マーラー交響曲第2番「復活」 : キャプラン

074.jpg

僕がギルバート・キャプランの名を知ったのは高校生の時だった。その時目にした記事には「復活」しか指揮をしない彼が日本に招かれて新日フィルを指揮すると書かれていた。クラシックを聴くようになって、楽器もろくに演奏できないのにいつかオーケストラを指揮してみたいと思っていた僕にとって、キャプランは大スターである。

大学生の時にはロンドン響を振った「復活」の録音がリリースされた。これまた痺れる話である。私財をはたいてオケを買い上げて演奏するだけでも凄いことなのに、ついにそれが評判となって世界的オーケストラとレコード録音するなんて!この演奏を聴きながら「いつかは自分も!」と密かに思った人は多いに違いない。

最近、知ったのだが、ロンドン響との「復活」は古今東西すべてのマーラー録音の中で最もたくさん売れたらしい。話題性があるとはいえ快挙である。しかもそこで終わらず、共演するオーケストラごとに微妙に違うスコアを見て自筆譜に立ち返り、ついにはキャプラン改訂版を発行してしまうのだから、この人の探求心と行動力は本当に素晴らしい。

ウィーン・フィルとの「復活」はこの改訂版を使用して2002年に録音されている。今度はウィーン・フィルである。いよいよ男の夢が現実になったという感じではないか。

実はこの演奏、アメリカ駐在から帰ってすぐにCDを買ったのだが、正直言うとその時はあんまりピンと来なかった。ショルティやメータの演奏に代表される明快でオーディオ的快感に富んだ演奏が好きなこともあって、じっくりとしたテンポでどちらかと言うと地味なこの演奏の良さがわからなかったのだ。買ったはずのCDもいつの間にか見当たらなくなってしまった(笑)。

キャプランさんは今年の元旦に74歳で亡くなった。ということを知ったのは3月になってからである。キャプランさんの名前もここ10年ばかり忘れていたが、もう一度聴いてみようと思って再度CDを買った。

第一楽章冒頭、弦楽器の斉奏からそれはそれは丁寧な演奏である。20年間研究して自ら改訂したスコアから一滴の水も漏らさず全部汲み上げるぞという思いを感じる演奏である。ウィーン・フィルは著名な指揮者に対しても簡単に歩み寄らないオーケストラという印象が強いが、この演奏を聞いて僕は、仮に指揮者の技術が足りなくても自分達が支えるという思いを感じた。音楽家、演奏家としてのキャリアがどれだけ違っていても最高の演奏を作り出そうという思いは同じ、そんなことを感じる演奏だ。

フィナーレを聞き終えた瞬間、キャプランさんがこの時、どれだけの達成感に満ち溢れていただろうかと想像して軽く震えた。本気で物事に取り組めばとてつもないことが実現できるんだなぁ。感無量である。
スポンサーサイト

ショスタコーヴィチ交響曲第10番 : ネルソンス

248.jpg

今週は韓国出張で昨日の夜遅く帰国した。今までお隣の国なのに韓国に出張に行く機会はほとんどなかったのだが、今年は先月に続いて2か月連続のソウル滞在となった。先月初めに訪れた時にはまだかなり寒かったのだが、今回はソウルもかなり暖かくなっていて気温は東京とほとんど変わらない。

相変わらず現地に行っても終日打合せだのミーティングだのと日程が詰まっていて残念ながら観光する時間はぜんぜんないのだが、ソウルの中心地で食事をする機会があったので、少なくとも今回は建物の外に出ることができた(笑)。韓国らしく焼肉だったのだが、お肉は文句なしに美味しい。一緒に出てきた日本で言えば味噌汁のような辛いスープは味は良いのだが、独特の臭いが僕はダメだった。

昨日の夜、無事に日程を終了して金浦空港から帰りのフライトに乗った。フライト時間は2時間足らずなので九州に出張するのと変わらないが、一応国際線なので食事が出る。食べながら何気なく聴いたのがこのCDだった。

