Royal Mail 追記

「金曜日早朝、荷物が20日ぶりにヒースローに戻った」ことをショップに伝えたところ、「Royal Mailにこちらでコンタクトするので、返事があったらすぐ伝える」旨、すぐに返信が返ってきた。ネットでしか付き合いがないのでこのショップがどのくらいのサイズなのか見当もつかないのだが大きなオーディオショップではないのだろう、連絡する相手はいつも同じ人物である。

彼はメールでのやり取りで判断する限り、良心的な人物だし、今まで約束を破ったこともない。そういう彼の性格からして返事があればすぐに追報があるはずだが、この週末には何の連絡もなかった。考えてみればRoyal Mailも週末なのでカスタマーサービスもお休みかも。。

やれやれこれは長引きそうだと思いつつ、さっき再度Royal Mailのサイトで荷物をトラッキングしてみたところ、そこにはこう書かれていた。

Sorry - we don't recognise that reference number.

おいおい、いい加減にしろ。
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シューマン交響曲第2番 : ムーティ

ムーティボックス

クレンペラーの後任としてフィルハーモニア管の首席指揮者になったのを皮切りとして、オーマンディに才能を認められてフィラデルフィア管の音楽監督に就任し、アバドの後任としてスカラ座を成長させ、2010年からは長年ラブ・コールを送られていたシカゴ響の音楽監督を務め、ウィーン・フィルが現在おそらく最も敬意をもって接する指揮者。リッカルド・ムーティの経歴をみると実はこの人こそが20世紀後半最大の指揮者ではないかとすら感じる。

そんな大指揮者にしては日本でのムーティの評価はパッとしない。イタリアものとモーツァルトが得意なオペラ指揮者くらいの評価と言っては言い過ぎかもしれないが、交響曲の演奏でムーティの名前が挙がることは少ないと感じる。

そんなムーティがウィーン・フィル、フィラデルフィア管を振ったモーツァルト、シューマン、ブラームスの交響曲演奏をまとめたボックスセットを購入した。レーベルがデッカになっているのが紛らわしいのだが、音源はフィリップスである。

シューマンの交響曲第2番を取り上げるのはこの曲が特に良かったからではない。ボックスセットの最初、モーツァルトからすごく良くて、そのままシューマンの1番と4番を聴いたが、これも良かった。次のCDが2番と3番だが、2番も良かったので「これはいいわ」と思ってようやく記事にしただけである。

どの曲も一言で言うと生命力に溢れた演奏である。テンポは概して速く、疾風怒濤という感じ。そしてどの曲をとっても音色がすごく明るい。ネアカである。いじいじしたところや薄暗さとは無縁である。このあたり、わが国でこの人がもう一つ評価が高くならない(と個人的に感じる。)理由であろうか。

ウィキペディアによればチェリダッケが認めた指揮者はムーティだけらしい。アバドとは仲が良くなかったようだが、アバドの代わりにムーティがBPOの音楽監督になっていたらまたずいぶん違っていただろう。とにかく、このボックスセットはお買い得だと思う。

シューベルト交響曲第9番「ザ・グレイト」 : セル

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セルが来日後亡くなったのは1970年。僕はまだ小さすぎて何も覚えていないが、大阪万博の開催された年である。と思ってちょっと万博を調べてみると思った以上に盛大なものだったようだ。入場者数6,400万人強。この中でどの程度外国人がいたのかわからないが、総人口の半分以上が入場したってすごいなあ。85年のつくば博に行ったが、同じ半年間の開催で入場者数は万博の3分の1だ。それでもつくば博は賑わっていたと記憶するので万博当時の熱気は想像を超えるものだったに違いない。そういえば子供の頃、両親が喧嘩をすると母親が決まって「万博にも連れて行ってくれなかった」と文句を言っていた。2020年のオリンピックには連れて行ってあげないと。

すっかり脱線気味であるが、とにかくセルはその万博に合わせて来日して帰国後間もなく病死してしまう。来日時のライブ録音も残っているが、来日前に録音されたドヴォルザークとシューベルトは最晩年の記録ということになる。LPのライナーノーツにはセルの「白鳥の歌」というタイトルの下、演奏の解説が記載されている。曰く「天国的な長さ」と形容され「抒情的なメロディの流れ出るにまかせあいまいな転調のまま、模糊とした色彩に埋められることが少なくなかった」この交響曲の演奏において、セルは「シューベルトにも確乎たる形式感を作り出そうとした。」と言うことである。

