チャイコフスキー交響曲第1番「冬の日の幻想」 : ロジェストヴェンスキー

最近、仕事がとみに忙しくなってなかなかのんびり音楽を聴くことができない。ちょっと田舎住まいで通勤に時間がかかることもあり、朝早く家を出て夜遅く家に帰る日が続いている。

昨日も今日も朝からミーティング続きだったのだが、昨日の昼、ちょっとした空き時間に神保町まで行ってその道では割と有名な中古レコードショップで購入したのがロジェストヴェンスキー/モスクワ放送響の演奏による「冬の日の幻想」。72年の録音なので41歳の時の録音になる。

スヴェトラーノフやフェドセーノフに比べてロジェストヴェンスキーの演奏はなぜかあまり聞く機会がなく、個人的には印象も薄い。唯一記憶に残っているのはショスタコーヴィチの交響曲だが、演奏は良いのに録音が悪すぎて残念な印象しかない。

お店にはこれとカラヤンの「冬の日の幻想」のLPがあったのだが、ちょっと興味を惹かれてこちらを購入した。聴いてみるとなかなか良い演奏だった。テンポは決して遅くないが全体にたっぷりとした余裕を感じさせる演奏で管楽器と弦楽器のバランスも良い。ロジェストヴェンスキーはキャリア初期ボリショイ劇場でバレエ指揮者として活躍したそうだが、なるほど第三楽章なんてちょっとバレエ音楽を聴いているようだ。リズム感に優れ細部の描写が見事。特に木管の響きに魅せられる。チャイコフスキーは全集になっているので他の交響曲の演奏も聴いてみたくなった。

80年代に録音されたショスタコーヴィチと違い、最強音で少しダイナミックレンジが厳しい感じはするものの観賞するのに問題はまったくない。ムラヴィンスキーの録音でも感じたがソ連ものも70年代までは十分に聴ける。共産主義体制の腐敗とともに録音技術も廃れていったのだろうか。
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マーラー交響曲第9番 : カメラータRCO

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グスターヴォ・ヒメノというスペインの指揮者がRCOのメンバー達と録音したマーラーの交響曲第9番は、クラウス・ジーモンというドイツの作曲家・ピアニスト・指揮者が編曲した室内楽曲版の演奏だ。弦楽器はヴァイオリンが二人にヴィオラ、チェロ、コントラバスが各一人、木管・金管も基本的に一人ずつだが、クラリネットとホルンは二人。それにピアノ、パーカッション、アコーディオンという編成。

オリジナルの9番はフルサイズのオーケストラによる分厚い響きが魅力の一つだが、大音量時には各楽器が混然一体となって、それぞれの音階を聴き分けることは難しい。比較してこの室内楽版は常にそれぞれの楽器がどんなメロディを奏でているのかが手に取るようにわかる。この編曲で初めてマーラーの複雑で高度なオーケストレーションを実感できたような気がする。ピアノに加えてアコーディオンが入っているのが意外な感じだが、実際の演奏ではそれぞれ大きな効果を挙げている。どちらもメロディを補強するのではなく、時に弦楽器を、あるいは打楽器を補完している。

フルオーケストラと比較してどちらが好きかと聞かれたら僕はやっぱりフルオーケストラを選んでしまうが、数多い9番の演奏の新しい切り口として一度は聞いてみて損はない。

QUAD ESL 63 pro (3)

やはりというか、恐れていたとおりというか、QUAD ESLが故障した。到着直後からヒュ~~という空気が抜けるような音がした方のユニットがおかしくなった。

そうは言っても、ヒュ~という音はショップの方の言うとおり、それほど害のあるものではなかったようだ。始終ヒュ~と言ってたわけでもないし、ずっと正常に動作していたのだ。

