ヤマハ 調音パネル

このブログに遊びにきてくれる七味とうがらしさんの体験談に触発されて、昨年末、ヤマハの調音パネルを借りた。

これである↓
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(ヤマハさんのサイトから写真借りました。)

このパネル、高額商品の多い調音/整音パネルの中では比較的求めやすい価格だし、大きさも手ごろ。普通の部屋に入れるにはちょうどいい感じである。ネットや雑誌記事を見るとすこぶる評判も良い。果たして自分の部屋でも効くのか試してみた。

現物が到着してからヤマハのサイトで設置例を見てみてはたと気付いたのだが、我が家のレイアウトでは残念ながらメーカーが推奨する①左右スピーカーの後方、②スピーカー両側の一次反射面、③リスナー後方のいずれもが推奨の形では設置できない。①はCD棚、レコード棚に邪魔されて設置できず、②は右スピーカーの一次反射面に機材ラックがあるため設置できない。③は後方の壁一面に高さ1mくらいの作り付け収納が設えてあるため、それが邪魔して設置できないのである。

仕方ないので、今回は①両スピーカーの中間後方に一枚設置する、②試聴位置後方の収納の天面に横向きで設置する、③両スピーカーと試聴位置を結ぶ三角形の中間付近の床に横長に寝かせる、という3通りを試してみた。

あくまで我が家のケースだが、それぞれある程度の時間をかけて聴いてみた結果、変化のある順に並べれば①→③→②の順であった。

①は誰が聴いても即座に違いが実感できるくらい変化があって、中央に音が集まり定位が明確になるのだが、どうも効果が過剰に感じられて最後までしっくりこなかった。
②は物理的に耳の位置に最も近い位置にパネルを置くので効果が大きいと予想したが案に反して明確に効果が実感できなかった。加えて収納上部の窓を塞ぐので部屋が暗くなるのも気に入らなかった。
③はヤマハのサイトでは推奨されていないが、あれこれ物の置かれたこの部屋の最大の並行面がフローリングの床であることから思い付きで置いてみた。結果は①のような劇的なものではないが、全体的に無駄な音を整理してすっきりさせるような変化を感じた。その結果音の見通しが良くなり奥行きも増した感がある。一方で低音の量感は減る。

結局、今回、購入するのは見送ったのだが、今まで気にもしなかった床と天井の音の処理に俄然興味が出てきた。
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オーディオ風土記

オーディオ風土記

田中伊佐資さん著作の「オーディオ風土記」という本を買った。2014年11月に初版発行だから今さらであるが、アマゾンでネットショッピングしていたらあなたへのお薦めとして現れた。最近のコンピューターは利口だからなんでもお見通しである。それに「またそんなくだらないものばかり見て」なんてことも言わずさらりと薦めてくれる。とにかくお薦めを素直に聞き入れた。

内容は、もともと「ステレオ」誌連載の記事をまとめ直したもののようだ。全国のオーディオ自慢の方々のシステムを写真で紹介しつつ、その人の人生やオーディオとの付き合いが記事になっている。音楽やオーディオ関連の仕事を生業にする人もいるが、ほとんどの方は全く関係ない仕事をしながら日夜オーディオと格闘しているようである。

田中伊佐資さんはあちこちで執筆しているが、雑誌で新製品を評価している他のオーディオ評論家に比べると一般ユーザー側に近く、本人が本当にオーディオと音楽大好きという感じを受ける。この本に取り上げられているシステムの中には写真を見る限りいわゆるセオリー無視で果たして良い音するのだろうか?と疑問を抱くものもあるが、そんなことより己を信じて好きなことにまっしぐらの人を応援する気持ちが伝わってくる。そもそもこの本は良い音を出したければこうしなさいという教本ではないのだ。

