ショスタコーヴィチ交響曲第12番 : ムラヴィンスキー

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ムラヴィンスキーは1961年10月にこの曲の世界初演を果たしているが、それからほどなくスタジオ録音されたのがこの演奏。この曲は翌年4月には早くも日本初演されている。このLPのライナーノーツによれば、それはソ連、チェコに次ぐ3番目の初演だったらしい。なにげに凄いことではなかろうか。日本初演が「本年4月」と記されているので、このLPは62年に製造されたようだ。

神保町にあった新世界レコードは10年前に閉店してしまったが、半世紀前にはこういう歴史的な名演をいち早く我が国に届けていたわけだ。どういう経緯でここがソ連・ロシア物専門店になったのか興味が沸くが今となっては事情はよくわからない。このLPには「1963.2.24」と日付が書き込まれていた。最初のオーナーが購入した日だろうか。62年発売で定価が1,800円。物価を調べるとだいたい今の10分の1である。とすればこのレコード一枚が今の価値で18,000円くらいしたわけだ。

ジャケットはかなりくたびれているし、盤面にもあちこちに擦り傷があって音はまったく期待していなかったが、聴いてみると存外に良い音である。ソ連ものは当たり外れが激しいが、この録音ははなまる級である。この時代の日本盤は品質が悪いと思っていたが、製造元のビクターも良い仕事をしている。

初演後、ショスタコーヴィチとムラヴィンスキーが抱き合う写真がジャケットに載っているが、実演が作曲者を感動させたと想像するに難くない凄い演奏がレコードに収められている。

いろいろ聴いた中でこの曲はカエターニのライブ録音が優秀な録音を含めなかなかの迫力と思っていたが、ムラヴィンスキーの演奏は第1楽章で早くも他の演奏をすべて軽く吹き飛ばす。とにかくとてつもなく速い。そしてその尋常でないスピードにオケが一糸乱れず対応する。緊張感半端なし。いやあ、凄いですね。

第2楽章のテンポは常識的なものだが、第1楽章から想像するにもの凄いテンポで進みそうな第3楽章は一転してグッとスピードを落とす。さすがムラヴィンスキー、ショーピースのような、子供じみた演奏はしないのである。

もともと長い曲ではないが、充実した演奏のおかげで終わりまであっという間である。文句なしに名盤。
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グランツ MH-9B (2)

午前中、思ったより早く宅急便が到着。シンプルに細長い箱に入ったMH9Bがやってきた。アームボードは所定の位置にプリカットされているし、ボードを挟んでボルトを締めるタイプなので装着は極めて簡単。3009の装着されたボードと丸ごと交換して終了である。アームコードは純正のものが付属している。

標準のウェイトでシェル込み11g~28gまで対応なので、これだけでほとんどのカートリッジに対応できる。SPUやイケダのカートリッジを装着する場合には40gまで対応する純正のサブウェイトが用意されている。

直近まで3009S2に付けていたシェルターをスワップして装着した。シェルが軽いS2なので針圧をかけるとウェイトは支点間近の位置になる。同社製の中では圧倒的に安価だが、手にしてみると造りは堅牢である。しっかりした造りなので取り扱い易い。

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さっそく「クール・ストラッティン」を聴いてみた。3009S2に比べて音の重心が著しく低い。引き換えに高音の華やかさは減る。良くも悪くも3009S2にはパイプの響きが乗っている感じがするが、MH9Bはカートリッジ本来の音以外余計な音を極力付け加えない。

付帯音が少ないせいかボリュームを大きくしたくなる。高音がやかましくならないのでなおさら。もう一つ感じるのはスクラッチノイズが比較的気にならなくなったこと。静かなアームである。時間の経過とともにどう変化していくか楽しみだ。

グランツ MH-9B

今週も出張続きで先ほど帰宅した。南に向かったので暖かいかと思いきや、あいにくの雨で肌寒かった。

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行きの飛行機から見えた富士山。雲の上に出れば日差しはずいぶん強くなったように感じる。777の窓越しなのでちょっと写真の色が変だ。

今回は九州を南から北に移動したが、九州新幹線が開通して鹿児島から福岡は実に近くなった。以前なら複数の出張に分けたものが、新幹線のおかげで一度で済む。結果としてそれぞれの場所の滞在時間は減ってしまってあわただしいのだが。

