ゴルフクラブ

久しぶりにゴルフクラブを買った。

一時、クラブを替えることでスコアが少しは良くなるのでは?とか、スライスが直るのでは?とか、もっと飛ぶのでは?と思ったことがあり、一・二年の間に3回くらいとっかえひっかえした時期があったのだが、「もちろん」何の改善もなく、しかもあるとき同組で回った上級者が「ちょっと貸して」というのでスライス専用ドライバーを貸したところ、素振りもしないで見事なドローボールを打ったのを見るに及んですべてを悟り、以降、五年間くらい同じクラブを使っていた。

最近はひどいスライスもなくなり、時に意図的にドローも打てるようになったのだが、どうにもアイアンが安定しない。背伸びして買った中級者向けアイアンである。練習すればうまくなると信じてきたが、最近、僕よりスコアが10は小さい同僚がかつてそのアイアンを所有していたものの難しくて止めたというのを聞いた。潮時と思い、クラブを追加購入した。

といっても買ったのはこれまで持っていたアイアンよりさらに古いアイアンである。キャロウエイのX18シリーズという、もう10年落ち近い古いモデルだ。このモデルは僕が最初に買ったアイアンの後継シリーズだ。シャフトも今のM10だと自分のスイングスピードではしなりをうまく感じられないので一ランク軽くてやわらかいNS950にした。4番からPWまでの7本セットで19,800円。この価格ならもし合わなくてもあきらめられるだろう。

出張中に届いたクラブを昨日開梱して早速打ちっぱなしに行った。持ってみるとやはり軽くやわらかい。構えてみるとブレードが厚いので安心感がある。打ってみると鍛造ではないので芯を食っても打感はだるいが、ミスショットには明らかに強い。多少のスイングのブレは吸収してくれそうだ。

問題はグリップ。すでに市販品に差し替えてあるが、ほぼツルツルである。しかし、グリップを換えれば、後は中古でも何の問題もない。

早くコースに出てみたい。楽しみだ。
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SM-SX10(8)

シンガポール出張している間に海外暮らししている弟夫婦が久しぶりに帰国した。留守の間にオーディオルームは見たが音を出していないというので、夜、三人で一緒に音楽を聴いた。

二人は音楽好きだがオーディオには興味はあっても知識はなし。通常はiPadやmp3プレーヤーにダウンロードしたポップスを聴いているという。まずは持ってきたiPad miniのステレオジャックからピンジャック→RCA変換ケーブルでSM-SX10のアナログ接続に繋いでいつも聴いている音楽を聴いてもらう。

うーん、ひどい音だ。と思ったが、弟は大喜び。音の分離がすごい!とか言ってはしゃいでいる。これは聞かせ甲斐がある。

iPadもiPodもそのまま接続できるDACがないので、持っているCDや自分のPCに入っている音源で二人が聞いたことのありそうなものを一緒に聴く。CDで聞くワルツ・フォー・デヴィやPCに入っていたMichael JacksonのThis is it等、共感できそうなものを次々にかけたが、どれを聴いても非圧縮音源をきちんとしたオーディオで聴く音の良さに感動してくれたようだ。

しばらく聴いて慣れてもらったところで、ちょうどいい機会だと思い、同じ音源をSM-SX10とDussun R30iで聞き比べてもらうことにした。もちろん自分で聞き比べてもいいのだが、なまじ周辺知識(特に真贋の怪しい知識)が豊富な僕の場合、どうしてもバイアスがかかる。この二人はずぶの素人に近いし、二人の感想の方が信憑性が高そうだ。

聞き比べはまずPC→USBケーブル→Perfectwave DAC→RCAケーブル→SM-SX10で聴いてもらい、その次に同じ音源をPC→USBケーブル→Perfectwave DAC→XLRケーブル→Dussun R30iで聴いてもらう。最後にもう一度SM-SX10に戻す。という形で行った。

聴いたのはマイケルジャクソン、RUN DMC、マドンナ、ジャネットジャクソンというオールポップス。元音源はすべてCDである。リッピングしたデータをNASに貯え、そこから無線LANで接続している。PC上のプレイヤーはfoobar2000。

厳密に言うと二経路のケーブルが違う。RCAとXLR、さらにスピーカーケーブルも違うが、これらのケーブル類は以前、ケーブル類同士で聞き比べしたとき違いがわからなかった。おそらく影響は非常に小さいと思う。