飛行機の中なので終始エンジンノイズが聞こえるし機内備え付けのヘッドフォンで聞いた感想である。ノイズキャンセリングもなかったのでディテールは聞き取れない。そういう劣悪な環境をものともせず、この演奏は圧倒的に説得力があった。

ネルソンスはまだまだ若いにもかかわらずすでにバーミンガム市響を経てボストン響の音楽監督を務めているし、シャイーの後を継いでゲバントハウスの楽長就任が決まっているくらいだから実力者であることは間違いない。名前も知っていたがこの人の録音をじっくり聞いたのは初めてである。

何が良いかと言うと一口で言い表すのが難しいのだが、まずははっきりとメリハリのついた音楽の造り方が良い。陰影のつけ方が鮮やかでこの曲の多面性を非常にうまく表現している。テンポの取り方も秀逸。いたずらに速くもなく、それでいて弛んだところもない。この演奏ではボストン響の演奏も見事である。機内では弱音が聞こえなかったので最後まで気づかなかったが、ライブ録音とは思えないほど完成度の高いアンサンブルである。演奏終了後、熱狂的な喝采が収録されているがさもありなん。これを実演で聞いたら興奮するだろう。

自宅でもう一度聞いてみたいので先ほどネットでCDを購入した。届くのが楽しみである。

いつの間に。

美容室に行った帰りに本屋に寄ってちらっとレコード芸術を見たら表紙に追悼アーノンクールとある。え、アーノンクールって死んでしまったのか。。

マゼール、ブーレーズ、アーノンクール。みんなクラシック音楽を聴き始めた頃からずーっと親しんできた大指揮者だが、最近、次々といなくなってしまうなあ。

アーノンクールは80年代にはまだ前衛指揮者という感じだったが、この人がバロック音楽からベートーヴェンを経てロマン派の曲を指揮するようになってから、その後の世界中の演奏に与えた影響はとても大きかったと思う。

個人的にはアーノンクールのブルックナーが結構好きだ。特にVPOを指揮した9番は名演奏だと思う。近々、ベートーヴェンの交響曲全集を新たに録音する予定だったと聞くと実に残念である。

ハチャトゥリアン「スパルタカス」「ガイーヌ」 : ハチャトゥリアン

DSC_9572 (2)

前にも書いたが僕はハチャトゥリアンの音楽が好きだ。「剣の舞」もスパルタカスのアダージョももちろん大好きだし、浅田真央ちゃんが使ったことですっかり有名になった「仮面舞踏会」も良い。

この自作自演アルバムには「スパルタカス」から5曲、「ガイーヌ」から6曲が抜粋されている。ハチャトゥリアンが20数年ぶりにロンドンを訪れてロンドン響と自作の交響曲とピアノ協奏曲のライブを行った後にスタジオ録音されたもの。ウィーンフィルを振った「ガイーヌ」もそうであるが、ハチャトゥリアンの指揮はオーケストラをきっちりグリップしていて聴き応えがある。

ハチャトゥリアンが生まれたアルメニアは旧ソ連領だが中央アジアに位置し、西側はトルコ、南側はイランと接している。ハチャトゥリアンのエキゾチックなメロディが同時に実に親しみやすいのはアジアの音楽との親和性を感じるからだろうか。とにかくアルバム一枚丸ごと楽しめる素晴らしいレコードである。名盤。

プリンス死す。

今朝、出張先のホテルでネットニュースを見たらプリンスが死んだという一報が目に飛び込んできた。まさかの突然死。風貌と違ってこれまで不健康な印象がなかっただけにショックである。

それにしても57歳というのは若い。若すぎる。最近も精力的にアルバムをリリースしていたし、ライブも活発に行っていたのに、一体、どうしてこんな急に亡くなってしまったのか。。死因は報じられていないが、やっぱり病気なのかなあ。

とにかく残念である。合掌。

Spendor SP2/3 (1)