正直、2016年に読むと時代の差を感じる文章である。今、この演奏を聴いて「非情で機械的にもみえるクリーブランド管のアンサンブル」を感じる人はむしろ少ないであろう。個人的には、どちらかにあえて区分すれのであれば「熱い」演奏だとすら感じる。70年の段階ではもっと感情移入の多い抒情的で演奏が一般的だったのだろうか。冒頭からシューベルトの美しいメロディを伸びやかに歌いながら、指揮者とオーケストラのこの曲に対する強い思いを感じる推進力が凄い。決してテンポが速いわけではないが、どんどん前へ進んでいく印象だ。セルとクリーブランド管が一体化した素晴らしい演奏だと思う。この録音からわずか3か月後にセルが亡くなると誰が想像できただろうか。名盤。

シベリウス交響曲第3番 : マゼール

シベリウス3マゼール

マゼールの録音には時々、ハッとするほど素晴らしいものがあるが、正直、その頻度はそれほど高くない。それでも嵌った時の輝きは(個人的に)他の指揮者と違うレベルである。そういう大穴的要素があるのでついついいろいろマゼールのアルバムを集めてしまう。

今日、ちょっと久しぶりにそういうキラキラと光るような演奏を見つけた。ピッツバーグ響と録音したシベリウスの交響曲第3番である。マゼールのシベリウスは古いウィーン・フィルとの全集の方が評価されているようだが、それはそれ、これはこれ、で、僕はマゼールがピッツバーグ響と組んだ録音は押しなべて嫌いではない。

シベリウスの3番は最近まで聴かなかった曲なのでこの演奏も初めて聴いたのだが、表面的にはサラッとした流れの演奏でありながら、これはマゼール節全開の実に面白い演奏だ。冒頭の低弦しかり、第二主題のヴァイオリンしかり、普通スポットライトが当たりそうな場所は基本スルー、快速テンポのはずがいつの間にか相当スローになっていたり、こっそり得意のタメが入っていたりと気が抜けない。圧倒的に良いのは終楽章のアレグロから切れ目なく続くフィナーレの部分。

終わってからついついもう一度聴き直したくらい、僕的にはヒットの演奏だった。(いかにもシベリウスに合いそうな)抜けの良い透き通るようなタイプの録音ではないが、音は良い。

Amazing Royal Mail

ORBE SEを購入して以来、たびたびUKのオーディオショップで買い物をしている。英国の電圧は230Vなので、電気を使うものの購入には注意が必要だが、電力の要らない輸入品の場合、内外価格差は大きな魅力である。今までにトーンアーム、カートリッジ、スピーカーと買ってきたが、不良品もなければ輸送中の事故もなかった。仕入れ値が安いのでショップを選べばほとんど差額なしで買い取ってくれる。正規品でないと正直に申告しているが、多少買取価格が下がるだけである。電力を使わない機器は故障も少ないのでショップとしても特に問題にならないのだろう。

アメリカや他の国ではなくUKで買うのは最初に買った店がたまたまUKにあったという以上の意味はない。真剣に探せばもっと品揃えが豊富で安い店があるかもしれないが、初回の購入にはそれなりのリスクが伴うのでずっと同じ店である。何度かやり取りしたがここは対応が速く丁寧なので好印象。送料は重量によって異なるが、最も高かったのが今使っているFocus260の送料で、2万円くらいだった。加えて国内で消費税を支払う必要がある。Focusはディスコン後の在庫だったので特に安かったとはいえ、これらすべて込々でも日本の定価の3分の1だった。

こう書くと良いところが多い個人輸入だが、トラブルもある。ORBEは昇圧して使っているのだが、光城製クリーン電源と相性が悪く、併用すると正常な回転速度にならなかった。(結局、クリーン電源は売った。)一度、モーターが突然死しかけたこともある。ACアダプターで使うもの以外、回転物は避けた方が良いかもしれない。

そして今回、ようやくタイトルのRoyal Mailの話である。これまでの買い物では運送はすべてFEDEXだった。一週間くらいで届くのでトラッキングナンバーを使って追跡する必要すらなかった。6回目の買い物になる今回はスピーカーケーブルやORBEのベルト、オイルといった細々としたものを買ったのだが、低額かつ軽量商品だったせいか輸送は初めてRoyal Mail利用になった。

「Royal Mail」というと一見高貴な名前にも見えるが要は郵便局である。日本郵便をヤマトや佐川と比べればイケてないところが多いが、国際的に見たら我が国の郵便局はとてつもなくハイレベルだ。アメリカに住んでいる時、US Postal Serviceを使うのは常に不安だったし、窓口のクオリティの低さは日本人には想像すらできないレベルである。はたして「Royal Mail」はどうなのだろうか。

