ショスタコーヴィチ交響曲第10番 : インバル

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インバルは若い頃すでにフランクフルト放送響と組んでブルックナーとマーラー、さらにウィーン響と組んでショスタコーヴィチの交響曲全集を録音している。大曲目白押しのこの3人の交響曲全集をすべて録音した指揮者というだけでも珍しい(というか唯一ではなかろうか。(とこの記事を書いた時に思ったのだが、ハイティンクもそうだった。。))というのに、都響とチェコフィルを指揮して再度マーラー全集を録音した上、最近、都響単独で実に3回目の全集を完成した。都響とはブルックナーの交響曲も録音を重ねているし、実に精力的である。

都響とのショスタコーヴィチは4番の演奏がレコードアカデミー賞を受賞するなど高い評価を受けている。4番はウィーン響との演奏を持っていて気に入っているものだからまだ都響との演奏は聴いたことがなかった。が、今日、都響との10番を聴いたところ、これが確かに優れた演奏だったので、近々、4番も買おうと思う。

先に結論を書いてしまったが、都響とインバルの演奏はこの曲の魅力を余すところなく存分に描き出している。この演奏に聴く都響の技術の高さにも驚かされた。指揮者の指示に一糸乱れることなく万全のアンサンブルで対応している。正直、こんなに上手なオーケストラだったとは知らなかった。ダイレクトカット盤を販売したり同じ演奏のワンマイク録音盤を併売したりとオーディオ的なところに強いこだわりを持つExtonレーベルだけに録音も素晴らしい。これは名盤である。
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Parade : Prince

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マイルス・デイヴィスの「On the Corner」を初めて聴いた時に連想したPrinceの「Parade」。先日、そう記事に書いたところ、もう一度このアルバムが聴きたくて仕方なくなった。大学生時代に友達の家で聴いたのは果たしてCDだったかLPだったか、はたまたカセットテープだったかすら記憶はあやふやだったが、今、聴くならLPが良いと思って早速オークションで入手した。

600円で落札して届いたLPは国内盤で、ジャケット、盤面とも可もなく不可もなくといった感じ。まあ最悪、多少傷があっても電気的にリズムを刻む曲はほとんど気にならない。

早速、聴いてみた。初めて聴いた時には一曲目の「Christfer Tracy's Parade」から度肝を抜かれたものだ。テープを逆回しにしているのだろうか、引きずるようなドラムの曲とともに幕開けした後、いろんな表情を持つ曲がほとんど途切れることなく続いていく。二曲目の「New Position」の冒頭、プリンスの奇声を友人と一緒に真似したなあ。当時、日本はバブル経済が頂点に達する頃。上京したばかりの眩しい時間が蘇る。

個人的な思い入れも多々あるが、数多いプリンスのアルバムの中でもこのアルバムは屈指の名作だと思う。とにかく面白い曲がいっぱい詰まっていて次々と飛び出してくる。まるで玉手箱である。ちなみにこうやってもう一度聴いてみると「On the Corner」にはちっとも似ていない(笑)。どこでどうつながったのであろうか。

シベリウス交響曲第1番、第4番 : デイヴィス

先週から悪化した風邪がなかなか治らない。まとめて何日か安静にしていればすぐに治りそうなのだが、そういう時に限って仕事の予定が込み合っていたりして思うように行かない。体調に不安を感じつつ、今週はちょっと久しぶりに大阪出張に出かけた。羽田を離陸後しばらくしたら右側に富士山が綺麗に見えた。

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富士山も見事な雪化粧だったが、大阪も思った以上に寒かった。天気は良かったものの風が冷たい。二日間あちこちと顧客訪問しているうちに恐れていたとおりすっかり風邪をぶり返してしまったようだ。ということで今週末は外出を控えて睡眠補給と体力回復に努めることにした。

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今日はいつもよりずいぶんゆっくり起きた後、のんびりと音楽鑑賞と読書をしながら一日を過ごした。何枚かCDを聴いたがその中で最も印象に残ったのがデイヴィス/LSOによるシベリウスの交響曲第1番と第4番。デイヴィス/LSOにはセッション録音の全集もあるが、これは2006年と2008年に行われたライブを収録したもの。