結論は、もう圧倒的にDussunが二人の好みだった。最初のマイケル、その最初に聴いたBillie Jeanのドラム一発で結論が出ていたが、念のためいろいろ聴き続けた。が、結論は変わらず。

中低音の量感、迫力でDussunが大きく上回ったのが理由らしい。マイケルジャクソンの歌声は大げさに言うと半音くらいDussunで聴く方が低く聞こえる。そのくらい中低音成分が多い。

これは面白いと思って次々聞き比べたかったのだが、残念ながら、すでに就寝モードに入っていた両親から音の大きさにクレームが入って終了…。

またタイミングを見て違う比較をしてみたい。

シンガポール

二ヶ月ぶりのシンガポール出張から帰国。日本もだいぶ暑くなったので服装に悩まなくてすむ。

今回、初めてシンガポール航空のエアバス380に乗った。ビジネスクラスのシートはかなり大型だ。シートベルトのサインが消えたところでさっそくリクライニングしてみたが思ったほど倒せない。近距離区間なので日本の航空会社同様途中までなのかと思いきや、シートバックを前に倒すとシート前方の足置き場と連結してベッドになる仕掛けだった。ワンボックスカーのフルフラットシートのような構造だ。飛行機のシートとしては画期的である。

それにしてもSQ11便のフライトスケジュールは変わっている。成田発2050分でシンガポール到着は午前230過ぎ。確かにこの時間帯日本を発つシンガポール行きはないが、いくらなんでも不便な到着時間だ。

タクシーで移動する際は要注意。素早く並ばないと長蛇の列である。

ブルックナー交響曲第8番 : ハイティンク

あんまり好きじゃないと言いつつ、聴き始めたらキリがない。セルに続いて朝比奈隆の8番を聴いたのだが、演奏を語る前に録音があまりにもライブすぎ、弦楽にはキレがなく、金管の立ち上がりは聴こえない。これはさすがにと思ってかけ直したのがハイティンクの演奏。

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このCD4枚組もTower Record限定版。本当、タワレコにお世話になってます。ハイティンクにはこれ以前に全集の録音があるので、8番は二回目の録音。この後、さらにVPOとの演奏もある。

演奏はさすがハイティンク。盛り上げるところはきっちり盛り上げつつ、締めるところは締めるメリハリに富んだ演奏だ。過不足ない演奏と言うと、否定的なニュアンスを感じてしまうかもしれないが、ネガティブな意味ではなく非常にバランスの取れた立派な演奏だ。

RCOの演奏も良いし、30年以上の前の録音だが音も良い。ゴールデンスタンダードの演奏の一つだと思う。

ブルックナー交響曲第8番 : セル

ショルティに続いてセルのブルックナー交響曲第8番を聴いてみた。高校時代にこの演奏のLPを持っていて、雲の間から月光がこぼれているジャケット写真が好きで壁に飾っていた。

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このCDはTower RecordとSonyのコラボレーションで割と最近復刻(だと思う。)されたもので、交響曲第3番とのセットになっている。残念ながらジャケット写真は違う画像だ。第3番のLPの画像だろうか?

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セルのブルックナーというのもあまり評価を見聞きしない。セルとクリーブランド管の演奏精度の高さは有名だが、どちらかというと軽量というか軽妙な印象だからだろうか?モーツァルトとかシューマンとかそういうイメージだ。

しかし、聴いてみると意に反し、セルが振ったブルックナーやマーラーはいずれも名演である。この第8番もヴァントとベルリンフィルとか、ジュリーニとウイーンフィルといった組み合わせに比べ、音色が明るくカラッとしている分、軽く聴こえるかも知れないが、演奏自体のスケールの大きさでは決して引けをとらない。

実はこの演奏を聴くのは大変久しぶり、CDは初めて聴いたのだが、予想以上というか記憶以上に良い。69年の録音なのでヒスノイズはあるが、聴きやすい良い録音である。弦の艶や管楽器の抜けもホールトーンとほど良くブレンドされていて良い塩梅だ。最新のデジタル録音にはもちろん良い音のCDもたくさんあるのだが、個々の楽器の音がクリアな一方、フルオーケストラの厚み、特に弦楽器の厚みが足りないものが結構ある。結局、中低音が厚いいわゆるかまぼこ型の音の方が聴いていて心地よいのかもしれない。60年代の終りから80年代始めまでのアナログ全盛期の録音をCD化したCDの方が聴いていて楽しいものが多い。

