ハイドン交響曲第93番、第94番 : ヨッフム

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(ジャケット写真は「Fan Fan」さんのブログからお借りしました。)

「福袋」公約のBox Setはヨッフム/ロンドンフィルによるハイドンのロンドンセット。71年~73年にかけてセッション録音されている。93番から104番まで6枚組のセット。(写真のものほど美品ではなかったが、)しっかりした造りのハードジャケットにレコードが収められており、中のライナーノーツも立派なもの。前の所有者の方は大切に保管されていたようで、レコードにほとんど傷がない上、ライナーノーツの中にこのセットを含むグラモフォン交響曲大全集のカタログまで入っていた。

カタログによるとこの交響曲大全集は「ポリドール株式会社創立20周年、ポリドールインターナショナル創立75周年」記念で企画されたようだ。曲目としてはヨッフムのハイドンセット以外にベートーヴェン(ベーム)、シューマン(カラヤン)、ブルックナー(ヨッフム)、シューベルト(ベーム)、ブラームス(アバド)、シベリウス(カム、カラヤン)、マーラー(クーベリック)、モーツァルト(ベーム)、メンデルスゾーン(カラヤン)、ドヴォルザーク(クーベリック)、チャイコフスキー(マイケルティルソントーマス、アバド、アツモン、ムラヴィンスキー)の各交響曲全集が含まれている。全12巻93枚組157,000円という壮大な企画物である。Wikipediaによると日本ポリドール株式会社の創立は1953年、このLPの発売は74年なのでおそらくオリジナルプレスだろう。

昭和49年の段階でブルックナー、マーラーの全集はどのくらいニーズがあったのだろうか。こういう経緯で販売されたとは露知らず、つい先日、神保町のディスクユニオンで同じ体裁のジャケットに入ったクーベリックの全集LPを見かけたのだが、躊躇しているうちに売れてしまった。買っておけば良かった…。

ラインナップを見るとブラームスの全集がアバドの指揮なのはちょっと意外。それにチャイコフスキーのみ、ずいぶん雑多な組み合わせだが、4番~6番のムラヴィンスキーだけが先に決まったということだろうか。ついでにちょっと調べてみると74年は第一次オイルショックの影響で狂乱物価の時代。一年間で消費者物価指数が23%も上がったらしいが、それでも大卒初任給は67,800円ということなので、157,000円というのは相当高い。現在なら50万円くらいということか。それぞれ分売されているが、ハイドンセットだけでも10,000円。現在価値なら30,000円、一枚あたり5000円である。手元のセットが大切に保管されてきたのもそう考えると納得。それに最近の新譜LPが5000円くらいするのに閉口していたのだが、価値で比較したら昔に戻っただけとも言えそうだ。いずれにしても大全集をフルセット揃えた人はどのくらいいたのだろう?

すっかり話が横道にそれてしまった。ロンドンセットの入り口である93番と94番を聴いたのだが、一言で感想を言ってしまうと「すごく立派な演奏」である。正しい演奏と言っても良い。ハイドンの楽しさを十分に伝えつつ、格式を感じる、格調高い演奏なのだ。ミンコフスキーの演奏は才気に溢れていて素晴らしいと思ったが、このヨッフムの演奏は20世紀以降の演奏史の正常進化という感じで大きな構えで深々と音楽を聴かせてくれる。「驚愕」のびっくりは定番のびっくりだし、オーソドックスの極みだが、水戸黄門の印籠のようにわかっているけど拍手喝さい的な良い演奏である。交響曲大全集の一部を担うのに相応しい名演だ。

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