デイヴィス/LSOのシベリウスは90年代のセッション録音も素晴らしい。その前のBSOとの演奏も含めてこの人のシベリウスに外れなしである。第1番も第4番も悠揚としたテンポの中、スケールの大きな演奏が展開される。すでに80歳前後の録音になるが、演奏に弛みは一切ない。

音楽のツボを押さえた演奏で盛り上がるところは盛大に盛り上がる。金管も打楽器もなかなかの迫力だが、最強音の後に続く静かなパッセージの美しさがこの演奏をとても上品なものに仕上げている。名盤。

メンデルスゾーン交響曲第3番「スコットランド」 : マーク

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ペーター・マーク指揮ロンドン交響楽団の演奏するメンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲はステレオ初期の頃から名盤の誉が高かったが、今まで一度も聴いたことがなかった。今回購入したのは同じLSOを指揮した「真夏の夜の夢」と組合せのタワーレコード限定盤。

この「スコットランド」の演奏は僕がずいぶん若い頃に読んだクラシックの名曲名盤の解説本で触れられていたと思うのだが、当時、ペーター・マークという名前を知らなかった僕の記憶になぜかすいぶん鮮明に残っている。今、この指揮者のことを調べてみるとモーツァルトとメンデルスゾーンのスペシャリストとして紹介されているので、きっとその時にもかなり熱烈な評価がなされていたのだろう。

実際、「スコットランド」を聴いてみると深々とした滋味に溢れた良い演奏である。マークは録音当時まだ40歳そこそこだから、まだ若手指揮者と言って良い。なるほど爽やかで颯爽としたフレージングなのだが、音楽が軽くならない。録音のせいか、オケのせいか、どちらかというと中低音が薄くハイ上がりで音そのものにはあまり厚みを感じないのにもかかわらずだ。きっとスコアの読みが深く音楽の構築力に優れているのだろう。

マークはこの素晴らしい「スコットランド」の録音を残した後ほどなくして、音楽ビジネスに嫌気がさして2年間香港で禅僧としての修業を積んだそうである。一通りの修業を終えて指揮者に戻った後年のマークの録音もぜひ聴きたくなる素晴らしい演奏だった。

武満徹「ノヴェンバーステップス」 : 小澤

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武満徹さんの「ノヴェンバーステップス」は小澤征爾さんの紹介でバーンスタインが武満さんの曲に興味を示したことをきっかけに、NYP125周年を記念する作品の委嘱を受けて作曲された名曲。小澤さんは初演の指揮者でもあり、初演後すぐに録音されたトロント響との演奏はこの曲の録音の中でも特別な意味を持つと思う。

初演後数年の間に数百回も演奏されたということなので、日本人作曲家に限らずとも現代音楽作品としては異例のメジャー曲と言えるのではなかろうか。尺八と琵琶を起用したスコアの斬新さもさることながら、レコードを聴いていると琵琶の鶴田錦史、尺八の横山勝也というソロ奏者の存在感が凄い。僕は和楽のことを全然知らないし、琵琶や尺八の演奏の上手い下手も正直わからないが、オーケストラをバックにあたかも二人の周りだけ異次元の世界のような独特の雰囲気を醸し出している。

このLPに続けて91年に録音された若杉弘さんと都響の演奏も聞いてみたのだが、ここでも同じ二人のソロパートの印象が強すぎてオーケストラが霞んでしまう。とても美しい演奏であるにもかかわらず。ちなみにネットで調べていたら琵琶の鶴田錦史さんは男装した女性だということがわかった。曲調同様、不思議な感じだ。

Nikon Df

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オーディオ機材を入れ替えるときに何度か使っているオーディオショップには少なからずカメラも出品されている。今回、アンプを入れ替えるタイミングでNikonのDfというデジタルカメラを買った。ここ数年、デジタル一眼レフには完全に興味を失っていたのでこんな機種が発売されていることすら知らなかった。ぱっと見、FMシリーズに似ている。本当はブラックボディの方が好みだが、出ていたのはシルバーのみ。まあ、いつもながら中古商品で自分が探しているスペックぴったりのものが見つかることは少ない。

ミラー付きフルサイズ一眼レフがどのくらい売れているのか皆目承知しないが、数年興味を失っていたら型番を聞いてもピンとこないくらいの勢いで後継機種が発売されているのだから、そこそこ需要はあるのだろう。何より一昔前、主要メーカーのラインアップにDfのような趣味的な機種はなかったから、いまだにオートフォーカスレンズのすかすかなヘリコイドに馴染めないおじさん的にはとても嬉しい。