Royal Mailのサイトで荷物を追跡してみるとショップから商品を集荷したのが11月4日で翌日にはHeathrowに到着している。FEDEXであれば、Heathrowから早ければ翌日には成田に到着するのだが、今回のRoyal Mailの場合、翌日、ようやくHeathrowのDCを出たようだ。まあ、それは許せるとして、行先が「Kawasaki」とある。

川崎?なぜだろうか。日本郵便の国際郵便物通関施設は川崎にあるのだろうか?まさか船便で川崎港を目指しているのだろうか?いろいろ疑問は沸いたがとにかく1日2日は待ってみようと思った。

ところが、その後、待てど暮らせどトラッキング情報がアップデートされない。ひさすら「Kawasaki」を目指して旅したままである。そのうち仕事が忙しくなって荷物のことも忘れかけていたのだが、2週間経っても変化なし。さすがにおかしいと思ってショップに確認したところ、船便ではなく間違いなく航空便で送ったと言う。この季節、郵便物のボリュームが多いので3週間待ってそれでも到着しなければ連絡してほしいということだった。

今日25日は集荷からちょうど3週間目である。帰宅しても荷物が届いていないので、再度、トラッキングしてみたところ、おお、2週間以上ぶりに情報が更新されている。そこにはこう記載されていた。

25/11/16  Arrived at Heathrow Worldwide DC

なるほど~。
20日間に渡って「Kawasaki」を目指した我が荷物は今朝Heathrowに再び到着したらしい。Amazing Royal Mail! 恐るべしである。現在、ショップがRoyal Mailに確認しているのだが、一体、どうなっていることやら。。。

ブラームス交響曲第1番 : メータ

メータブラームスボックス

メータがNYP時代に録音したブラームスの交響曲と協奏曲をまとめた8枚組のボックスセット。メータのブラームスについては以前、スターンと共演したヴァイオリン協奏曲について書いたことがあるが、バレンボイムと組んだピアノ協奏曲同様、ソリストがメインの協奏曲ならまだしも、交響曲を今、メータ/NYPで聴きたいと思う人はレアだろう。しかし、ロサンゼルスでの成功を引っ下げてNYに凱旋した頃のメータである。当時はそれなりにスポットライトを浴びての登場だったに違いない。

メータはこれよりちょっと前にVPOと1番だけを録音していて、そのあおりかNYPと演奏したこの演奏は録音後、LP化もCD化もされなかったらしい。ちょっとした秘蔵の演奏、お宝である。僕の場合、それを目的に買ったのではなく、買ってからそれを知っただけなのだが。

そういったこともあり、また、スターンと組んだブラームスのヴァイオリン協奏曲はお気に入りの一つなので、それなりの期待をもって聴いたのだが、結論から言うと「う~む」という感じであった。と言っても決して悪い演奏ではない。まだ40歳そこそこの若者指揮者とは思えないじっくりたっぷりとした演奏である。ところどころ大き目の緩急や強弱でメリハリをつけた、古典派ではなくロマン派の文脈の味付け。ただ、どうも少しぬるいかなあ。。パッションとかテンションとかに少し欠けているような。そういえば、以前、シューマンの「ライン」を聴いた時も同じように感じた。

メータ本人の弁によれば、彼はブラームスの交響曲とR・シュトラウスの交響詩を指揮することを夢見て指揮者の道を選んだそうだ。そのくらい思い入れが強いはずなのにその気持ちがあんまり伝わってこないような。。気がした。

初雪

予報どおり関東地方は朝から雪になった。今日は午後の予定を切り上げて超早めに帰宅。いつもは繋がり過ぎに辟易しているのだが、こうなってみると電話やPCを通じて会議が可能なのは便利である。都心で11月に積雪を観測するのははじめてらしい。自分が子どもの頃の方が冬は寒かった気がするが、雪に限って言えばたしかに昔、関東地方の平野部ではめったに雪は降らなかったなあ。予報が行き届いていたおかげで通勤時も大きな混乱はなかったが、これ以上、降り続けると夕方以降が大変なのでそろそろ止むと良い。

さて、このところいくつかのブックシェルフスピーカーを部屋に持ち込んで聞き比べてみることができたのだが、その結果を自分なりにまとめると次のようだ。
1.ウーファーのサイズは13㎝以下で十分。
2.低域のボリュームはブックシェルフで必要十分。
3.バスレフ、密閉型で違いはあっても調整で対応可能な範囲。
4.バスレフの場合、ポートは後ろより前の方がハンドリングしやすい。
5.この部屋の場合、奥行きが深いスピーカーは設置が困難。
6.能率は多少低くても問題ない。

