ハイドン交響曲第103番「太鼓連打」 : ヨッフム

前にも書いたような気がするが、仕事で疲れて帰宅した夜、交響曲を聴くとすればハイドンが良い。モーツァルトが良いと言う人も多そうだが、僕は元気の良い時以外、どうもモーツァルトはダメである。音楽に入り込めない。それに比べるとハイドンは優しい。「ちょっと疲れているみたいだね。まあ、みんな同じだよ。これでも聴いてのんびりして。」と言われているような気がする。

やれやれ、こんな書き出し方をすると相当病んでると思われそうだ。今日の仕事が特につらかったわけでもないのだが、毎年のことながら、これから年末に向けてどんどん忙しくなる。今年中に終わらせなくてはならないことを考えると少々憂鬱なのだ。それに今日はまだ月曜日だし。

そんなわけで今日はヨッフムのハイドンを聴いた。初めて買ったレコード福袋に入っていたロンドン・セットから最後の一枚に当たる「太鼓連打」と「ロンドン」を聴いてみる。もう何度も聴いたが、一服の清涼剤のような佳曲を抜群の安定感で聴かせる素晴らしい演奏である。聴いていると心が落ち着くことこの上ない。僕にとっては、副作用のない精神安定剤である。
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トーレンス TD321Mk2

上海で開催されていたゴルフの世界選手権で松山英樹選手が優勝した。アメリカツアー3勝自体、丸山選手と並んで日本人最多に並ぶ快挙だが、何より世界ランキング上位の選手しか参加できない世界選手権で達成したところが凄い。身体の大きさも気持ちの強さも並み居る外国人選手に負けていないと思うし、それにまだ若い。これからどれだけたくさん勝つか本当に楽しみである。とにかく早くメジャーを勝ってほしいなあ。

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今日は2月に1度のプレーヤーローテーションの日。置き場所がないので我が家では稼働できるプレーヤーは最大4台だ。現在、全部で5台のプレーヤーを所有しているので常に最低1台は待機状態である。可動部分がある機械はある程度動かしておかないと調子が悪くなるので、なるべく2月に1度くらいの頻度でローテーションしている。

4台もプレーヤーあってどんな意味があるの?と思われるだろう。実は僕自身、そう思ったことがあって、しばらくの間、3台を片付けて2台体制にしたことがある。その時は1台にMCカートリッジ、もう1台に光カートリッジで使い分けたのだが、そのうちMMカートリッジが聴きたくなって、結局、もう1台引っ張り出してきた。聴き比べるとどちらも違う味わいがあって一つに決められない。さらにはフォノイコライザーもソリッドステートと真空管と二種類あって、これまたどっちもどっちで捨てがたいのだ。と言うことで、また4台体制になっている次第。まあ、そういう言い訳はともかくとして、今日、2月ぶりにTD321Mk2を引っ張り出してきた。

プレーヤーを入れ替えると、プレーヤー自体の駆動方式やプラッターの材質等音が変わる要素は山ほどあると思うが、プレーヤー自体による差はカートリッジ/アーム/フォノイコの組合せによる変化に比べたらかなり小さいと思う。ならばプレーヤーを変えずにカートリッジを交換すれば良さそうだが、TD321Mk2やORBEのようなフローティング方式のプレーヤーにイケダやSeriesIVみたいな重量級アームは載せたくない。結局、そうやって軽量カートリッジと中重量MCでプレーヤーの棲み分けができてしまうのである。

今回の入れ替えに当たって、TD321Mk2にはzyxのR100-2を組み合わせることにした。R100-2は自重が5gと非常に軽いが指定針圧は1.7g-3gと割に重めである。こういうカートリッジはどのアームに付けたら良いのか悩むが、今回初めて3009S2improvedに付けてみることにした。vinylengineのレゾナンスチャートをチェックしたが、まあ、許容範囲に収まっている。サブウェイトによる針圧印加では足りないのでメインウェイトで針圧が2gになるよう調整した。

ジャコ・パストリアスを聴いたのだが、zyxのナチュラルでシャープな表現に真空管フォノイコの熱さが加わって実に良い感じ。アームとの組合せも問題なさそうである。しばらくぶりに設置して再確認したのだが、TD321Mk2は実に良く出来たプレーヤーである。嵩張らないし、軽いし、静かでハウリングにも強い。これと言って悪いところが見当たらない。復刻版でも発売してくれたら良いのに。