僕は機械物に熱中しやすく、若い頃は車、30代はカメラ、最近ではレコード鑑賞を再開して以来オーディオにすっかり夢中である。しばらく前にふと2013年末以来一体オーディオにいくら使っただろうかと主だったものだけを思い出して計算してみたのだが、途中で青くなって計算するのをやめた。貯金が一向に増えないはずである。こんな無駄遣いしていたらばちが当たる。そう反省しつつ、そういう人は世の中にたくさんいるだろうとも思っていたのだが、実際、僕の知り合いに突き抜けた感じでオーディオに嵌っている人がいるかと言うといないのが現実である。

そこでこの本を読んでみたのだが、いやはやこれは僕にとって最高の精神安定剤であった。ここに出てくる人たちに比べたら僕のシステムなんて子供みたいなものである。このところ、レコードプレーヤーこんなに集めてどうするの?と自問自答していたが、カセットデッキ400台持っている人に比べたら大したことない。部屋中スピーカーの人とかも複数いるし。

ところでこの本、僕が買ったのは第3版である。そこそこ売れているということだろう。どんな人がこの本を買っているか興味があるが、少なからずひそかに罪悪感を持った浪費家がいるに違いない。そういう人は僕と同じようにこの本で救済されることだろう。結果として旺盛な消費行動が継続すれば日本経済のためにもなる。何も間違ったことはしていないのだ。

こんな風に自分を正当化したい人には間違いなくお薦めの本である。

HITnRUN Phase One : Prince

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プリンスが昨年4月に急死したことで最後のアルバムとなってしまった「HIT n RUN」。そのPhase One、冒頭の曲は過去の名曲である「1999」とか「Purple Rain」の引用で始まる。単なる偶然であろうが、あたかも死を予感していたような始まり方である。

ウイキペディアによればこれはプリンスの38枚目のスタジオ録音アルバムである。プリンスはいつも膨大な数のストック曲を持っていてこの先何十枚でもアルバムが作れると言われていたが、結局、それらの曲が日の目を見ることはない。

個人的には2014年の「Plectrumelectrum」を買ったのが久々のプリンスだったが、どっちにしても2010年前後はネット配信による海賊コピーに対する抗議としてアルバムを出していない。ネット音楽の普及、ハイレゾ化に歩調を合わせたアナログリバイバルは考えてみればポップアーティスト(とレコード会社)によるパッケージメディア戦略の意味合いもあるのかもしれない。デジタルデータのまとめ方の違いでしかないCDは売れなくてもレコードは音楽を手に入れる以上の目的で買うユーザーがいるだろう。

「Plectrumelectrum」と続く「Art Official Age」がレコードで販売され、僕は嬉々としてそれを買ったわけだが、「HIT n RUN」はデータ配信がCD販売に先行し、レコードは今のところない。それ以前も既存の音楽チャネルを無視して特定のショップだけで独占販売させたり、新聞のおまけとして楽曲を提供したりいろいろ試してきたプリンスだが、それがどこに向かう予定だったのかも今となってはわからなくなってしまった。

90年代にリリースされたアルバム以降、プリンスの録音に対するクリティックの評価は必ずしも高くない。が、そんなことは関係なくこのアルバムに聴く音楽はファンキーでノリの良いまんまプリンスである。望むらくはレコード化して欲しいなあ。

オペラ バレエ音楽集 : カラヤン

カラヤンオペラバレエ

カラヤンがフィルハーモニア管を指揮して60年に録音したオペラの中のバレエ音楽集。収録されているのは、以下の曲。

 ヴェルディ:歌劇『アイーダ』第2幕第2場より バレエ音楽
 ムソルグスキー:歌劇『ホヴァーンシチナ』より ペルシャの奴隷たちの踊り
 ボロディン:歌劇『イーゴリ公』より だったん人の娘達の踊り、だったん人の踊り
 ポンキエッリ:歌劇『ジョコンダ』より 時の踊り
 ワーグナー:歌劇『タンホイザー』より ヴェーヌスベルクの音楽

オペラは最初から最後まで聴き通してなんぼという気もしないではないが、そうは言っても時間がかかるし、集中力もいる。それに比べて序曲集、間奏曲集、それにこのバレエ音楽集なんていうのはリラックスして楽しむには最高である。

