さよなら2016年

今年もあと5時間弱。毎年同じ感想だが、あっという間にまた一年が終わってしまうなぁ。。今年も忙しかった。

さて、この時期になるとブログでは多くの方々が一年を総括されている。オーディオ関連のブログなら今年導入した機器のハイライトとか、音楽関連のブログならベストソフトとか。みなさん、すごくきっちりとリスト化されていることに感心する。

自分はそのあたりまったく整理できていないなあと思って、一月のブログをちらちらと眺めてみたところ一つ発見があった。

一月に使用していたオーディオ機材がほぼ影も形もないではないか。。アンプもスピーカーもCDプレーヤーも年初と違う。

反省。2017年はもっと物を大切にしよう。

今年一年、拙ブログに遊びに来てくれた皆さま、ありがとうございました。良いお年をお迎えください。そして2017年もよろしくお願いいたします。
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Ella and Louis

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ディアゴスティーニのジャズ・LPコレクション第6弾はエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングの「Ella and Louis」。ものすごく有名なアルバムらしいが、モノラル録音のボーカルものとなると普段はほぼ聴かない。自分の意志でこのアルバムを買うことはなかっただろう。

せっかく届いたから一度くらい聴くかと思って針を落としてみたところ、「食わず嫌い」をしているととてつもなく素晴らしい演奏を聴き逃すという事実を突きつけられた。

あんまり良すぎてどこが良いか伝えるのが難しい。まず当たり前だが歌が良い。40歳ちょっと前のエラの声はジャケット写真から想像するより若々しくて伸び伸びとしてとんでもなく声量がありそう。それに英語が綺麗だ。アームストロングのしゃがれ声とはずいぶん対照的だが、そこがまた良い。アームストロングは誰にもまねできないような歌も良いし、歌うようなトランペットがまた良い。

とにかく、拙い言葉で感想を書くのが申し訳ないくらい素晴らしいアルバムである。選曲も良いし、伴奏も良いし、モノラルだが録音もすごく良い。

マーラー交響曲第9番 : クーベリック

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昨日の夜は久しぶりの緊急地震速報に驚いた。震源地までは距離があるが、この辺りも強く揺れた。考えてみればオーディオルームで地震に遭遇したのは初めてだったのだが、震度4でCDラックもレコードラックもかなり揺れることがわかった。スタンドに載せたスピーカーはもっと揺れた。スタンドとスピーカーの間にウェルフロートを入れているからなおさらかもしれないが、万一、もっと大きな地震が近くで発生したらスピーカーが転落しそうである。と言って、どう対策を講じたら良いものか。ウェルフロートを間に入れたままスタンドにバンドで固定したらちょっとはマシかもしれないが、スタンド自体が倒れるのは防げないだろうし。。

妙案のないまま迎えた今日は12月29日。今年もあと2日である。今日はゴルフの打ち納めに行ってきたが、実に穏やかで暖かな一日だった。昨日は時折強風が吹いていたが、今日はそれもほとんどない。年の暮れにゴルフに誘う相手もいなかったので一人予約でプレーしたのだが、期せずして一緒に回った3人ともご近所さんだった。年齢も腕も似たような四人で回ったせいか今日はなかなか調子が良く、久しぶりの80台で回ってこれた。このところずっと不調だったが、終わり良ければすべて良し。気分が良い。早めに終わったので帰宅後は家のあちこちを掃除した。窓ふきやら風呂掃除やら無心に汚れを落とす。終わってスッキリ。これまた気分が良い。

食事の後、今日はクーベリックのマーラーを聴いた。1967年とこの曲にしてはかなり早い時期に録音されたものなので、僕がマーラーを聴き始めた高校生時代にはすでに廉価盤が発売されていた。はっきりと覚えていないが、自分で買った初めての9番がこのクーベリック盤だったと思う。その後、79年録音のカラヤン盤を手に入れてからはあまり聴かなくなったが、この曲をあれこれ聴いてみると気に入る部分と気に入らない部分がそれぞれにあってなかなか決定版が見つからない。そんな時、ふと取り出して聴くのは決まってこのクーベリック盤だった。

