ストラヴィンスキー「春の祭典」 : マイケル・ティルソン・トーマス

マイケル・ティルソン・トーマス/ボストン響による「春の祭典」を聴いた。録音は72年。MTTが若干28歳の時の録音ということになる。今まであまり考えたことがなかったが、これって結構すごいことではないだろうか。なお、MTTはこの曲を含むストラヴィンスキーの管弦楽曲を現在も音楽監督を務めているSFOと90年代後半に録音している。

28歳の指揮者とは思えない緻密な演奏だ。どちらかというとインテンポで抑制的に淡々と進む感じだが、全曲を通じてリズムの切れは鋭く、難曲をやすやすと演奏している。

50年代、60年代には演奏が至難の曲というイメージだった「春の祭典」は70年代以降、たくさんの録音が出てきて一気に一般化が進んだ。「春の祭典」の演奏史では60年代のブーレーズによる録音が転換点として歴史に残ると思うが、この演奏はそれとは違った意味でエポックメーキングだと思う。「そんなに大騒ぎするような曲ではないですよ。」とでも言わんばかりに汗一つかかずクールに演奏している感じだ。

ボストン響の演奏も素晴らしい。少しデッドな録音のおかげでオーケストラの音が混濁せずそれぞれの楽器の音がクリアに聴きとれる。アバドの演奏の方が総じて優秀だと思うが、それより4年前に残されたこの演奏も実に見事である。
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