このレコードでは、比較的若い頃のカラヤンが聴き慣れた名曲を颯爽とメリハリをもって聴かせてくれる。フィルハーモニア管の音色はどことなく古風でEMIの温度感の高い録音とマッチングが良い。これは拾い物の一枚だった。

SPU-A/E (2)

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手持ちのカートリッジでなかなか鳴らせないのがSPU-A/E。オーディオクラフトのAC3000MCに装着してちょっとは良い感じがしたのだが、しばらく聴いているとどうもなあ。う~む。

どこが不満か上手く言えないのだが、グッと来るところがない。そこそこ高いMCから思い切り安物のMMカートリッジまでいろいろ聞いて気に入ったものも気に入らないものもあるが、どれもこれも音にはそれなりの特徴があったのだが、我が家で聴くSPUは過不足なく鳴るもののキャラクターが立っていないのである。

文句があるなら他のカートリッジで聴けばいいのだが、このままお蔵入りさせるのも悔しい限り。プレーヤーを変えたり、アームを変えたり、イコライザーを変えたりしながら定期的にチャレンジを続けている。

まあ、そもそもこれぞSPUという音がどんな音かわからず聴いているのでゴールは明確には見えていない。結局、そうやって弄っているのが楽しいだけなのかなと自問自答しつつ、今日はシェルを変えてみた(笑)。

ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」 : ケンペ

出張中、機内で何曲かクラシックを聴いたのだが、その中でなかなかの演奏と思ったのがケンペ/ミュンヘン・フィルの演奏する「合唱付き」。行きと帰りの二度聴いたのだが、最初に聴いた時には演奏者のクレジットがどこを見ても見つからず、てっきり新しい録音かと思っていた。帰りのフライトでケンペ指揮と判明。

ケンペの指揮はR・シュトラウスにせよ、ブルックナーにせよ、ぱっと聞いてハッとするようなものではないが、良く言われるような「堅実」とか「地味」という形容も当たらないと思う。このベートーヴェンもそうだったが、音楽が盛り上がるに連れ、この人の指揮はだんだん熱さを増してくる。緩急のつけ方が非常に巧みでぐいぐいと引き込まれる。

調べてみると1973年の録音のようである。国内盤は昨年の秋にリニューアルリリースされているので、これを聴いたに違いない。良い演奏である。

帰国しました。

シンガポール、米国出張から昨夜帰国。先々週の火曜日から約二週間の出張だったのでさすがに後半は疲れたが、帰国したとたん、すっかり元気になった。シンガポール到着の日以来、夜も会食やら移動やらでサイトにアクセスすることすらできず、久しぶりの更新である。

先々週の土曜日にシンガポールから米国に移動した。シンガポールから米国は直行便ではなく、成田で乗り継ぎである。成田で乗継は初体験だったのだが、荷物検査も含めて実にスムーズだった。乗継時間は2時間半くらい。ラウンジでメールを済ませて残りの時間はのんびり。

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JALラウンジにあったカレー。シンガポールにいたせいもあるが、これは旨かった。

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ゲートそばにあった書店で「ステレオ」誌を買って読んでみる。記事は毎号あまり変わり映えしないなあ(笑)。窓の奥に見えているのが搭乗予定のJAL便。

土曜日早朝にシンガポールを出て成田で乗り継いだ時はすでに夜。日付変更線をまたぐので、それから12時間以上フライトして到着した米国はまだ土曜日である。長い長い一日であった。

で、翌日。夕方にミーティングの目的地に移動であるが、それまで若干時間があったので現地の打ちっぱなしに行ってみた。土曜日にうっすらと雪が降ったのでクローズしているかと思ったのだが、開いていると言う。日本ではネットを降ろして休みになってしまうこともあるのだがと思いつつ行ってみると理由がわかった。

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ご覧のとおり、まさに打ちっぱなし。ネットもなければ何もない。手前のマットには雪が残っているが、何打席か左側のマットのように除雪(笑)してある。日本でもゴルフ場併設のところにはこういう打ちっぱなしがあるが、なかなか爽快である。

