ラヴェル管弦楽曲集 : インバル

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最初に聴いたインバルの演奏がブルックナーのロマンティック(初稿)だったのは不幸な出会いだった。ほとんどブルックナー初心者の頃に初稿の良さがわかるはずもなく(今だに良くわからない…)、演奏の問題というよりは版の問題であるにもかかわらず、聴いた後は「なんだこの指揮者は!」というほとんど怒りに近い気持ちしか残らなかった。録音史的な価値は高いし、その結果、日本におけるインバルの知名度は非常に高くなったわけだが、僕の中ではその日でインバルは終わってしまっていた。ほぼ同時にマーラーの全集も手がけていたが聴く気もなかった。

それ以来、長い間、この指揮者の演奏は一つも聴かなかったが、最近になってショスタコーヴィチの演奏を聴き、一気に評価が変わった。都響との演奏(10番)もなかなか良かったが、ウィーン響との4番を聴くに及び、この指揮者の実力を痛感した。

ということで過去のインバルの演奏を少しずつ聴き始めているのだが、今日、神保町のディスクユニオンに立ち寄ったところ発見したのがこのラヴェル管弦楽曲集である。4枚組みのCDでメジャーな管弦楽曲は網羅されている。ピアノ協奏曲はないが、代わりにラヴェル編曲ということで展覧会の絵が入っていたり、なかなか面白いセットだ。

このCDは輸入盤。良品廉売のブリリアントから発売されているが、クレジットにもあるとおり元は日本のデノン(コロムビア)の録音である。マーラーといいこのラヴェルといい、インバルに録音させた点、そして録音クオリティの点において、このデノンの仕事は見事だと思うのだが、なぜ海外でも自販しないのだろうか?今日、購入した4枚組みは未開封で900円!だった。新品で購入しても2,000円台前半らしい。となるとライセンスフィーは限りなく安そうだ。自動車や電気を除けば、日本の企業は海外に出ても自販しないでライセンスアウトしてしまうことが多いが、もったいない。外国企業を儲けさせるだけだし、せっかくブランドを確立させるチャンスなのに。DENONはオーディオメーカーとしても世界的なんだから、もっとがんばって欲しいなあ。

肝心の演奏について。最初に聴いたダフニスとクロエ(全曲)。ラヴェルの曲の中でボレロと並んでこの曲が大好きなのでこれまでいろいろな演奏を聴いてきたが、はるかに有名で定番と言われている演奏と比べても出色の演奏だと思う。フランクフルトではなくフランス国立管と演奏したのもやはりラヴェルには良かったかも。勢いや情熱ではなく知性と分析力で構築された演奏だが、オーケストラの音が鄙びた温かさがあるので全体の演奏の印象はソフト。録音は非常に鮮明。

どうやら、かなりのお買い得セットだった。
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