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これは今日、帰りの飛行機で撮影したもの。手前の立派な雲の向こうによく見るとひょっこり富士山が頭を見せている。窓越し、半逆光というややこしい条件だが、iPhoneで構えて撮って出しの画像がこれだから本当に賢い。

さて、TD124のアームを交換することにした。このところ3009S2かS2 Improvedに固定していたが、2枚目のアームボードを手に入れてグランツのMH9Bを装着する予定。プチアナログブームと言っても、国内メーカーが販売する新品アームを手に入れようとすると選択肢はとても少ない。すぐ思いつくのはJELCO、Fidelix、グランツ、Pole Star、イケダ、Viv Lab。。う~ん、ニッチだなあ。

そもそもなぜまたトーンアームを買うのか。長くなるので端折ると3009を二本とも整備に出すからである。ほかにもプレーヤーがあるのだから、整備中TD124で聴くのを我慢すれば良いのだが、我慢しない(笑)。

「最近のアームは往年の名機に比べたら安物。工作精度も低いしコストもかけていない。だからダメだ。」的なことを言う人がいるが、完全に整備された往年の名機であればともかくとして、中古で入手した未整備の往年の名機よりJELCOのSA750の方が上だ。あくまで自らの限られた体験から言えば間違いない。

今回、シェル一体型アームは検討対象から外した。限界性能は一体型アームの方が高いかもしれない。が、TD124みたいなプレーヤーで限界性能を追い求めても仕方ない。購入が容易でなるべくカートリッジの対応幅が広くTD124に綺麗に装着できるショートアームという観点からJELCOかグランツが候補だったが、JELCOは国産なのに国内価格が高いのでグランツを買うことに決めた。買うなら今である。もうすぐグランツは値上げになる。

MH9Bはグランツで一番安いモデルだが、メーカーサイトを読むと大事なところをしっかり押さえた堅実なアームという印象。明日、実物が届くのが楽しみである。

ブルックナー交響曲第8番 : ケンペ

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冨田勲さんの「ダフニスとクロエ」に続いて4チャンネル収録のブルックナー。どうやらこちらは「ダフニス」と違って本来はステレオ収録のものを後で4チャンネルに加工したものらしい。加工の行き過ぎでホールトーンが多すぎる感じ。ソ連ものの一部のように風呂場で聴いているようなひどさはないが、特に金管の立ち上がりがもたつく。そこまでするほど70年代には4チャンネルが流行っていたのであろうか?

そういう不利な面はあるものの、ケンペの指揮は冴えていて、当時の手兵であったトーンハレをぐいぐいとドライブしている。スタジオ録音だがライブ録音のような熱を感じる。録音の問題だけでなく、少々、演奏に瑕があるが、委細構わずグイッと一筆書きで仕上げたような、粗削りながら感動的な演奏だった。

全体的には抑え目のテンポでどっしりと構えているが、音楽の盛り上がりとともに徐々にスピードが上がる。これはR・シュトラウスでもベートーヴェンでも同じ。ケンペの常であるが、この人の良いのは決して節度を失わないところである。オケがついていけなくて破綻するようなことはなく、頂点以降はだいたいガクンとスピードを落としてたっぷりと情感豊かに演奏する。この緩急の変化がとても巧みだ。派手さはないが、素敵な演奏である。

ヴォーン=ウィリアムズ「南極交響曲」 : ボールト

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今日は先週末の休日出勤の代休をひょっこり取ることができた。このところ多忙だったのでとてもうれしい。

久しぶりにゆっくり起きてから部屋の掃除や片づけをするとあっという間に午前中が終了。軽くお昼を食べてから音楽を聴き始めた。最初に聴いたのは七味とうがらしさんのブログでたびたび紹介されているヴォーン=ウィリアムズ。RVW (レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ)の交響曲をレコードで聴くのはこれが初めてである。

聴いたのはボールト/LPOによる「南極交響曲」。セラフィムの「エクセレントシリーズ」という廉価盤である。このジャケット写真、昔、レコード屋の棚で見たことあるなあ。詳しい記録はないが、80年代初めの頃の発売ではなかろうか。RVWの交響曲を全曲録音しているボールトの演奏から「南極交響曲」だけがこのシリーズの対象になっているのだから、RVWの交響曲の中でも一番の人気曲ということだろう。初めて聴く自分には入門編としてこの上ない。