ELACのB5を試してみたと先日書いたが、すでに手元にない。なぜならそもそも自分用に購入したのではないから(笑)。代わりに今、僕の部屋にはスペンドールのSP2/3というスピーカーが鎮座している。

QUADのESL、ApogeeのStageと平面型スピーカーを使ってきたが、ほぼ一年ぶりに四角いスピーカーに戻った。なぜか無性にイギリスの、それもBBCモニター系統のスピーカーを試してみたくなったのだ。一口にBBCモニターと言ってもたくさんあって、その中ではLS3/5aがすごく有名みたいだ。多数のメーカーによってこの型番のスピーカーが製造され、現在も販売されている。だから最初はそれを探していたのだが、その途中でこのスピーカーに巡り合った。

SP2/3はLS3/5aに比べるとユニットサイズが大きいし、片や密閉型、こちらはバスレフである。こちらの起源はBC2というスピーカーで、その原型がLS3/6という型番のBBCモニターと双子の関係にあるBC1。当初の目標とはちょっと違ってしまったが、今となっては懐かしい感じの直方体木製キャビネットに収められた2Wayスピーカーという点は変わらない。大きくくくれば同じような系譜に違いないと思ってこっちにしてみた。それに何と言ってもこのスピーカー、長年の使用に伴うキャビネットの傷のおかげでとても安かったのである。

DSC_9553 (2)
到着した実機は告知通りキャビネットは傷だらけだった。サランネットも少々汚れている。想像するにここ最近は使用されずに物置か押し入れで眠っていた感じである。幸い、ユニットは綺麗だ。

Apogeeを部屋の隅に移動して早速繋いでみた。ちなみにスタンドはハミレックス製の普及品である。スタンド天板に直接載せると振動で音が鈍りそうだったので、マグネシウム製のスパイクとスパイク受けを対にして3点で支えている。

さて、どんな音がするのだろうか。現行品であるSP2/3R2についてメーカーサイトにはこう書いてある。

デザインや細部にわたるオーディオへの妥協を捨てSP2/3R2は絹のような柔らかいニュートラルなサウンドを体現します。 それは世界中の音楽愛好家を注目させたSP1/2で親しまれてきたサウンドです。 すべてのスペンドールモデルと同様、SP2/3R2の魅力は音楽体験の価値を損ない聴く人を疲れさせるような無用の歪みや音色変化、 位相の不整合等の好ましくない要素を完璧に排除していることです。

僕は「絹のような柔らかいニュートラルなサウンド」という表現からソフトでロンドンの霧のようなウエットな音を想像したのだが、皆さんはどう思われるであろうか?

果たして繋ぎなおして最初に出てきた音はまず爆音だった(笑)。Stageを聴いている時にはぜんぜん気づかなかったのだが、能率が全然違う。Stageは86dB、SP2/3は88dBとあるが2dBの違いとは到底思えない。ボリュームを絞って僕にとっての通常の音量にしてみるとSP2/3はかなりハイ上がりに聞こえる。比較すると最低音部分はないに等しい。Stageからは非常にたっぷりとした低音が出ていたことがわかった。

キャビネットもウーファーユニットもはるかに小さいB5からびっくりするほどの低音が出ていたのと比べてSP2/3の低音はタイトである。バスレフであることをあまり感じさせない。中高音は「絹のような柔らかい」という表現から想像した音と違って思いのほか強い音がする。位相をいじった録音を聴くとスピーカーの外側からきちんと音が聞こえてくる。レコードを聴いているとたまにスクラッチノイズが真後ろから聞こえたりする。なるほど、総じて、もともとスタジオモニター用途であることに合点が行く正確な音である。

なにせしばらく使われていなかったスピーカーなのでこれから聴きこんでいくと印象も変わるかもしれない。事実、聴き始めたときに比べて低音も心なしか出るようになったきた。(もしかしたら早速耳が馴れたせいかもしれない。。) なので、しばらくしたら再度インプレッションを書いてみようと思うが、現段階で一つはっきりわかったのは、この部屋にこれ以上のサイズのスピーカーは要らないということである。