日曜日の夕方に最初の目的地に到着してから、さらに2か所、米国内を東へ西へと移動してきた。日本でも盛んに報道されていたようだが、金曜日は新大統領の就任日。当日のランチオンミーティング中にちょうど就任演説を中継していた。その地は圧倒的な共和党支持州であったが、ではみなが新大統領を好きかというとそれは微妙らしい。何人かにストレートに聞いてみたが、共通していたのは対抗馬に比べればマシだと言うコメント。その選択がどういう結果を招くことになるのか、現時点では誰にもわからない。帰りのフライトに乗るために前泊したシカゴで大統領主催の夜会を生中継していた。大統領夫妻、副大統領夫妻、大統領のファミリーが次々と舞台に登場して踊っていたが、招待された制服組の一部以外、いやはや見事に「真っ白」である。

成田に到着すると思いのほか暖かく、厚着をした僕は汗ばんだ。海外出張から帰国するたび、日本はなんて良い国なんだろうといまさら思う。

シンガポール出張

今日からシンガポール出張。言うまでもなくシンガポールは暑い。天気予報はほぼ毎日晴れ一次雷雨、最高33度、最低25度である。この国の天気予報士(がいればであるが、)ほど簡単な仕事はあるまい。

シンガポール出張だけであれば、なるべく薄着して上着だけ羽織って空港まで行くところであるが、その後、そのまま冬真っ只中の米国出張なので、そうもいかない。荷物を減らすためにやたらと重ね着して出かけることにした。

年末年始も終わり空港はさほど混んでいない。チェックインも出国手続きもスムーズに終わり、ほどなく搭乗。昼の便なので離陸して間もなく昼食である。

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まずは前菜の盛り合わせ。この航空会社を使うのは久しぶりであるが、一度つぶれかけて以来、サービス向上と価格引下げに努めているようだ。会社の出張では最安値の航空会社を使うのが原則だが、今やほとんどの国際線区間でここが一番安い。の割にはご飯はおいしかった。

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これがメインである。うなぎのかば焼きとビーフシチュー?通常、こんな組み合わせ絶対に食べない。これも味は悪くない。おかげさまで食べ過ぎた。

チャンギーに着くと予想以上に蒸し暑い。この時期、日本から到着すると実に場違いな服装である。ダウンジャケットを片手に持ってタクシーに乗車。時間が時間だけに渋滞に巻き込まれて結構時間がかかってホテルに到着した。

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仕事で来て一人で過ごすというのに、なんとゴージャスな部屋だろうか。。。プライベートだったら、、と思う気持ちはあるもののそんなことを言ったら罰が当たる。投資に見合うよう、明日から頑張らねば。

ショパン ピアノソナタ第3番 : アルゲリッチ

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アルゲリッチがショパンコンクールに優勝した1965年に当時のEMIに録音したショパンのピアノ曲集。アルゲリッチが直後にDGと専属契約を結んだためにこのアルバムはお蔵入りし、34年後の99年にCD化された。今回、購入したのは本来想定していたメディアであるLPバージョンで昨年発売になったようだ。

アルゲリッチは昔から好きなピアニストだが、今回のLPは内容以前にジャケット写真で購入決定(笑)。今や魔法使いのようになってしまったが、24歳のアルゲリッチはとても魅力的だと思う。

ライナーノーツでEMIのプロデューサーは、その後発売されたDG(とは書かず「ライバル」と書いている。)の同曲を聴いて「こっちのピアノの方が良い音だ。」と書いている。他にもアルゲリッチがスタジオに来てブラックコーヒーを飲みながら圧倒的な演奏を聴かせた様子が書かれている。

ショパンのピアノソナタではどちらかと言うと2番の方が好きだが、若きアルゲリッチの弾く3番はとても素敵な演奏である。こういう演奏で聴くと曲も一層映える。一曲一曲にそれほどの時間をかけずに収録しているようだが、天才の閃きのまま自由自在にのびのびと演奏していて実に素晴らしい。良い演奏、良い録音である。

