マーラー交響曲全集

高校の入学祝に祖父から大きなLP全集を二つも買ってもらった。こんなチャンス二度とないと思ってものすごく長い時間をかけてレコードを選んだ記憶がある。田舎のレコード屋には期待できない。秋葉原の石丸電気レコード館に叔父と一緒に行った。叔父はクラシック音楽にまったく興味がなく、本当に退屈だったと思う。よく最後まで付き合ってくれたものだ。

あーでもないこーでもないと自問自答を繰り返した後、最終的にはベートーベンとマーラーの交響曲全集を購入した。ベートーベンが9枚組み、マーラーが16枚組みだったと思う。確か9000円と13000円だった。LPのサイズが大きいこともあるが、今のCDのBOXセットに比べるとかなりの大物だ。ライナーノーツの類もちょっとした読み物といったボリュームがある。とにかく中学三年生を狂喜させるに十分の品物だった。

当時、悩みに悩んで最終的に購入したのは両方ともサー・ゲオルグ・ショルティの指揮する全集だった。ベートーベンはすべてシカゴ響との演奏だが、マーラーはシカゴとの録音が現在進行形のタイミングだったのでロンドン響、コンセルトヘボウとシカゴ響のミックスで全集が構成されていた。

1983年の話である。ベートーベンの全集は当時でもけっこうな種類の選択肢があった。カラヤン、ベーム、ヨッフム、オーマンディ、クーベリック、ワルター等々ステレオ録音に限ってもレコード屋で悩むに十分な枚数である。他方、マーラーの全集はその段階ではバーンスタイン、ハイティンク、クーベリック、ショルティがすべてだったのではないだろうか?

その後、マーラーの曲はどんどん人気が上がり、いまや百花繚乱という状況だ。HMVやアマゾンでマーラー交響曲全集と入れればびっくりするほどの数がヒットする。この30年間に僕もおびただしい量のマーラー録音を聞いたが、本当につまらないと思った演奏はほとんどない。このフレキシビリティというか懐の深さがマーラーの人気を支えているのだと思う。

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