シェーンベルク「浄められた夜」 : カラヤン

994.jpg

カラヤンの指揮するマーラーの9番にはスタジオ録音とライブ録音の二種存在するが、僕は先に録音されたスタジオ録音の方が好み。で、僕が持っているスタジオ録音のCDには余白にシェーンベルクの「浄められた夜」が収められている。

久しぶりにカラヤンの9番を聴いてやっぱり素晴らしい演奏だなあと思った。どの楽章も良い演奏だが、特に終楽章の深々とした美しい演奏は何度聞いても感動モノだ。

いつもはそこでCDを止めてしまうのだが、今日はなんとなくそのまま聴き続けた。この演奏は新ウィーン学派の管弦楽曲集をまとめて録音した中の一つであり、これまでも何度か聴いたことがあるのだが、今の部屋に引っ越してきてからは初めてだ。

僕の場合、「浄められた夜」はこの曲を初めて聴いた時のブーレーズ盤がデファクトスタンダードになっているので、比較してカラヤン盤は特に低音部分が多少肥大している嫌いはあるものの、ヴァイオリンの磨き抜かれた美しさはちょっと比類がない。弦楽器が混然一体となって押し寄せる迫力と弱音時の妖しい音色は実に魅力的である。ホールトーンを適度に含んだ録音も演奏にぴったり。なるほどこれは名盤だ。

ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」 : サヴァリッシュ

41fJaUu9l7L.jpg

サヴァリッシュがEMIに残した録音をまとめた「The Great EMI recordings」には33枚のCDが収められているが、その1枚目を飾るのがベートーヴェンの交響曲第1番と「英雄」。サヴァリッシュとコンセルトヘボウが90年代初頭に録音した交響曲全集の一部。

僕は歳を取るに連れてサヴァリッシュの指揮がどんどん好きになっているようだ。サヴァリッシュのイメージ的に1番は良い演奏だろうなと思って聴いたが、果たして演奏は予想以上に素晴らしい。深刻でもなく軽くもなく、明るすぎず暗すぎず、早過ぎず遅過ぎず。こう書くといかにもサヴァリッシュの演奏が凡庸に聞こえてしまうが、それは書き手の表現力がないからであって、大変素敵な演奏である。

外国の批評を読んでも1番の評価はとても高い。それに比して「英雄」の方は評価に多少の波がある。聴く前のイメージはすっきり端正な演奏だったが、実際は思いのほかじっくりとしたテンポの第1楽章にたっぷりとした表情の第2楽章が続いた。第3楽章はペースが上がってオケの妙技が聴ける。特にホルンが良い。終楽章は特に前半、前かがみのテンポで快速に進むが中盤で切り替わって最後は悠揚迫らぬ立派なフィナーレを迎えて終わる。これはとても良い演奏だと思った。

地震

小学生の頃、埼玉の小学校では将来起きるかもしれない東海沖地震を想定した避難訓練を毎年行っていた。あれから何十年も経ったが東海地方では巨大な地震の発生はない。

阪神淡路大震災や東日本大震災で「日本中、どこでも地震は起きる。」というシンプルな事実を学んだはずなのに熊本で震度7の地震が起きるなんて想定もしなかった。

幸いなことに九州で働くうちの会社の社員とその家族の安全は確認できたが、何人かが避難所生活を余儀なくされている。そこへ来てさらに今日の大地震。

すでに就寝していた僕は九州の責任者から深夜に送られてきたメールで地震の発生を知った。本震は熊本だけでなく九州一円を幅広く揺らしたらしい。すでに大きな被害が出ているし、今この瞬間、助けを求めている人たちもいる。

一刻も早くその人たちが助けられますように。これ以上、被害が拡大しないことを祈ります。

R・シュトラウス「英雄の生涯」 : ケンペ

IMG_0707 (2)

ケンペ/ドレスデン国立管弦楽団のR・シュトラウス管弦楽曲集はCDのボックスセットを持っているのだが、「英雄の生涯」と「ドン・キホーテ」のレコードを見つけてついつい購入してしまった。「ケンペ1800」シリーズという廉価盤シリーズらしい。