大学1年生の時、専攻と全く関係ない選択科目に音楽史だったか芸術史だったか、そんなクラスがあって、その年のテーマが「マーラー」だった。単位を取るにはマーラーに関する小論文提出が必要だったので、交響曲第9番のレコード演奏の比較を作文して提出した。本来の趣旨とは大幅に違う内容の小論文だったのに、上に書いたような要旨で各演奏を論じたレポートに先生は「優」をつけてくれた。もしかしたら先生もクーベリックの演奏が好きだったのかもしれない。

自分で買ったレコードはどこかへ行ってしまったので、最近、「レコード社」でこのレコードを見つけて買った。懐かしいだけでなく、今、聴いてみるとマーラーの複雑な和声を丁寧に描き分けた実にきちんとした演奏であることを再発見。個人的には忘れられない演奏である。

ブルックナー交響曲第8番 : ヨッフム

ヨッフムボックス

ヨッフムのボックスセットからブルックナーの8番を聴いた。ちなみにこのジャケット写真はワーナーのクレジットだが僕が持っているボックスセットはEMI名義である。収録曲もCDの枚数も一緒なので、単に販売元の変更であって内容は同じだろう。ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲全集+αの内容である。

以前も記事にしたのだが、僕が以前持っていたこの曲のCDは信じられないほど音の悪いものだった。あんまり音が悪かったのでドレスデンとの全集は長い間聴く気にもならなかった。ところがこのボックスセットで聴く限り、最新録音のような鮮明さはないものの、視聴になんの問題もない。一体、あれはなんだったのだろうか。こうなると、むしろ捨ててしまったのが惜しまれる。

この演奏の感想を一言で言うと、非常に硬派なブルックナーである。ふだん、クラシックの演奏に男性的も女性的もないと思っているのだが、この演奏からは確かにごつごつとした男性的な肌触りを感じる。ジャケット写真に写る柔和な笑顔の好々爺からこういう音楽が紡ぎ出されるのはちょっとクールである。

ヨッフムのブルックナーと言うとアッチェレランドが印象に残るが、この演奏でも随所で強烈なアッチェレランドを聴かせる。ヨッフムの指揮に慣れているはずのシュターツカペレ・ドレスデンですらついて行くのがやっとという感じで金管はあちこちで破綻している。これがスタジオ録音なのだからある意味すごい。これは、今日では商業録音として成立しないかもしれないなあ。それでも聴き終えると大いに感動する。良い演奏である。

TD124のキャビネット交換

TD124を買ったのが去年の12月。ちょうど1年経った。心配した故障もなく、元気に稼働している。鉄製プラッターなのでMMカートリッジか光カートリッジを装着することが多いが、ここ最近はZYXを装着している。このカートリッジはポリカーボネートの外装であるためか内周部でもほとんど針圧が変わらない。

僕がアナログを始めてから3年くらいだが、その間、中古アナログ機材の価格はどんどん高騰している。3年前には10万円台後半でTD124が売りに出ていたのに今や40万円以上の価格がざらである。古い機械なので、きちんとメンテナンスされたものが少々高いのは仕方ないと思うが、それにしても、である。

それを考えるとこのTD124は3009S2付きにも関わらず安かった。まあ、Mk1なのにMk2のペイントだったり、S2のSMEバッジがなかったりと安い理由はいくつかあった。そのうちの一つがキャビネットである。

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ご覧のとおり、よくあるTD124のキャビネットに見えて、割と大き目の脚が付いたものである。素材はパーチクルボードなのでかなりの廉価版だと思う。見た目がファニーだし、いかにも振動に弱そうだったので脚は取り外して本体をインシュレーターに乗せて使っていたが、ちょっとした移動も不便であった。

手ごろなものがあればキャビネットを交換したいと思っていたのだが、そう思って探すとなかなか手ごろなものがない。スイス製の純正品は素晴らしい蘊蓄とともに10万円を超える価格で売られている。見た目も綺麗だし、良い音がしそうだが高いなぁ。

しばらく悩んでいたのだが、ふと思い出したのがTD321を載せようと思って、だいぶ前に中古で買ったアンダンテラルゴのサブテーブル。この交換用トップボードにTD124用があったはず。代理店に連絡してみると発注後2~3週間で納品できると言う。トップボードだけなら価格も手ごろ。早速オーダーしたものが実は今日納品だった。

