マーラー交響曲第9番 : 飯守

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2008年オペラシティでのライブ録音。マーラーの交響曲の中でも人気がある9番だが、この曲は日本人の指揮者でも好きな人が多いのだろうか。全集を録音している小澤征爾は別格としても朝比奈隆、井上道義、大植英次、高関健、若杉弘、小林研一郎、山田一雄、飯守泰次郎と知っているだけで9人もCDが発売されている。

このうち、小澤、朝比奈、井上、大植のCDは聴いたことがある。中では朝比奈隆の演奏が一番のお気に入りで次点が井上道義。小澤征爾の演奏はいつもながらすっきりしていてこの曲にはあまり合わない。大植英次の演奏は一体どこがいいのか良くわからなかった。

飯守泰次郎はここでも東京シティフィルと演奏しているが、特に第一楽章でオーケストラの迫力が少し足りない。マーラーの場合、特に金管が最強奏する時などアンバランスぎりぎりくらいの咆哮をあげて欲しいと思うのだが、人数不足なのか力不足なのか、物足りない。ライブ録音のせいか音が少しこもりがちなところもマイナス。

もう一点、このCDは録音レベルがかなり低い。ので、最初から音量を普段より上げることをお薦めする。そうしないと余計、迫力不足に聴こえてしまう。なお、音量を上げれば上げるほど、飯守さんのうなり声や気合も威力を増すので要注意だ。この点においてこの演奏は今まで聴いたすべてのCDの中で最も迫力がある。

こうした欠点はあるものの、飯守泰次郎の指揮と曲の解釈は非常に優れていると思う。複雑な曲だけに、指揮者によってメロディライン以外を整理しすぎと思う演奏もあったりするのだが、この演奏はオーケストラの各パートのブレンドがちょうど良い塩梅でいろんな音が聞こえてくる。第二楽章と第三楽章は退屈してしまうことが多いのだが、大いに楽しめた。

最終楽章はこの演奏の白眉だ。じっくりと、しっとりと美しい旋律を演奏する。ゆったりとしたテンポで進み、二回目の頂点でもあまりテンポを上げない。ここでテンポを上げてそれまでの雰囲気を台無しにしてしまう演奏が非常に多い中、この解釈は大賛成。金管の出番が少ないせいか、一楽章と比較してオーケストラにも文句なし。

良い演奏だ。

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こんばんは。akifuyu102です。

私が持っているマーラーはバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルのLPレコードで交響曲第1番「巨人」だけです。

10代の頃に背伸びして買ったものの、ほとんど、まともに聴いていません。

ブログを始めてから多くの方々がマーラーの交響曲を記事にしているのを見て、最近、じっくり聴いて見たいなぁ、という気持ちになっています。

Re: こんばんは。

確かにブログでもHPでもマーラーを論じている人多いですよね。マーラーやブルックナーが好きな人は傾向的に薀蓄を語るのが好きな人が多いんだと思います。

自分も最初に聴いたマーラーはたぶん「巨人」だったと思います。ちょうどマーラーブームと同じタイミングでクラシックを聴き始めたのでラジオでも聴けましたし、当時のFMファンやレコパルにも新譜がたくさん紹介されていて少しずつ聴いていくうちにいつの間にか深い沼にはまった感じです。

ただ、僕の場合はほぼ常に「ながら」なんです。読書しながらとかネットしながらとか。「ながら」じゃないとマーラーやブルックナーは長すぎて聴けません…。なので、akifuyu102さんにも気楽に聞き流すことをお薦めします。

そうしているうちに「巨人」が気に入ったらいろいろな演奏を聴いてください。指揮者によってものすごく演奏が違うのがマーラーの楽しみの一つです。

「巨人」の第二楽章のリズム一つとっても最初の音をものすごく引っ張る指揮者もいればまったく伸ばさない指揮者もいたりして、いろいろな解釈があるのでたくさん同曲異演盤を買ってしまうんですよ。で、ついつい、その違いを語りたくなっちゃったりするんです。

「ながら」良いですねぇ。

いやぁ。マーラーの楽しみ方、良い助言を頂きました。
マーラーやブルックナー、構えず、もっと気楽に聴いて見よう
と言う気になりました。

Re: おはようございます。

ぜひぜひ気軽にたくさん聴いてください。そして違いを語り合いましょう(笑)
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