そうした音で聴くセルとクリーブランド管の演奏は文句なく素晴らしいと思う。このCDはショルティとは違い、万人向けで推薦できる。

ブルックナー交響曲第8番 : ショルティ

昨年はショルティの生誕100周年だったので、それを記念していろいろな企画もののCDが発売されたが、そのなかに「ショルティ名盤50」というシリーズがあった。一枚1200円でルビジウム・クロック・カッティングというオーディオ好きならついつい聴いてみたくなるカッティングが施されている。

カッティングだけでなく、たとえばマーラーの演奏は70年代~80年代のシカゴ響との録音ではなく1回目の録音であったり、あるいは90年代のライブ録音であったりと定番ではない演奏がいくつか含まれている。

このブルックナー交響曲第8番は1990年にサンクトペテルブルグで行われた演奏をライブ録音したもの。ショルティはブルックナーの交響曲全曲を録音しているはずなので、この演奏もおそらく定番ではないものだと思う。

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さて演奏はというと、いつものとおり剛速球のショルティ節。見栄を切らない節回し、まったくためのないリズム、フルオーケストラの中でも埋もれず耳を直撃する金管楽器、そして完璧なアンサンブル。ブルックナーを愛して止まない多くのブルックナー愛好家が眉をひそめそうな演奏である。

僕はショルティのブルックナーの中では6番と9番がベストと思っている。この両曲については他の誰の演奏と比較しても引けをとらないと思うのだが、このシリーズで取り上げられているのは7番と8番のみ。たしかに曲自体の人気で言えば7番と8番の方が人気があるのだろうが、8番はともかくとして7番はショルティの演奏と合いそうにない。このシリーズで初めてショルティのブルックナーを聴く人達がその演奏を嫌いにならなければ良いが。。。

個人的にブルックナーの交響曲第8番は難しい曲だ。一昔前はこの曲ばかり聴いていたこともあったのだが、今は誰の演奏を聴いていても全曲通じて聴きとおしたいと思うことがほとんどない。曲が長いということもあるが、同じように長くても第5番はずっと聴いていたいと思うので、結局好みに合わないのかもしれない。

そんな中、このショルティの演奏は悪くない。特に第4楽章は良い。ただし、かなり前のめりのリズムなので万人には薦められない。あまり誉める人の多くない演奏だと思うが、いろんなスタイルのブルックナーが聴いてみたい人、それから自宅のオーディオシステムに自信のある方には積極的にお薦めしたい。

家人がいない時、大音量で聴くと爽快な演奏だ。

ソニーSCD-DR1

昨年以来、うちのオーディオの中核となるSACDプレーヤーとしてSONYのSCD-DR1を使用している。2003年か2004年発売開始の機器なので、デジタル時代のオーディオ機器としては相当古い部類に入る。僕が購入したのは昨年だ。まずまずきれいな個体を中古で発見して購入した。

それまでは、カスタム機器の販売で有名なとあるショップが改良したCDトランスポートにこれまたガレージメーカーのDACを組み合わせていた。この組み合わせも悪くなかったのだが、SACDが聴けなかったのとエソテリックのVRDSにすごく興味があったので、後継機器を常々探していた。

VRDSは良い評価だけでなく、音が硬いとか高域がきついとかネガティブな評価も見聞きするが、CD/SACDの回転系の中でシステム名がここまで知れ渡っている例はほかにないし、海外機器のハイエンドでも採用例が多いことを見ればメカとしての完成度が高いことは間違いないと思う。メカ好きで機械式カメラや車も好きな僕としては「一度はVRDS」という気持ちなのだ。

ということで探していたのはP-03/D-03の組み合わせ。すでにエソテリックのラインナップ中この組み合わせはもっとも古くなっていたのだが、上位機であるP-01/D-01は大規模すぎるし、下位機は買った後、どうせまた上が欲しくなるに違いないと思って3番を探すことにした。見た目もオフセンターのところが良い。ちょうど代替わりのタイミングだったので、探し始めて割とすぐに以前、別の機器を購入したことのあるオーディオショップに中古が並んだ。

そのタイミングでその店にはP-03/D-03、LinnのCD12とSCD-DR1が並んでいた。加えて、中古ではないのだがマランツのSA-11S3もあったので、4台同時に試聴させてもらった。

ショップのリファレンスであるエアーのKX-R/MX-RとB&Wの800(か802?)を組み合わせてクラシックからロックまでいろいろな曲を試聴したのだが、このクラスとなるとちょい聴きしたくらいでは脱落する機体がない。いずれの音も好みの範疇だ。