さして強い理由もなく、長い間大きくて重いスピーカーばかり注目していたので、小型ブックシェルフスピーカーをまともに聴いたことがなかった僕にとって一連の自宅試聴は目から鱗であった。同時に機材を選ぶにはやっぱり自宅試聴しないと真価がわからないし、言葉での形容や世間の評判を評価基準にするのは非常に危険であることを再確認。あてにならないというより自分の評価軸と違うことが多い。

Dynaudio、ATC、FOSTEX、Onkyo、ELACと聴いてみたが、このクラスのスピーカーはボリュームサイズらしく選択肢は膨大だ。他にいくつ借りられるかわからないが、納得いくスピーカーが表れるまでできるだけ多くの製品を聴いてみよう。

暑かったり寒かったり

今日は勤労感謝の日。忙しい11月だが、その趣旨に則って今日は無事に休みを取ることができた。

職場の同僚と栃木までゴルフに行ったのだが、朝から肌寒い。そろそろ完全防備で出かけないと風邪をひきそうだ。ずいぶん暖かった昨日とは打って変わっての天気だった。とはいえ、早朝には時折強い風が吹いていたのだが、ゴルフ場ではさほどの風でなかったのは助かった。

それに山の麓にあるゴルフ場だったので、紅葉が実に綺麗だった。そういえば昨日日帰り出張だった大阪でも御堂筋の両端の木が黄色く色づいていた。

明日は関東地方は雪が降るらしい。明日23区で積雪があれば記録上初めてのことらしい。11月に初雪でも50年以上ぶりということだ。ちなみに観測地点の地面の半分以上を雪が覆うことを積雪と言うらしいが、それってけっこう判定する人によって判断が分かれそうである。

雪の備えのない東京では本当に少しの雪でも交通機関は大混乱してしまう。2年前の大雪のようなことはないだろうが、明日は朝から要注意だ。

プロコフィエフ交響曲第5番 : ドラティ

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先日ラトル/バーミンガム市響の演奏で聴いたもののいまいちピンと来なかったプロコフィエフの交響曲第5番を再チャレンジ。今日はマーキュリーのボックスに入っていたドラティ/ミネアポリス響の演奏で聴いてみた。このCD、交響曲の他にロンドン響とのコンビでスキタイ組曲と「三つのオレンジへの恋」組曲も収録されている。

スキタイ組曲から始まるが、この曲はラトルのCDにも併録されていたせいか、前回の視聴に比べてすいすい頭に入ってくる感じ。この曲も「三つのオレンジへの恋」組曲も気持ちを入れて聴いたら、なかなかエキサイティングで良い曲である。

肝心の交響曲だが、一度聴いて全体のイメージがあるせいか、冒頭いきなり出てくる第1主題からとてもしっくりくる。ドラティの指揮はいつもどおり明晰なもので、過度な思い入れや強調なくオーケストラを節度を持ってコントロールする。前回聴いた時はいつまで続くのかと思った第一楽章もわかりやすく盛り上がるし、どこかで聴いたことのある親しみやすいメロディの第二楽章もメリハリがはっきりしていてとても良い。よくわからない曲だなあと思っていたが、今日は結構好きかもと思えてきた。

二つの組曲が57年、交響曲は59年とステレオ初期の相当古い録音だが、そうは思えないほど音は鮮明。最新録音のようにコンサートホールの空気感のようなものは感じられず、どことなく人工的な音ではあるが、それでも当時のマーキュリーの録音技術は凄いと思う。

TIME OUT : The Dave Brubeck Quartet

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だいぶ前にこのアルバムのことは記事(TIME OUT)にしたのだが、今日、ディアゴスティーニのジャズ・LPレコード・コレクション第5弾として新しいLPが届いた。

このシリーズ、最初の2枚を買った後に少々迷ったのだが、結局、定期購読することにした。曲と奏者によって好みに合う合わないはあるだろうが、僕のような素人には一通りジャズの名盤をナビゲートしてもらえるのは助かる。それに、せっかくアナログにこれだけ投資したので、毎月、新譜が届くのもありがたい。

1号から3号までは梱包が過剰でレコードと解説ノートを取り出すとやたらとごみが出て閉口したのだが、今回から梱包が多少シンプル化された。郵送でレコードを運ぶので緩衝材が必要なのはわかるが、これからも梱包はなるべく簡素化してほしい。定期購読者には一番外側の化粧箱も不要だと思うのだが。。