チャイコフスキー交響曲第2番「小ロシア」 : ロジェストヴェンスキー

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チャイコフスキーの交響曲は「マンフレッド」を入れて7曲あるが、2番、3番、「マンフレッド」はほとんど聴いたことがない。シベリウスもそうだが、どうも決まった曲ばかり聴いてしまう。ちなみに平日のランチは中華とカレーばっかり食べてしまう。悪い癖である。せっかく何種類か全集を持っているのだから、ちょっと集中して聴いてみることにした。まず聴いたのがロジェストヴェンスキーの指揮で「小ロシア」。

この曲は「冬の日の幻想」から6年後に完成している。その5年後には4番を作曲しているが、交響曲の体裁を取りながらも第二楽章なんてバレエ音楽みたいな雰囲気があったりするし、ちょっと散文的なところが「冬の日の幻想」よりに感じる。比較的マイナーな曲であるが、こうして聴いてみるとチャイコフスキーの音楽はやっぱり凄くチャーミングだ。この曲はあちこちで民謡を引用しているので特に歌謡的な色合いが濃いが、単体ではなんということのないメロディが華やかに展開していくさまは聴いててとても心地良い。

ロジェストヴェンスキー/モスクワ放送響の演奏はテンポ良くメリハリに富んだ華やかなもの。ロシア系の情熱を持ちつつ、必要以上に強引でも暴力的でもなく、バランスの取れた模範的な演奏だと思った。72年の録音でメロディア原盤ながら音は鮮明。ダイナミックレンジは少々狭いが鑑賞に支障はない。

ATC SCM7

まだOnkyo D-TK10は試聴できていないのだが、先日のショップにぶらっと立ち寄ったところ、ATCのNew SCMラインの中で一番小さいSCM7を聴くことができた。SpendorやHarbeth同様、イギリスのメーカーであるATCは70年代に創設されている。いずれもスタジオモニタースピーカーの製造から始まっているが、今でも実際にプロの現場でモニターとして使われているのはこの中ではATCだけではなかろうか。

ATCはモデルチェンジしても型番を変えないのでややこしいのだが、僕が試聴したのはエンクロージャーがリュート型で黒っぽいパンチングメタルのグリルが付いた現行品である。レコード大賞の話で世間を騒がせているグループと同じく3代目だ。
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13㎝ウーファーに25㎜トゥイーターの2ウェイ。HB-1やD-TK10ほどではないが、横幅17㎝奥行き22㎝なのでとても手ごろなサイズである。重量は7.5kgとサイズの割にずしっと重い。ショップの説明によれば、総重量のほぼ半分がウーファーユニットの重さだと言う。ATCと言うとこれまたアンプ食いなイメージがあるが、強力な磁気回路を持つこのウーファーが難敵なのであろうか。

ショップにはこれより2サイズ大きいSCM19もあって、どちらを試聴しようか迷ったのだが7の方にした。ちなみにATCのスピーカーの場合、数字はキャビネットの容積を示している。その名のとおりSCM19はSCM7の3倍近く大きく、ウーファーのボイスコイルの重さも3倍である。良さそうだが、スタンドに載せた時にFocus 260より投影面積の大きいスピーカーは今のところ興味ない。

さてさっそく、聴かせてもらった。この店の場合、アンプが弩級なのでその点は差っ引いて考える必要がある。(前回のA-1は売れて店になかった。)定価16万円、中古で10万円のスピーカーにプリ・パワー合わせて500万円のアンプを使う人はいないと思うが、仕方がない。

そういう環境での試聴であるが、それにしても、いやはや、ATC良いわ。小さいのに、なんというかとても重みのある音がする。出自がモニタースピーカーなので正確な描写をしつつ、ちょっと暗めでウェットな音がすごい好み。今まで密閉型のスピーカーはどこか詰まった感じの音がすると感じていたのだが、このスピーカーからは感じなかった。スペックを見ると低音が足りなそうだが、聴感上は十分出ている。それも重たい感じの落ち着いた音が出てくるので賑やかにならず上品である。キャビネットを響かせるHB-1とはずいぶん方向の違うスピーカーだが、これはこれで素晴らしい。

