが、明後日からの3日間は初めて行く場所、内容も普段と違うので着る物、持ち物のシミュレーションをしてみるといくつか足りないものがある。。数か月前から行くことがわかっているのに準備ができない自分に腹が立つ。子供の頃からいつもこうだ。

仕方ないので、午後、買い物に行くことにした。気分はブルーである。大袈裟に聞こえるだろうが、僕は買い物が嫌いだ。しょっちゅうオーディオ機器買っているじゃんかと思われるかもしれないが、対面での買い物は大嫌いなのである。出かけるまでに時間があればネットで買えたのに、である。そして時間は十二分にあったのだ。。反省。

平日だと言うのに近所のショッピングモールは混んでいた。どうやら学生達は夏休みらしい。とにもかくにも必要最小限の買い物を済ませて帰宅。ホッとして音楽を聴いた。ウィン・モリス指揮ニュー・フィルハーモニア管の演奏するマーラーの交響曲第10番。マーラーの10番はこれまでアダージョを除いてあまり聴かなかった。補筆版と言うのがなんとなくしっくり来なかったこともある。が、なぜか今日はこの音楽がとても心に沁みた。少々落ちた気分に曲が合ったのか、作曲者と同じような年齢になって音楽が理解できるようになったのか、どうしてかはわからないが、こんな良い曲だったか!と思った。

第1楽章は以前から好きだったが、じっくり聴けば二楽章以降も随所に素敵なメロディがあるし、補筆版とは言えオーケストレーションも充実していると思う。特に大太鼓で始まる終楽章はたいそう印象的である。これだけの大曲を書き始めたマーラーが9番の終楽章で自分の死を書いたとは思えなくなった。

ウィン・モリスと言う指揮者はこの演奏で名前を知るのみだが、英語版Wikipediaを読むと才能あふれる指揮者だったのに、回りと上手くやっていくことができず、酒癖も悪くて実力に見合う実績を残せなかったらしい。少なくともこの演奏は良いと思う。クック改訂版のどれかの世界初録音だからと言うだけではなく、良い演奏である。

プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番 : ワイセンベルク/小澤

小澤ワイセンベルク

今日はちょっと久しぶりに朝から小雨模様。天気予報によればこの辺は終日小雨、東京都心は終日曇りのようである。今日もスーツで出勤なので気温が低めなのはありがたい。天気の良かった昨日は暑さが堪えた。

なんのきっかけか忘れてしまった(昨日のことだと言うのに。。)のだが、昨日、辻井伸行さんのビデオをYou Tubeで観た。コンクール優勝時にも演奏していたリストに引き続いて、13年のBBC放送でのラフマニノフ、佐渡裕さんと共演したプロコフィエフのビデオを観て感動。辻井さんのピアノも凄いのだが、映像付きで見るとオケと指揮者の熱演ぶりも伝わってきてなお一層感動が増す。お互いが刺激を受けての一体感が良い。

映像的にはプロコフィエフが一番面白かった。この曲、ピアノも大変そうだが、オケも相当大変そうである。特に木管群。その興奮を引きずりながら、今朝はこの曲のCDを聴くことにした。手元にはアルゲリッチやキーシンのCDもあるのだが、小澤/パリ管/ワイセンベルクと言う組合せの妙に惹かれてこちらを聴く。

録音時、小澤さん35歳、ワイセンベルク41歳と二人とも若い。ジャケット写真の表情がなんとも形容しがたい。ワイセンベルクは小澤さんを見ているが小澤さんは見ているふりして実はワイセンベルクを見ていないような気もする。勘ぐり過ぎか。

演奏はワイセンベルクのピアノが切れ味鋭く、小澤さんの指揮するパリ管はデリケートで繊細な表情。唯一の問題は辻井さんと佐渡さんの演奏とは正反対にお互いが相手に合わせるつもりがなさそうなところ(笑)。ワイセンベルクが唯我独尊的に弾いていると言えなくもないが、小澤さんも一定の線以上は譲歩しませんよ、と言う感じ。まさにジャケット写真の関係。だからこその緊張感はある。縦の線はしょっちゅう合わないとは言え。

二人の共演はこの一枚で終わりと言う事実が相性の悪さを仄めかすが、そこはレコード会社の都合もあるだろうし、本当のところはわからない。ちなみに組合せのラヴェルは普通に良い演奏である。
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