マーラー交響曲第6番 : アバド

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クラウディオ・アバドが亡くなった。享年80歳だからアバドもいつの間にかお爺ちゃんだったのだが、映像で見る近年の指揮姿は実に優雅で格好良かった。

アバド/シカゴ響の6番は79年の録音。アバドが46歳の頃の録音で、私にとって初めてのアバドのレコードだった。その頃の私のゴールデンスタンダードはショルティだったので、最初にこの演奏を聴いたときは「生ぬるい」という感想だった(笑)。雑誌ではみなこの演奏を絶賛していて、LPの解説もそうだが、アバドの演奏によって古い演奏スタイルは完全に過去のものになったという論調が多かったと思う。仮にワルターやバーンスタインが古い演奏スタイルだとすれば、遡ること9年前のショルティの録音の方がよっぽど古い演奏スタイルを否定していると思うのだが。

とにかく初対面はそんな印象で余り良くないし、この曲に限らずベルリンフィルとの再録、あるいはさらにその後の演奏の方が質は高いと思うのだが、アバドが亡くなった今、このレコードは私的に忘れることのできない一枚である。

LPでこの演奏を聴くのは実に久しぶり。おそらく30年ぶりくらいに聴いて思ったのは、アバドの指揮がとても「若い」ことだ。積極的にオーケストラをドライブしている。演奏に粗野なところは皆無で弱音はとてもデリケートなのだが、この難曲を知性と力でねじ伏せてやろうという気持ちが伝わってくる演奏である。晩年のアバドの指揮からは力みや作為がなくなったにもかかわらず音楽からは自発的な熱意が伝わってくるようになったが、ここではまだ若いアバドが自ら仕掛けている。こういう演奏も悪くない。永久保存盤だ。
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