フォノイコライザーの負荷インピーダンス

昔、レコードを聴いていた頃はMCカートリッジなんて夢の世界だったので、フォノイコの負荷インピーダンスのことなんて考えたこともなかった。アナログを再開して初めてMCカートリッジを使うようになったのだが、当初はMCカートリッジをそのまま受けられるフォノイコを持っていなかったので、よくわからないままトランスやらヘッドアンプを併用することになった。

一番最初に使ったフェーズメーションのトランスは対応カートリッジのインピーダンスが1.5~40Ω、昇圧比26dbとあるので、カートリッジから見たトランスの入力負荷は100Ω強になるはず。一方、最初に使ったヤマハのヘッドアンプは入力インピーダンス切り替え式で10Ωと100Ωが選択できた。

フェーズメーションのケースではカートリッジの出力インピーダンスに対して60倍~2.5倍くらいの負荷インピーダンスということになる。ヤマハのヘッドアンプの方は切り替えによってもう少し狭い範囲で調整できそうである。が、では、一体、この両者がどの程度のバランスであれば良いかと言うことについては、実はいまだによく分かっていない。

巷間、数倍が良いという話も聞くし、十倍から数十倍くらいまでという話も聞く。トランスとヘッドアンプでは違うとか、いずれにしても受ける側がハイ受けでありさえすれば特に気にしなくて良いという説も目にしたりして混乱する。実際、Fidelixのプリアンプやフォノイコは入力インピーダンスがギガΩクラスである。結局、よくわからない。

iPhono2の入力インピーダンスは22Ωから47kΩまで選択できる。ここに公称14ΩのDL103Rを繋ぐ場合、メーカーサイトでは推奨負荷インピーダンスは1kΩと記している。今までだったらなんとなくの思い込みで100Ωか250Ωを選択して1kΩは使おうとも思わなかったと思う。

なるほどと思って、MC30WとAT50anvをiPhono2に繋いで負荷インピーダンスをいろいろ変えてみた。内部抵抗は6Ω、11.5Ωなので今までなら両方100Ωで済ませていたと思うのだが、聞き比べてみるとMC30Wは33Ω、AT50anvの方は330Ωか1kΩの音が自分には一番しっくりきた。が、これは人によって好みがわかれそうである。

こういう細かい調整ができるからアナログって面白い。

ハイドン交響曲第92番「オックスフォード」 : 朝比奈

朝比奈ハイドン

長い冬休み開け、二日頑張れば三連休のはずが昨日今日と休日出勤。。二日とも半日勤務だったとはいえ、ちと残念。それでも明日がまだお休みで良かった。このところレコードを聴く時間が長く、CDはあまり聴いていなかったのだが、今日、帰宅すると朝比奈隆さんがベルリン・ドイツ響を振ったハイドンのCDが届いていたのでさっそく聴いてみた。

朝比奈隆さんは晩年ほとんどハイドンを演奏しなかったので全然イメージにないが、HMVの解説によれば若い頃は交響曲全曲演奏をもくろんだことがあるらしい。どういう経緯かわからないが、放送用にセッション録音されたのは実に幸甚。日本のオーケストラが悪いと思っているわけではないが、この演奏を聴くともっとたくさん海外の実力あるオケで録音していたらなあという思いを抱かざるを得ない。

92番と99番の組合せだが、一言で言って両方とも実に素晴らしい演奏である。70年代の放送用録音と聞いてどんなものかと思ったが、録音も文句なし。プラセボ効果か、あたかも良好な電波環境でFM放送を聴いているような感じである(笑)。