オーディオ機器には重厚長大が多いが、アンダンテラルゴの製品は実に軽い。性能が同じなら軽い方が絶対良い。到着したトップボードも片手で楽々持てる。それでいて叩いてもコツコツと乾いた音がするだけでまったく鳴かない。工作精度も良いし、写真付きのマニュアルも親切である。と言っても、ボードの穴にマッシュルームを合わせて付属してくるボルトで留めるだけなので、取り付けは超簡単である。

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出来上がりがこれなのだが、なんだかTD124じゃなくなってしまった。下半身だけどこかに忘れてきたみたいである(笑)。

見た目に違和感は残るものの、音はだいぶシャキッとした(ような気がする。)はたしてプラセボ効果か本物か、とにかく、しばらくこれで聴いてみましょう。

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その後、SeriesIVに付けていた光カートリッジとZYXをスワップして、アームをImprovedに替えた。機械剥き出しのキャビネットにアームはImprovedというTD124にあるまじきセッティングだが、ぜんぜん悪くない。なんでも試してみないとわからないものだ。

国外運転免許証

異動になった関係で年明け早々海外出張に行かなくてはならなくなった(>_<)。う~ん、正直言って気乗りしない。。面倒くさいなあ。正月というものは、せめて松の内(関西風に15日まで)はのんびりしたいではないか。おかげで楽しい冬休みだと言うのに心は今一つ曇り空である。

面倒くさい理由その一。行先がシンガポールとアメリカであること。これが西海岸ならまだしもよりによってシカゴとボストンである。強烈な暑寒(あつさむ)である。下手したら寒暖差50度を超えそう。持っていく服を考えるだけでも気が重い。

面倒くさい理由その二。日本と違って本社はすごい田舎にある。日本からの国際線が到着する空港からはかなりの距離だ。特にシカゴの方はリムジンで行くには遠すぎるためにレンタカーを借りて自分で運転しなくてはならない。向こうで久しく運転してないし、途中で吹雪にでもあったら嫌だなあ。

つくづく暗い気持ちになるのだが、仕事である。悲しんでいても仕方ない。ということで、今日は「国外運転免許証」を取得してきた。これがまた家から遠いので今になってしまったのだが、もたもたしていると免許センターも冬休みに入ってしまう。気合を入れて朝一番に行ってきた。

一般に「国際免許証」と言ったりするが、道交法では外国で運転するために日本で交付される免許を「国外運転免許証」と言い、海外で発行されたわが国で有効な免許を「国際運転免許証」と言う。まあ、どっちでも良いが。

条約上、加盟国間では相互に一年間有効な免許として発行されるのだが、以前ニューヨーク市に住んでいた時には一か月しか認めてくれなかった。ニューヨーク市に来たら市の条例が優先で「条約なんて知らん。」という態度に僕は心底びっくりしたのだが、さらに驚いたことに当時同僚だったイギリス人は「もう何年もイギリスの免許で運転している。」と言う。「英国免許は当然、世界中で有効。」という態度である。上には上がいるものだ。

実は今回の出張に当たっても別のイギリス人の同僚は「日本の免許で大丈夫だと思うよ。」と言っていたのだが無視することにした。日本人は礼と秩序を重んじる立派な人種なのだ。お前達みたいにいい加減な連中とは違う。

閑話休題。8時半から受付開始だったので8時20分くらいに着いたら扉の前に結構な数の人が並んでいた。男女比で言うと2:8くらいで女性が多い。それも若い女の子がやたらに多い。国内で車を運転する若者が減っていると思っていたのに意外である。みんなどこで運転するのだろうか。

ぼんやりそんなことを考えていると列の先頭の前ではなく、列の真ん中くらいにいた僕の前の扉が開いた。係員が「先頭の方からどうぞ。」と言うが、誰も動く気配がない。良いのかなと思いつつ部屋に入って受付をした。おかげで一番乗りである。すいすいと手続きが進み、免許証が交付された。

