マーラー交響曲第2番「復活」 : ジンマン

ジンマン・チューリッヒトーンハレ管弦楽団のマーラー全集はバーンスタインの情熱の対極にある。

バーンスタインに比べれば客観的で冷静なアプローチのアバドやブーレーズとも、純音楽的かつ豪快なショルティの演奏とも違う路線だ。もっとずっとクール。しかし、この人ならではのやり方で、スコアに根拠のある範囲で細部にこだわった演奏なので聴いていて面白い。他の演奏では聞こえない音がいろいろ聞こえてくる。

ジンマンのマーラーは9番、7番に続いての購入になるが、このSACDも5枚組み2,000円コーナーで発見。スウィトナーのシューマンは定価も1,000円そこそこの通常CDだったが、これは二枚組ハイブリッドSACDなので値落ちが著しい…。きっと買ってがっかりの人が多いのだろう。

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第一楽章、冒頭のコントラバスの斉奏を聴いてこれは人気ないだろうなぁと思った(笑)。なんてったって迫力がまったくない。ブロムシュテットの演奏で書いたが、この曲はこの部分でがっちり聞き手の心を捉えないと後が続かない。まあ、そこは指揮者がジンマンである。少し我慢して聴いてみる。するとやはりなかなか面白い。ヴァイオリンのフレーズを切ってみたりつなげてみたり。他の演奏なら大爆発するようなところを意図的に抑えてみたり。飽きさせない。

二枚組SACDの一枚目には第一楽章のみ収録。マーラーの指示どおり、第一楽章終了後、ゆっくり休憩時間が取れるように配慮されている(のだと思う。)ということで僕もここでコーヒーを淹れて飲むことにする。

30分後、鑑賞再開。第二楽章はジンマンの室内楽的なアプローチに合うので安心して聴ける。第三楽章はティンパニがここまでの展開では予想外の迫力をもって開始する。第四楽章の落ち着いた叙情を含め、中間楽章はみんな出来が良い。

最終楽章は壮麗なドラマが展開される。この楽章に限れば音圧も十分。盛り上がるところはきちっと盛り上がる、が、全体の印象はやはり非常に静かだ。最強音でもなんというか熱を帯びない。丁寧なクライマックスまで実にコントロールの効いた演奏である。この曲に嵐のような展開や破綻一歩前の強烈な盛り上がりを期待する人には物足りないかもしれないが、マーラーの場合、そうした演奏は結構選択肢が多いので、個人的にはジンマンのような演奏があっても良いと思う。

録音は弱音から強音までダイナミクスが非常に大きく、加えてSACDなので基本の録音レベルが低い。かなり音量を上げないと弱音が聴こえない。このSACDを聴いて第一楽章冒頭で嫌いにならないためには、いつものヴォリューム位置から思い切って上げて聴く方が良い。

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