ヨッフムのハイドンも格調高く立派と思ったが、朝比奈さんの演奏もそれに負けず劣らず立派である。加えて音楽が暖かく、愉しい。もちろんオケは万全。実はこのCDが発売された時に絶賛されていたのは知っていたのだが、評論家のバイアスを疑ってすぐに買わなかった。しかし、これは本当に良い演奏である。名盤。

p.s. 最後にドイツ語でインタビューが収録されているが訳がないのでちんぷんかんぷん。日本語訳を付けてほしい。。

ブラームス交響曲第1番 : ルートヴィヒ

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昨日、ジャケットを並べた段階ではアルファベットで指揮者を紹介したこの一枚。バルビさんのコメントでレオポルド・ルートヴィヒという方だと判明した。「レオポルド・ルートヴィヒ」で検索してみるとこの方は1950年から20年あまりハンブルク国立歌劇場の音楽総監督を務めていたということである。それに2008年頃にはこの人の演奏が何枚かCDで復刻している。すでに廃盤のようだが、チャイコフスキーやベートーヴェンと並んでまさに同じジャケット写真でブラームスの1番もラインナップにあった。

1960年頃の録音のようだがどこにも正確なデータがない。ジャケット写真ではステレオかモノラルかもわからないが、レコードを取り出すとれっきとしたステレオ録音である。ジャケットはぼろぼろだが、盤面はあまり聴かれていないようで存外にきれいだった。

ルートヴィヒ/ハンブルク国立管の演奏は一聴するとぶっきらぼうなくらい作為がなく自然な感じ。録音年代を知らず、ステレオ録音でなければ60年よりも前の演奏と勘違いしそうな「いにしえ」の香りのする演奏である。朴訥としている。

ルートヴィヒはカラヤンと同い年である。この頃のカラヤンのブラームス1番と言うと59年のVPO盤、63年のBPO盤とあるが、ルートヴィヒの演奏はいずれと比べてもテンポが速い。と言ってもせかせかした感じではなく、例えば終楽章の主題なんて朗々と歌う。それでいてフィナーレはかなりの加速で熱く終わっている。この辺り、オペラ指揮者としての性格だろうか。

同じドイツ、同年代でもカラヤン/BPOの洗練とは対極にある。が、ブラームス生誕地の本場の演奏はこっちである。本来、ブラームスの音楽はこういうものなのかもしれない。

レコード福袋2017

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今年で4年連続のレコード福袋。ディアゴスティーニを継続購入中なので今年はジャズ福袋は買わずクラシック福袋のみを購入した。さっそく開けて中身を並べてみる。

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レコード11枚。今年は例年と違ってボックスセットがないが、その代わりなのか(比較的)高額盤が何枚か含まれている。11枚のうち3枚はモノラルで国内盤は1枚もない。能書きをよく読まなかったが、そういうセットだったのかな?

左上から順に
ベートーベン バイオリン協奏曲 Hugo Waldman/ Gustav Stolz/ Philharmony of Berlin
ベルリオーズ 幻想交響曲 メータ/NYP
ブラームス バイオリンソナタ第3番 Jaime Laredo
ハチャトリアン バイオリン協奏曲 コーガン/モントゥー/ボストン響
シューベルト歌曲集 ディースカウ/リヒテル
ブロッホ バイオリン協奏曲 Hyman Bress / Rohan / Prague 響
ブラームス交響曲第1番 Leopold Ludwig / ハンブルグ州立管弦楽団
バッハ カンタータ
モーツァルト 「ポストホルン」 マリナー/アカデミー室内管
モーラ・リンパニー リサイタル
ラベル管弦楽曲集 パレー/デトロイト響

う~む。渋い。。正直言って僕には渋すぎる選曲である。歌曲やカンタータなんて自分では絶対買わない。
が、本来、福袋ってそんなものかも。

とりあえずメジャーな「幻想交響曲」から聴くことにしましょう。

ショパン ピアノ協奏曲第1番 : ブレハッチ

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考えてみれば今年はずいぶん長く冬休みをいただいたのだが、休みが過ぎ去るのはとても速い。始まりがあれば必ず終わりがあるということで、明日から仕事始めである。百貨店やスーパーに品物を納品する仕事をする従兄弟は正月休みは2日しかないらしい。銀行員の従兄弟もお休みは4日間だけ。それから比べると僕なんて小学生並みに長い冬休みが取れて幸せなのだが、そうは言っても休みの終わりはいつも感傷的な気分になる。大袈裟に言えば。。