表に出ると彼女たちはまだ並んでいた。よく見れば隣の扉の前には「看護師~~」の文字が。。なるほど若い女性が多いわけである。考えてみれば間抜けな勘違いであった。

ハイドン交響曲第95番 : ヨッフム

今日はとても穏やかで日差しの暖かい一日だった。年末で転職することになった先輩の送別ゴルフだったので晴れてくれるといいなと思っていたが、この時期にこれ以上ない素晴らしい陽気だったので何より。自分のプレイは相も変わらずスタート数ホールが絶不調でスコアを望むべくもなかったのだが、今日の趣旨から言えば、それはまあ良し。先輩とは今の部署に異動して以来のお付き合いだが、昔気質の正義感でとても温かい人である。すごく悲しいことに、そういう人にとって最近の会社は少々居心地が悪い。それでも長いこと後輩のために頑張っていたが、定年を数年残してついに転職することになった。すごく残念ではあるが、話を聞く限り次の会社の方がのびのびと仕事ができそうなので、どうか今まで以上に成功してほしい。

さてさて、家に帰ってご飯を食べてから聞いたのがハイドンの95番。この曲、「驚愕」と「奇跡」の間に挟まれて地味なせいか、今まで意識的に聞いたことがなかったのだが、じっくり聴いてみるとなんとも味わい深い曲であった。ロンドン・セットの中で唯一の短調曲であるこの曲からは厳格で劇的という印象を受けた。快活で優美な前後の交響曲とはずいぶんイメージが違う。それに三楽章に置かれたメヌエットの途中でチェロの独奏があるのにもびっくり。それがまたとっても素敵である。

ヨッフムの交響曲と言えばブルックナーがまず思い浮かぶ。僕はヨッフムのブルックナーも好きだし、ベートーヴェンやブラームスも嫌いでないが、個人的にはこのLPOと組んだハイドンが一番良いと思う。ロンドン・セットのどの曲を聴いても品のある立派な演奏で外れがない。

冬至

コンピューターを立ち上げたらコルタナが「今日は冬至です。」と言っている。そうか、今日は冬至か。

そういえば、さっき風呂に入ったらゆずが入っていたなあ。。

なんで冬至には「ゆず湯」なのかと思って調べてみると詳しく解説しているサイトがすぐ見つかった。便利な世の中になったものである。でも、あんまり簡単に答えがみつかるので忘れるのも早いのが難点。

そのサイトによればゆず湯に入るのは本来「禊」の意味だと言うが、それ以前にゆずが「融通」、冬至が「湯治」の語呂合わせという発想にも至らなかった。なんにでも「なぜ?」と思うことが大事なのに、歳を取ってだんだん非常に限られたものにしか興味を持たなくなってしまっている。ちょっと反省である。

ちなみにこのあたりの今日の日の出は6時48分、日の入りは16時51分だった。日が暮れるのが早いなあと感じていたが、10時間弱しか太陽は出ていなかったわけだ。そうすると夏至とは4時間以上の違いがあるのか。思った以上に差は大きい。

話は全然変わるが、冒頭のコルタナとか、アップルのシリとかそういったAIにアメリカ大統領選直前に「大統領になるのは誰?」と聞いたらそれらはみな揃って「トランプ」と答えたらしい。大統領選直後に行った海外出張中にコンサルから聞いた話だが、本当だろうか?まあ、本当なんだろうなあ、嘘ついても仕方ないから。

何か決断に迷ったら、今度、僕も聞いてみようかな。。

Ortofon MC20SとVictor MC2E

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このところカートリッジはDS001、Model 7000、ZYX100-2、それにV15 Type4の4種類で固定していたのだが、最近、オルトフォンのMC20SとビクターのMC2Eというカートリッジが新たに加わった。

オルトフォンはアナログを始めた頃から興味津々で、これまでSPU-AE、MC30W、2M Redを試したが、どれもしばらく聴いては別のカートリッジに交換することの繰り返しで、常用するに至らなかった。MC20Sは系譜で言えばMC20W、その後のMCーQ20に連なる。MC30Wとは従兄弟みたいな関係である。

ビクターのカートリッジは初めてだ。一般的なコイルの代わりにプリントコイルを使ったダイレクトカップルと言われるカートリッジの中でMC2Eは普及版に当たるもののようである。ダイレクトカップルではMCL1000というカートリッジが凄いという話を聞いたことがあったので、どんなものだろうと思ってMC2Eを購入してみた。

