フランス音楽集(平林直哉復刻) : パレー

ポール・パレーの演奏はどれも非常に高いレベルなので、今まで何を聴いてもがっかりした記憶がない。クナッパーツブッシュのブルックナー5番のオープンリールテープ復刻盤が好印象だったので、パレーの指揮するフランス音楽集とサン・サーンスの「オルガン付き」他のテープ復刻CDを聴いてみた。

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フランス音楽集には「カルメン」組曲、「アルルの女」第一組曲、シャブリエの「気まぐれなブーレ」、ラヴェルの「マ・メール・ロア」、ドビュッシーの「イベリア」が収録されている。55年から57年にかけての録音なのでステレオ最初期の録音である。もともとマーキュリーの録音は定評があるのでこの復刻盤でどの程度音質が改善しているのかは定かではない。もし、マーキュリー盤が安く手に入るようであれば比較してみたい。

「カルメン」「アルルの女」の演奏内容は二つとも文句なし。ポピュラーなショーピースとしてもっと劇的な演奏はたくさんあるが、この演奏は作為はほとんど感じさせないのに説得力抜群。

「気まぐれなブーレ」という曲は初めて聴いた。シャブリエは1894年に亡くなっているのにとてもモダンな曲だ。知らないで聴いたらガーシュインみたい。

「マ・メール・ロア」は今まであんまり一生懸命聴いたことがなかったが、じっくり聴いてみると美しい曲だなあ。さすが、ラヴェル自身の思い入れが強かっただけのことはある。

録音状態だが、市販のオープンリールテープから復刻しているのでテープの保存状態によって鮮度に差があるようだ。録音が新しい順にシャブリエ/ラヴェル、ビゼー、ドビュッシーなのだが、一番新しいはずのシャブリエ/ラヴェルの音が一番古さを感じる。比較すると音がこもっている感じ。(聴きづらいことはない。)

この録音を聴いていると、頑固にアナログレコードにこだわり続ける人がいるのもわかる気がする。デジタルは「音が薄い」という意見を聞くが、確かにテープから復刻されたこの録音の音は「濃い」。中低音がどっしりとしたバランスで、そのせいか音がとても温かいのだ。だからってデジタルが「薄い」というのもおかしくて、実際、デジタル化されたCDを聴いても音が濃いのだからデジタル方式の問題ではなく、録音バランスの問題だと思う。ノイズから解放されSN比が上がったことで上も下もレンジが拡大した結果、「おいしい」音域が薄くなっているのだろうか?こういうアナログライクな最新録音も聴いてみたい。

ちなみにヒスノイズはかなりある。僕のようにLPやカセットテープのアナログ録音から聴き始めた世代は大丈夫だと思うが、物心ついた頃からCDという世代はノイジーだと感じるのかな?
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