バッハ ピアノ協奏曲第3番 : グールド/ゴルシュマン

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僕の場合、グールドのバッハと言えばなんといってもゴールドベルグ変奏曲だ。一度目の録音ではなく、二度目の録音。1981年に録音されたその演奏を聴いたのが初めてのグールド体験だった。ゴールドベルグ変奏曲という曲を聴いたのもその時が最初だったが、前奏のアリアの後、第一変奏を聴いた瞬間にその演奏の虜になった。なんというリズム感、なんという生命力。ピアニストによって曲の輝き方が本当に違うんだということを教えてくれた一枚だった。

バッハのピアノ協奏曲はその多くがヴァイオリン協奏曲をはじめとする別の協奏曲の編曲なので、ピアノ協奏曲として演奏されることはさほど多くないと思う。第3番はヴァイオリン協奏曲第2番の編曲。ヴァイオリン協奏曲は有名曲なのでいろいろな演奏を聴いたが、ピアノ協奏曲の方はこのグールド盤を所有するのみ。他の演奏と比較したこともないのだが、この演奏を聴くと他の演奏はいらないかな、と思う。

開始早々から生命力に溢れ溌剌とした演奏だ。楽譜を完全に読み込み、隅々まで計算し尽くされた演奏なのに、歌に溢れインスピレーションの閃きのまま即興的に演奏しているように感じさせる。雄弁で表情豊か、同時に格調高い。フレンドリーなのに完璧で他を寄せ付けない。上品で優美であると同時に孤高で峻厳なバッハの曲の演奏として高い極みにある演奏だと思う。
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