このカメラはAi化以前のものも含め、歴代ニコンのレンズのほとんどを受け止めることができる。。らしい(笑)。Ai化以前のレンズと言われるとさすがに古すぎて良く分からないのである。Aiレンズであればレンズ情報をマニュアル登録することで普通に絞り優先撮影ができる。僕にはそれだけで十分である。

フルサイズで1625万画素。買ってからネットで情報を集めてみると巷ではフルサイズにしては画素数が少ないと言われている。えーっ、1625万画素ですよ。最近は皆さん、どれだけ大きなプリントを目指しているのであろうか。僕はたぶん半分の800万画素でも足りる。個人的には画素数が大きすぎるとハンドリングが面倒くさいだけだと思うのだが。。まあ、でも今の標準から言うと物足りないのだろう。とにかく画素数は少なめだがそのおかげで高感度撮影には強い。室内での撮影が多いのでそれもメリットである。

今日、カメラが届いたのだが、ちょうど義弟のご両親が甥を見に遊びに来たので、取説を見てとりあえず3本レンズを登録し、早速使ってみた。最初からオートフォーカス、デジタルカメラ世代のユーザーはこういうダイヤルだらけのカメラが使いづらいらしいが、マニュアル世代には直観的に操作できる。

F3に比べてしまうとピントの山は見づらいが、中央に被写体を置けばフォーカスアシストが機能するのでピント合わせはさほど苦にならない。絞り優先と言っても、下限のシャッタースピードを指定するとその範囲で感度を自動調整してくれるので実質的にはプログラム的に撮影できる。筐体はフィルムカメラほどソリッドでないが、シャッターショックはよくコントロールされていて手振れはほぼ皆無であった。たくさん可愛い写真が撮れて向こうのおじいちゃんおばあちゃんも大満足。さっそくインクジェットプリンターでプリントしてお土産として持って帰ってもらった。

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3枚とも古いマイクロニッコール55mmで撮影したものだが、ピントの合ったところの切れ味に加えて大きなボケはやはりフルサイズの特権である。

ブルックナー交響曲第7番 : 朝比奈

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朝比奈/大フィルのヨーロッパ遠征の途中、ブルックナーが永眠する聖フローリアン寺院でライブ収録された演奏。とても有名な演奏で、僕はブルックナーを聴き始めてすぐにLPを買った。そのLPはもはやどこかに行ってしまい手元にはCDのみ残っている。

残響がきわめて長い寺院での演奏を考慮したのだろうが、第1楽章から実にゆっくりとした足取りの演奏である。そのおかげで他の演奏とは別格の個性に満ちた演奏となっている。全体に響きがやわらかで暖かい日差しに包まれたような独特の雰囲気を醸し出している。7番はブルックナーの交響曲の中で一番優美な曲だと思うが、ここでその7番を演目に選んだのは実に正しい選択だったと思う。久しぶりに聴いてみたが、しみじみと良い演奏だと思った。しかし、ライブ演奏に加えて当時のオケの技術的限界もあって特に金管楽器はあちこちで相当音程が危ういなあ。スローテンポなだけになおさら難しそうである。これがデッドな環境で収録されていたらさぞかし悲惨だったろう。

このCDは87年にビクターから販売されて以来、ずいぶん長い間そのままの形で売られていたが、つい最近、オリジナルのマスターテープからリマスタリングされてALTUSレーベルで再発された。第1楽章終了時に起きた拍手まで含めて収録されているらしいし、買ってみようかな。

The Chopin I Love Vol.3 : ルービンシュタイン

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先々週くらいからずっと肩こりがきついし、節々が痛む。このところの寒さでずっと身を縮こめていたし、毎日コンピューターとにらめっこで目を酷使しているからなあ、と思っていたが、一昨日くらいから喉が痛くなってきた。