中ではSA-11S3が音の格調というか響きの処理の部分で聴き劣りするのだが、これは何でだろう。筐体の問題だろうか、それとも実はSA-11S3が最も自然な音を聴かせていたのだろうか。新品だがエージングは十分ということだったので、エージング不足が原因ではなさそうだ。もっとも新品価格を考慮すれば、コストパフォーマンスはSA-11S3が圧倒的に高いと思う。

P-03/D-03、CD12、SCD-DR1は僕の評価ではいずれも本当に僅差だった。といっても音に差がないのではなく、音色も聞かせ方も違う。その結果、聴く曲によって好みが分かれてしまうのだ。

ちまたの評価による事前の先入観と異なり、P-03/D-03は実に自然で良い音だった。はるか前にP-70/D-70を聴いた時にもいいなあと思ったので、僕はエソテリックの音、VRDSの音が好きなんだと思う。記憶の中ではP-70/D-70の方がハッとするような鮮烈な音だった。

CD12は中音域にエネルギー感が凝縮されているとかアナログ的な音とか言われているようだが、そのあたりはよくわからなかった。僕には十分、ワイドバンドなオーディオ的にワクワクする音に聴こえた。CDを聴いている限り、このプレーヤーで不満はない。

とはいえ、結局、僕はSCD-DR1を選んだ。SCD-DR1で聴くと、どの音楽もみずみずしく、何より元気な音で音楽が楽しく響いたのが理由の一つ。憧れのVRDSだったが、P-03/D-03は実機が非常に大柄で置くスペースに躊躇してしまった。ショップに伺うと一体機よりもセパレートがお薦めだと言うし。CD12についてはSACDが聴けないことがマイナス材料だった。

購入以来、いろいろな音楽を聴いているが、このプレーヤーから出てくる音にまず不満はない。とても良い選択をしたと思っている。

SONYの経営状況がニュースに出るたび、ハイエンド機の継続に不安を抱いていたが、久しぶりにウェブサイトを覗いてみるとSCD-DR1もいつの間にか生産完了している。残念なことだ…。しばらくの間、修理に問題はないと思うが、時期を見て可動部の部品は交換調整してもらった方がいいかもしれない。


ブルックナー交響曲第9番 : スクロヴァチェフスキ

ショスタコーヴィチですっかり感心したスクロヴァチェフスキの演奏がほかにも聴きたくなって、評判の良いブルックナーの交響曲をいくつか買い求めた。第9番はザールブリュッケン放送響との演奏。ほかにミネソタ管弦楽団、読売日響との演奏もあるようだ。

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ショスタコーヴィチの演奏でもその変幻自在な指揮に驚かされたが、ブルックナーの演奏でもそれは変わらない。テンポはかなり自由な印象を受ける。スクロヴァチェフスキの演奏は、こうしたテンポや細かい強弱のアンギュレーションが実に繊細に見事に手入れされているのが素晴らしい。

この第9番の演奏では、今までほかの演奏では聴こえなかった音がところどころ聴こえてくる。作曲家でもあるスクロヴァチェフスキはスコアに書かれた音の一つ一つがきちんと聴こえるように演奏することを常としているそうだが、それだけでなくもしかしたら少しスコアに手を入れているのかもしれない。賛否両論あろうが、結果的にこれは功を奏していると思う。

しかし、この指揮者、読売日響の常任指揮者だったこともあり、現在、日本ではかなり有名だが、ヨーロッパ、アメリカで長い経歴がある上、この演奏振りにもかかわらず高齢になるまでそれほど知られていなかったというのは不思議なものだ。今回、このCDを買うに当たっても入手が容易とはいいがたかった。結局、アマゾンで中古を買った。500円なり。

ミネソタ管、読売日響との演奏も聴き比べてみたいが、その前に他の作曲家の曲も含め、過去の演奏を買えるうちに買っておくほうが良さそうだ。

名曲だけにこの曲にはたくさんの名演奏があるが、ほかのどの演奏にも見劣りしない素晴らしい演奏である。

空梅雨だったが今日はようやく雨。夕方からは本降りだ。我が家の庭の植物も喜んでいると思う。

休みの日の夜にこうして雨が降るのは悪くない。いや、かなり良い。のんびりと雨音に支えられながら音楽を聴いて本を読む。至福のひと時だ。

コーヒーを飲みたい気分だが、どうしようか…。子供みたいだが、夜、あまり遅くにコーヒーを飲むとために眠れないことがある。

幸せな時間だ。

ショスタコーヴィチ 交響曲第10番 : スクロバチェフスキ

スクロヴァチェフスキのショスタコーヴィッチと書くとカタカナでも長いが、アルファベット表記も一苦労だ。今日になって気づいたがSchostakowitschのアルファベット表記をずっと間違っていた。

