Lyric V-LA1

2005年から2010年の5年間、秋葉原(厳密には湯島)にレフィーネ&アネーロという石丸電気のハイエンドオーディオショップがあった。ここはダイナミックオーディオやオーディオユニオンに比べると一つの階のフロア面積が圧倒的に大きく、その中にステレオサウンドでしか見たことのない高級オーディオがたくさん並べてあった。

平日の昼間に訪れたせいか店内にはほとんど客の姿がなく、店員さんたちも余裕があったのか明らかにハイエンドオーディオを買えそうにない僕のリクエストに応えていろいろなシステムを試聴させてくれた。お目当てはディナウディオのサファイアだったがセッティングがイマイチで良くわからなかったので、アヴァンギャルドやらクオードの静電スピーカーやら興味本位で聴いていたのだが、その中で良い音だなあと思った組み合わせが一つあった。スピーカーが何であったかについてはまったく記憶がない(笑)のだが、そのスピーカーをドライブしていたのはブラックモデルのOCTAVE V80だった。見た目もハンサムな真空管アンプである。真空管アンプを聴いたのはその時が初めてだった。というか、後にも先にもこの時一度きりだ。

以来、真空管アンプにはずっと興味を持っていたのだが、なかなか自分で所有するに至らなかった。V80はもちろん、その下のV40SEでもかなり高額だし、デジタルアンプのコストパフォーマンスを考えると真空管アンプのメリットは限りなく少ない。それにスピーカー、CDプレーヤーと比較するとアンプの違いは意外と小さい。アンプを何台も持っていても結局は一台しか使わないし、そこで真空管アンプをメインにする気もなかった。

というようなわけでずっと縁がないままかと思っていたのだが、この間の週末、LyricのV-LA1が我が家に届いた。比較的小ぶりな真空管アンプだ。発売元のLyricはNmodeブランドで1ビットアンプを販売している。もともとシャープの1ビットアンプを開発した方が退職後に設立した会社だ。つまりSM-SX10の開発者でもある。

DUSSUN R30i一台で聴いていたところに春頃SM-SX10の中古を追加したのだが、夏の暑さもあって結局、涼しいデジタルアンプしか聴かなくなった。今回、ほぼ不要と化してしまったDUSSUNを下取りに出し、V-LA1を購入した次第。

箱から取り出してみるとトランスが重いので意外なほど重量感がある。一昔前のアンプやキットものと比較してバイアス調整が自分で簡単に出来たり、ボリュームや入力切替に加え、UL接続と3極接続がリモコンで切り替えられたりと最新型だけに非常に便利。電源を投入してしばらくウオームアップを待ち、とりあえずイメージ的に合うジャズを聴いてみる。

真空管アンプと聴いてイメージするファットでかまぼこ型の音ではない。思いのほかさっぱりとしてスムースな音だ。OCTAVEのアンプもしっかりとした現代的ワイドレンジな音だったが、このV-LA1も典型的な真空管サウンドではないのかもしれない。とはいえ、SM-SX10との比較においてはV-LA1の方が低域はたっぷりとしている。全体に少し艶があって暑い国の空気のように適度な湿度感がある。こちらの方が、ハイエンドオーディオを見ることも聴くことも叶わなかった頃にイメージしていたハイエンドオーディオの音がする。

ジャズに引き続き、クラシックやロックも聴いてみた。クラシックも悪くない。透き通るような見通しの良さはSM-SX10だが、楽器の音色や、ここでもやはり空気の湿度感がなんともいえず魅力的だ。

このアンプは真空管の交換もできるのだが、まずは標準の真空管でじっくり聴き込んでみようと思う。


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真空管アンプ、たまりませんねぇ~。

真空管アンプ、良いですね。あのオレンジ色の灯りがなんとも心を落ち着かせますね。昔から憧れていました。ああ、ほし~い。真空管アンプの本でも買って気持ちを落ち着かせよう。

Re: おはようございます。

僕も長い間の憧れがようやく現実になりました。
真空管の灯りを眺めているだけで癒し効果抜群です。V-LA1は音も最近のアンプと比較して違和感がありませんし、良い選択だったと思います。
今度はSM-SX10の出番がなくなりそうです…
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