こんな悲しい気持ちを癒すためにはこの曲が良いと思って選んだのがショパンのピアノ協奏曲第1番。ピアノはブレハッチ、伴奏はセムコフ指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。オケこそオランダだが、ピアニストも指揮者もポーランド出身のご当地音楽である。

このCD、2年前にポーランドに出張した際、現地で記念にいただいたもの。外国人に日本と聞いて思い浮かべるものと質問すると日本人にとっては意外な答えだったりするが、ポーランドと聞かれて何を思い浮かべるであろうか。僕が思いつくものと言えばショパンくらいだったので、このCDをもらって「やっぱりね。」と思ったのだが、実際、ワルシャワの街を歩いてみるとそれ以上に第二次世界大戦の爪痕をあちこちに感じて複雑な思いだった。もちろん、ワルシャワの空港にもその名を冠するショパンはポーランドの代名詞であることに間違いはないのだが。

恥ずかしながらこのCDをもらった時に僕はブレハッチもセムコフもまったく知らなかった。それどころか名前も読めなかった(アルファベットだとBlechacz)。わざわざ現地法人が用意したのだからポーランド出身のピアニストなのだろうとは思ったが、ショパンコンクールで優勝と同時に各賞を総なめした人であると知ったのはつい最近のことである。考えてみれば、DGからCDがリリースされているのだから只者のはずがない。

この人、85年生まれということなので、まだ30台になったばかり。録音は2009年なので24歳の時である。それにしては大人の音楽だ。テンポも落ち着いているし、音色も優しい。心に沁み込むような癒し系のピアノである。同時に、終楽章では抜群のリズム感覚と緩急自在のテクニックが聴ける。セムコフという指揮者もこのCDで初めて聴くが、コンセルトヘボウとともにピアニストにぴったりと寄り添った良い演奏を聴かせてくれる。ピアノを中央にどんと構えた録音でオケが重すぎず軽すぎず良い塩梅で収録されている。良いCDである。

ハイドン交響曲第94番「驚愕」 : バーンスタイン

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以前、ミンコフスキのハイドンを記事にした時に書いたとおり、僕はバーンスタイン/NYPのハイドンがとても好きだ。バーンスタインはNYP時代に「パリ交響曲」と「ロンドン交響曲」、それに88番を録音している。これらはSONY時代の交響曲録音をまとめたボックスセットの中に含まれているのでCDでは持っているのだが、レコードは今のところ「驚愕」と「時計」を組み合わせた一枚しか持っていない。中古で見つけたらぼちぼち揃えようと思っている。

後年、断片的にDGに残った録音は聴いたことがないが、NYP時代のバーンスタインのハイドンは実に快活で陽気な演奏で、聴く者を幸せにする。今は古楽器の小規模オーケストラが機敏な演奏を聴かせることが多いので、モダン楽器のフルサイズオーケストラによるリズミカルで溌剌とした演奏は巨体のダンサーが踊っているようだ。それもまた迫力があって良い。この時代のバーンスタイン/NYPによくある乾いた音の録音だが、おかげで歯切れが良い分この演奏には合っていると思う。

イコライザーカーブ

昨年の暮れ、iFi Audioのiphono2という小型フォノイコライザーを購入した。光カートリッジ用のイコライザーは別として、二つ目のフォノイコを何にするかすいぶん長く悩んだのだが、ようやくこれと思える製品を見つけた。決め手となったのはサイズと機能。以前、このメーカーの小型DACを所有していたが、実物は非常にコンパクトである。電源はノイズが心配なACアダプターだが、電源にもこだわりのあるメーカーなのでその点、抜かりはないだろう。機能的にはゲインや負荷を細かく設定できるし、e-RIAAというRIAAベースの標準カーブに加えてフロントのスイッチでコロンビアとデッカのカーブが選択できる。