今日は4号と5号が同時に届いたが、まず、5号を聴いてみた。手元にあるアルバムと見比べてみるとまずはジャケットが違う。僕が持っていたものはこのアルバムがヒットした後にプレスされたものなのだろう。「Take Five」とか有名曲のタイトルが併記されているが、ディアゴスティーニのものは写真のとおり若干シンプルである。タイトル部分の幅が狭い分、下には余黒がある。

レコードを取り出してみる。一見して特に問題はなさそう。輸入盤で再発盤を買うとジャケットから取り出した段階で擦り傷があるのも珍しくないが、このシリーズは今のところそうしたクオリティの問題はない。

聴き始めてすぐにおやっと思ったのだが、これは手元にあるLPとはかなり音が違う。端的に言えば中低音が膨らんでいて高音は大人しい。1曲目、手元のLPでは特にシンバルの音がかなりの存在感をもって聞こえ続けるのだが、新しいLPの方は中央で聞こえるベースとサックスの音が強調されて、シンバルとドラムの音は控え目だ。スポットライトの当て方としてはこちらの方が正しいかもしれないが、聞き慣れた曲だけにちょっと違和感がある。ちなみに今までこの曲をレコード針のトレースチェックに使っていたのだが、新しいLPはその用途では使えない。

A面を聴いている間はずっと音のバランスが気になっていたのだが、B面では特に気にならなかった。その代わり、B面は気付いただけで3か所、ノイズがある。ノイズ自体はそう気にならないが、元の音源に起因するのかプレスの問題かは気になるところだ。

いずれにしてもこのアルバムはいつ聴いても素晴らしい音楽だ。

Onkyo D-TK10

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Kiso Acousticsの試聴以来、気になっていたOnkyo D-TK10だが、方々声をかけていたところ、短期間、レンタルできることとなった。展示品だがあまり使われていないらしく、外観はピカピカである。

HB-1を見た時もそう思ったが、実物はとても小さくて可愛らしい。高峰製のエンクロージャーはとても品が良いのに、オンキョーのユニットは見た目がおもちゃみたいで安っぽい(と個人的には思う。)ので損をしている感じ。

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試聴したHB-1にはアコースティックリバイブのRSS501をベースにしたスタンドが付属していて、スピーカーとスタンド天板の間はシリコンみたいな緩衝材を挟んで、がっちりとして鳴かないスタンドとの間を遮断していた。エンクロージャーを積極的に活用するスピーカーなのでそれがスタンドに伝わらないようにという考えだろう。

我が家にはがっちりとしたスタンドも振動吸収系の柔らかい挟みものもないので、小型スピーカー用ベースをウェルフロートの上に置いてその上にスピーカーを置くことにした。振動を抑えずに速やかに逃がしてスピーカーに戻さないという意図である。(目論見どおり機能しているかは定かでないが。。)

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借りられる期間が短いのでとにもかくにも音楽を聴いてみる。聴いたのはHB-1を試聴した時にもショップでかけてもらったオーマンディ/フィラデルフィア管によるショスタコの4番。レコードである。

HB-1でこの曲を聴いた時には目を閉じたらあんな小さいスピーカーが鳴っているとは到底思えないような空間一杯を満たす音に驚いたし、10㎝ウーファーってこんなに低音出るのかと驚嘆したのだが、見た目は似ていてもそこはやはり別物。中心に金色のイコライザーを持つリングトゥイーターが受け持つ高音はピークになると少々耳に痛いし、フルオケの強音時には解像力が足りないのか見通しが悪くなってしまう。10分の1の価格で同じ再生を期待するのはそもそも間違っているのだが、ちょっと残念。

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な~んちゃって。

いかにも違いのわかる男のようなことを書いたが、全部嘘である。本当の感想を書こう。

HB-1がそうであったように、D-TK10も目を閉じて聴いたら、あるいはスピーカーがいくつか並んでいたら、音からその姿形を想像してD-TK10が鳴っていると即答するのは難しい。少なくとも自分にはできないと思う。8畳程度の我が家の空間ではショスタコの4番も軽々と鳴らした。

次に以前、オーディオアクセサリー誌の付録についていたM・Aレコーディングズの宣材CDを聴いてみた。このCDの1曲目と9曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲が収録されていて、なかなかの好録音なのである。チェロが胴鳴りしながら何度もかなり低い音を出すのだが、さすがに空気を伴うような重低音は出ないが、立派な再生音だ。ウーファーが小さい分、ボンついたりしないので小気味良い。