MC20Sが94年発売、MC2Eは78年の発売とだいぶ古い。当然、二つとも中古だが、いずれの個体もさほど使用された形跡がなく、まあまあきれいだった。使用にも支障がない。

オリジナルの設計者がZYXを主宰しているので、勝手にMC20シリーズの音は正確でスリムなものだと思っていたが、実際、聴いてみたらイメージとは全然違った。僕の耳にはMC20Sの音は手持ちのSPU-AE(ネイキッド)にとても似ている。それでいて小さくて軽い分、システムに組み込みやすい。ZYXに比べて中低域が豊かで高域は輝かしい。思いのほか賑やかで楽しい音である。

他方、MC2Eは40年近く前に発売されたとは思えないくらいスピーディで現代的な音がする。MC20Sに比較して低音がタイトな分、バランスは中高音寄りに聞こえるが、派手なところがなく落ち着いた音がするカートリッジだ。ダイレクトカップルの目指すところはカンチレバーのないイケダに似ていると思うが、使い勝手はビクターの方が圧倒的に良い。

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写真ではうまく表現できなかったが、MC20Sの筐体はメタリックなオレンジ色でなかなかお洒落だ。こちらはOrigin Liveのアームに装着した。

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MC2Eはずんぐりむっくりとした真っ黒の筐体に収まっている。素材は不明だが、40年近く経った割には劣化はない。ただ、型番を示すフォントが年月を物語る。こちらはSeries IVに装着した。

モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」 : ホグウッド

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25番と29番の組合せを買って大満足だったホグウッド/エンシェント室内管弦楽団のモーツァルト。「レコード社」に新たに入荷していた「ハフナー」と「リンツ」も買ってみた。

ジャケットはとても綺麗だったのだが、盤面をチェックすると「ハフナー」の第1楽章にちょっとした傷がある。まあ、このくらいなら大丈夫かなと思ったのだが、家に帰って聴いてみると意外と深かったらしく、しばし定期的にノイズが入る。。。これはちょっと残念。

だが、演奏は25番/29番同様、実に素晴らしい。心なしか「ハフナー」「リンツ」の方がオーケストラの規模が大きく感じる。それにしてもこの弾むような演奏はどうだろう。音色はいつも透き通るようにクリア。全体になんとも言えない清潔感が漂う。クリーンでいて冷たさは皆無。テンポもフレージングもとても良い。

このアルバムも79年の録音で良い音である。言うことなしの名盤。

チャイコフスキー交響曲第2番「小ロシア」 : カラヤン

小ロシアカラヤン

「冬の日の幻想」同様、実演では一度も取り上げたことがないらしい「小ロシア」だが、この頃のカラヤン/BPOにはそんなこと関係ないらしい。冒頭のジャーンから立派である。そのままクラシックにシンフォニックに演奏している。金管も弦楽器もゴージャス。30分強の演奏時間だが、聴き応えたっぷりの一大オーケストラ作品に仕上がっている。

この曲の二楽章を聴くたびに僕は「くるみ割り人形」を思い出すのだが、ここでカラヤンはぐっと落ち着いたテンポを取り、しっとりとした演奏を聴かせる。弦楽器と木管の絡みが幻想的で、全体の雰囲気がとても良い。

弦楽器が良い第三楽章もさることながら、フルオーケストラが一気呵成に妙技を聴かせる終楽章は非常に素晴らしい。息をつかせぬような展開でグイグイと進んで盛大なフィナーレを迎える。生理的快感を覚える快演である。

マーラー交響曲第1番 : ジュリーニ

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このところマーラーは専ら「巨人」を聴いている。夜、ちょっと一曲という時に聴けるのが「巨人」か4番しかないのである夜テンシュテットの「巨人」を聴いたらこれが存外に良かった。そもそもここ数年、ほとんど「巨人」を聴いていなかったので、これを機に棚にあるLPやCDを一枚ずつ聴いてみようと思う。