レジェーロも高域と低域が可変できるようになっていて、その組み合わせによってこれらのイコライザーカーブに対応している。が、ほとんどのフォノイコはRIAA一本である。アンプにトーンコントロールがあればそこそこ対応できるだろうし、人によってはオーディオシステム全体の変動要素に比べたらイコライザーカーブの違いは些細な問題という考えもあるだろう。

しかし、実際、80年以前に録音されたLPを再生する場合、イコライザーカーブを変えて聴く方がしっくりくることが多い。僕は最初のうちデッカカーブと言うのはデッカ特有のカーブと思いこんでいたのだが、上述のサイトによればDGやEMIもデッカカーブであると言う。どうもDGは音が硬いと感じることが多かったのだが、案外、イコライザーカーブが合わなかったのかもしれない。

このフォノイコの第一印象は非常に静かであること。ノイズフロアが低く、ノイズの質もハムっぽさがなくて良い。それにサウンドステージが大きくて奥行きがしっかり出る。負荷の設定に応じて音の変化もわかりやすいし、ゲインも調節できるのでカートリッジの対応の幅も広い。まだまだ使い込めていないが好印象。ゆくゆくはもう一台入手してモノラル使いもしたい。

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ケーブルが左右に刺さるので美観を損なわず設置するのが難しい。

宵の明星

5時半ごろ、ふと空を見上げたら細い月の横にひときわ明るく輝く星を見つけた。

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もうちょっと寄ってみるとこんな感じだ。

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後で調べてみたら、今日、1月2日は金星が月に大接近する日だったらしい。思いがけず見ることができてちょっと幸せな気分。

ベルリオーズ「幻想交響曲」 : ショルティ

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今日もまたいいお天気。気温も高めですっきりとした青空を見ていると1月2日であることを忘れてしまうくらいだ。ここ何年か思うのだが、どうにも最近、お正月らしくない。はてさて何が足りないのだろうか。せめて食べ物だけでも正月気分と思って今日は朝から雑煮やらお節やらそんなものばかり食べているのだが、あんまり効果はなかった。。

まあ、いいか。

せっかくのお休みである。家の用事を済ませた後、音楽を聴くことにした。取り出したのはショルティ/シカゴ響の「幻想交響曲」。このレコード、帯に「おそろしい”幻想”だ!」と書かれている(笑)。いかにも大袈裟である。

演奏はこの曲の標題音楽的な要素をばっさり切り捨てて徹底的に古典派交響曲的にアプローチした真面目で質実剛健なもの。個人的にはショルティ/シカゴ響のたくさんある録音の中でも大のお気に入りである。シカゴ響の演奏は技術的に万全だし、いつもよりもいくぶん弦楽器の存在感が大きい結果、オーケストラの各楽器のバランスも良い。

狂気一歩手前といった感情剥き出しの演奏とは一線を画すが、ダイナミックで彫りの深い表現で聴いてて面白く、飽きることがない。第4楽章から終楽章は特に立派である。デジタル時代以降の録音に比べて厚みのある録音も良い。名盤。

あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

年末に引き続き穏やかで暖かな天気となった今日は二年ぶりに初日の出を見に行ってきた。場所はいつも行く茨城県の海岸。出発にやや手間取ってぎりぎりの到着になってしまったが、今年は今までに比べてなぜか駐車する車の台数が大幅に少なく、余裕で止めることができた。

6時45分くらいが日の出だったはずだが、あいにく地平線上に雲があって、周りが明るくなってもなかなか太陽が顔を見せない。そのまま待つこと15分くらい、ようやく雲の上に姿を見せた。

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例年通りサーフィンを楽しむ人、犬と散歩する人、家族連れ、カップル、一人で黙々と写真を撮る人等々、それぞれがそれぞれのスタイルで初日の出を迎えていた。

その後、鹿島神宮に立ち寄って初詣。2017年が素晴らしい一年になりますように。

今年もよろしくお願いいたします。
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