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まあ、そんなことはさておき、演奏は最高である。僕はこの曲は最初に聴いたときからずいぶん長い間カラヤンの演奏で決まりと思ってきたが、21世紀に入ってからバルシャイの全集に出会い、その後、最近になってオーマンディ、インバルといった演奏を聴くに及び、どれが一番と言うのが難しくなってきた。

この演奏を聴いたのは今日が初めてだが、今の気分的にはこの演奏が最高である。なんというか硬軟自在、フレーズの一つ一つがきめ細かく描きわけられている。強弱の加減も非常に繊細でニュアンスに富んでいる。演奏を表現するのに言葉が足りない。

派手な演奏ではないが、かといって水墨画のような地味な演奏でもない。音色は豊富でむしろカラフルである。テンポは中庸、というか、平均的演奏時間であるが、同時に緩急自在だ。

とにかく気に入った!

SM-SX10(7)

この間、中途半端になってしまったiLink接続とアナログ接続の比較の続き。

まずはシューベルトの弦楽五重奏曲で比較。演奏は東京カルテット+デイヴィッド・ワトキン。ハイブリッド盤のSACDステレオ部分で比較する。

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iLink接続では各奏者の分離が見事だ。先日比較した際よりもチェロ部分の低音が明確に聴こえるようになった。SACDについては1ビット信号がそのまま1ビットアンプ部に伝送されるのでマルチビットを1ビット化するCDよりも有利なのかもしれない。

ついで同じSACDをアナログ出力(RCA)しSM-SX10のアナログ入力で受けてみる。

うーむ、ほとんど違いがわからない…。定位も高さも奥行もまったく変わらない印象だ。僕の耳の測定限界外。

こうした比較試聴記のようなものはよくネット上で見かけるのだが、その違いを掴まえる聴力とそれを文章化する筆力が尊敬に値するものだとわかってきた。

せっかくなのでもう一枚比較してみた。

今度はギドン・クレーメルの「ピアソラへのオマージュ」。小編成でクリアな録音、それでいてホールエコー成分もほど良く入った録音だ。これは通常のCD。

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まず4曲目の「Escualo」この曲でiLinkとアナログ接続を切り替え切り替えしながら聴いてみる。これはシューベルトに比べると違いがある。しかし微妙な違いだ。何かが違うのだが、一体、何が違うのか。

何度か聴きなおしてみてようやく違いがわかった。iLink接続は各奏者がそれぞれほぼ均等にミックスされて聴こえてくる。アナログ接続はそれに比べるとヴァイオリンとアコーディオンが前面に出てくる。どっちがこのCD本来の音のバランスなのかは良くわからない。

iLinkの方が全体に落ち着いて破綻がない演奏だが、アナログ接続の方が狂気ぎりぎりといった感じで音楽の迫力やメリハリはよく伝わる。奥行はiLinkの方があり、他方ステージはアナログの方が広い。しかし、あくまで微妙な違いである。石にかじりついても違いを見つけると思って聴いていなければ気づかないかもしれない。

8曲目の「Buenos Aires Hora cero」ちなみに僕はこの曲、大好きだ。音数は耳を澄ますと同じくらい出ているが、音楽の勢いはやはりアナログに軍配。アナログ接続で聴いていると比較しているのが馬鹿らしくなってきた。このまま音楽を聴いていたいと思わせる。

どうやらCDについては勝負あったということか。DAC比較をすれば、SCD-DR1内蔵DACの方がSM-SX10のマルチビット-1ビット変換よりも優秀ということかもしれない。シグナルパスを考えてもそちらの方が有利だし。

次はDACをPerfectwaveに換えてまた比較してみよう。



最後の将軍

なかなかまとまった時間が取れなかったのでずいぶん長い間をかけて読むことになってしまったが、今、さっき、徳川慶喜を描いた「最後の将軍」を読み終えた。

この小説が書かれたのは昭和40年代の前半、ちょうど僕が生まれた頃だ。あとがきによると単行本化されたのが昭和42年とある。1967年だが、大政奉還が1867年、王政復古が1868年だからちょうど100年後に当たる。と書きながら思ったが、あの頃って江戸時代が終わってからまだたった100年しか経っていなかったのか。