この曲、もとは映画音楽として作曲されたものを再構成したものらしい。なるほど第1楽章から氷の魔女みたいな女声ソロが聞こえたりウィンドマシーンが使われていたり、キラキラ輝く氷を思わせる打楽器が聞こえたりと風景描写的な音楽である。おかげで聴く前に構えていたほど晦渋な音楽ではなかった。むしろ、とても親しみやすい音楽である。人気曲であるのもよくわかる。なるほどRVW、こういう曲を書くのか。

ボールトはイギリスの生んだ巨匠だから、この演奏は一つのスタンダードと言えるだろう。これを皮切りに他の演奏も聴いて行こうと思う。

プロコフィエフ交響曲第5番 : オーマンディ

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最近、「レコード社」で買う中古レコードはどうも前よりノイズが多いような気がする。盤面は以前より一見綺麗に見えるのだが、実際に針を落としてみるとぷちぷちぱちぱちちょっと耳障り。盤面の状態から察するに仕入れたレコードを磨いているようだが、もしかしたらスプレーを使い過ぎなのではなかろうか。とにかく、買ってきては家で洗浄が必須。二回洗浄するとだいぶ静かになる。

よくわからないと言いながらこのところあれこれ聴いてるプロコフィエフの5番。今日、手にしたのはオーマンディ/フィラデルフィア管の録音。タワーレコードの解説によればソ連に演奏旅行したこのコンビの演奏に感動したプロコフィエフ未亡人がこのLPにサインをもらったそうな。演奏会にわざわざLPを持って行ったのだろうか?そうだとすれば感動しようがしまいが最初からサインを貰おうと思っていたような気もする。

それはそれとして、これは未亡人がサインを貰いたくなったと言われても納得の立派な演奏であった。オーマンディ/フィラデルフィア管の演奏が軽いとか深みがないとか言いだしたのは一体誰だろうか?テンポ良しリズム良し技術良し構成力抜群、バランス最高、文句なしである。最強部でも破綻せず、低音は控えめなので荒々しさとは無縁。それが軽いと言うならそれは違う。格調高く圧倒的に上品なのだ。これがもしフランスのオケだったら「気品」とか「エスプリ」とか言われたであろう。もしここまで上手いオケがあるならの話であるが。

録音年代がジャケットに記載されていないので60年代後半くらいかと思ったが57年の録音らしい。とすれば録音も立派である。名盤。

イケダ9Cのメンテナンス

イケダの9Cを買ったのが2年前。それ以来、それなりの頻度で使ってきた。このカートリッジ、スッと爽やかに抜けていく音が他のカートリッジにはない美点なのだが、もともと中古で購入して針先がいつまで持つか不安であるし、今や製造元でも販売していないカンチレバーレスのモデルなので壊したらどうにもならない。と言う不安のために常用するには至らなかった。

いつかどこかでメンテナンスできるのであればお願いしたいと思いつつ、どこに相談したらいいものかわからずいたのだが、先日の「オーディオ風土記」でカートリッジ修理の達人のことを知り、思い切って連絡してみた。

同書でも書かれていることだが、このショップ、いまどき連絡手段が「はがき」である。最近は直接電話連絡しても構わないようだが、僕自身、どんな人かわからない相手に電話をするのはあまり得意でない。むしろプライマリーコンタクト方法であるはがきの方が良い。と思ってはがきを出したのが確か火曜日のランチタイムである。

それにしてもはがきを最後に使ったのはいつだったか。。

僕は年賀状をもう10年来出していない。プライベートで手紙を書くのはおそらく20年振りくらいである。はたしてどんなふうに書いたらいいのかよくわからなかったが、ここ3年間くらいレコードを聴いていること、イケダが気に入っているので長く使えるようメンテナンスしてほしいこと、それに携帯電話の番号だけ書いてポストに入れた。

ポストに入れてしまうとそこはかとなく不安になってきた。果たしてこれで本当に連絡がつくのだろうか?宅急便と違って追跡もできないし。こんなこと昔は当たり前だったのだが、なにもかも便利になった現代においては頼りないことこの上ない。

それ以来、バタバタと仕事をしていたので、実はすっかり忘れかけていたのだが、今日、出張帰りの新幹線で見知らぬ電話番号から電話がかかってきた。僕は知らない電話番号からかかってきた電話を通常取らないが、市外局番を見て「さては」と思ったので出てみると案の定、当該ショップからであった。

