ベートーヴェン交響曲第7番 : カラヤン

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1978年ベルリンフィル本拠地でのライブ録音。ライブのカラヤンは凄い!とは聞いていたものの、2004年に発売された同音源のCDは廃盤になって久しく、今まで聴くことができなかった。うれしいことに昨年末に再発売となり、めでたく購入。オリジナルはカナダ盤だったようだがこのCDは版元からライセンスを受けて日本でプレスされているので逆輸入盤ということになる。

ベートーヴェンの7番と春の祭典という面白い組み合わせのCDだ。カラヤンのスタジオ録音盤「春の祭典」は完全否定する人も多い。そういう意味ではカラヤンにしては珍しい録音だが、新旧とも私は非常に優れた演奏だと思っている。ライブ盤にもとても興味があるのだが、美味しいものは最後に取っておくタイプなのでまずは7番を聴いてみた。

なるほどセッション録音とはかなり違うカラヤンの演奏が聞ける。まずテンポがぜんぜん違う。セッション録音でも総じてスマートなテンポのカラヤンだが、速くても優雅なそれらと違って演奏に勢いがある。前へ前へという推進力がすごい。クレッシェンドのたびにほんの僅かだが加速する。

細部よりも大きな流れを重視した演奏だが、レガートを多用して流れるようにメロディが奏でられるところはやはりカラヤンである。そしてどんな急流でも濁流でも絶対破綻しないベルリンフィルの技術は圧巻。こういう演奏なので全曲中の白眉は終楽章。最初から全開で最後まで突き進む感じ。弦楽器が次々にバトンを渡しながらオーケストラ全体がうねるようにクライマックスに突入してそのままの勢いでフィナーレを迎える。終わった途端にブラボーも納得の演奏だ。

HMVのレビューでも皆さんべた褒めの演奏で、私も素晴らしい演奏だと思ったが、セッション録音とこのライブ録音とどっちを取るかと言われると微妙な感じ。これは一期一会でその場で聴いた人には最高の演奏だったろうし、私も初めて聴いたので新鮮な喜びを感じたが、繰り返し何度も聴くかなあ?

それにしても感じるのはカラヤンのプロ意識の高さ。ライブを聴きにきた聴衆には最高にスリリングな演奏を聞かせながら、繰り返し聞かれる録音としてはこうした凄演すらOKを出さずにひたすら音を磨いたセッション録音をたくさん残したのだから。すごい指揮者である。

録音はまずますというレベルだが、十分に演奏の見事さを伝えてくれる。
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こんばんは

セッション録音は特に終楽章の低音ぐいぐいで圧巻の演奏ですが、ライヴはお恥ずかしいながら知りませんでした。ファン垂涎ですね。
ライヴ音源が商品として次々発売されるのは、あまり多いと、ちょっとなぁ~という気もしてくるから不思議です。

こんばんは。

sankichi1689さん、こんばんは。

まったく同感です。一つか二つで十分だと思います。カラヤンくらいの指揮者になるとライブ音源になり得る演奏の数は星の数ほどありそうですし、それらが大量に出てきたらあんまり聴く気にならないと思います。「これで決まり!」って演奏を誰かに教えてもらわないと買う気も沸かないし買うお金も足りないですね(笑)。

このライブ録音、確かに凄いのですが、私はむしろセッション録音のレベルの高さを再確認しました。
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