アメリカから遊びに来ている甥が鼻を垂らしているし、父親は早速風邪を引いて長らく咳をしている。何のことはない。どうやらしばらく風邪の一歩手前で踏みとどまっていたのが、ついに明確に発症したらしい。医者に行ってごく普通の風邪薬を処方されたが、飲むを眠くなるだけで今のところ症状はあまり改善していない。ここ二日間風邪を押して出勤していたが、熱と関節痛がどうにもならずお昼で早引けした。帰宅して薬を飲み、ベッドで横になって気づいたら3時間も寝ていた。自覚している以上に疲れていたようだ。僕はいつも風邪を引くと普段以上に食欲が沸く。すっかりお腹が空いたので早めの夕飯を済ませ、一枚だけレコードを聴くことにして取り出したのがルービンシュタインの弾くショパンの名曲集。

古今東西、ショパンの名手はたくさんいるし、誰のピアノで聴いてもショパンの曲は素晴らしいと思うが、その中でも一番好きなピアニストを挙げろと聞かれたら僕の中ではルービンシュタインとホロヴィッツである。うーん、一人に絞れない(笑)。この二人が同率一位。ホロヴィッツのショパンは変幻自在の音色と時に驚くほどのデフォルメで他の追随を許さない。一方、ルービンシュタインのショパンはそれよりもずっとオーソドックスだが、格調高く、ダイナミックで、実に格好良い。写真にある通り老いてますます素敵な紳士である。この人のショパンはリズムと造形美に溢れている。名盤。

ハイドン交響曲第94番「驚愕」、第103番「太鼓連打」 : コレギウム・アウレウム合奏団

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コレギウム・アウレウム合奏団と言えば、僕がクラシック音楽を聴き始めた頃には、当時まだ市民権を獲得していなかった古楽器の合奏でクラシックの名曲を颯爽と演奏して一世を風靡していた。この「驚愕」と「太鼓連打」というハイドンのメジャー交響曲の録音は79年、アナログ時代の末期に行われている。

このレコードをショップの棚で発見した時、まずはコレギウム・アウレウム合奏団の名前を見つけて懐かしい思いで一杯になった。そういえばこの合奏団の名前を聞かなくなってしまったのはいつ頃からだろうか。結成は63年、もともとはこのレコードの発売元であるドイツ・ハルモニア・ムンディのためのアンサンブルとして誕生したらしい。このレコードの録音のしばらく後にベートーヴェンの交響曲全集を完成しているから、その頃が最盛期だったのだろうか。

結成時にはそれこそ古楽器演奏の草分け的存在であったわけだが、コレギウム・アウレウム合奏団の演奏スタイルは、それ以降のもっと純粋で禁欲的なアプローチの古楽器演奏とはかなり趣を異にする。なーんて言っても、僕は当時、もちろん何にもわかっていなかったのだが、実に久しぶりにこのレコードでその演奏に触れて、そう思った。

でも、そのおかげでこの演奏、実に楽しいのである。失礼ながら、演奏史的には時代考証がおそらくいい加減、スコアもオリジナルにこだわっていないし、楽器編成も奏法も適宜作曲された時代以降の良いところを取り入れている。結果として骨と筋ばかりで血色の悪い演奏とは大違いの溌剌として生き生きとした演奏が展開されている。演奏芸術としてはこれで良いのではなかろうか?聴いて面白くないのではむしろハイドンに失礼である。だって、本来、ハイドンの音楽はとても楽しいものなのだから。これはとっても良い演奏だ。録音も良い。

マーラー交響曲第7番「夜の歌」 : テンシュテット

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テンシュテットのマーラー交響曲全集がリアルタイムで進行していた頃はちょうどマーラーの録音が雨後の筍のように出てきたところだったせいか、一枚一枚の録音はそれほど大きな話題にならなかったような気がする。アバドの録音が出るたびに絶賛されていたのは良く記憶しているが、テンシュテットが80年代初頭に録音した7番、2番、4番と言ったところは個人的にほとんど記憶がない。

前にも書いたが、この指揮者にはムラがあるのかEMIの録音が悪いのか、はたまたやはり病気の影響があるのかどれが理由かわからないが、どうもこれまで良いイメージを持っていなかった。

それが先日、レコードでテンシュテットの「イタリア」とシューマンの交響曲第4番を聴いたところ存外に素晴らしい演奏だった。バルビローリのマーラーを聴いた時にもそうだったが、年を取るにつれて音楽の好みも変わるみたいだ。それに若い頃聴いた演奏の印象がその時のオーディオ機器や視聴環境で影響されているのも否定できない。これはテンシュテットも再度良く聴いてみなくては。