「はい、○○です。」
「わたくし、○○の○○と申します。」
「あー、良かった。これで連絡つくか不安でした。」

てな感じでやり取りがあったのち、本題であるが、イケダの9Cの場合針交換はできるがダンパーが傷んでいたりすると完全な修理は難しいらしい。その場合は諦めるしかないが、使用感覚ではダンパーには問題なさそうである。

帰宅後、早速梱包したカートリッジは先ほど旅立っていった。点検、修理が終わるまで3週間くらいかかるらしい。リフレッシュして返ってくることを祈ろう。

ダフニスとクロエ : 冨田勲

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今週は月曜日から激しく忙しかった上に休日出勤で関西方面に出張((+_+))。気がつけばブログの更新も一週間ぶりである。忙しい合間を縫ってランチ後に「レコード社」に寄ったのは確か水曜日だったか。。冨田勲さんのLPが並ぶ中から「惑星」と「ダフニスとクロエ」を購入した。

ようやく一息ついたので早速「ダフニスとクロエ」を聴いてみた。帯にあるとおりCompatible Discrete 4 (CD4)、あるいはQuadrodiscと呼ばれる4チャンネルレコードである。対応システムを揃えれば、前後左右の4チャンネルから音が聞こえるはずだが、我が家ではもちろん普通のステレオ再生。それにしてもレコードの溝に4チャンネル再生用の情報を刻み込む技術も凄ければその信号を針先の工夫で読み取る発想も加工技術も凄まじい。実際、どんな音が聴けたのだろうか?

それはともかくとして、ドビュッシーから数えて5枚目となるラヴェルのアルバムは「ダフニスとクロエ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ボレロ」「マ・メール・ロア」と並んだ選曲がまず素晴らしく、そのうえ、いずれの曲も原曲のイメージを壊すことなく、上品に編曲されていてとても聴き応えがある。原曲からして幻想的な曲ばかりであるが、冨田さんの演奏によって一層ファンタジックなものになっている。良いアルバムだ。

Shelter Model 201

今日は久しぶりにゴルフに行った。昨日の夜、うちの近所でもところによって雪がぱらついたので天気が少し心配だったが、朝起きてみると快晴。ゴルフ場に少し積もった雪は綺麗に除雪されていてプレーに支障なかった。晴れているが風が冷たく、終日寒いゴルフだったが、なぜか今日は調子が良かった。おかげさまで良い気分で帰宅できた。

さて、先日、ピロリ菌除去のために健診を受けたクリニックを再訪した時のこと。午後診が13時からと思って2時頃訪れたのだが、時間を勘違いしていて午後診は3時からだった。1時間待つことになったので時間つぶしに隣のヨドバシカメラに立ち寄った。ここのオーディオフロアには展示品処分のコーナーがあって、時々掘り出し物がある。販売終了間際に展示品のAT50anvを買ったのもここだ。

その日はめぼしいものがないなと思って帰ろうとした時に目に入ったのがShelterのModel 201。Shelterのラインナップ中唯一のMMカートリッジである。見た目がSumikoのPearlにそっくり。おそらくModel201もPearlもエクセルサウンドのOEMカートリッジであろう。それはともかくとして、このカートリッジは前から気になっていたもの。ShelterのModel7000は手持ちのMCカートリッジの中でエース的存在。OEMとは言え、同じメーカーのMMカートリッジならテイストに合いそうである。ここに並んでいると言うことは販売終了なのだろうか。となればなおさら手に入れなくてはならない。

買ってから一週間、今日、帰宅後に装着してみた。指定の針圧が1.6g~2gなのでTD124からS2 Improvedを外し、3009S2を装着する。シェルはS2シェルにした。
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ちょうど今日、ディアゴスティーニから10枚目と11枚目のLPが届いたので、早速「サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン」を聴いてみる。

イコライザーはiPhono2で聴いてみたが、なんとも言えず癒し系のサウンド。エッジが立たずにマイルドブレンド。夜、寝る前にのんびりレコードを聴くならこっちの方が良いかも。派手さのない落ち着いた音は品が良い。なくならないうちに交換針も買っておこう。

ブルックナー交響曲第5番 : バレンボイム

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今までこれは!と言う演奏に出会ったことのなかったバレンボイムの録音だが、これは実に良い演奏だった。バレンボイムはブルックナーの交響曲全集を3回も完成させているくらいだから、この作曲家に対する思い入れは大きいに違いない。今日、聴いたのはシカゴ響との最初の全集から第5番。実はバレンボイムのブルックナーを聴くのは初めてである。

