レーザーターンテーブル

アナログターンテーブルが欲しいと思っているのだが、心のどこかに「いまさら」という気持ちがあって相変わらず悩んでいる。

先日、針で音を拾うのではなくレーザーでレコードの溝を読み取りそれをアナログ出力する「レーザーターンテーブル」についてブログにコメントいただいたのを機に製造販売元に資料を請求したところ、カタログや雑誌の取材記事とともにデモCDが送られてきた。ちなみにこの機械、軽自動車くらいの価格なので購入するには相当の覚悟が必要となる。

今、そのデモCDを聴いているのだが、これがなんとも複雑な気持ちにさせる代物だった。

まず最初の8トラックは同じレコードを針再生した場合とレーザーで再生した場合の比較となっている。比較対象は傷ついたり反ったりしたレコード、さらにダイナミックレンジが広すぎてカートリッジでは上手くトレースできないレコードなので、この部分は音質よりもまずレコードを再生する能力についての比較と言って良い。こうした難しい状況下でもレーザーはとにかく再生を行うことが可能であり、この部分において本家の再生を上回っていることは間違いない。

その後は計10トラック、レーザーターンテーブルで再生したクラシック、ジャズ、ロック、ポップスが聴ける。本当はこの部分こそ通常のレコードプレーヤーとの比較が聴きたいのだが、残念ながらそれは叶わない。

音楽を聴いての感想なのだが、最初の8トラックも含め、これがものすごく良いのだ。特に最初の8トラックはレーザー再生でもかなりのノイズ(プツプツ、ザラザラというあれである。)なのだが、そのノイズの向こう側(こちら側かな?)に聴こえる音はなんとも温かい、丸い音だ。なるほど、これはこれですごく良い。ダイナミックレンジが狭かったりノイジーであっても音楽を聴く上ではたいした問題ではないのかもしれない。

と思いつつ、複雑な気持ちというのは、一体、このデモCDで聴いているのは何なのか?というのが良くわからなくなってしまったからだ。だってCDを聴いているんだから。このCDロムがどういう過程で製作されているのかについて説明がないが、おそらくターンテーブルのアナログ出力からAD変換したのだと思う。その後、紛れもなくCD規格で録音されたCDロムを聴いて音が良いと思うのはどういうことだろうか。

ノイズが聞こえるのが懐かしいだけだろうか。あるいはノイズがあるがゆえに相対的に演奏が浮かび上がるのだろうか?レンジが狭かったりやSNが悪いのがゆえに心地よい音域が強調されて、それがいい音に感じるのだろうか?
うーん、良くわからない。

どれだけコストを掛けてもアナログは出来の良いデジタル機器に叶わないと断言する人がいる一方、CDはまったく聴く気にならないという根強いアナログファンもたくさんいる。こうした方の中には純粋に音質比較してもアナログディスクとアナログプレーヤーの方が音が良い、音が良くないとすればそれは再生装置の問題だという人もいるが、果たしてどうなんだろうか?一度、超弩級アナログシステムの音でも聴いてみないとわからないかな。

ますますよくわかならくなってしまったが、一つだけ言えるのは、この音は間違いなく当時聴いていた音だということだ。CDの最後でユーミンとナイアガラ・トライアングルの曲が聴けるのだが、30年の時を越えてあの頃に帰ったような気がする。あの頃聴いていたレコードプレーヤーやFMチューナーをぐっと高級機に替えたら、きっとこういう音だったんだろう。そんな気持ちになった。
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物置のLPの状態は確認されましたか?

ばけぺんさん、こんばんは。

エルプ社も中々買い手がいないのか営業熱心ですね。
レーザーターンテーブルはLPレコードを1枚再生するのに、やはりコストが
掛かり過ぎますね。生涯にあと何回LPレコードを聴くでしょうか。
いくら性能が優れているとは言え、コストを考えると悩みますね。

アンプやスピーカーはそれなりに長期間使用しますが。LPプレーヤとなると
どうでしょうか。
物置の奥深くに長期間保管されておられるLPも今のCDに負けない音質のもの
は枚数も限られてくると思うのですが。(大変失礼なこと言ってすみません)
まずはLPの状態確認をして見て、そして再検討されてはどうでしょう。

Re: こんにちは

akifuyu102さん、コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、レーザーターンテーブルは価格を考えてもLPを山ほど持っている人向けですね。特にLPをアーカイブしようと思っている方には素晴らしい製品だと思います。

物置の奥深くのLPですが、文字通り奥深すぎてまだ発掘できていないんです…。出てきてもご指摘のとおりクオリティ的にはCDとは比べるまでもないと思います。実際に聴いていたころも特に丁重に扱っていたわけでもありませんし、保管も段ボール箱ですから。

今後、聴いていくとしても中古LPが中心になると思うので、プレーヤーもそこそこのもので雰囲気を楽しむのが正解かなあと思ってます。
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