ホルスト「惑星」 : スヴェトラーノフ

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スヴェトラーノフ/スウェーデン放送響のライブシリーズからホルストの「惑星」がリリースされた。スヴェトラーノフに「惑星」のイメージはまったくなかったが、調べてみるとフィルハーモニア管とのセッション録音(91年)が残されている。ライナーノーツによればロシア(ソ連?)での「惑星」の初演はスヴェトラーノフの指揮だったらしい。ロシアでの「惑星」第一人者ということか。今回のCDは94年のライブ録音である。

「火星」から期待に違わず異色の演奏だ。非常に落ち着いたテンポ。知っている限り最も遅い。遅いだけでなく重心が低い。重心の低さが功を奏して非常にスケールの大きな演奏となっている。テンポは遅いが間延びした感じはなく、このアプローチもありだなと思わせる。

「金星」はとても美しい。「火星」同様、とてもゆるやかなテンポだが、曲想にぴったり。優美な演奏だ。静かな曲だけに途中何箇所か聴衆ノイズが入るのが惜しい。

このテンポで「水星」は大丈夫かと思ったら、ここは一転して軽快。決して速くはないが、常識的なテンポ。「金星」同様、弦楽器の響きがとてもきれいだ。

「木星」もまたじっくりしたテンポで進む。小細工はなくインテンポでまっすぐ押し切る。有名なAndante Maestosoの主題は自分が今まで聴いたすべての演奏の中で最も感動的。この部分を聞くだけでもこのCDを買う意味があると思う。

「土星」はスヴェトラーノフのアプローチにぴったりの曲だ。が、正直言って、この演奏の中では多少、魅力に乏しい。もともと曲が単調なので色彩豊富に演奏してくれないと飽きてしまう。

快速なテンポでオーケストラの妙技を誇示するような演奏の多い「天王星」だが、ここでもスヴェトラーノフの演奏は一味違う。生理的快感を得たいと思うと空振りに終わる。むしろ弱音が聴き所。

「海王星」は女声コーラスが最高。ライブ録音のせいか声が生々しい。神秘性を強調しすぎて何がなんだかよく聴き取れない演奏もあるが、この演奏は一音一音はっきり聴き取れるし、それによって不思議な和声が余計、引き立つ。

全体で54分19秒。手持ちで速いスタインバーグが45分台、カラヤンが48分台、ちょっと遅めのオーマンディが51分弱なのでスヴェトラーノフの遅さが際立つ。

オーケストラはちょっと奥に定位するが、録音は十分良好。チェレスタ等一部の打楽器を除き自然なバランスで収録されている。
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スヴェトラーノフ

ばけぺんさん、こんばんは。

火星の重心の低さ、木星が感動的・・・
またまた興味惹かれるCDです。

それにしても、スヴェトラーノフのレパートリーになっているとは。
先入観を持たず、色々聴いてみるということですね。

おはようございます。

sankichi1689さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

正直言って興味本位というかB級グルメ的なノリで買ったのですが、聴いてみたら非常に良かったです。

メジャーな指揮者とオーケストラによる「惑星」の録音にありがちなショーピース的要素はほとんどありません。そういう意味ではこの曲の大家であるボールトの演奏をちょっと思い出しました。

木星は深々しみじみ歌い上げる感じで僕は大変気に入りました。

購入決定!!!(*^_^*)

ばけぺんさん、こんばんは。

どっしりと重厚でゆったりとしたテンポの「火星」、良いですねぇ。
それに「木星」のAndante maestosoの旋律が過去最高に感動されたとか。
もう記事を読んでいると私も手元に置いておきたくなりました。(^^)
11月の購入計画に入れました。(^^)

Re: おはようございます!

akifuyu102さん、おはようございます。

わー、なんだか責任重大な気持ちがします。
私はとても気に入ったのですが、万一、ご趣味に合わなかったらごめんなさい。

オーディオテスト用みたいな演奏とは一線を画する味のある演奏だと思います。
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