ベートーヴェン交響曲第7番 : ショルティ

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LPの解説を読むと「ステレオ・ラボラトリー・シリーズ」というのはキング・レコードが昭和49年に始めた高音質レコードシリーズらしい。曰く、良質なマスターテープを使用し、リミッターなしで低速カッティングしたものを吟味した原料を使用してプレスしたとある。後年、キング・レコードは「スーパーアナログディスク」を発売しているが、その先駆けのようなものだろうか。ダイナミックレンジを広く取った録音をピッチに余裕を持たせてカッティングするために、交響曲第7番一曲のために二枚のLPの三面が使われている。アナログ全盛期にはこういうマニア心をくすぐる企画がたくさんあったんだろうな。

ショルティ/シカゴ響の演奏は74年、まさにこのシリーズが始まった年の録音なので、最新録音の一つとして選ばれたことになる。以前も書いたがショルティ/シカゴ響の演奏が僕にとって生まれて初めて手に入れた交響曲全集だったので、非常に愛着がある。全集は普通のLPだったが、その頃の僕にとっては十二分に良い録音だった。残念ながらそのレコードはどこかに行ってしまったので厳密に比較しようがないが、それにしても圧倒的にこのLPは音が良い。

まず低音の深さが全然違う。ステージの広さも奥行きも素晴らしい。CDを所有していたこともあるが、それに比べても音の瑞々しさや勢いがずっと良い。スタジオ録音なのにちょっとライブ録音を聴いているような感覚である。現行のLPでダイレクトカッティング盤というものを時たま見かけるが、あれってもしかしたらこんな感じなのだろうか。最近、そうした企画で生産されたLPは軽く1万円を超えたりするが、このLPは定価2,500円。通常盤とさほど変わらない価格でこんなレコードが手に入った時代が羨ましい。

ショスタコーヴィチ交響曲第4番 : オーマンディ

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ショスタコーヴィチの交響曲第4番は1936年頃に完成した後、長い間お蔵入りして61年末にようやくコンドラシンによって初演されている。62年に出版されたスコアを用いて63年2月にアメリカ初演を果たしたオーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団によって初演2日後に収録されたのが、この演奏である。ジャケットにも「アメリカにおける最初の録音」と明記されている。

ショスタコーヴィチの交響曲の中でオーケストラに最大の編成を要し、演奏も難しいとされているこの曲をオーマンディ/フィラデルフィア管は出版後ほどなく演奏・録音したことになるが、実に堂に入った解釈であり、不慣れな曲を演奏しているように感じることは微塵もない。流石である。

僕が4番を初めて聴いたのはこの演奏のCDなので少々バイアスがあるかもしれないが、オーマンディ/フィラデルフィア管の演奏はこの曲のベスト盤の一つだと思う。技術的に優れているのは言を俟たないが、複雑な曲を実に分かりやすく、面白く聴かせてくれる。随所で弦楽器が美しいし、管楽器も輝かしい。最初に聴いたのがこの演奏でなければ4番を好きになるのにもっと時間がかかったかもしれない。

以前、すでにこの演奏は記事にしたのだが、思いがけずLPが手に入ったのでもう一度書くことにした。中古でお目当てのレコードを見つけるのはいつでも嬉しいが、今回は格別。62年の録音だからもちろん最初はレコードで販売されたのだが、なにせ4番が日本で初演されたのは80年代の終わりである。それまでこの曲の演奏を求める人がそれほどいると思わなかったし、ショスタコーヴィチと言えばやはり旧ソ連、ロシア系の指揮者の演奏の方が人気は高い。したがって日本ではあんまり流通していないと思っていた。ハイティンク/ロンドン・フィルの演奏も棚にあったのでショスタコーヴィチ・ファンの方が所有していたのだろう。

CDとレコードを聴き比べるとマスタリングが違うので、細部で多少印象が違う。最強音はダイナミックレンジを広めにとったCDの方が比較すれば優位だが、それほど大きく違うわけではない。どちらが良いかは多分に趣味の問題だと思う。

プアマンズ HB-1

Kiso AcousticのHB-1を試聴したものの、その価格、周辺機器に対する要求水準の高さ、さらには部屋の問題で購入を見送った、というか、危うく買わずに済んだという記事を書いてから二週間。実を言うとずっと気になっていた。あれがここにあったらどういう音がするのだろうか?A-1は合わなかったが真空管アンプならうっとりするような美音で鳴るのだろうか?