つい先日記事にした「惑星」を喜んで聴いていたところ、急にクシャっという感じで薄い紙を破るような音がした。「あれ?」と思ってCDを止めてみるとクシャ、、、、、、クシャ、、、、クシャという感じで断続的に同じ音がする。一度、電源を落とすとしばらくは静かなのだが、しばらくすると同じことの繰り返し。正面から見て右手上方の同じところから音がするので、その部分の振動膜に何か異常が起きたようだ。購入して一か月なのでまだ保証期間内。修理してくれることは間違いないが、さあて、この大物をどうやって発送したらよいものか?仄聞するにヤマトはらくらく家財便でのスピーカーの取り扱いを止めてしまったというし。しばらくスピーカーがないのも痛い。ヘッドフォンもないし、音楽を聞く手段がないなあ。いろいろ考えたが、思い悩んでも仕方ないのでショップにメールして寝た。

翌日、朝、メールが届いていた。返送修理でもいいが、同等品と交換もできると言う。交換ならばその梱包でそのまま故障品を返品できるので迷わず交換を選んだ。もともとシリアルがバラバラの中古品である。こだわりはない。

うまくいけば日曜(今日)の夜にも発送できると聞いていたのだが、予想以上に速く、昨日、交換品が届いた。相当に年季の入った段ボールで到着したが、どうやらこれがオリジナルの箱のようだ。輸送中にダメージを受けないようたっぷり緩衝材が入っている。中からスピーカーを引っ張り出し、故障品とそっくり入れ替える。音出しして異常のないことを確認。ボーカルもしっかり真ん中に定位するので左右のユニットで大きな差はなさそうだ。耳を近づけても今度はほとんど無音。ホッとした。

ものすごく音は良いが、中古でこのスピーカーを買う場合には信頼できるところから買わないとエライ目に遭うこと間違いなしである。

ショスタコーヴィチ交響曲第4番 : カエターニ

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オレグ・カエターニはイタリアの指揮者で日本でも有名なイーゴリ・マルケヴィチの息子である。とHMVのサイトに書いてあるのを読むまで僕はこの指揮者のことを全く知らなかったが、56年生まれなのでもうベテランの指揮者だ。

ショスタコーヴィチの交響曲全集と言うとハイティンクやインバル以外はほぼソ連/ロシアの指揮者によるものなので、まずイタリアのオーケストラによる演奏ということで興味を持ち、さらに価格で買ってみようと言う気持ちになった。ちなみに10枚組で4,000円弱の値段。SACDもあるが、こちらは全集だと2万円近い価格がついている。

4番に限らずショスタコーヴィチの交響曲は金管や打楽器が活躍する場面が多い。聴き手を圧倒するような迫力で盛り上げてくれる演奏も悪くないが、この演奏はその点、かなり落ち着いている。しっとりとしているとも言える。全曲ライブ録音で個々の楽器を強調せずオーケストラ全体のバランスが自然なところも影響しているかもしれない。

オーケストラの内声部に光を当て、対位法的な部分の処理を大事にしている。それにこのオーケストラも実に巧い。先入観もあるかもしれないが、巧いだけでなくメロディラインの歌わせ方がとてもイタリアな感じ。こういうショスタコーヴィチも良いと思う。

ホルスト「惑星」 : 富田勲

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富田勲さんが編曲した「惑星」が僕にとっての「惑星」初体験。当時我が家にあったステレオで聞いても感動ものだったが、夜、スピーカーからの音がうるさいので親が買ってくれたヘッドフォンを通じて聞いた時にはさらに感動した。まるで音の中に身体を投げ出したような体験にしばらく夢中になった記憶がある。ちなみにLPでは確か水星までがA面で、A面ばかり聞いていたために有名な木星にたどり着いたのはずいぶん後になってからだ。

ちょっと前にそういえばと思い出してCD版を買った。2012年に再発されたBlue-spec盤だ。買ってすぐに聞いてみた時には「あー、なんて懐かしい。」とは思ったが、LPをヘッドフォンで聞いた時の記憶と比べると少し迫力不足かなというのが正直な感想だった。

昨日、これまたふと久しぶりにこのCDを取り出して聴いてみたのだが、結果は大袈裟に言うと実に驚くべきものだった。音が前後左右あらゆる方向から聴こえてくる。あたかもサラウンドで再生しているようだ。いやこれは実に面白いし、なんというか快感。ただし人によっては酔ってしまうかもしれない。