テンシュテットに続いて聴いたワルターのLPも素朴でなかなか良かった。今日、次の1枚に選んだのがジュリーニ/シカゴ響の演奏。ショルティに招かれて首席客演指揮者を務めていた当時、71年の録音である。

デジタル録音とアナログ録音、デッカとEMI、シンフォニー・ホールとメディナテンプルと録音に大きな違いがあるとはいえ、同じシカゴ響を振ってもショルティとジュリーニの作り出す音楽があまりにも違うのがまず面白い。お互い重なるところがないのでショルティはジュリーニを招いたというのも納得である。

ジュリーニらしくスローなペースの演奏だ。バーンスタインともマゼールとも種類の異なる粘着質なフレージングである。寺院で収録されたEMI録音なので(?)一音一音鮮明でもなければ分離も好ましくないが、それぞれの楽器群が塊となって融合したり対抗したり実に微妙なバランスでブレンドされていて結果は素晴らしい。特に終楽章は良かった。ショルティ盤では金管楽器に抑圧されて目立たない弦楽器がジュリーニのバトンの下ではより活躍していて効果的である。

人間ドック

いつも年度末に行く人間ドックだが、来年の1月に職場を異動することを考えるとバタバタと3月になってしまうかもしれないと思って早めに行ってきた。今年の3月に受診した際、次こそは鎮静剤で眠らせてくれるところに行くと決めた。そう思いながら10年間同じクリニックに通っていたのだが、今回は有言実行。今までとは違うクリニックである。

都内にありがちなビルの複数階を占有するクリニックだったが、中に入ると思いのほか狭い。受付が4階、着替えが5階、レントゲンは3階てな感じでそのたびにエレベーターで移動である。折しも寒く、下はズボンのまま、上は肌着の上に使い捨ての検査用ベストを羽織るのだが、看護師さんは「寒いのでコートは着ていて大丈夫です。」と言う。かくして検査着の上にコートという怪しい装いでビルを上下しながら次々と検査を受ける。

年度末でないこともあるだろうし、なにせ小さなクリニックなので人間ドックを受けているのは僕一人だったと思う。待ち時間はほとんどなかった。それにしても凄いのはこの看護師さんで、一人でほとんどの作業をこなす。しかも彼女の移動は階段である。エレベーター前で別れて目的のフロアでまた合流する。ハードに動いているせいか、こっちはコートを着ているのに彼女は半袖だった。

順調に検査を消化していよいよ胃カメラ。見るだけでトラウマが蘇る検査台に横になるとまずは採血。血管に針を入れたまま次に鎮静剤を注射である。麻酔と言えば歯医者でしか経験がないが、注射を受けながら看護師さんが呼吸の仕方を教えてくれる。この辺りいつもと変わらない。おかしい、こんなにはっきり聞き取れるなんて。。効いてるのだろうか?

次の瞬間、胃カメラの違和感で咳き込んだ。やっぱり、効いてないじゃないか!先生が「もう少し下を向いて、楽にして。」と言う。そうできないから苦しいんだよ!と毒づきたくなる。。

と思った次の瞬間、気付くと胃カメラも先生もどこかに行ってしまって、すべて終了である。

あれれ、いつの間に?という不思議な感覚。看護師さんからの注意を聞いているうちに眠りに落ちたようだ。胃カメラが入ったことも検査のこともまったく記憶になく、咳き込んだ時に一瞬だけ目が覚めたらしい。いやあ、これはいつもの拷問とはまったく比べ物にならない。もっと早く行動を起こすべきだった。もう、金輪際、鎮静剤抜きで胃カメラは飲めない。

検査の結果はしばらく来ないが、その場での説明によれば大きな問題はなさそうである。良かった良かった。

チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」 : カンテッリ

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珍しくモノラル録音のクラシックを聴いてみる。カンテッリ/フィルハーモニア管の「悲愴」。これはハイファイ堂のレコード福袋に入っていた一枚だが、モノラルなので今まで一度も聴いていなかった。盤質も外装も少々難ありなのに5,800円の値札が付いているということは多少珍しいレコードなのかもしれない。外袋に「半円ニッパー(金文字)」という暗号のようなシールが貼ってある。