この録音は77年に行われたようなので、当時、バレンボイムは35歳。いやあ、若いなあ。それでいて貫禄たっぷりである。天下のシカゴ響の技術力とパワーを存分に活かしているだけでなく、十分に緩急をつけて巨大な曲を構築していく。スペーシャスで透明な録音がまだ素晴らしい。演奏が熱を帯びているので、クールにならず、最後まで聴き手を引き付けて離さない。なるほど、こういう演奏もできるのかこの人は。このシリーズ、他にも聴いてみたくなった。良い演奏だ。

プロコフィエフ交響曲第5番 : バーンスタイン

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今週の水曜日にふらっと「レコード社」に立ち寄ったところ、ちょうどセール期間中だった。それに気づいたのは会計のタイミングだったのだが、たまたま、欲しいなと思うレコードがいつもよりたくさんあったので、割引は予想外の喜び。その中の一枚として購入したのが、バーンスタイン/NYPのプロコフィエフ交響曲第5番。

バーンスタインはこの後、イスラエルフィルとも同曲を録音していて、ジャケット写真自体はそっちの方が印象に残るが、「来日シリーズ」と銘打たれたこの日本盤シリーズも僕には懐かしい。79年のバーンスタイン/NYP来日記念に発売された一枚1,800円の廉価盤シリーズ、手元にはニールセンの「不滅」がある。これから、少しずつ収集しようと思う。なにせ、ちょうどこのくらいのタイミングでクラシックを聴き始めた僕にとっては当時どれもこれも憧れのレコードだったのだ。

去年の秋に聴いた時はよくわからない曲としか思わなかった5番だが、その後のドラティ、そして今日、バーンスタインと聞くうちにどんどん親しみが沸いてきた。バーンスタイン/NYPの演奏は比較的ゆっくりと思い入れ深く音楽を進めていく感じ。この頃のこのコンビの録音に共通する乾いた直接音中心の録音なので、強奏時に高音域がやや刺々しい部分もあるが、音楽を楽しむには不足ない。「希望」や「開放」「自由」といったテーマでこの曲をとらえた場合、今までで一番しっくりくる演奏はこのバーンスタイン盤だった。

オーディオショップ

昨日、秋葉原の某オーディオショップに行った。僕は営業が仕事であるにもかかわらず人見知りなので量販店以外の買い物はすべて苦手なのだが、特にオーディオショップに入るのは相当勇気がいる。したがって買い物はほとんどネットショッピング。自宅に引き取りに来てもらうことはあっても自分でショップを訪れることはめったにない。以前、中古でスピーカーを買い、先日はKisoのスピーカーを試聴した店だけが今までほぼ唯一の例外だった。

この店のことは雑誌で知った。一応、店のウェブサイトもあるのだが、まったく更新されていない。扱う品物に興味はあるが、自分で足を運ばないといけないので今まで縁がなかった。ところが日曜日に店の間近の貸会議室で仕事があったので、帰りがけにちょっと寄ってみた。雑誌で見たことのある店主は一心不乱に何かを修理していて、その傍らに持ち主と思しき人が立っている。店に入ると顔を上げずに店主は「こんにちは」と言った。僕も「こんにちは」と返して、修理中を良いことに店中の品を物色して何も言わずに店を出た。

いつもならこれで終わりである。が、昨日も秋葉原で所用があった。こんなこと滅多にない。しかも次の予定まで時間がある。と言うことでまたそのお店に行った。前日、気になった品がいくつかあったのである。

到着するとショップにはお客が一人もいなかった。店に入ると昨日同様「こんにちは」と言う声。僕はやおらガラスケースの中のカートリッジの一つを指さして「これってどうですか?」と後から考えれば間抜けで要を得ない質問をした。

店主は特に戸惑うこともなく「ああ、それがほんとのオルトフォンの音。」と答えた。続けて「特定のトランスと組み合わせてオルトフォンの音だって言う人が多いけど、それはトランスの音だから。」このお店にも最近、このカートリッジはなかなか入荷しないらしい。確かにそれほど頻繁には見かけない。見かけたとしても結構高いのだが、このお店のものはずいぶん安い。輸入年代でピンキリのようだが、キリよりさらに安い値付けである。「ずいぶん安いけど、何か問題でもありますか?」と聞くと首を横に振りながら「もちろん問題ないよ。」と言う。

