読書

僕はあんまり活字を読まない。本が嫌いというわけではないが、小さい頃から読み物にはあんまり興味がなかった。写真集だとか地図とか百科事典みたいなものは大好きなのに。

だから作家の名前も良く知らないし、いわゆる名作と呼ばれる書籍も読んだことのないものだらけだ。歳を考えると恥ずかしい限りである。

厳密に言うと一度だけ突然読書魔になったことがある。大学二年の十月から一ヵ月半くらいの期間だ。今から振り返ると少し鬱状態だったのかもしれない。もっともなぜ鬱状態になったのかは定かではない。行き先を見失ったような、エネルギーが足りなくなったような状態になって、当時借りていたアパートの部屋からほとんど出なかった。寝ている時間以外はまるでそれまでの借りを返すように本を読みまくった。

確かサガンが皮切りだったと思う。なぜサガンか?その経緯はまったく覚えていない。とにかくサガンから始まって、後は、罪と罰とか大地とか嵐が丘とか老人と海とか、聞いたことのあるようなタイトルの本を片っ端から読んでいった。

不思議なことにこのとき読んだ60冊近くの本の内容は、今、たった一行も覚えていない。本当に読んだのかという気すらする。現実には紛れもなく読んだし、これらの本はしばらくの間僕の部屋に誇らしげに積んであった。本を読むという行動は表層的なものでその時間精神はずっと違うことに向かっていたのかもしれない。

今、どうやらその時以来の波が僕を訪れているようだ。幸か不幸か仕事をしている今は本を読む時間は大学生時代に比べて大幅に限られているが、読書しながら音楽を聴くのが今の僕の楽しみだ。

大学生の頃から20年以上が経過し、同じ本を読んでも感じ方はずいぶん違う。何を言いたいのかわからなかった文章におぼろげながらも意味を感じたり、自分を重ね合わせたり。温かい気持ちになったり哀しくなったり。

汲めども尽きぬ泉のように、読みたい本は山ほどある。今度はじっくり読んでいきたいと思う。
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