HB-1の魅力は第一にその音の良さにあるのだが、それと並ぶくらい僕にとってはそのサイズが魅力的だった。ESL→Stage→Spendor→Focusと順調にダウンサイズしてきたが、それにつれて部屋の使い勝手が良くなったし、この部屋のエアボリュームにマッチしてきた。16㎝ウーファー2発から10㎝ウーファーになってもそれなりの低音が出ることは試聴で確認済みなので、小さくて悪いことは一つもない。世の中にはサイズ的にHB-1と同じくらい小さいスピーカーが他にもたくさんあるし、僕が知らないだけで、HB-1以上に凄い音がするスピーカーもあるのかもしれないが、実際に見て、聴いた範囲ではHB-1が「所有する喜び」ランクNo.1である。

しかし、である。
やっぱり、、である。

あれに100万円突っ込むか?と言うと答えはNoだ。まずはこの部屋で試聴したいし。でも、あれって自宅試聴できるのだろうか?少なくとも伝手はないし、試聴したうえで買わないと言うのも気が引ける。。

こんなことを二週間、たびたび考えていたのだが、その間に急浮上してきたのがプアマンズHB-1だ。正式名称を Onkyo D-TK10と言う。すいません。こんな呼び方をしたらD-TK10オーナーの皆さんに叱られますね。なんて言っても、こちらが高峰スピーカーのオリジナル、本家本元である。とにかく、D-TK10に今は興味津々。

D-TK10は大メーカーとして商売になる範囲で冒険した(と思う)スピーカー。HB-1はD-TK10に満足できず徹底的に突き詰めたスピーカー。誰が見ても親戚だとわかるくらい似ているが、実際はまったく別物と考えるべきだろう。ネット上、けっこう多くの人が二つのスピーカーを比較しているが、ユニットもネットワークも筐体も違うのだから、同じ音が出るわけがない。

実は僕にとってD-TK10がHB-1にどの程度似ているかははっきり言ってどうでも良い。それより、HB-1以上に小さいサイズ、HB-1ほどとは言わずとも愛でたくなるその容姿、むしろ鳴らしずらそうなスペック等々、興味を引く点多数である。愛情を込めて「プアマンズ」と書いたが、HB-1が例外中の例外なのであって、D-TK10もコンパクトスピーカーとしては全然安くない。でも、HB-1に比べたら10分の1以下の価格である。このスピーカー、まずはどこで聴けるのだろうか。

ハイドン交響曲第94番「驚愕」第100番「軍隊」 : ドラティ

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昨日から大阪に出張していたのだが、今日の午後、ちょうど顧客訪問して商談している最中にその場にいた全員の携帯がけたたましく鳴りだした。何度聞いても肝を冷やすような「緊急地震速報」の音である。画面を見ると「鳥取県で地震」の文字が、ほどなくして揺れ始めた。最初は揺れが小さかったのでそれほどの大きさではないかと思ったのだが、いつまでも揺れが収まらない。ちょうど東日本大震災発生時の東京もそんな感じだったが、かなり長い間、揺れた。商談後、移動中の車でニュースを見たが、やはりあれだけの揺れだと被害も出ている様子。現地の人はきっとすごく不安な夜を過ごしていることだと思う。避けようもないが、地震は怖い。

大阪から帰宅してドラティ/フィルハーモニア・フンガリカの演奏でハイドンを聴いた。これは今年のお正月の福袋に入っていた一枚。全集の中からメジャーな曲を組み合わせたLPのスーパーアナログディスク盤だ。