ライナーノーツで富田さん本人の解説を読むと、この演奏は本来4チャンネルでの再生が念頭に置かれていて、それをステレオ収録する際にサラウンド側の音を左右スピーカーのさらに外側に出したと書かれている。この効果によってあたかも聴き手は音空間の中に放り込まれたように感じることができるのだが、今まで何度となく聞いた中でそれをハッキリと認識できたことがなかった。今のシステムになって位置情報が正確に再現できるようになったのかもしれない。

今から40年近く前にこれだけのクオリティのシンセサイザー音楽を手掛けた富田さんの凄さを再確認した。

Speak Like a Child : ハービー・ハンコック

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夜になってだんだん雨が強くなってきた。もともとの予報では昨日から大雨でもおかしくなかったが、ずいぶんと歩みの遅い台風だ。日中はふだんの雨の日と変わらなかったが、結局、今日は一日中家でのんびり音楽を聴いたり本を読んだりしていた。

あれこれクラシックを聴いた後で取り出したのがこのCD。僕はハービー・ハンコックが好きなのでどれを聴いても良かったのだが、久しぶりにジャケット写真を見てこれにした。この写真を撮ったのはハービーの仕事仲間で、写っている女性はハービーの当時の彼女という話を聞いたことがある。まあ、どうでも良いが、印象的なジャケットであることは間違いない。

「処女航海」の次のアルバムだが、ベトナム戦争の長期化や不況等々暗い時代に制作されたこのアルバムのタイトルには、子供のような心を思い出すことで明るい将来を考えたいというハービーの願いが込められているということだ。

しかし、このCDから「子供のように話」しているような音楽は聴こえてこない。自身を「ジャズ・スノッブ」と呼んだだけあって、お洒落で洗練された大人の音楽が満載だ。このアルバムはCDでしか持っていないが、いつかレコードを聴いてみたい。

チャイコフスキー交響曲第1番「冬の日の幻想」 : スメターチェク

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86年に亡くなったヴァーツラフ・スメターチェクは「チェコのカラヤン」と呼ばれるほど早くから国際的に活躍していたそうだ。ノイマンと同じ名前でスメタナみたいな苗字なので名前は知っていたが、この人のアルバムも買ったのはこれが初めて。はるか昔に読んだ名曲名盤的な本ではボロディンの交響曲の名演として、たしか、この演奏を挙げていたと思う。そちらはまだ聴いていないのだが、先に聴いた「冬の日の幻想」の感想から書こうと思う。

先に結論を書いてしまうとこの「冬の日の幻想」はすごく良い演奏だった。55歳頃の録音だが、もっとずっと若い天才指揮者が指揮しているみたいだ。第一楽章冒頭から素晴らしく歯切れが良い快速な演奏に驚かされるが、さらに驚くのはオーケストラのコントロール。プラハ交響楽団というチェコ・フィルの陰に隠れたオーケストラが演奏しているが、ひんやりした空気と暖かい光が入り混じったようなこの曲独特の雰囲気を完璧に表現している。

とにかく最初から最後まで素晴らしい名演。あんまり良いので、そのままもう一度聴き直した。61年の録音でハッキリ言って録音は良くない。ダイナミックレンジが狭く、強奏時には音が飽和する。これがもし最新録音だったら。。。と思わなくもないが、同時に録音の良し悪しなど関係ないと思わせる演奏だ。名盤。

テクノクラフトオーディオデザイン Model44a

相変わらずフォノイコライザー探しを続けている中、最近、ちょっと素敵な製品に巡り合った。テクノクラフトオーディオデザイン 社のModel44aという製品である。テクノクラフトオーディオデザインは京都に本社がある日本のメーカーで、真空管アンプが主力製品。同社の真空管アンプは雑誌「MJ(無線と実験)」で高く評価されている。