巷間、HB-1もD-TK10もアコースティック系はともかく、ロックやフュージョン、特に電気系は苦手と言う。どれどれということでこれも聴いてみる。まずクィーンを聴いて、そのあと、デイブ・リー・ロスやらツェッペリンやらプリンスやらといろいろ聴いてみたが、それほどロックフェチでない僕にはどれもこれも満足いくものだった。あえて言えばベースラインやドラムは少々エッジが丸く、例えばベースがリズムを刻む時の歯切れは満点とは言えないので、そこが気に入らない人はいるかもしれない。ただし、ボーカルは凄く良い。

次にハービー・ハンコックを聴いてみた。向かないとされる電気系で「ヘッド・ハンターズ」を聴くとロックと同じでベースラインの制動が少しだけ緩い。と言っても低音が凄くタイトなスピーカーと比較しての話である。この間聴いたGX100MAの方がタイトだったと思うが、Focus260と比較したら低音全体の量ははるかに抑制的でシャープに聴こえる。

と言うことで、短時間の視聴ではあるが、僕にとってD-TK10は十二分に満足できるスピーカーだと言うことがわかった。HB-1とどこがどう違うのか知りたいところだったが、同時にHB-1と聞き比べてないのでわからなかった。

D-TK10はなぜかフロントバッフルが傾斜していて普通にセッティングするとユニットは少々上を向く。HB-1は普通にバッフルが垂直なのでデザイン上はここが大きく違う。試しにスピーカー後方にJ1プロジェクトのインシュレーターを重ねて挟んでみたら、なんとなくこっちの方が良いような気がする。が、不安定なのでこのまま聴くわけにもいかない。なぜこういうデザインかわからないが、真剣にセッティングを詰めていくとすれば、初めにここをなんとかしたい。

HB-1はアンプを選ぶと思ったが、その点はD-TK10も同じようだ。箱を積極的に鳴らすスピーカーだけに、きっちりユニットを制御できないとただ賑やかで見通しの悪いスピーカーになりかねない。それに見た目小さいこのウーファーは意外と重そうである。良い音で鳴らすためには分不相応な物量投入型アンプか駆動力のあるデジタルアンプと組み合わせる必要がありそうだ。

ベートーヴェン交響曲第7番 : ラトル

昨日、「ステレオサウンド」を久々に買った。創刊50周年200号とある。高額商品に偏り過ぎとか、広告が多いとか、評論がまた偏っているとか、「ステレオサウンド」についてはいろいろな意見があるみたいだが、年4回、1966年から50年間ずっと続いているのだから立派なものである。ファンも多いのだろう。今回の記事には「ステレオサウンド」創刊当時からのオーディオ評論家の回想や、日本のオーディオ機器メーカーの特集もあって、なかなか面白かった。

標題のラトル/BPOによるベートーヴェンはこの「ステレオサウンド」の付録に収録されていたもので、シベリウスの5番、シューマンの2番、ベートーヴェンの4/6/7番からそれぞれ1楽章ずつが選択されている。付録なのにSACDであることが売りのようだが、我が家には今やSACD対応プレーヤーがないのでCDレイヤーで聴いた。

ラトル/BPOは最近、独自の録音・販売戦略に移行しているようで、この演奏を全曲聴こうと思ってもCDだけでは売ってないようだ。ハイブリッドSACDとBDのパッケージとか、非常に高額なLPセットを買うかというと、個人的にはかなり微妙である。もともと得意とするシベリウスもようやく録音したシューマンも興味はあるのだが。。

確かラトルによるベートーヴェンは前にもあったと思うし、聞いたこともあると思うのだが、さほど心に残っていない。今回も特に大きな期待をせずにCDを聞き始めたのだが、これはダイナミックでスピード感溢れる良い演奏であった。7番のみならず、シベリウス、シューマンも含め、他の演奏もみな良い。もうすぐラトルはBPOを退くことになるが、しばらく聴かないうちにこのコンビの演奏はすっかり円熟していたようである。普通のCDを販売して欲しいなあ。

Blue Train : ジョン・コルトレーン

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ディアゴスティーニのジャズLPシリーズ第2作がこの「ブルー・トレイン」。ジョン・コルトレーンがブルーノートに残したリーダーアルバムはこれ一つだということで、しかし、その一作が史上に残る名盤の一つなんだから凄いジャズマンである。