と思って手に入れたのがテンシュテットのマーラー交響曲全集。70年代から始まるオリジナルのスタジオ録音に加えて5番~7番まで晩年のライブ録音まで入って16枚組で3,000円しない。ちょっと上品な鰻重くらいの値段である。だんだん物の価値がわからなくなってくるなあ。

はてさて、何から聴こうかと思って取り上げたのは「夜の歌」。そういえば、この曲、最近、まったく聴いたことがなかった。テンシュテットの「夜の歌」はこのボックスにも含まれている93年のライブ録音が素晴らしいらしい。でも、まずはスタジオ録音の方を聴いてみた。

ショルティやレヴァインでこの曲に親しんだ僕からすると、この人は縦の線をあんまり気にしない指揮者だなあと思う。なんと言うかどこを取ってもピシッ!パシッ!とせずに、ドロドロずるずるという感じで音楽が進んでいく。全体的に暗めの夜である。霞んで見通しが悪い。でも、思ったよりずっと良いなあ。うん、悪くない、この演奏。たまには月の出ていない夜も良い。

Monster : ハービー・ハンコック

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80年にリリースされたハービー・ハンコック29枚目のアルバム。ここへ来て完全にジャズを捨ててしまったアルバムはジャズ・クリティックからは当然、失望で迎えられたようで、音楽誌の評価は最低の一つ星がついている。

これまで初期のジャズアルバムのほかに「Future Shock」「Magic Windows」「Sound System」の感想を書いた。そのほかにこれまで「Head Hunters」や「Man- Child」「Lite Me Up」を買って聴いてみたが、リアルタイムに新譜を購入するのではなく見つけた順に中古アルバムを買って聴いていると、このアルバムを含めて7枚のアルバムの発売順を言い当てるのは難しい。この中で最初に発売されたのは73年の「Head Hunters」で最後が84年の「Sound System」になる。この間、V.S.O.P名義のジャズアルバムも出しているし、ジャンルを跨いだ創作意欲はすごい。

では、このアルバムはどうかと言うと正直言ってだんだん飽きてきた(笑)。この時代にリアルタイムで聴いたらノリノリで痺れたかもしれないが、このアルバムが目指した音楽はその後世界中で一時大きく開花してすぐに廃れてしまった感がある。かなり歌謡曲的である。ジャズかどうかの問題でなく内容がイマイチなので一つ星評価だったかもしれない。まあ、こういうこともある。次に出会うアルバムに期待しよう。

久しぶりのカメラ

1年ぶりくらいにアメリカから妹夫婦が遊びに来た。義弟は東京で仕事があるのであんまり一緒にいられないが、妹と甥は1か月くらい滞在するという。甥はまだ小さいので絶好の被写体である。これは写真を撮ってやらねば。

オーディオの前にしばらくカメラに嵌っていたのだが、デジタル時代の到来とともにすっかり熱が醒めてしまった。デジカメは便利この上ない。記録手段としては誠に正しい進化である。でも、どこか物足りない。結果がすぐに確認できるから間違いないが、現像を待つ間のわくわく感も、思った以上の一枚が撮れた時の喜びも大切な一枚が失敗だった時の悔しさもない。だんだん撮ることへの興味も情熱も薄れてしまった。

そこへ久しぶりの被写体の登場である。これはカメラを買わねば。もちろん今さらでもフィルムカメラだ。それもマニュアルフォーカスである。まだ小さいからそんなに動かない。若いからどれだけアップにしても破たんしない。だからマニュアルのカメラにマクロレンズと決めて探して買った。

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じゃ~ん。はい、2台も買ったのは買いすぎですね(笑)。
でも安いんだもん。言わずと知れたF2とF3、二台合わせて3万円也。F3現役時代に指をくわえてショーウィンドーを眺めていた自分からすると買うしかない。F2フォトミックは小学生の時に買ったカメラの本で世界最高のカメラとして紹介されていたのを今でも覚えている。

問題はフィルム。まだヨドバシで買えるものの、こっちはカメラとは反対に値段上がったなあ。レコードと違ってフィルムが復権するとは考えづらいから、今のうちが本当のラストチャンスかも。とにかくこの一か月は毎日撮影である。