いまさらながら、この間の100年の日本の変化はすさまじいものがある。「最後の将軍」に描かれた徳川慶喜は当時の権力者の中でもっとも時代の変化を理解し、モダンな考え方の持ち主だが、当時の文化や社会、思想はやはり今とはかけ離れた想像も難しいようなものだし、彼自身の考え方や振る舞いも今の価値観では理解できない点が多い。明治維新後の100年間、日本は短距離走を走り続けてきたかのようだ。

300年以上、15代にわたって続いた徳川幕府の最後の将軍。最初で最後となった水戸藩からの将軍となり、わずか二年間弱の間に大政奉還を決意することはどれほど大きな決断であったか。もちろん想像もつかない。司馬遼太郎の小説では大政奉還の考えは慶喜の意にかなうもので、苦渋の決断というよりも渡りに舟の話として描かれているが、それでもなお本当にそうするまでの慶喜の心中はどんなだったのだろう。

王政復古により将軍職を辞した段階でまだ数えで33歳だったらしい…。そう考えると自分の人生に関する些細な事柄すらなかなか決断できない僕ってどうしようもないなあ。



ブルックナー 交響曲第5番 : クナッパーツブッシュ

昨日の夜、チェリビダッケを聴いたあとだけにこのクナッパーツブッシュを聴くとその解釈のあまりにも大きな違いにあらためて驚く。

活躍した年代もあり、クナッパーツブッシュの演奏もあまりたくさんの録音が残されていない。少なくとも良い音で残っている録音は多くないと思う。

手持ちのCDは2002年にユニバーサルが販売した1000円シリーズ。国内盤である。CDジャケット裏面に「デッカのオリジナル・マスターテープを使用している」旨記載がある。そうは言ってももちろんデジタル化する際にリマスタリングは経ているだろう。

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1956年という録音年を考えると贅沢は言えない。少なくとも聴き取りづらいような録音ではないし、きちんとステレオ感もある。ただ、ダイナミックレンジが狭く、小音量時は比較的鮮明なのだが、フルオーケストラの強奏時にまったく迫力がない。演奏が良いだけに残念である。

知られているとおり、この演奏は交響曲第5番の初演時にブルックナーの弟子であるシャルケによって改訂されたシャルケ版を使用している。第4楽章は演奏時間が3/4くらいの短さになっているし、シンバルが追加されていたり相当違いを感じるが、それ以外にも演奏開始直後からちょくちょく細かい差異があるようだ。たびたび違和感を感じながら聴いた。

では、この改訂版はダメか、というと、それはまた別問題だと思う。ほとんど哲学的問題とも感じる。改訂版は原典版をよりわかりやすくすることがテーマなんだろう。シンバルを追加して演奏効果を強調するということもその一環だと思う。

しかし、「わかりやすい」と「内容が浅い」とは紙一重のことも多々ある。演奏がイマイチの場合、ちゃちな曲に聴こえてしまうだろうが、このクナッパーツブッシュの演奏で聴けば、これはこれで一つの立派な曲であることに間違いない。他方、作曲者の意図とのずれを問題視する方にはこの改訂版はとうてい受け入れられるものではないだろうとも思う。

演奏だが、とにかく第一楽章導入部からチェリビダッケとは正反対の意味で驚かされる。ベースの刻むテンポが早いのだ。ものすごく早い。主題以降のテンポは少し早め程度だが、全体に早いことは変わらず、第二楽章も相当早い。遅い演奏の代表であるチェリビダッケの演奏と比較すると時間は半分くらいしかかからない。では、音楽が軽いかというとそれはない。早い分、全体像が掴みやすいとも言える。

この録音に聴くウイーンフィルの演奏は(僕には)いつもと同じようにうまいのか下手なのか良くわからないものだ。時々オーケストラ全体の縦のラインが合わないし、録音のせいもあって、低弦やティンパニの音はもこもこしてて良く聞き取れない。しかし、特に弦の音はいかにもウイーンフィルの音がする。クナッパーツブッシュもウイーンフィルも練習が嫌いということだから、この曲の録音をしたときも練習しなかったのだろう。そういう感じの演奏だ。