欲しいが、即決ともいかない。そもそもどんな音なのかもよくわからないし。。そういう様子が伝わったのか店主は「明日定休日だけど明後日までに念のためメンテナンスしておくから。買うなら教えて。」と言ってカートリッジをケースから取り出して店の奥に仕舞った。

客が僕しかいなかったせいか、店主は実に気さくで人懐こく、いろんな話をしてくれた。真空管アンプのこと、トランスのこと、スピーカーのこと、アナログのこと。結局、店じまいまでの1時間、話に付き合った。途中でフルレンジ一発のスピーカーを真空管アンプで鳴らしてくれたが、見事な空気感だった。こうして聴いてみると真空管アンプは録音会場の空気まで再現するような気がする。対してトランジスタアンプは比較的正確に音を再現するが、余韻や空気感は部屋任せである。真空管の音はソースにはない、おまけの音が付随していると思うが、それを良しとするか悪しとするかは結局それぞれの好みでしかないと思う。この店の音は良い音だった。我が家の音とは違う種類の音だ。

そして今、この記事を書きながら引き続き悩んでいる。あのSPU-GTE、どうしようかなぁ。

バッテリー電源

ちょっと前にオーディオ関連のコミュニティサイトで大型の携帯用バッテリーをオーディオの電源として使うという記事を目にした。当該製品のスペックを見ると5Vや12VのDC電源だけでなくAC電源も取れる。バッテリー容量から想像するより筐体も小さい。なるほど、最近はバッテリー電池が高性能なので、このくらいのサイズでもかなりのパワーが取り出せるようだ。

オーディオ製品をバッテリー駆動するというのはいかにも音が良さそうである。本筋から言えば電源を改良してDC化するのが正しいのだろうが、とてもそこまで試す度胸はない。と言うことで、車のバッテリーが上がった時の準備も兼ねて(笑)、本来、アウトドア用である携帯バッテリーを買ってみた。

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Suaoki PS5Bという代物。記事で紹介されているものを見てたらそれより安いこっちに目が留まったのである。スペックを見るとAC出力は110V‐60Hz/300W(Pure Sine)とある。おお、110Vで60Hzである。東日本在住で電圧が不安定な家に住む者にとってなんと魅力的なスペックであろうか。

まあ、この価格である。AC出力生成方法については大して期待できない。少なくとも一流オーディオメーカーが販売するクリーン電源とは次元が異なるだろう。とは言え、周波数を変換する点については期待大。

頼んだ次の日に届いた実物は大きすぎず小さすぎずの良いサイズ。そもそもアウトドアに持ち出すことが前提なので、ポータブルである。充電はACアダプター、ソーラーパネル、カーシガレットと3通り選べるが、僕に必要なのはACアダプターのみ。到着した段階で半分くらいは充電されていたので早速接続してみる。

最大出力は300Wとされているが、充電が60~70Wなので充電しながらでも使えることを前提にすると最大50Wくらいで使いたい。となるとプリアンプとフォノイコライザー、それにターンテーブルくらいが用途だろうか。とりあえずプリアンプとターンテーブルを繋いでみる。両方、電源を入れると50Wから60Wくらいの消費量。プリアンプだけなら30W そこそこである。

結果が良ければめっけもんと思って導入したのだが、プリアンプに繋ぐと音を聴く前から思わぬ効果があった。それほど大きな音ではないが常時「ブウーン」とトランスが唸っていたのがもの凄く静かになった。米国製のプリアンプであるが正規品なので100V仕様。そうは言っても115V設計のアンプも多いので、以前、昇圧トランスを入れたこともあったのだが、トランスの唸りに変化はなかった。自称正弦波が良いのか60Hz変換が良いのかわからない。そもそもトランスと周波数に何か関係あるのだろうか?しかし事実は事実である。

そんなことで聴き始めたので正確な判断ができているかどうかあんまり自信ないのだが、我が家のコンセントから電気を引くより音は静かである。百歩譲っても悪くはなっていない。最弱音時に気になるトランスが静かになっただけでも僕にはめっけもんであった。

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プリアンプとターンテーブルを繋いだ時の画像。入力66W、出力47Wなので使いながら充電していることになる。なお、充電しながら使う場合と放電のみの場合で僕には違いがわからなかった。ただ、バッテリーの劣化が恐いので在宅中は充電せずに使っている。

