ClearAudio Smart Matrix

昨年末にレコードプレーヤーを購入して以来、レコードとCDを聴く割合は9対1くらいで完全にアナログ派になってしまった。たまにCDを聴くと圧倒的なSN比に感動するのだが、こと音楽を聴くという点ではアナログほど身が入らない。自分でも不思議な現象だ。

最近では世界的にアナログ回帰が進んでいるらしく、ジャズやロックについてはレコードの新譜も結構ある。しかし、クラシックについてはデッカ等アナログレーベルの企画物以外、新譜はほとんどない。したがって年明け以降購入したLPはほぼすべて中古である。新しくても80年代の製品であり、すでに30年選手ということになる。レコードを買ってきたら、まず盤面の掃除が必須となる。

今まで、精製水に薬用エタノールを少量混ぜた液体を霧吹きに入れ、これを盤面に吹きかけてガーゼでごしごし磨いた後、別のガーゼでふき取っていた。原始的なやり方だがまあまあ効果がある。エタノールを用いることについては盤面への長期的な影響で否定的な意見がある一方、汚れの除去やかび防止には有効らしい。しかし、エタノールを使うことの問題は肌が荒れることだ。個人差があると思うが、私の場合、指が荒れて痒くなってしまった。

手で盤面を磨きながらずっと気になっていたのがレコードクリーニングマシーン。そういうものがあることは承知していて実は前から欲しかったのだが、なんとも価格が高い。レコードに興味があります程度ではとても手を出せない価格である。しかし、今やかなりの時間をレコードと過ごしているし、ノイズが減るだけでなく針にも優しいということなら買う意味がある。最近は、どの製品をどこで買うか、真剣に考えていた。

レコードクリーニングマシーンにはpro-jectの製品のように手動でレコードを回転させ薬液とブラシで盤面を掃除し後は自然乾燥するものと、細かい手法の違いはあるがレコードを薬液とブラシで盤面を掃除した後に汚れた液体と埃をまとめてバキュームで吸引するものがある。さらにはこうしたプロセスがすべて半自動化されているハンルのマシーンのような高級機もあるのだが、ハンルの製品は50万円以上するのではなから検討の対象外。一方、手動の製品については、手作業と実質的に変わらないと思い検討から外した。

残ったオプションで製品を探すとおそらく一番人気があるのがVPIのHW-16.5という製品(定価134,400円)。ついでNITTY GRITTYというメーカーのBasicモデル(84,000円)。それに今回購入したclearaudioのSmart Matrix(176,400円)。どれも基本的な発想は同じ。それぞれ借りて試してみるのが一番なのだろうが、相当面倒である。いろいろネットで情報収集していたら、まさにこの三機種を比較したレビューを発見した。

Record cleaning round-up

結論として最も評価が高いSmart Matrixに狙いを定めて海外での購入先を探していた。個人輸入しようとおもうほどレコードクリーニングマシーンという製品は内外価格差が大きい。それぞれの国内定価は上記のとおりだが、アメリカの店ならHW-16.5が大体700ドル程度、NITTY GRITTYが500ドルくらい。clearaudioはドイツのブランドなのでアメリカでも1500ドルくらいするようだが、ヨーロッパならもっと安いだろう。ネット上でも私と同様、かなりの方が個人輸入している様子。

なかなか良い店が見つからないでいたところ、運良く国内のショップでsmart matrixの型落ち新品を発見した。型落ちと言ってもリンク先に紹介されている製品そのものである。この製品は現在モデルチェンジして名前もsmart matrix professionalとなっている。現行品は小振りになった以外、機能的にどう違うのかは良くわからない。多少の違いはあるにせよ新品が定価の半額で手に入る機会はそうないので迷わず型落ちの製品を買うことにした。

昨日、家に品物が到着したのだが実物はかなり大きい。まあ、写真を見れば真ん中にあるターンテーブルのサイズから全体の大きさをイメージできるのだが、現物の存在感は想像を超えている。置き場所一つとっても大いに困るサイズである。現行品が小さくなったのは大正解だ。

説明書を読むまでもなく、操作は単純。ターンテーブルにレコードを載せたら、付属の洗浄液をつけて回転させ、ブラシでこする。この製品はテーブルを逆回転できるので正逆二回転くらいずつこすったらバキュームユニットで液と汚れを吸い取る。これだけである。全工程で片面1分程度。バキュームはびっくりするほど大音量で、まさに掃除機と同じ音がする。ダイソンに勝るとも劣らないノイズレベルである。説明書には、長時間作業する際には耳を保護するようにわざわざ注意書きがある(笑)。たしかに音楽を聴くための作業で耳を悪くしたら洒落にならない。

それにしても、これが定価176,400円の製品とは恐れ入る。要するに掃除機付きターンテーブルである。日本の家電メーカーが量産すればもっと静かでもっと強力な同等製品がきっと10,000円で作れる。それとも人知れずすごいノウハウが詰まっているのだろうか?

ちなみに、この製品は消耗品も極端に高い。マイクロファイバーブラシが3,000円、交換用のマイクロファイバーが2,000円。それぞれ実にちゃちな代物である。さらに500ml入りの専用洗浄液が6,000円弱、バキュームアームに至っては12,000円!もする。形状的に専用品が必須と思われるバキュームアーム以外は代替品を考えたくなる。「そんなに文句言うなら買うな。」という声が聞こえそうだが、せめてもの抵抗としてここに不満を書き残しておきたい。

肝心の効果について言うと、これがまた(悔しいくらい)はっきりとノイズがなくなり静かになる。価格は高いが効果も予想以上である。今までかなりの力でごしごしこすっても除去しきれなかった汚れまでバキュームが吸い取ってくれるようだ。バキューム直後はまだ少し湿っているのでしばらく自然乾燥することがお薦めのようだが、そのままプレーヤーにセットしてもまず大丈夫。ほとんどの盤で新品並みにノイズから解放される。針を落としてから演奏が始まるまでのスクラッチノイズが少なくなったのでボリュームがついつい上がりがちになる。考えようによってはこの製品以上に音質改善効果が明らかな製品もない。

しつこいようだが、せっかく良い製品なので、国内でももっと安く売られることを期待する。
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スマートな外観ですね

ばけぺんさん、こんばんは。
新品が半額ですか、良いのが見つかりましたね。
でも消耗品がすごく高い。これも掘り出し物を見付けないといけませんね。
それにしても洗浄効果が予想以上とは良い買い物でしたね。(^^)

半額でも痛手です。

akifuyu102さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

今回新品が入手できたのはラッキーだったのですが、半額でも十分痛手な金額でした。。。消耗品類の補充は100枚単位で掃除してからの話ではありますが。これだけ高いと洗浄液もついついケチってしまいます。

ただ、本当に効果てきめんです。
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