マーラー交響曲第2番「復活」 : マゼール

マゼールの録音を初めて聴いたのは、CBSのベストクラシックシリーズの宣伝用LPだった。曲は「英雄の生涯」。英雄の戦いの部分の冒頭が収められていたのだが、「なんて格好良い音楽。なんて格好良い演奏。」と思った。ジャケットがまた良く、なけなしの小遣いを長い間貯めてLPを購入した時は本当にうれしかったものだ。LPなので盤面を裏返すのだが、この曲ではちょうど戦いの部分が始まるファンファーレまでが表面、ひっくり返すと続きのブラスが始まるというつながりになっていて、裏面の冒頭部分のみ結構聴いていた。高校生は英雄の功績とか英雄の晩年にはあんまり興味がないのだ…。

それ以来、好きな曲にマゼールの録音があるとついつい買ってしまう。正直言うと、必ずしもピンと来ないことも多いのだが、それでも買ってしまうのだ。僕にとって「外れかもしれないが、もしかしたらとんでもない名演かも知れない。」と思わせる数少ない指揮者だ。「英雄の生涯」だけでなく「幻想交響曲」や「惑星」、「ロミオとジュリエット」等々、この人以外にはできない演奏がある。

マゼールのマーラーはウィーンフィルとの全集である点を除くと必ずしも高い評価を受けていないと思うが、なかなかどうして面白い演奏である。マーラーが超メジャーなレパートリーでなった現在、全集で入手可能な盤に限定しても本当にたくさんの演奏に接することが可能となったが、バーンスタインのような個人的感情移入たっぷりの演奏を除くと個性的な演奏と感じるものは意外と少ない。(良い演奏は数多いが。)その中でマゼールの演奏は、やはりどこか他と違うと思う。ウィーンフィルが演奏しているからではない。例えば同じオケでもアバドやブーレーズの演奏からそういう印象を受けることはない。(それぞれ良い演奏はたくさんあるが。)

この「復活」は83年の録音。今から30年前、デジタル録音としては初期のものになるが、ネット上で散見される録音上の問題は感じない。少しステージが小さく感じるが十分鮮明だ。

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ショルティの演奏とはまったく違うアプローチだ。結構頻繁にリズムが粘る。メロディラインだけでなく副旋律が見通しよく聴こえたりして、たびたびハッとさせられた。オーケストラの統制は完璧。ウィーンフィルもへたうまではなく非常に巧い。この演奏、やっぱりマゼールしか為しえない。
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