ベルリオーズ「幻想交響曲」 : ブーレーズ

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ブーレーズの幻想交響曲にはずっと新しいクリーブランド管との録音もあるがまだ聴いたことがない。こちらはロンドン交響楽団との演奏で67年の録音。幻想交響曲と対になるレリオがパッケージになっている。

まず聴いたのは物置から救出したLP盤。オリジナルではなくソニーが企画した家庭向けクラシック名曲選の中の一枚。おそらくこのシリーズをまとめて売却した人がいて、中古レコード屋に並んでいたのを買ったものだ。

この演奏、実に面白い。第1楽章から第3楽章まではごく普通の演奏なのだが、4楽章と5楽章が異様にテンポが遅いのだ。この部分だけ拡大写真を見ているような演奏である。

楽譜がないのでベルリオーズの指定したテンポがわからないが、少なくとも第4楽章のテンポは他の演奏では聴いたことのない遅さ。テンポが遅いのに演奏はかなり荒々しい。すべての楽器がかなりの音圧で演奏するのに一向に熱くならない。面白い解釈だと思う。終楽章も熱狂という感じではない。

実は、このLPを購入した記憶すらなかったのでまさかレコードが残っていると思わず、最近タワーレコードの企画で復活したこの曲と「レリオ」が対になったCDを購入している。これは比較するしかない。と思い、早速、4楽章を聞き比べてみた。

まず、LPで聴いてからCDを聴く。実に背景が静か。やはりSN比が高いのは良いことだ。定位も分離も特に問題ない。ステージも左右に大きく広がる。が、なんとなく元気がない。ような気がする。よく言えば上品だが、さっきLPで聴いた時の方がはるかに迫力があったような…。

もう一度LPに戻すと、やはり気のせいではなく、聴こえてくる音楽がかなり異なる。まず、弦も管もLPの方が瞬発力がある。メリハリがあるといっても良い。それに鮮度が高い。これはマスタリング時の調整によるものだろうか?それとも大元のマスターテープが劣化しているのか?あるいはLPの方がダイナミックレンジが狭くていわゆるドンシャリの味付けなのか?いずれにしてもどちらが迫力ある音楽を聞かせるかと言うと、LPだ。

次に同じCDを今度はSCD-DR1の内蔵DACからアナログで出力して聴いてみる。前から思っていた通り、SCD-DR1の方がPWT/PWDよりも少し音楽に荒々しさが加わって勢いがある。悪くない。そうか、SCD-DR1の音はアナログの肌合いに近いのか。

ここでもう一度PWT/PWDに戻す。今度は少し音量を上げてみる。あくまで感覚値だが、楽章冒頭のティンパニの音で音量を合わせる。それでもやっぱり違う。音場はずっと奥に展開し、ステージも広いのだが、広がったステージを音が埋めきれない感じがする。それに、雑味をすっかり取り去った結果、音楽の元気もなくなってしまった感じだ。

4楽章しか聴き比べていないが、この曲のこの演奏に関して言えば、LP→SCD-DR1→→→PWT/PWDという結果だった。が、もし私の部屋がきちんとしたオーディオルームでアンプの力一杯無制限に音量を上げられたら印象はずいぶん違ったかもしれない。というのも、PWT/PWDからは出るべき音がすべて出ていると思うのだが、上から下までフラット過ぎて、この時間に聴ける範囲の音量では線が細い。他方、耳に心地良い帯域に迫力が出る音量まで上げると近所迷惑になってしまいそうだ。

もう一周、比較しようとも思ったのだが、肝心の音楽を聴く時間がなくなってしまうので止めました。
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