ケンペのR・シュトラウスはカラヤンのそれに比べれば華やかさに欠けるが、滋味溢れる演奏で聴いていて飽きることがない。ドレスデン国立管弦楽団の音がそういうケンペの指揮にまたぴったり嵌っている。

ところで、クラシック録音は70年代の終わりくらいからデジタル録音に移行し、80年代にはどんどんCDに取って代わられたが、90年代の初頭くらいまではレコードも併売されていたと記憶する。となると、この移行期のレコードというものはいったんデジタル処理されたデータを再度アナログ処理するのだろうが、とはいえ、そういうプロセスの入ったレコードって音が硬いとか耳が痛いとか感じたことはない。結局、聴感を左右するのはアナログ録音、デジタル録音の問題ではなくてレコード、CDという再生方式の違いなんだろうか?

そのあたり良く分からないのだが、アナログ録音のこの演奏、レコードで聴く方がやっぱりCDよりしっくりくる。不思議なものである。

ELAC Debut B5

b5.jpg

ここ何週間か仕事が忙しい。あちこち出張はあるし、海外からゲストが来たり、毎月の売上のことで頭を悩ますだけでも十分なところにいろいろな行事が割り込んでくるので結構へとへとである。しばらくブログの更新も滞ってしまった。

そう言いながらもちょっとした時間を見つけては音楽を聴いたり、部屋のレイアウトを変えたりして気分転換をしている。その一環ではないが、ちょっと気になるスピーカーを試してみた。

ELACから発売されたDebut B5というスピーカー。ELACのスピーカーラインアップで一番エントリークラスの中でも一番小さい製品である。このスピーカーはTADにいた有名なアメリカ人デザイナーがパイオニアのオーディオ事業売却に伴ってELACに移籍した第一弾の作品群の一つ。この人がパイオニア時代に設計したエントリークラスのスピーカーはアメリカではことのほか評価が高く、日本にもアマゾンから直輸入できるのでいつか買おうと思っていた。そこにこのスピーカーが新しく出てきたのでこっちを買った次第である。ペアで229ドル。中国で造ったものをわざわざカリフォルニア経由で買うというのも変な話であるが。。

一週間ばかりして昨日スピーカーが届いた。ペアで横長の段ボール一箱に入っている。スピーカーが軽いこともあって包装は実にシンプル。地球を一周以上してきたわけだが、箱の痛みもほぼなく中身は無事だった。ブックシェルフは長らく使っていなかったので、物置にしまってあった高さ50cmのスタンドに載せてとりあえず音を出してみる。

う~む。

いやあ、正直、恐れ入った。

B5の横20cm、縦30cmあまりと言うサイズは最近のブックシェルフでは最小クラスではないが、奥行きが20cm強と短いのでとてもコンパクトである。それなのにこの低音の量は13.5cm径のウーファーとはとても思えない。小型のバスレフで低音の量が多いとなると安物にありがちなドンシャリを連想してしまうが、案に反して高音がとても落ち着いている。結果として腰の低い音である。ホームシアターを念頭に置いたラインアップなのでトールボーイもサブウーファーも用意されているが、8畳間くらいまでの部屋ならB5だけで十二分の音量と低音が出せる。すごいコストパフォーマンスである。

このクラスにはダリやB&Wをはじめとしてたくさんのメーカーが廉価で良質なスピーカーを出しているようだし、僕はそれらを一切聞いたことがないのでB5のパフォーマンスが市場の中でどんな位置づけなのかはわからないが、少なくとも、あらためてオーディオ機器の価格について考えさせられてしまった。音楽を楽しむにはこれで十分ではなかろうか。加えてこれなら狭い部屋もすっきりである。

ラヴェル ピアノ協奏曲 : コラール/マゼール

IMG_0703 (2)