ドラティの指揮はとてもシャープで、フルサイズオーケストラとの演奏でありながら、その後台頭する古楽器オーケストラによる演奏を彷彿させるようなスピーディで切れ味の良いハイドンを聴かせてくれる。70年代前半の録音だが、今、聴いてもまったく古さを感じさせないモダンでスマートな演奏である。快速な演奏だが淡泊にならず、細かい表情付けがなされている。この人の指揮は何を聴いても良いなあ。録音も鮮明で聴いてて心地良い。名盤。

Kiso HB-1 試聴

Kiso AcousticのHB-1が発売されたのは2009年のことなのでもう7年前になる。ずいぶん前から、この小さくて高価なスピーカーの存在は知っていたがなかなか聴く機会がなかった。以前、何度か買い物をしたことがある中古ショップのサイトを覗いてみると中古でHB-1が並んでいたので連絡して試聴させてもらった。ショップに伺うとすでに準備が整っていて立派なセパレートアンプに繋がれていた。スペックは事前に調べて行ったが、実物は予想を超えて小さい。ショップの試聴室が20畳くらいあって大きいのでなおさらである。

ちょうどレコードを買ったところだったので、とりあえずその中の交響曲をかけてもらった。なるほどサイズからは想像できないようなボリュームで音が出てくる。10㎝口径のウーファーにも関わらず、家のスペンドールよりはるかに低音の量感がある。それに空間描写が良い。これが自宅で再現できたらすごく良い。なにより普通の部屋で聴くうえで、小さいのは良いことだ。

アンプがとても高級なものだったので、ちょうと棚に並んでいたA-1に交換してもらった。交換直後はストレートな音の出方で悪くないと思ったのだが、高音がものすごく耳に付く。さっきまでとまったく違って普通の小さいスピーカーになってしまった。小さいスピーカーが大きい部屋で大きい音を出そうとして無理しているような、そんな感じの音である。もしかしたら聴いているCDの音が悪いのかもと思って再度アンプを交換してもらうとさにあらず。最初と同様に素敵な音である。ううむ、このスピーカー、アンプを激しく選ぶらしい。まあ、考えてみれば中古でもスタンド付きで100万円近いスピーカーである。上流側もそれなりの投資をしないと本領発揮とはいかないのだろう。

ショップの人の話によると、このスピーカーを持っている人は皆それなりに名のあるアンプを組み合わせているようだ。それに自分もそうだったのだが、このスピーカー、試聴しているうちにどんどんボリュームが大きくなるそうだ。そうやって大きめの部屋で大きい音量で鳴らすのがコツのようである。そうなると僕には手が出ないなぁ。オーディオ専用ルームを造ったら買うことにしよう。いつ実現するかわからないが。。

ショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」 : ノイマン

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ノイマン/チェコ・フィルがショスタコーヴィチを録音していたとは知らなかったのだが、この「レニングラード」以外にも9番が残っているようだ。74年録音だが音はすこぶる良い。デノン/コロムビア得意のPCM録音以前にもスプラフォンがこんなに良い音の録音を残しているとは。70年代の東側はそれなりに技術が発展していたようである。

この演奏、非常に丁寧で細部まで美しい。美しいだけではなく第一楽章の行進曲なんて結構、迫力もあるし、第二楽章や第三楽章は一転して磨きこまれた美音がそこはかとなく哀しく響いて印象的である。

そこまで聴いて、これはとてつもない名演奏かもと思ったのだが、個人的には終楽章のテンポに少し疑問が残った。冒頭から、終始一貫して非常に遅いのだ。このところかなりの数の「レニングラード」を聴いたが、ノイマン同様、この楽章でなかなかテンポが上がらない演奏が数種類あった。となると、これは5番の終楽章と同じで指揮者の解釈が揺れるような指示がスコアにあるのだろうか?