さて、約1時間のへたうまな演奏(といったら失礼か。)を聴き終えて思うのは、技術レベルと音楽のインパクトは比例しないということだ。たいへん印象的な演奏である。この演奏はスタジオ録音だが、両者のライブ演奏をその場で聴きたいと叶わない思いが募る。

せめて朝比奈やヴァントやチェリビダッケの録音と同じレベルの鮮明な録音でこの演奏を聴けたらどんなに良いだろうか・・・。

ブルックナー交響曲第5番 : チェリビダッケ

ブルックナー交響曲第5番。チェリビダッケ/ミュンヘンフィルが1986年に来日した時の録音である。手持ちはSACDシングルレイヤー盤。

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この演奏はオープニングシーズンのサントリーホールで録音されたとのことで、ライナーノーツを読みながら、サントリーホールのオープンが1986年だったことにまずちょっと感慨深い思いだ。バブル経済、日本がどこまでも成長するのではないかという幻想の真っ最中だ。

あの頃、世の中は浮かれていたと思うし、いろいろな歪みが生じていたのは事実だと思うが、サントリーホールのような、勢いのない時代にはちょっと作れそうにないものが後世に残ったことは素晴らしいことだ。バブル時代には大勢の日本人が「日本ならできる。何でもできる。」と信じていた。もちろん金もあった。よし、世界一のコンサートホールを造ってやると思って本当に造ってしまった。オープニングの年からこの録音を聴く限り、とても良いホールエコーだ。とにかく「日本はダメだ。」とネガティブに発想する時代よりもずっと良かった。

当時、貧乏学生だった自分にはバブルはむしろ生活しづらいだけだった。が、不思議とつまらなかった記憶はない。もちろん若かったこともあるだろうが、回り中、楽しいことに囲まれていると自分が楽しいことを実際には体験しなくてもなんだか明るい気持ちになるものだ。

なんだかすっかり、演奏の話ではなくなってしまった。さて、この演奏が実際に行われた時、自分がサントリーホールに行って演奏会を聴くなんてことはとてもできなかった(クラシックコンサートのチケットは今もそうだが、学生にはとても買えない値段だから。)し、もちろんインターネットもないわけだが、それでもチェリビダッケ来るというのは話題になっていたと思う。

録音を極端に嫌ったチェリビダッケは幻の指揮者とか伝説の指揮者とか言われていた。死後、かなりの数の録音がリリースされたことで最近ではその演奏に接することも容易になり、ようやく最近になって、彼の演奏を聴き始めたところだ。

輸入盤で格安のボックスセットが入手できるので何曲か演奏を聴いたが、今のところ僕が接した演奏はすべて判をついたようにテンポが遅い。まあ、それがチェリビダッケの特徴のようだが、おそらく初めて聴いたら誰もがびっくりするようなスローテンポだ。しかし、チェリビダッケの場合にはたとえば晩年のベームの演奏とはまったく違い、遅くても緊張感が薄れることはまずない。不思議なのだが、テンポは遅いのにフレーズが遅いと感じることがないのだ。あるいはアタックが緩いと感じることもない。

察するに、この人の指揮で演奏するのはオーケストラにとってかなりの重労働だろうと思う。なんというかすべての音を普通の指揮者の場合の1.2倍に拡大して最後まで演奏しなくてはならないのだから、特に管楽器奏者の負担はすごそうだ。残っている録音はすべてライブだと思うが、それでも金管が破綻していることは非常にレアだ。オケも優秀なんだと思う。

チェリビダッケの演奏がダメだという人は徹底的にダメだと思うが、僕はほぼ全面的に好きだ。とはいえ、もちろん曲想とものすごく合うと思う演奏、そうでもない演奏というのはある。

このブルックナーはその中でもとびきりチェリビダッケ節にあう曲だと思うし、指揮者の解釈も本当に素晴らしい。荘厳な建築物が組み立てられていくのを見るような演奏だ。そして最後のフーガで建物が完成して圧倒される。この後、93年に録音された同じミュンヘンフィルとの演奏、こちらはホームグラウンドでのライブ録音も素晴らしい。どっちがというよりもどっちも聴いて欲しいと思う。

SM-SX10(6)

出張中で出番のなかったSM-SX10をようやく久しぶりに聴くことができた。到着直後にiLinkとアナログ接続の簡単な聞き比べをしたが、駆け足だったのでもう少し比較してみよう。曲はインバル・ウイーン響のショスタコーヴィッチ交響曲第4番第一楽章冒頭から10分くらいの部分。都響との再録ではないので通常CDだ。