Blue Trainというと日本では国鉄時代からの寝台列車を意味するが、ここで言う”Blue Train”はどういう意味なのだろうか。レーベル名であるBlue NoteのColtraneという意味か、Coltraneが作ったBlue Noteの曲という意味か、はたまたアメリカにもBlue Trainと呼ばれる列車があったのだろうか。本当のところは解説を読んでもわからなかった。

僕はコルトレーンは難解というイメージがあったのだが、このアルバムの演奏は極めてストレートでわかりやすい。コルトレーンオリジナルもみなご機嫌な曲でなるほどこれなら人気があるのも良く分かる。大学時代にジャズばっかり聴いてた後輩がいて、そこで聴かせてもらったコルトレーンはもう少し後の演奏だったと思うが、難しくて僕にはさっぱり良さがわからなかった。それ以来、まともにコルトレーンのアルバムを聞いたことがなかったのだが、こんな感じならすごく親しみやすい。サイドも有名な人ばかりだが、中でもカーティス・フラーのトロンボーンが良かった。

FOSTEX GX100MA

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このスピーカーを知っている人には今さらながらの話だが、今日、もう販売終了して久しいFOSTEXのGX100MAを自宅に持ち込んで聴くことができた。この写真では大きさが想像しずらいが、ウーファーが10㎝、横幅16㎝なのでかなりコンパクトなスピーカーである。トゥイーターはFOSTEXが誇る純マグネシウム製、ウーファーの振動板はアルミを特徴的なウェーブ型に造形したもの。現行品はウーファーも純マグネシウム製の高級品とユニットは共通でキャビネットが(おそらく)コストダウンされたものに分かれた。

このスピーカー、登場直後からあちこちで評判が良いのはなんとなく知っていたのだが、実際、音を聞くのは初めてのことである。家にあるスピーカースタンドの天板にA4サイズのウェルフロートを挟んで音を出してみたのだが、これまた、たまげるほど音が良い。Kisoは良い、ATCも良い、FOSTEXも良いって、なんでも良いのか!とお叱りを受けそうだが、本当に良いので仕方ない。

音は良いが低域が細い、低音が出ないというのがネット記事を読んでの予想だったのだが、僕の部屋では、というか、僕にはかなり満足のいく低音だった。Dynaudioと比較すると情報量はDynaudioの方が多いが、FOSTEXはウーファーサイズが小さい分、低音も含めて音の収まりが良い。もしかしたら、この部屋に17㎝ウーファーは大きすぎるのかもしれないなぁ。

振動板が金属製だと固有の音が乗りそうな気がするが、聴いててそれは一切感じなかった。弦楽器も艶やかにきれいに鳴る。このスピーカーも音離れが良くて、内振りにしてユニットと正対して聴いてもスピーカーが鳴っているように感じない。中国で製造しているおかげで低価格だが、クオリティは非常に高い。これは「欲しい」と思うスピーカーである。

FLUX HIFI SONIC

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レコード針の寿命はどのくらいかと思ってネットで検索してみるとダイヤモンド針で200時間という記述もあれば、まめに盤面と針先をクリーニングすれば永遠に摩耗しないという意見もあって、これは意外と難問のようである。確かにダイヤモンド針に比べてレコード盤ははるかに柔らかい素材でできているが、針圧1gは単位面積数トンの圧力に相当するとか、LP両面で針は1.5㎞も溝をトレースすると言われるといつまでも使い続けることは無理だろうと思う。

いまどきのカートリッジだけを使っていれば針交換することもできるし、メジャーなMMカートリッジであればJICOをはじめとする優秀な互換針が手に入るが、古いお気に入りのカートリッジの場合はそうもいかない。それに摩耗した針で音溝を傷つけるのは避けたいところである。

盤面はレコードクリーニングマシーンを導入して以来、できる限りこまめに洗浄するようにしているが、針先のクリーニングの方はなかなか良いものがなかった。レコードをかけた後はブラシで針先を掃除したり、時々、お決まりのアルコール系クリーニング剤を用いたりしていたが、ルーペで針先をじっくり見てみるといろいろ細かい汚れが付着していてなんだかイマイチきれいになってない。アルコール系クリーニング液は多用すると副作用があると聞いていたのであんまり頻繁に使うのも憚られる。

何か良いものないだろうかと思っていた時に見つけたのがFLUX HIFIというメーカーから発売されている「SONIC」。写真の手前側中央にあるブラシ部分に針先を落とすとブラシが縦横斜めに細かく振動して針先の汚れを落としてくれるという謳い文句である。