インターネットであれこれ調べているうちに同社のウエブサイトを発見したのだが、その中で半導体で構成されたこのフォノイコライザーが目についた。MM専用機で8万円強と決して安くない製品だが、製品の技術的解説が興味深く、自宅試聴もできるということで早速連絡してみた。メールに対する返信も迅速で翌日には試聴機を発送していただき、二日後には実機が自宅に届いた。

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ご覧のとおりシンプルなデザインだが、実際に手にすると作りもしっかりしているし適度な重量感で写真で見る以上にずっと所有欲をくすぐる製品である。同社は他社の製品ではまったくケアされていない左右のグラウンドの分離にこだわっていて、同社の製品はすべて左右の信号グラウンドが分離されている。(本当のところ正確に技術的なことがわかっているわけではないので、詳しくは同社のウエブサイトを見てください。テクノクラフトオーディオデザイン社HP)

試聴しての第一印象は「高音域が固い。かな?」というものだった。製品の到着連絡も兼ねてその旨メールすると再び迅速に返信があり、試聴機のコンデンサーが新しいこともあるが、もしかしたらケーブルが原因かもしれないということでこれまたグラウンドアイソレーションに気を配ったケーブルを送付していただけるという。僕も再びウエブサイトを眺めていたのだが、今度は同社製品以外の製品と組み合わせてグラウンドアイソレーションを実現する「KANADE」という製品を発見。これに興味があると返信したところ「KANADE」の試聴機まで送ってくれた。実に親切、丁寧な対応である。ちなみにこの「KANADE」を繋いだところ、先日、記事にしたとおりノイズが取れたのだが、こちらについては追ってまた詳しく書こうと思う。

せっかく送っていただいたものの、我が家のセッティングの中でケーブルは長さが合わずきちんと聴けていない。実は「高音域が固い」と感じた点については別に心当たりがあり、そこを対処したところ最初の印象はすっかり消えた。それまで使っていたベルデンのケーブルでは少々高音域がきつく、これが聴きづらかった原因だった。スピーカーをQUADに変えて以来、それまで聞き取れなかったケーブルの差が俄然気になるようになった。極力色付けの少ない機器とケーブルでないとどうも違和感を感じる。ケーブルなんてどれも同じと思っていたが、やはりそれなりに差があることは間違いなさそうだ。

お借りしてからかれこれ二週間になる。(結果として複数機器を組み合わせて貸していただくことになったので例外的に長く貸していただいている。)その間、アーム、カートリッジを交換しながらいろいろなジャンルの音楽を聴いてみたが、Model 44aはそれぞれの製品が持っている特性、カラーや温度感みたいなものをそのまま開放してくれる製品だ。Model 44a自体が音を作るのではなく、それぞれの製品のベストを引き出すような感じ。あえて言えばほんの少し明るくて元気な表情を加えてくれる。グラウンドアイソレーションの効果なのかスピーカーからの音離れが良くステージが広がるが、録音の良し悪しはハッキリと明らかにしてしまう。へんてこりんなマスタリングの録音はそのままへんてこりんに聞こえる。

フォノイコライザーも「KANADE」もすっかり気に入ってしまって、実は今、真空管パワーアンプの試聴もお願いしている。

モーツァルト交響曲第40番 : セル

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セル/クリーブランド管弦楽団の東京ライブのCDについては、以前、シベリウスの交響曲第2番を取り上げたが、2枚組のもう一つのCDに入っているのがこの曲とウェーバーの「オベロン」序曲。シベリウス同様、こちらも素晴らしい演奏だった。

ライブの高揚感か、「セルのモーツァルト」と聞いて抱くイメージよりずっとダイナミックでアップテンポな演奏が聴ける。第一楽章の冒頭からすでに緊張感の漲る音楽が展開し、それは終楽章で頂点に達する。終了するやいなや聴こえるブラボーの声は興ざめだが、この演奏を生で聴けた人達は幸せだと思う。病魔に侵されつつ、たった一度の日本公演で全力投球の超名演を残してくれた大指揮者に感謝。