ラヴェルのピアノ協奏曲は玉手箱みたいで面白い曲だ。ラヴェルやラヴェルに憧れたガーシュウィンの書いた曲はどれもこれもお洒落だと思うし、新ウィーン学派みたいに調性やリズム面で特に革新的なことをしているわけではないのに、出来上がった音楽はそれまでのクラシック音楽の殻を見事に突き破っているのがすごい。

今日、いつもの「レコード社」を訪れたところ、新入荷棚でこのレコードを発見。コラールもさることながらマゼールが指揮ということで迷わず買い求めた。それにしても、はにかむコラール青年の横でマゼールはなぜやたら険しい顔をしているのだろうか(笑)。

70年代のマゼールは60年代の天才の閃きとも80年代以降の欧風浪花節とも違ってとてもスマートで洗練された指揮ぶり。わかりやすく個性派ではないので曲によっては物足りなく感じることもあるが、この曲での伴奏はそのスタイルが曲ともピアニストとも非常に相性が良くて僕は好きだ。

第1楽章、第3楽章の色彩感溢れるリズミカルな演奏も良いが、何より物憂げな第2楽章がとても気に入った。若きコラールの演奏はじっくりととても丁寧だし、それをしっかり支えるマゼール/フランス国立管弦楽団の伴奏も素晴らしい。

富士山

今日は大阪に出張だった。東京は昨日と打って変わって肌寒く、薄いコートを羽織ってちょうど良いくらいの天気だったのだが、伊丹に着くとずいぶん温かく、コートを着ている人はほぼ皆無だった。。

大阪の支店でミーティングをした後、取引先にお邪魔してしばし商談。今までも大口の取引先だったが、最近、契約内容を見直したので今後の相談。先方は老舗の日本企業なのでいつも非常にきちんとした対応をしてくださる。つつがなく初期の目的を達することができた。

帰りのフライトは窓際の席だったが、ふと窓の外に目をやると富士山が見える。関東は相変わらずの天気で一面の雲。そこに夕日と富士山でなかなか幻想的な景色だ。電源を落としていたiPhoneを慌てて取り出してパチリ。

IMG_0701 (2)

富士山っていつみても綺麗だ。

ブラームス交響曲第1番 : ズヴェーデン

902 (2)

ブルックナーの交響曲で他の指揮者とは一味違う演奏を聴かせてくれたズヴェーデンのブラームス交響曲全集を購入した。3枚組で990円である。「安い!」と思って買ったが、最近の大物ボックスセットの価格を考えると一枚330円というのも驚きには値しないか。。「三つ子の魂百まで」でいつまでたってもCDの価格破壊についていけない。

2018年にはNYPの音楽監督になるというズヴェーデンを初めて知ったのは、エクストンから発売されている上記のブルックナーなので今から7~8年前になるだろうか。てっきりその辺りで彗星のごとく現れたとおもっていたので、このブラームスは最近の録音かと思ったらさにあらず。こちらの完成は2002年なのでブルックナーよりずっと早い。ブルックナーでも共演し、2005年からは首席指揮者を務めたオランダ放送フィルと2番、それ以外はネーデルランドフィルと録音している。すべて、この頃にはすでに珍しくなってしまったセッション録音である。

この人のブルックナーの感じからすると良いに違いないと思ったのは2番、逆に、想像がつかないと思ったのが1番だった。どっちにしようかちょっと迷ったうえでまずは1番を聴いてみた。

ズヴェーデンはブルックナー、特に「ロマンティック」の印象が強すぎて、ブラームスもかなり呼吸の深い、ゆったりとしたテンポを想定していたのだが、第1番の冒頭は予想を完全に裏切られた。どちらかと言えば快速と言っていいテンポで始まる。冒頭以降は少しテンポが落ち着いてくるが、全体としてこれは若々しくすがすがしいブラームスである。セッション録音なのに実演のような勢いを感じるところが良い。ネーデルランドフィル (オランダフィル) はこの録音の他に聞いたことがないが、ドイツ系オーケストラによくある暗くて重い音色とは違って軽やかで明るい音がする。ホールトーン多めの録音で各楽器が程よくブレンドされている。