まあ、テンポが上がらないまま悠揚迫らぬ感じで迎えるフィナーレも悪くはない。それに、最後の最後までチェコ・フィルの合奏は見事なものである。

シベリウス交響曲第3番 : ザンデルリンク

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ザンデルリンクの指揮するシベリウスの交響曲第3番と交響詩「伝説」のLPを見つけた。3番の交響曲は最近のお気に入り、「伝説」の方は高校時代にラジオで聴いて以来、ずっと好きな曲だ。そんな2曲の組合せだったので迷わず購入した。

家に帰って調べて知ったのだが、ザンデルリンクは70年代にシベリウスの交響曲全集を録音している。ちゃんと調べたわけではないが、録音時期から考えると全集の最初に録音されたのがこの2曲のようだ。シベリウスの交響曲の中で不人気ナンバー1を争う3番が最初の録音というのも面白い。得意曲だったのだろうか。

そのあたりの真相は不明なのだが、さもありなんと思うほど、2曲とも非常に優れた演奏である。

交響曲も交響詩も一言で言うと安定感抜群の演奏だ。安心感と言い換えてもいいかもしれない。盤石の演奏にゆったりと身を任せることができる。ベルリン交響楽団の響きは低音が多めで重厚。そのためか鉛色の空みたいに暗めの音色である。いぶし銀のような輝きの金管も良い。間接音豊かな録音だが、それでいて各楽器の音がボケることもなく、最強音まできれいに録音されている。とても良いレコードである。

マーラー交響曲第3番 : メータ

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シーズン終盤の勢いそのままに巨人を下したDeNAはなかなか強敵かと思ったのだが、さすがはレギュラーシーズンぶっちぎりだっただけのことはある。初回の6点で簡単に勝負はつかなかったが、最後は押し切った。これだけの強さでシーズンを優勝して日本シリーズに出れないのでは残念と思っていたのでカープの日本シリーズ進出はうれしい。

今週もなんやかやで忙しく、今日の午前中も仕事だった。帰りがけ久しぶりに「レコード社」に寄ったらオーマンディ/フィラデルフィア管のショスタコ4番やノイマン/チェコ・フィルの「レニングラード」といったちょっと珍しいレコードがあったので購入。同じ新譜コーナーにあったメータ/LAPOのマーラー交響曲第3番も一緒に買った。

マーラーの交響曲の中でメータに一番相性が良さそうなのはこの3番だと思う。オーケストラをバンバン鳴らして陽気に攻めてもこの曲はイケるし、実際、まだ若き日のメータが残した録音はその方向でとても面白く聴かせてくれる。

ウィーン・フィルを振った「復活」も良い演奏だが、長い間音楽監督を務めた手兵との演奏は、お互い気心知れた仲らしく、メータのきびきびとした指揮にオーケストラが敏感に反応している感じが素晴らしい。グイグイと飛ばすだけでなく、緩徐楽章はとてもデリケートで表情豊かである。終楽章の終盤はとびきり爽快だ。最強音でも歪まず濁らない録音がまた素晴らしい。聴き応えがある良い演奏だ。

バルトーク「管弦楽のための協奏曲」 : ショルティ

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ショルティはシカゴ響とバルトークの主要な管弦楽曲を録音しているが、シカゴ響音楽監督となる70年以前にロンドン響との間で2枚のバルトーク録音を残している。一枚はずっと前に記事にした「弦チェレ」と「中国の不思議な役人」組曲の組合せで、残りがこのレコード。「管弦楽曲のための協奏曲」と「舞踊組曲」が収められている。

シカゴ響との演奏はCDで手元にあるが、この曲の演奏の中でもタカ派と言うか、筋肉質でリズム感鋭い演奏の一つだと思う。それより15年前のロンドン響との演奏はドライでオンマイクな録音も手伝って、さらに強引でスパイシーな演奏に仕上がっていると感じた。「管弦楽のための協奏曲」も良いが、むしろこのアプローチは併録された「舞踊組曲」により一層、合っていると思う。緊張感漲る演奏が素晴らしい。

i-qual Clean Mate IQ1100A

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ついに国産のレコードクリーニングマシーンが発売されることになった。i-qual Clean Mate IQ1100Aは僕が持っているClearaudioのSmart Matrixと同様に回転するターンテーブルとバキューム機能を持ったマシーンのようだ。Smart Matrixを買って以来、このくらいの製品なら日本の技術力をもってすれば簡単にできるだろうと思っていたが、ここへきてようやくの登場である。

まだ発売前なので写真と関連記事の情報しかないが、実売8万円くらいと安く、そこはかとなく和の雰囲気を醸し出すデザインもなかなかである。金属製品加工で有名な燕市にある地場のメーカーが製造しているのも素晴らしい。