PLECTRUMELECTRUM : Prince & 3RDEYEGIRL

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題名もアーティスト名も読みづらいこと限りない。こうしてブログに書くにもアルバムジャケットを凝視してスペルを確認しながらである。以前、紹介したプリンスのアルバム「Art Official Age」と同時にリリースされたこちらのアルバムはプリンスとプリンスがバックアップする3RDEYEGIRLとの連名での作品。

「PLECTRUMELECTRUM」はPlectrum Electrumを続けて綴ったものだが、Plectrumはマンドリンとかギターのピックを意味するらしい。エレクトラムは琥珀金なので琥珀金のピックという意味なのか、それとももじってエレキギターの意味なのだろうか?英文で検索しても結局、わからなかった。3RDEYEGIRLも読みづらいが「直観的な女性」かな?ジャケット写真を見る限りどちらかと言うと「三つ目の女性」っぽいが。

それはともかくとして、「Art Official Age」と比べて「PLECTRUMELECTRUM」はなんとも懐かしい感じのロックアルバムである。全曲1990年代にリリースされたと聞いても特に疑問を抱かなかっただろう。メロディもリズムもアレンジもとてもオーソドックスで平易。こういうアルバムも悪くない。

二枚のアルバムは全然違うのだが、でも音楽の芯みたいなところは一緒だ。というか、プリンスはいつまで経っても驚くほどプリンスのままなのである。世の中がどんなに変わってもプリンスは変わらない。それなのに古くならない。そこが天才の天才たる所以だと思う。最後の曲は「Art Official Age」にも収録されている。それまで二枚のアルバムは全然違うと思っていたのに特に違和感がない。やっぱり本質はいつも同じなのだ。

松山選手、優勝おめでとう!

遅ればせながら米国ツアー二勝目おめでとうございます!

外国人選手と比較しても見劣りしない体格だし、ランキング上位でもあるし、優勝争いにも結構絡んでいたから二勝目するのも時間の問題だったのかもしれないが、優勝しそうでできないことが続くといつの間にか勝つチャンスが無くなってしまいそうだから、今回、勝って本当に良かったと思う。

それにしても人気選手を相手に完全アウェイの中、4ホールも戦ってプレーオフに勝つってのは技術も心も本当にただモノじゃないんだなあ。まだまだ若いからこれからもたくさん勝って欲しい。

とても嬉しいニュースでした。

極寒のゴルフ

このところ週末と言うと雨だったり雪だったり、たまに晴れたら仕事だったりしたものだから、年が明けてからほとんどゴルフに行けなかったのだが今日の天気予報は晴れだったので久しぶりにゴルフに行ってきた。

同じ気持ちでいたゴルフ好きがたくさんいたみたいでゴルフ場は今日、どこも混んでいたと思う。そういう日は早めにスタートしないとラウンドに時間がかかるし、帰りは渋滞になってしまう。ということで寒さは覚悟で7時半スタートを予約。家を5時45分に出ていざゴルフ場に向かったのだが。。ゴルフ場のそばで高速を降り、下道をしばし走ると路面に小雪。付近に駐車している車にも少々雪が。。はて特に連絡はなかったがゴルフ場は大丈夫なのだろうか。と、思ったとたんに春日部ナンバーと練馬ナンバーの車と立て続けにすれ違った。この時間にどこへ?

不安を抱きつつゴルフ場に到着すると案の定昨夜少しだけ降った雪でスタート時間未定だと言う。ええ、そういうことなら早く連絡してよ!到着しちゃったじゃないの。

先に到着していた友達としばし相談。「帰ろうか」という声もあったのだが、手回しの早い一人が平地にある別のゴルフ場に連絡して空いている時間を予約してしまった。。いやいや確かに僕もその時は凄くゴルフしたい気持ちだったので文句は言えない。

15キロくらい離れたところにあるゴルフ場に着くと雪はまったくなし。1時間ばかり時間が空いて9時半過ぎのスタートだったのだが、詰め込みすぎかコンペの影響かスタート時間10分前なのに4組待ち。30分遅れでスタートしてほぼすべてのホールで待たされた。雪はなく天気は良かったが風が強く寒い。待っている時間が長いのでなおさらである。こんなに寒いゴルフ、最近は記憶にない。