まずはiLink経由で聴いてみる。iLinkケーブルはオヤイデの6ピン→6ピン1m、SM-SX10側で6ピン4ピン変換プラグ経由となる。ロックは問題ない。iLinkからの44.1khz信号はSM-SX10内で1ビット変換される。この部分のクロックはd-clockに換装してある。その後、1ビットアンプ部分のクロックはさらに精度の高いNeutronstarに換装した。

iLink経由のCDデータは線が細い印象だ。第一楽章序奏に引き続いてすぐ金管がテーマを吹く部分、それを支える弦も含め、もう少しの迫力を求めて音量を上げたくなる。他方、オーケストラの遠近感は非常に良く出る。おそらく録音エンジニアがそうしたかったであろう奥行感をもって再現されている。

次にデジタルケーブル→DAC経由。DACはPS AudioのPerfect Wave DAC Mk2。こちらのDACもクロックはNeutronstarに換装してある。アナログ出力はRCAのラダーケーブル。ラダーケーブルはエントリークラスだ。

音のバランスはiLinkに比較してかなり重心が下がる印象。しかし音量調整が難しい。おそらくこちらの出力の方が大きい。それを差し引いても迫力はこちらの方が上の印象だ。一方、前に音が出てくるせいかもしれないが、奥行感は一聴した感じではiLinkの方が出ている。ホールエコーはこちらの方が多く感じる。

次にSCD-DR1のアナログ出力から同じくRCAラダーケーブルで直接SM-SX10のアナログ入力に繋いでみる。以前も書いたがこの場合、出力が大きくなるので音量を適宜調整している。

う~ん、正直、良くわからなくなってきた。瞬時に切り替えられればいいのだが、正直、比較が難しい。しかし、やはりこのクラスの一体型CDプレーヤーの場合、内部DAC使用時の実力は侮れない。クロックがどうのという以前にこの形でメーカーが音決めしているだけのことはある。少なくとも聴いてて不満はない音だ。なお、この比較の際にSCD-DR1のクロックは切り替えていない。したがってこちらの方がセッティングとして不利な状況での比較である。


出張帰りの疲れた頭で短時間に比較しようと思ったのが間違いだった。DUSSUNとの比較も含め、もう少しじっくり時間をかけないとダメだ。週末に再チャレンジしてみよう。




ミュンヘン

一週間のドイツ出張も今日が最終日。今朝も朝からどんよりとした天気で肌寒い。夕方の便で帰国なので何を着たらいいのか迷う。

最後の打ち合わせも3時すぎに終わり、かなり早めではあったが、荷物と一緒ではやることも限られるので空港に向かう。往路同様、フランクフルト経由の便である。

ルフトハンザのチェックインカウンターで行き先を告げ、窓際の席をリクエストしたところ「フランクフルト行きのフライトがさっきキャンセルになった。」という。

えー、またか。どうもルフトハンザは相性が悪い。前回搭乗した時はストライキの真っ最中でフランクフルトの空港で二時間以上交渉するハメになったし。

とにかく帰国しないと月曜日は朝一番から外せない要件が入っている。キャンセルになったばかりでチェックインカウンターでは手に終えず、チケッティングカウンターに移動し案件を告げる。

幸運なことにミュンヘン乗り継ぎに変更ができた。時間的に紙一重だった。これ以上早く着いたらフランクフルト行きにチェックインして空港内で面倒なことになっただろうし、これ以上遅かったら経由地変更ができなかったかもしれない。

予定していたフライトより一時間弱早いフライトでミュンヘンに。さっき無事に到着してラウンジに落ち着いた。

僕にとってミュンヘンといえばBMWの街。それにチェリビダッケで有名なミュンヘンフィルだが、ここに降りるのはまったく初めて。もちろん空港内だけなので外の雰囲気は全くわからないのだが、想像以上に大きな空港だ。それにきれいである。空港が新しいのだろうか。

全日空の直行便があるので日本人が多いが、それにもまして中国人が多い。免税店では二箇所ともで中国人と間違われた。一昔前は中国人、韓国人、日本人はなんとなく見分けられたと思うのだが、昨今、服も髪型も変わらないのでドイツ人に見分けるのは無理だろう。僕らがドイツ人とオランダ人とベルギー人を見分けるようなものだし。

一週間滞在したにもかかわらず、日本時間3時過ぎの現在、激しく眠い。搭乗したら即刻寝よう。
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