マーラー交響曲第9番 : マゼール

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先日、購入したマゼールによるマーラー交響曲全集を少しずつ聴いている。2番、6番に次いで聴いたのが9番。9番は僕が一番好きな曲なので、マゼールによる演奏も過去に聴いたことがある。その時は期待に比してあまり感動がなくほとんど印象に残らなかった。むしろたいしたことがないという否定的な印象が残ったといってもいい。

その時と聴く装置も変わったし、自分自身も歳を取ったのでなるべく先入観を捨てて聴いてみた。

第一楽章、以前聴いたときにはそう思わなかったが、かなりの力演だ。マゼールの演奏を醒めたとか無機的とか人工的と評する人が多いが、そういう印象は受けなかった。最初の盛り上がりからウィーンフィルも熱演である。楽章の終わりまで緩みの無い優れた演奏。

第二楽章、テンポが遅すぎると感じる演奏が多い中、意外に快速なテンポで始まるものの楽章が進むにつれだんだん減速する印象。この楽章のウィーンフィルの音色はやはり良い。本来、田舎のオーケストラ風に演奏されるべき楽章だが、田舎というには鄙びた音でも品が良すぎる。

第三楽章、フレーズとフレーズの切れ目がはっきりしているので、一つ一つの音を置いて並べていくような印象を受ける。録音バランスのせいなのか、この楽章だけオーケストラが小さくなったみたいに感じる。こういうのを室内楽的というのか、何というのか?演奏は見通しがよく、主メロディに付随して木管、金管、いろいろな打楽器がさまざまな形の装飾を施しているのが良く聴こえる。最後は一気にテンポを上げて断ち切るように終わる。

終楽章、テンポは速めだ。ウィーンフィルが演奏していることの意味が最もあるのがこの楽章だと思う。もったいぶったところがなく音楽は前の楽章と正反対に淀みなく淡々と流れていく。風の強い日、雲が空を流れていくような感じだ。速めに始まるだけでなく、楽章の真ん中くらいまでどんどんテンポが上がっていくように感じる。途中でテンポが一旦落ち着いた後、二度目のピークが訪れるが、弦楽器によるクライマックスの後の金管によるコラールは個人的には少し速すぎて落ち着かない。この部分だけ古い交響曲みたいだ。

2番、6番と同様、評価が難しい演奏だと思った。個人的にはベスト盤ではないが、きっとまた聴きたくなるだろうとも思う。

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