演奏会終了後であろうか、可愛らしい着物姿の少女二人と手をつないで客席を向くセルの写真がまた良い。

オーディオ機材の整理再び

今年の3月にも一度機材の入れ替えをしたのだが、ESL導入を機会に再び機材を整理することにした。ESLの導入で使わなくなったスピーカーは万一の故障時に備えて保存しようと思ったのだが、いかんせん部屋が片付かない。費用を少しでも回収すべく購入元のショップに再度買取りしてもらうことにした。

そのショップにはスピーカーとLHH-P700を、もう一つのショップにはDA-7050TとMCトランスを一つ買い取ってもらった。いずれも程度の良いものなので予想以上に良い値段で買い取ってもらえた。LHH-P700に至ってはわずかながら黒字である。このプリアンプは今でもよほど人気があるようだ。

おかげで部屋もラックも少しすっきりした。数日後、それぞれの店のウェブショップに僕が売った商品が並んだ。スピーカーとプリアンプは下取り価格の約2割増し、電源とトランスの方はちょうど倍くらいの価格で並んでいる。何度か売り買いしている経験から言うと二店とも買取価格は他社に比べて高い。特にスピーカーとプリを買ってくれた店は特定のブランドに強いのでこの値付けは例外かもしれない。

驚くことに、翌日にはスピーカーとプリはサイトから消えた。すでに売れたようだ。なるほど強気の買取価格も納得だ。電源の方は別のショップのサイトにまだ残っているが、これもそう遠くない時期に売れるだろう。こういう例を目の当たりにすると中古オーディオ機器の販売というのはなかなかの利益率である。どんな買い手が落札するかわからないので僕はオークションに出品しようとは思わないが、ショップとの取引ではなくオークションで売ろうという気持ちもよく分かる。いずれにしても、実際の商売はそんなにお気軽なものではないだろうが。

シューマン交響曲第4番 : サヴァリッシュ

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サヴァリッシュのシューマンと言えばドレスデン国立管弦楽団と録音した全集が有名だが、この第4番はバイエルン放送響とのライブ録音。2003年のミュンヘン・オペラ・フェスティバルでの演奏だが、ライナーノーツによれば、この録音はバイエルン国立歌劇場から80歳を祝ってサヴァリッシュに贈られたということだ。

サヴァリッシュの指揮は非常にみずみずしく、とても80歳の指揮者が振っているとは思えない。盤石の解釈で流れるように演奏が進むが、決して単調にならず表情は豊かで細かい。それに打楽器、特にティンパニのスパイスが効いていて実は熱い演奏である。ライブ録音で聴くサヴァリッシュはスタジオ録音とまた違った一面を見せてくれる。

第三楽章まで細かい変化はあるものの基本的にインテンポで進んでくるが、終楽章の導入部で一度ぐっとテンポを落とし、主題でまたテンポを上げる。この辺り、指揮者によってはあざとく感じてしまいそうなものだが、サヴァリッシュの演奏はあたかもそれが必然といった説得力がある。もっと単純に言うと、聴いてて実に気持ち良い。このまま快速に最後まで行くかと思うと最後でもう一度ぐっと溜めてからフィナーレを迎える。いや、これはなかなかの名演である。

併録されているのはバーバーの交響曲第1番。初めて聴く曲でハッキリ言ってよく分からなかった。もう少し聴いてみないと何とも言えない感じ。最新の優秀録音と比較すると抜けがもう一歩と言ったレベルの録音だが、十二分に演奏の素晴らしさを伝えてくれる。

SOHO

早朝から関東地方は雨風が強く在来線のダイヤが大きく乱れたこともあって、今日は自宅勤務可能となった。自宅勤務可能といっても幸か不幸か金曜日にPCを持ち帰らなかったので、手元には会社支給のiPhoneしかない。ということで、音楽を聴きつつ、限りなく可能性の少ない緊急連絡を待つという月曜日になった。たまにはこういう日があっても良いな。