いかにも効きそうな謳い文句に飛びついて今年の初めに買ったのだが、この製品に関しては看板に偽りなしだった。針を置く手前側がもう少し薄いともっと使い勝手が良いのだが、効果はそれを補って余りある。とても甘い香りのする成分不明の液体を一滴垂らして後は30秒~1分間くらい針をブラシの上に置いておくだけ。終わった後の針先を見ると汚れが見事に取れている。ちなみにこの振動はカートリッジのエージングにも良いらしい。おろしたてのカートリッジだけでなく、古いカートリッジにもおすすめの製品である。

バッハ ヴァイオリン協奏曲第1番/第2番 : カプソン

バッハカプソン

以前、カプソン/ヤルヴィのスペイン交響曲を紹介した。このCDを知ったのはakifuyu102さんのサイト「音楽いろいろ鑑賞日記」の記事だったのだが、最近、今度はカプソン/ネゼ=セガンのコンビでベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲が紹介されていた。「よっしゃ~!」という感想に僕も聴いてみたくなってHMVを覗いてみたら、件のベートーヴェンに加え、ブラームスとこのバッハのコンチェルトが中古で並んでいた。思わず「よっしゃ~!」とまとめて購入したCDが今日、到着した。

まず聴いてみたのがバッハ。バッハの二つのコンチェルトと僕は知らなかったヴァスクスのコンチェルトが組合せになっている。ブラームスにはベルク、ベートーヴェンにはコルンゴルトとこの人の録音は組合せが凝っている。

バッハはヨーロッパ室内管をカプソンが弾き振りしているが、1番の冒頭から実に颯爽としてスマートな演奏。録音もとても鮮明で透明感抜群の気持ち良い音である。きびきびとしたフレージングが心地よく、一昔前の大家のような油濃い演奏とは程遠いが、かと言って古楽器の禁欲的で痩せすぎの演奏とも違う。聴いてて僕にはど真ん中のストライクの演奏だ。う~ん、カプソンは良いなあ。良いヴァイオリニストを紹介してくれたakifuyu102さんに改めて感謝いたします。

プロコフィエフ交響曲第5番 : ラトル

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今日、会社から内示があって、年明けから新しいポジションに異動することになった。現職に異動したのが2014年の10月中旬なのでまだ2年少々しか経っていない。社会人になって最初の勤務先が同一ポジションは長くて3年、通常は1~2年で異動を繰り返すところだったので、僕自身は特に違和感を感じないが、今の会社では一つのポジションにもう少し長くいるのが普通なので回りはきっと驚くだろう。次のポジションは取り扱う物が違うし、何より責任が重くなるので少々気が重い。

ふと気が付けば、11月も早4日である。このブログを始めてから去年までの3年間は毎月二桁のブログ更新を達成できなかったので、今年こそは毎月最低10回更新すると心に決めた。10月までは達成してきたが、ここ二年間鬼門は11月である。年末に向けて11月は仕事が特に忙しいうえに、例年、海外出張が入る。今年も再来週は海外なのであまり時間がない。

ということで、今月最初の更新はプロコフィエフの交響曲第5番である。この曲、プロコフィエフの作品の中でも人気が高い。しかし、僕はどうもこの曲にピンと来たことがない。今日、帰宅後、CD棚を物色してしばらく聴いていなかったラトル/バーミンガム市響のボックスセットの中身を見たところ、イギリスの作曲家を中心とした多数のマイナーな作品の録音と並んでこのCDが目に入ったので、ちょっとチャレンジしてみることにした。

この曲は「レニングラード」同様、ドイツ軍のロシア侵攻の頃に作曲されたそうだが、ショスタコーヴィチの作品がかなりストレートに戦争の雰囲気を反映しているのに比べると同じ祖国への気持ちを歌うにしてもかなり毛色が違う。作曲者曰く、自由への讃歌だそうだが、そう言えばバーンスタインの指揮したこの曲のジャケットが鎖が引きちぎられるデザインだった。

きちんと聴くのはほぼ初めてだが、冒頭からいきなり実にプロコフィエフらしいメロディで始まるし、その展開もどことなく「ロメオとジュリエット」を思わせるような感じだ。調べてみると展開しながら音階をずらしていくのはプロコフィエフの得意業らしい。途中で弦楽器が急速なパッセージを挟むが、ここはニールセンみたいだ。なんてことをついつい考えながら聴いてしまう。最後までしっかり聴いたものの、抒情的だったり暴力的だったり表情がコロコロ変わるし、どうも捉えどころがない。真価がわかるにはもう少し聴きこんでみないとダメみたいである。
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