オーディオの音量

ふだん自分が聴いている音楽の音量がどのくらいなのか測ってみた。

計測方法は非常に簡易なものである。App Storeで「音圧計」を検索するといくつかiPhone用アプリが出てくる。それをダウンロードして、あとはいつもの位置で測定するだけ。僕は無料の「Sound Level Analyzer Lite」というソフトをダウンロードした。

通常の音量といっても日中と夜ではだいぶ違うが、今回は一番条件の良い時、つまり気持ち大きめの音量で聴ける時に測定してみた。自分的には、特に音響対策を施していない部屋の中で心地よく聞くにはこれが限界くらいの音である。

DSC_9549 (2)
結果はこのとおりだった。何曲か違う曲で測ってみたが、だいたい同じくらいのレベル。

なるほど~。少し音が大きいと感じるくらいで平均70㏈強ということがわかった。最大音圧83㏈はほんの一瞬である。簡易な測定方法なので誤差はあるだろうが、このくらいならアンプの出力は常時1wにも満たない。結局、僕の場合、スピーカーやアンプに過度の物量投入は意味がなさそうだ。小出力のアンプ、小さなサイズのスピーカーで品位の高い製品を目指す方が正しいと思った。

入社式

今日、4月1日は会社の入社式。

今年もまたこの季節がやってきたなあ。自分が新入社員だった頃と世の中はすっかり変わってしまったような気がするが、昨日まで学生だった若者が真新しいスーツを着て緊張した面持ちで並んでいる姿は当時と変わらない。

うちの会社は外資系なのに、入社式だけは毎年、実に日本的で厳粛だ。この時代に古臭いという声もあるようだが、一年に一日くらい凛とした空気の中で新社会人の門出を祝ってあげるのも悪くないと思う。

今日参列した皆さんの将来が輝かしいものでありますように。

やっぱり相性が大切。

DSC_9519 (2)

先日からORBEに装着したOrigin LiveのSilver Mk3Aトーンアーム。エージングも兼ねてここのところはずっとこの組合せでレコードを聴いている。そろそろ一週間になろうとしているのだが、音がどう変化したかと聞かれると答えはまったく心許ない。この製品に限らず僕はエージング効果というものに鈍感で、聴き続けているうちに最初の頃の音はすっかり忘れてしまうのだ。

エージングによる音の変化についてはなんとも言えないのだが、実はアームを交換した直後から、今まで装着していたどのSME製アームの時よりもOrigin Liveとのコンビの方が音が良いと感じている。

と言っても、Origin Liveの方がSMEより音が良いとか、だからSMEよりRegaの方が優れていると言った乱暴な話ではなくて、あくまで我が家のORBEに装着して僕が常用するカートリッジを取り付けた場合の比較である。結局、システム全体としての相性が良いのだと思う。

Michell EngineeringのホームページでORBE SEを見るとアームはSMEのSeriesVが装着されている。と言うことからして、MichellはSeriesVをORBEの推奨アームの一つと考えていると判断して良いだろう。そうでなければホームページに写真を載せるとは思えない。だが、実際にVと印加方式を除いて同スペックのSeriesIVを装着してみると、水平を保つためにはアーム側のスプリングをかなり巻き上げる必要がある。実用に支障はないものの、少々重すぎるかなぁという感じなのだ。比較して200g軽いSilver MK3Aはジャストフィットで装着できる。

マグネシウム製パイプのSeries IVは響きがコントロールされていて味付けなしでカートリッジの音を引き出す一方、アルミ製パイプにダンプ材のSilver MK3Aはほんの少し響きが乗る。3009S2はもっと響きで聴かせる感じ。僕は、多少響きがある方が好みなので、この点でもOrigin Liveには満足である。

DSC_9528 (2)

これはとても良い買い物だったかも。
プロフィール

ばけぺん

Author:ばけぺん

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
Since 3/28/2013
検索フォーム
リンク