ショスタコーヴィチ交響曲第4番 : ロストロポーヴィチ

ロストロショスタコ

ロストロポーヴィチのショスタコーヴィチ交響曲全集はナショナル・フィル、ロンドン響、モスクワフィルと3つのオーケストラとのコンビで完成されている。4番は自身の手兵だったナショナル・フィルとの演奏。

管楽器、弦楽器、打楽器のバランスが整った節度ある演奏と言うのが聴いての感想。管楽器が決して暴力的に咆哮しないので爆演好みの人には物足りないだろうが、金管が全面に押し寄せてこないおかげで弦楽器が良く聴こえる。特に低弦の動きがここまではっきりと見える演奏はあまりない。終楽章のコラールではティンパニが管楽器を隈取りするかのごとくアクセントをつけているが、この部分、演奏によっては打楽器とそれ以外の拍が合わずイライラするので、ロストロポーヴィチのアプローチは効果的に感じた。

録音は92年と比較的新しい。ダイナミクスも大きく、最強音でも余裕を感じる。やっぱり、こういう曲は録音が良いに越したことはない。

TD124その後

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昨年末にキャビネットを換装したTD124であるが、時間が経つに連れて馴染んできたのか換装直後より最近、一層快調である。

写真のとおり、ラック→エアボウのアナログ用ウェルフロートボード→アコリバのスパイク受け→リジットサブテーブルという置き方に落ち着いた。ウェルフロートボードを下に敷くとハウリングマージンを稼げることもあるが、それ以上に全高が増すことで見た目が落ち着く。リジットサブテーブルには足の長さが二種類あり、新品で買うなら僕の持っているものより足が長い方がデザイン的に合うと思う。

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アームは3009S2Improved、カートリッジはDS AUDIOのDS001でこれも変更なし。光カートリッジはSeries IVよりImprovedやSeries IIIに合う。要するにハイコンプライアンスMMカートリッジに合うアームの方がフィット感が高い。切れがいいのに重心が低いというなかなか両立が難しい要素が両立しているのが光カートリッジの良いところ。それを引き出すには軽めのアーム、軽めのシェルの方が良いみたいだ。

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使い始めてもうすぐ2年になるDS001。その後、上級機が二種類登場した。最上級機種は手の届かない価格帯になってしまったが、その技術をフィードバックしたDS001の後継機種DS002が最近発売された。イコライザーもアップグレードされてどんな音になったのだろうか?

最近、ディスコンになったDS001の展示機がぼちぼち売られている。定価から10万円強の値引きが多い。この性能、しかもイコライザー込みと考えれば個人的にはとてもお買い得だと思う。

ピロリ菌

12月の健康診断の結果、「ピロリ菌陽性につき治療必要」であることが判明。

数年前から胃カメラの映像を見る限りピロリ菌の存在が疑われると言われていたのだが、それならということで昨年春行った血液検査では陰性であった。

で、12月、今回は鎮静剤投与を希望して別の医療機関を受診したわけだが、そこでも同じ見立て。医師に春の検診結果を伝えるとその医師曰く血液検査では判定できないとのことで、今回はバイオプシーで組織診断をお願いした。で、陽性と判明。

海外出張出発直前に結果が届いたためすぐ医者には行けず、ようやく昨日受診できた。診察自体は実に簡単なもので健診時の医師とは異なる女医さんと二、三言やり取りするだけ。すぐに除菌のための薬が処方された。

隣のビルにある門前薬局に処方箋を持っていくと薬剤師に「ピロリ菌除去は二回目ですか?」と質問された。「いいえ、初めてです。」と答えたところ、薬剤師曰く処方箋に書かれた薬は初回除去に失敗した場合のものであると言う。あの女医、なんちゅーいい加減な奴!

幸い、薬剤師が医師とやり取りして初回除去用の薬剤をもらうことができたのだが、薬によっては順序を間違えると元に戻れないものもあるだけに細心の注意を払ってもらいたいものだ。今まで調剤薬局すべてにあれだけの数の薬剤師がいるのだろうかと訝っていたが、こういうことがあると必要性を認めざるを得ないなあ。

ちなみに薬は三種類のカクテル処方で一回に六錠。それを一日二回一週間連続して飲む。願わくば初回で出て行ってほしいものである。
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