ブルックナー交響曲第3番 : ショルティ

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ショルティ/シカゴ響によるブルックナー交響曲全集の中でも最終盤に録音された演奏。92年の録音。この後は3年後に0番と1番が録音されている。察するにこの2曲は全集完成のためにショルティが改めて楽譜を勉強して録音したのではないか。

演奏はショルティ/シカゴと聴いて想像するとおり。シカゴ響は弦楽器ももちろん素晴らしいのだが、トゥッティでの主役は常にそれを音圧で圧倒する金管楽器群である。金管奏者同士の競演もすさまじい。どの奏者も一歩も引かずといった印象だ。長く伸ばす部分を直線的に吹ききるのもいつもどおり。

しかし、どんなに力一杯の演奏でも金管が下品になったり旋律が破綻しないのがシカゴ響のすごいところだ。どうしても金管の影に隠れがちだが、全奏から金管が抜けた時にふいに露になる弦楽器の音色にはうっとりする。

この演奏、ふんだんにワグナーの旋律の引用がある第1稿でも、それがほとんどすべて削除された最もメジャーな第3稿でもなく、マイナーな第2稿を使用している。いろいろと違いはあるが、何よりスケルツオの最後にコーダが付随している点が大きく異なる。第3稿の演奏に慣れているとあれっとなるが、この部分、僕は気に入っている。盛大でなかなか良いではないか。

終楽章の開始はどなたかがブログに書かれていたが、確かにSF映画のオープニングみたいだ。「スタートレック」でも始まりそうである。いつものとおりカラッと乾いたデッカの録音も相まって、ブルックナーの荘厳さも神聖さも知らんと言わんばかりの明るいブルックナーだ。好みは分かれるだろうが、純粋に音楽の表現としてここまで突き詰めてくれれば文句なし。聴き終えてスカッとする名演だと思う。
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第2稿

ばけぺんさん、こんばんは。

私も持っています。ノヴァーク第2稿のショルティ/CSO。
スケルツォのコーダ。これだけでも聴く価値ありだと思っています。
すさまじいです。

おはようございます。

sankichi1689さん、おはようございます。コメントありがとうございます。

おー、ショルティ、お持ちでしたか。

私も同感です。このすさまじいコーダがショルティ/シカゴ響の演奏を象徴していると思います。この録音で聴く限り、第2稿、とてもよいと思います。
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