関が原

司馬遼太郎の「関が原」を読んだ。受験科目に歴史がなかった僕は高校を卒業するために申し訳程度に日本史を学んだだけなので本当に歴史に弱い。関が原と言えば東海道本線と北陸本線の分岐点であること、そのため町であるにもかかわらず新幹線が止まること、そしてはるか昔から陸の要衝なのに今現在も(車窓から見る限り)驚くほどのどかな町並みであることを知るのみだ。

もちろん関が原の戦いという言葉は知っている。徳川と豊臣との戦いだったということも知っていたが、その人間模様、そして徳川家康がどれだけ戦略家であったか、ということをこの本を通じてしみじみと理解した。

映画「のぼうの城」で有名な忍城を攻めきれなかった武将、石田三成。この「関が原」の中でも頭脳明晰なことが災いして人間の弱さ、ずるさを理解できないことが致命的な弱点として描かれている。が、その一方、自らを引き立てた豊臣秀吉に対する忠義、近江の民から慕われた名領主としての一面、大谷吉継や島左近らの三成に対する忠誠等、三成がひとかどの人間ではなかったこともまざまざと描かれていて本当に読み応えがあった。

たった19万石の小大名だった三成が数百万石の大大名徳川家康をもし打ち破っていたら日本のその後はどうなっていただろうか。考えても仕方ないことだが、ふとそう思った。

そう、この本を読みながらずっと僕は石田三成のことが好きなのだ。頑迷で感じの悪い男だが、自分の信じた正義に忠実だ。だからこそ少数ながら三成の博打に同意し、敗戦濃厚となっても討ち死にを恐れない盟友がいたのだろう。それに比べると家康のずる賢さや戦況を見て利を選ぶ諸武将はどうしても好きになれない。彼らのような利口者が世の中いつも勝ち組なのかもしれないが。

日本の歴史に燦然と輝くこうした大武将に自分を重ね合わせるのはあまりにおこがましいことかもしれないが、死に臨んで自分の人生を振り返ったとき、素直に自分を認められる生き方を選びたい。

「関が原」の終盤、大谷刑部吉継の死に様と、黒田如水と初芽の会話のくだりがとても良い。
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