カンテッリという指揮者の名前は辛うじて聞いたことがあるが、演奏を聴くのは初めて。トスカニーニに将来を嘱望されながら飛行機事故のためにわずか36歳の若さで亡くなったという。この録音は1952年なので死の4年前のものである。音溝ががさついているのか冒頭から始終「プチパチ」言うものの、音楽を鑑賞するにはさほどの支障はない。モノラルなので音の広がりはないが、楽器の音は意外なほど鮮明である。

「悲愴」は一時期結構好きだったのだが、このところめっきり聴いていなかった。よく聴いていた頃にはバーンスタインの演奏みたいに「これでもか」という演出の演奏が好きだったのだが、そんなものばかり聴きすぎて食傷気味だったかもしれない。そういう意味ではカンテッリのこの演奏はずっと胃に優しい。

若者らしく早めのテンポでサクサクと進んでいくが、乱暴なところはなく、全体的に折り目正しい端正な演奏である。と言って、楷書的な演奏というわけではなく、時にメロディを朗々と歌ったり、アップテンポに盛り上げたりする。終楽章はどことなく古風なオケの音とローファイな録音とも相まって寂寥感が漂う良い演奏だと思った。たまにはこういう演奏を聴くのも悪くない。

FedEX到着

Royal Mailのおかげでまさかの展開になってしまったわけだが、一昨日からの出張から今日帰宅すると予定通りFedEXが到着していた。空路とは言え、スタンステッド(ヒースローではなかった。)→フランクフルト→シャルル・ド・ゴール→広州→成田とFedEXも思いのほか経由地が多いのだが、それでもスタンステッドから自宅まで通関作業込み2日で到着するのだから大したロジスティクスである。

さて、今回、購入したのはターンテーブル用のゴムベルト、スピンドルオイル、レコードクリーニングマシンの消耗品とスピーカーケーブルである。ショップに連絡すると予想通り、申し訳ないが二回目の荷物を送り返してくれないかという返事があった。当然、送料、通関料、消費税は向こう持ちである。

イギリスから日本に送るのとその逆のパターンではおおむね日本からイギリスに送る方が送料が高い。加えて通関料、消費税を上乗せするとそこそこの金額になる。こちらにとってはこの荷物を国際便で発送するのが手間だし、向こうに取ってみれば往復の送料+αを負担する上在庫を抱えるわけでろくな話ではない。儲かるのは運送業者だけである。

しばらく考えた末に消耗品は追加で購入し、ケーブルをおまけしてもらうことにした。2本目のケーブルを新品のままこっちの中古ショップで買取してもらえば僕にとっては実質的に消耗品の値引きになるし、返送せず追加購入することで向こうに取っては1回分の送料が浮くし在庫も増えない。さっそくメールで提案すると向こうもそれで良いと言うのでさっさと支払いを済ませた。これにて一件落着である。

まだ続くRoyal Mail

先週末、行方不明になった荷物の代わりにショップが再度商品を発送した。さすがに懲りたらしく、今回はFedEX。手続き開始早々、通知が送られてきたし、それ以降、順調にステータスがアップデートされている。土曜日に起票されて日曜日に集荷、月曜日にヒースローに到着して昨日、早々と英国を立った。当たり前だがさすがである。どこかで迷走したり、ましてや元の場所に引き返したりは一切ない。この調子だと木曜日には通関、上手くいけば金曜日には家に届きそうだ。発注してから2か月近く経過してしまったが、ようやく現物を手に入れられそうである。

などと思いつつ、今日、出張を終えてついさっき帰宅したところ、一見して海外から送られたと思しき荷物がテーブルの上に置かれている。おやおや。これは何だろう?大き目の茶色いパッケージの表面には何枚もの送り状が貼られている。これはもしや!