ノイズが取れた。

以前、何度か音楽を聞いていない時にスピーカーから聴こえるノイズの話を書いた。最初はハムノイズかと思ったのだが、とあるショップにそれは広帯域アンプに特有の共振現象である可能性を指摘され、そのショップの勧めに従ってアンプメーカー指定のケーブルを使ってみた。残念ながらノイズは取れず、結局、そのノイズはアンプ本来の残留ノイズなのだろうということで終わっていた。

スピーカーをQUADのESLに変えたところ、不思議なことにそれ以前に比べてノイズが気にならなくなったのだが、最近、別の興味からとあるメーカーの製品を借りてプリアンプとパワーアンプの間に挿入したところ、ノイズが劇的に減少し、耳を近づけなければまったく聞こえなくなった。そもそもこの製品の目的はノイズ抑制そのものではなく、複数の機器のグラウンドを切り離して音場の拡大を図るという変わったコンセプトなのだが、結果として長い間気にしていたノイズから解放された。

この製品を繋ぐ前後の機器は必ず電源を2Pプラグで取るよう指定されている。試聴機には3P-2Pの変換プラグが付属していたのでこれを使ってアースピンを浮かしている。3Pプラグを使用することによるアースループの問題はFidelixさんのサイトにある技術解説で読んだことがあり、実は以前にもプリとパワーの電源を2Pプラグで取ったことがあったのだが、その時にはノイズに変化がなかった。パワーアンプ単体でノイズが極小なのは確認ずみなので、問題はプリアンプにある。プリアンプにはソース機器が繋がれているのでそれらの機器のグラウンドに由来するノイズが流れ込んでいるのかもしれない。

そもそも日本のコンセントは一般的に2P用であるにもかかわらず、アフターマーケットの電源グッズはほとんどが3Pプラグを前提にしている。そのため、今までなんとなく3Pプラグの方が音が良くなると信じていたが、実際にはそうでもないようだ。現にFidelixさんのサイトでは可能な限り2Pプラグの使用を薦めていたと記憶する。では、なぜ巷にはこんなに3Pプラグが溢れかえっているのだろうか?

どうもオーディオ製品の科学については本当のところが分からないことが多い。今回借りた機器はアンプ間に挿入するので従来、プリアンプとパワーアンプを繋いでいたケーブルに加えてもう一本ケーブルが必要になった。手持ちのケーブルを何本か試したところ一番しっくりきたのがラダー型ケーブルだった。久しぶりにラダー型ケーブルのメーカーであるマルチョウ・エンジニアリングさんのサイトを読んでみると、良いケーブルの条件が記載されており、ノイズ耐性等々の条件はあるものの、基本的には軽薄短小が良いとされている。これは47研究所の主張とも合致する。となると、オーディオショップに並ぶあの超高価な極太ケーブルは一体何なのだろうか?そうしたケーブルをべた褒めするオーディオ雑誌のレビュー記事も不可解だ。

シューベルト ピアノ五重奏曲「ます」 : 田部/カルミナ四重奏団

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akifuyu102さんの「音楽いろいろ鑑賞日記」で田部京子さんの演奏が紹介されていたのをきっかけに彼女がカルミナ四重奏団と共演したシューベルトの「ます」を購入した。田部京子さんにはずっと興味を持ちつつ、実際に演奏を聴くのはこれが初めてだ。

最初の全奏で音の良さにちょっと驚く。まさに現場の空気まで伝えるような良好な録音だ。次に感じたのはコントラバスの音の太さ。出しゃばる一歩手前でとても存在感がある。引きずらず弾むように聴こえるコントラバスが全曲を通じてしっかりと演奏を支え、良いスパイスになっている。

田部さんのピアノは芯がハッキリした清潔な澄んだ音を聴かせてくれる。ピアノは常に音楽の中心にいるが決して目立ちすぎず、絶妙な一体感をもって演奏が展開する。ヴィヴラートを抑えた弦楽も音色が綺麗で品が良い。全体に軽やかで若々しい演奏だ。

なるほど彼女の演奏の評価が高いのも良く分かるといった演奏だった。演奏良し、録音良しの素晴らしいアルバムだと思う。
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