昼食後はマシになるかと思ったのだが残念ながらさにあらず。インコースはむしろさらに待ち時間が長く、ラウンド終了は5時過ぎ。日没直前にようやくゴール。冷えた体を風呂で温めてゴルフ場を後にしたのは6時くらいだった。風邪をひかなかった(と思うのだが)のがせめてもの救い。あきらめて帰宅して音楽聴いてた方が良かったかなあ。

R・コルサコフ「シェエラザード」 : オーマンディ

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レコード福袋に入っていたLPの中で一枚目として聴いたのがこのアルバムだったのだが、正直言うと最初に聴いた時にはあんまりピンと来なかった。オーマンディ/フィラデルフィア管の「シェエラザード」が悪いはずないと思って知らず知らずのうちにハードルが高くなっていたかもしれない。

その時、どのプレーヤーとカートリッジの組合せで聴いたかはっきり覚えていないのだが、感想を一言で言えば実に「地味」な演奏に聞こえた。だからピンと来なかった。だってオーマンディ/フィラデルフィア管の「シェエラザード」が地味だなんて予想しないから。

今日、久しぶりにもう一度このアルバムを聴いてみた。なんとなく今日はShureで聴いてみようと思ってORBEにレコードを乗せてみたところ、先日とはずいぶん違う印象である。金管に輝きが増してだいぶ音色が明るくなった。少し高音域が強調されたおかげでなんとなくもやもやしていた中低音も抜けが良くなったような気がする。全体的にこっちの方がバランスが良い。ようやくジャケット写真の美女に見合った演奏になった(笑)。

オーマンディはCBS時代の演奏をRCA時代にかなりの数、再録しているが、CBSとRCAでエンジニアの考え方が違うらしく、一般的にRCA時代の録音の方がおとなしく聞こえる。今までもなんとなくそう感じていたが、ほんの少し高音を強調するだけでずいぶん違って聞こえることがわかった。

まあ、こうやってカートリッジの特性で修正が効くレコードはまだマシである。オーマンディはデジタル時代の入り口で亡くなってしまったのでRCA時代の録音はつい最近までほとんどCD化されず、数少ないCDはマスタリングの出来が悪かった。RCAがソニーに買われたことでようやくまともな音のCDが出てきているので、今後、もっとたくさんリリースされるのを期待したい。

TD-124のプラッター交換

TD-124のプラッターはインナーとアウターの二段重ね。僕のはMark1なのでインナーは深緑色の鉄製プラッター。それにアルミ製のアウタープラッターを重ねて使用する。このプレーヤーは横に付いているレバーを作動させるとインナープラッターは回ったままアウタープラッターのみを持ち上げて止めるクイックスタートという機能が付いているのだが、この機能のせいかそれとも経年の使用による結果なのかアウタープラッターが歪んでいることがよくあるらしい。

僕のTD-124は販売店がメンテナンスしているので回転もスムースだし、クイックスタートの機能もきちんと使えるのだが、やはりアウタープラッターが歪んでいて回転時に横から見るとかなり波打って見える。もちろんそれに伴ってアームも常に上下している。だからと言って出てくる音がおかしいとかピッチが不安定ということはない。ここらへんがアナログの懐の深さと言うか、アバウトなところなのだが、どうにも見た目が気に入らない。

このアウタープラッター、スイスのメーカーが新品を販売していて日本でも買える。ただ価格が590スイスフラン。今なら6万円台後半だろうか。日本のショップ経由で買えば7~8万円である。これを高いと思うかどうかはオーナー次第だが、僕は高いと思う。仕方ない諦めるかと思っていたのだが先日中古を発見。多少傷はあるが歪みはないと言う。値段は2万円。新品の価格との比較でこれを高いとおもうかどうかもオーナー次第だが、しばらく悩んだ後、僕は中古のプラッターを買うことにした。とにかくまた歪んでいたら意味がないので、その点をショップに念押しして購入した。初めてのショップだったが、問い合わせへの対応はとても親切だった。それに少し値引きしてくれた。良いお店である。

今日、プラッターが到着したのだが、しげしげと眺めてみても外見からは歪みがあるかどうかわからない。だいたい今のプラッターだって見ているだけならぜんぜん歪みに気づかない。その程度の歪みなのだ。早速、今までのプラッターからEPアダプターとターンテーブルシートを取り外し、新しいプラッターに移植して使ってみた。