Smart Matrixを売ってこれを買うかと思ったのだが、次に買うなら全自動式が欲しいところ。気が早い話だが、メーカーさんには全自動式の二号機をぜひ出してほしい。

ワーグナー「ニーベルングの指輪」管弦楽曲集 : セル

セルワーグナー

ワーグナーの楽劇はあらゆるオペラの中でひときわ高く聳え立つ偉大な曲なんだろうと思うのだが、僕には今のところその真価が良く分からない。実のところ、「トリスタンとイゾルデ」を何度か聴いたことがあるだけで、あとの曲は全曲聴き通したこともない。。

歌ものはやっぱり言葉がわからないとなあ。。歌詞はちんぷんかんぷんでもヴェルディやプッチーニの場合、音楽はもっとわかりやすく劇的だから何とか聴いていられるのだが、ワーグナーはその点でもきつい。それにいくらなんでも曲が長すぎる。

そういうわけで「ニーベルングの指輪」全曲を聴くのはもっと歳を取ってからにしようと思っている。時間がたっぷりできたらじっくり聴いてみようと。その日に備えて録音芸術の頂点と言われるショルティの「指輪」全曲はCDで所有しているし。

その日のための準備体操ではないが、セル/クリーブランド管の「指輪」管弦楽曲集は、以前、何枚かの中古LPをまとめた買った時に気になって一緒に購入したもの。聴くのはおそらく初めてである。「指輪」全曲から6つの管弦楽曲が選ばれていて、合計50分弱。これくらいなら、まあ、気軽に聴ける分量である。

有名曲、日本でも人気のある曲だけにハイライト盤もいろいろ出ているが、その中でセル/クリーブランド管を選んだのは、たまたま中古LPが見つかったという理由だけではなく、セルとワーグナーの組合せがちょっと意外だったからである。若い頃は劇場で仕事をしていたとはいえ、あまりオペラのイメージのないセルがどんなワーグナーを演奏するのか興味が湧いて買ってみたのだった。

ジャケットで判断する限り結構古いLPだと思うのだが、見開き形式になったジャケット内側やレコードそのものは非常にきれいだった。CBS・ソニーの国内盤で「SX68サウンド」というノイマンの新しいカッティングマシンを使ったカッティングが紹介されている。クロストークが大幅に改善したという説明があるが、CDのそれからすれば微笑ましいスペックである(笑)。

演奏はセル/クリーブランド管に期待するものに違わない、クリーンでスマートなもの。僕の中にあるワーグナーの勝手なイメージは分厚くて重々しい音楽なのだが、ここに聴ける音楽はそれとは明確に違う。ワーグナー上級者にこの音楽がどう聞こえるかわからないが、入門編としては明快で退屈せずに楽しく聴けた。

マーラー交響曲第10番(第1楽章) : レヴァイン

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レヴァイン/フィラデルフィア管のマーラー交響曲第5番については以前記事にしたことがある。70年代後半にレヴァインが録音したマーラーの演奏は先駆者達、ワルターやバーンスタインのスタイルとは違う、モダンですっきりとしたものだ。同時に、その後、ほぼ「オペラの人」になっただけあって、レヴァインのマーラーは歌心に溢れている。5番の演奏も素晴らしい。

このLP、2枚組だが最初の3面は結構ぎりぎりまで溝が彫られていて、最後の面に10番の第1楽章が収録されている。第10番でフルスコアが残ったのは1楽章のみだが、有名なクック版をはじめとするいくつかの編曲が存在している。クック版とバルシャイ版は聞いたことがあるが、個人的にはやはりどうしてもマーラーの作品には聞こえない。(マーラーの作品ではないから当たり前と言えば当たり前だが。。)第1楽章だけでもいにしえの交響曲一曲くらいの長さがあるので、この楽章だけで十分聴き応えがある。

ここでもレヴァインは起伏に富んだダイナミックな演奏を「さらっ」と聴かせてくれる。表情は十分濃いのに自然体で音楽を紡ぐことができるのがレヴァインの才能だと思う。一見、脂っぽいのに食べると意外とあっさりしているラーメンみたいだ(笑)。深夜に聴いても胃もたれしない。それでいてクセになる。しばらくしたらまた聴きたいと思うに違いない。
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