レコードとCDの聞き比べて思ったこと

プレーヤー購入以来、LPべったりで手元にあるレコードを端から聴いている。20年ぶりに聞くLPに興奮気味なのだが、それを差し引いてもすでに繰り返し書いているように古いレコードの音が良いのに驚いている。ノスタルジーもあるだろうが、それだけでは説明つかないくらいの音の良さだ。

物置から見つけたLPの中に同じ演奏をCDで持っているものがあったので聞き比べをしてみた。

マーラー交響曲第9番 : バーンスタイン/NYP

1965年に録音されたバーンスタイン最初の9番。手持ちのLPは75年プレスで9番と10番(アダージョ)が組み合わせになっている。ジャケット写真の画像を引っ張ってこようと思ったのだがネット上で発見できず。国内盤だ。

対するCDの方はNYPとの全集12枚組の中の1枚。
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この全集では、6番と9番が3枚組になった68年発売のオリジナルLPのジャケットデザインの紙ジャケに2枚のCDが入っている。

このようにオリジナルのLPは6番と9番の組み合わせだったのだが、おそらく75年録音の10番が登場した時に9番と組み直してリマスタリングしたものが手持ちのLPだと思われる。片やCDはすべてDSDリマスタリングされた音源である。

各楽章、冒頭から5分くらいをLPとCDで交互に聞いてみた。なおCDの方は二系統で聞いており、その前と後でLPを聞いたので一つの楽章につき都合4回聴いている。

アナログ機材 Victor QL-A7, AT-F7, LHH-P700(フォノイコ兼プリアンプとして使用)
デジタル機材 ①SONY SCD-DR1, Chord DAC64Mk2, LHH-P700(プリアンプとして使用)
         ②PS Audio PerfectWave PWT/PWD, LHH-P700(同上)

LPからCDに切り替えるた瞬間、ダイナミックレンジが広がりSN比が良くなる。ステレオイメージも広がる。一方、デジタルの方は特に弦の音がパサパサしている。特に①の組み合わせにそれが顕著。ホールトーンもエコーも減るようだ。②に切り替えると音にもう少し潤いと艶が出るが、リズムの切れは逆に交代する。もう一度LPに戻ると音の艶とエコー成分がさらに増える。左右の広がりは減るが前後、特に奥行は増す。

同じ音源でもかなり音が違う。のだが、直接比較しているので音が違っていることが確認できただけで、一つ一つの機器で聴いている限り、それぞれの音に大きな不満は感じないだろう。ただ、聞こえてくる演奏の印象が異なりそうだ。

この音源について言えば、デジタルの①で聴いたら音色が少し陰気で瑞々しさが足りないと思うかもしれない。他方、②で聴いている限り、そうした印象は受けないだろう。しかし、バーンスタインの9番はやっぱり再録の方がいいなとは感じるかもしれない。LPで聴く場合、誰の指揮によるいつの録音かということはほとんど気にならなくなり、名曲の熱演を聴いたという印象が強く残る。良い面もあるが一つ一つの楽器が奏でている音の正確な再生という点ではやはりCDに劣っているのかもしれない。結局、どこか曖昧で適当なところがアナログの限界であり良いところなのかな。

プレーヤーを見ると、回転しているレコードが少し波打っているみたいで、それにつられてアームがゆらゆら揺れている。ダイレクトモーターは作用反作用の法則に則って常にプレーヤー本体を逆回転させる力を生み出しているだろうし、そんなところからもこのシステムがオーディオ的にとても不安定なものであることは間違いない。人智を尽くしてこうした不安定を解消しようとしたのがデジタル技術だったのだろうが、結果を聴いてみると音楽を楽しむという点ではまだまだ功罪相半ばと言った感じだ。

とはいえ、どっちが良いと決めなくてはいけない問題でもない。こうした不完全を打破するために努力を惜しまなかった人たちのおかげで今や昔とは比べ物にならないほどたくさんの音源が手に入るようになった。これからもそうした努力は続けられるだろう。自分の好みで自分なりの音楽の聴き方ができる時代にただただ感謝である。



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こんばんは。

先日、スヴェトラーノフ指揮の「惑星」のCDを聴いていて思ったのですが、「金星」の極めて静寂な場面で咳をする聴衆がいました。普通ならば幻滅しそうなところですが、気にならなかった、むしろライヴ録音独特のリアルさを感じたのです。LPレコードにおけるS/N比の問題やスクラッチノイズも良い演奏の前では脳がマスキングしてしまうのかも知れませんね。
本当に手軽に良い音で音楽が楽しめる時代になったものです。今年はそれを肌で感じました

おはようございます。

akifuyu102さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

「金星」の咳、大きな音ですよね(笑)でもたしかに僕も鑑賞上、特に気にはなりませんでした。

コメントをいただいて思ったのですが、最近、以前に比べて圧倒的にライブ録音が増えているにもかかわらず、聴衆の気配すら感じない録音が多いですね。もしかしたらノイズを除去しているのでしょうか?SN比があまりに良いと背景が真っ暗な感じがしてむしろ音楽が頭に入ってこないような気もします。人間の感性って複雑ですね。
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