幸いなことに結果は今までとは比較にならない。とはいえこれも中古。厳密にいえば100%フラットではないが、気にならないレベルになった。アームの上下動もほぼ無くなった。では音が良くなったかと言うとはっきりとした変化はない(笑)。おかしいなあ、こんなにアームの挙動が違うのに。。さすがアナログである。奥が深い。

ブルックナー交響曲第8番 : カラヤン

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カラヤンの指揮するブルックナーの8番には80年代の後半にウィーン・フィルを指揮したものがあって、それが僕にとって最初のカラヤンのブルックナーだった。この演奏、雄大で壮麗とも言えようが、どこか緩い感じがあって僕はあまり好きになれなかった。

それ以来、カラヤンのブルックナーをあまり積極的に聴いてこなかったが、BPOと組んだ「ロマンティック」や9番はとても良い演奏だったし、割と最近聴いた3番にはとても感心した。あとは5番と8番を聴いてみたいなと思ってLPを探していたところ、この8番を発見。昔、何度も目にした羽のジャケット写真。シンプルだがとても印象的である。

手に入れたLPは国内盤で、例によって帯にはキャッチコピーが記載されている。曰く「威圧するのではなく、共感させてくれます。」。なるほど。共感させてもらおう。

第1楽章からオーケストラの隅々まで鳴り切った非常に充実した演奏だ。演奏時間だけ比較したらウィーン・フィル盤と大差ないのだが、緊張感の違いか感覚的にはBPO盤の方がずっと短く感じる。第2楽章も良いが、それにも増してアダージョは良い。ちょっとひんやりと冷たい肌触りの弦楽器が特に良い。終楽章も充実している。ここでもVPO盤と演奏時間の差は少ないものの受け取る印象はだいぶ違う。BPO盤の方が終始推進力に満ちていて好ましい。フィナーレも立派。良い演奏だ。

ところで、どうも日本におけるカラヤンのブルックナーの評価は毀誉褒貶入り交じっていて、この人のブルックナーは特に熱烈なブルックナーファンにはあまり高く評価されていないようだ。しかし、カラヤンは戦前からブルックナーに取り組んでいるし、長いキャリアの間ずっとブルックナーは彼の音楽の中核にあった。そうした中で機能的なオーケストラをフルに活用して完璧な演奏の録音を目指したカラヤンのアプローチはこのアルバムにしっかり結果を残していると思う。研ぎ澄まされた演奏を聴いて外面的と言うのは、美人を見て冷たそうと決めつけるのと大差ないと思う。

On the Corner : マイルス・デイヴィス

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このアルバム、ジャケットがナイスなのでいつか買おうと思っていたら、今日「レコード社」の新入荷コーナーの一番手前にいた。「いた」というのも日本語としておかしいが、あたかも買ってくれという感じで一番手前に陣取っていたのだ。これは買うしかない。

このアルバムは確か大学生時代に一度聴いたことがある。レコードではなくCDだったと思うが、僕よりずっとジャズが好きな友達の家にあった。僕はジャズに少しだけ興味を持った頃で、さすがにマイルス・デイヴィスの名前は知っていたので聴かせてもらったのだが、何のことやらぜんぜん良さが分からず気に入ったのはジャケットだけだった。

ということであんまり内容は覚えていなかったのだが、A面に針を落とした瞬間、その時の記憶が戻ってきた。そうそう、こんな感じ。ジャンルは違うがその時僕は「どことなくプリンスみたい。」と思ったのであった。「でもプリンスの方がメロディアスで良い。」とも思った。ちょうどプリンスが「パレード」というアルバムを出した頃で、ちょっと不思議なリズムとメロディがとても気に入っていた。

今、聴いてみると当たり前だが二つのアルバムはずいぶん違うし、だいたい「On the Corner」は「パレード」より14年も前にリリースされている。そう考えるとこのアルバムに聴く音楽は相当「新しい」。

一聴すると同じフレーズがずっと繰り返されているようだが、実際には少しずつ姿を変えて進化していく。そう、まさに「進化」していくような展開である。とてもクセになる音楽だ。凄いなあ、こういう音楽が造れる人って。
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