というか、それ以外、心当たりがないし。手に取ってみれば案の定、中央に誇らしげに「Royal Mail」のシールが貼られている。そう、先月末ヒースローに戻ったという情報を最後に行方がつかめなくなった荷物が突然、届いたのである。待ち続けた荷物が届いたうれしさもなく、正直、今となってはいい迷惑である。

12月2日を最後に確認していなかったトラッキングサイトを見ると荷物は4日に忽然と日本に現れたようだ。正しく川崎に到着している。国際郵便の荷受け場所が川崎とは知らなかったが、羽田に着いたということだろうか。とにかくそこで我が国の誇る日本郵便に引き渡されてからはもちろんなんの問題もなく、今日我が家に到達したらしい。

さてさて、どうするか。このままいけば手元に同じ商品が二つ届くことになる。ショップに連絡すれば、きっと二つ目の荷物は返送してほしいと言うだろう。。けっこう面倒くさいなあ。だからと言って黙っているのは信義に反するし。。困ったものだ。

検索キーワード

ネット検索機能を使ってこのブログを訪問してくれる方の検索キーワードを見るとアナログ関係のキーワードが圧倒的に多い。10、11月のキーワード上位十傑のうち、二月とも実に9件がアナログ関係だった。フォノイコ、カートリッジ、トーンアームのキーワードが多いが、具体的な製品名については各月でずいぶん違う。このブログで新製品を取り上げることはあまりないので、その時々でオークションに出品されたり、中古ショップに並んだ製品のことを検索される方が多いのだろう。

時間とともに移り変わる検索キーワードの中で長い間、ずっと上位にランクされているキーワードが「合研ラボ」。このブログで取り上げたのは2年以上前のことになるが、非常に根強い人気である。当時2台持っていた合研ラボのフォノイコライザーはその後両方とも売ってしまったのだが、今、考えてもコストパフォーマンスの高い良い製品だったと思う。

このブログの記事はCD/LPとオーディオ機器の感想がほとんどで、記事の数で言えばCD/LPの感想の方がずっと多いのだが、検索キーワードは圧倒的にオーディオ関連が多い。ベスト30くらいまではほとんどオーディオに関するものである。そうやって訪問していただくのはうれしいのだが、正直な感想を記しているとはいえ素人のいい加減なコメントばかりなので、話半分で読んでいただければ幸いである。

Royal Mail その後

ショップが連絡を取ると言ってからほぼ一週間が経過した。その後、今日まで連絡がなかったので、ショップに状況確認のメールを送るとほどなく返事が来た。

This has obviously gone missing, so would you like a replacemet order shipped or a refund?

うーん。あっさり「無くなっちゃったよ」って言われると逆になんとも言えないなぁ。どのくらいの頻度かはわからないが、何度か似たようなことがあったのだろう。

こっちもなんだか怒る気にもならず、必要なものなので再送してくれと依頼した。またすぐに返事が来て、「送る前にもう一度住所を確認してくれないか」というので目を皿のようにして確認したが、もちろん間違いない。そりゃそうだ。今まで毎回きちんと届いているんだから。

欧米の一流国にして、日本人から見たら実に貧弱な社会システムである。そういうところにコストをかけないから日本に比べてモノが安いのかもしれないが。。

ショスタコーヴィチ交響曲第4番 : ハイティンク

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後年シカゴ響と入れ直した4番は指揮者の円熟とシカゴ響のパワーが相まっての力演だが、79年に全集の一部としてLPOと録音された1回目の録音もなかなか素晴らしい演奏である。

ライナーノーツによると、全集としては10番、15番に続き3曲目の録音であるにもかかわらず、この曲の国内での知名度の低さから発売されたのはぐっと遅くて8枚目のリリースだったとのこと。となると80年代に入ってからの発売だと思うが、どのくらいの枚数売れたのであろうか。オーマンディ/フィラデルフィア管とのLPと並んで売られていたので年季の入ったショスタコーヴィチファンの方が手放されたのかなと思うが、LPを入手できたのは非常にうれしい。盤面もとても綺麗だった。

ハイティンクの4番はCSOを先に聴いたので、ゆっくりとしたテンポでの進行はハイティンクの年齢の影響かと思ったのだが、当時50歳の録音を聴いても非常に落ち着いたテンポであることに変わりない。

一言で言うと非常に知的で明晰な演奏である。複雑なスコアの隅々まできちんと光を当てて丁寧に音を紡いでいる感じ。引き換えに疾走するようなスピード感やスリルは失われているかもしれないが、がっちりと安定感のある演奏でとても聴き応えがある。いつもながらハイティンクのオーケストラコントロールは素晴らしい。録音も鮮明。
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