Ortofon SPU E GM

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Nelson holdに付けたMC30WをRigid Floatに装着して快適に音楽を聴いていたのだが、いつものハードオフにOrtofonのSPUの中古が売られているのを発見し、これまた例のごとく衝動買いした。

OrtofonのSPUといえばアナログ好きならおそらく知らぬ者のいない有名カートリッジ。とか言っても、私自身が知ったのはつい最近のことである。社会人になる前にはアナログが絶滅危惧種になっていたので、もっぱらLPを聴いていた学生時代は存在すら知らず、今年に入ってから貪欲に情報を収集する中でSPUのことを知った。MCカートリッジの元祖であり、それ以降のカートリッジは多かれ少なかれ影響を受け、今でも多くのレコードファンが使っていると聞いていつかは試してみたいと思っていた。

このカートリッジ、今でも現役で購入できる。価格は安くはない。一番スタンダードのSPUが実売6万円台で一番高いクラスのものは20万円近い。しかし、モダンなMCカートリッジに30万円超のものも数多いことを考えると安いとも言える。(言えないか。。。)まあ、しかし、私の場合はやはり中古で購入した。価格は3万円。最近のオークションの落札価格より安かった。

歴代のSPUは見た目が同じようでも相当数のバリエーションがあり、同じ型番でも古い方が良いと言う人もいる。オルトフォンが日本法人を作って以降のSPUはそれほど人気がないようだ。私が買ったものはその人気がない時代に属する。

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この写真の下にあるように「SPU E GM」と記載されているのだが、これは一般にSPU-GEと呼ばれている種類のSPUだと思う。(違っていたら詳しい方、教えてください。)

とにもかくにもNelson Holdを外してSPUを付けてみた。このカートリッジは重量級なのでアームの錘をかなり後ろに下げてようやくバランスが取れる。追加の錘をViv Laboratoryに発注してもっと根元でバランスをとった方がベターかもしれないが、一応、ノーマルでもきちんと使える。Nelson Holdに比べるとスクエアの形状だけにアジマスの調整はしやすい。レコードに下ろすのもこっちの方が楽である。

最初に聴いたのはスタンゲッツのJazz Samba Encore!これは非常に録音が良いレコードだが、冒頭の女性の声に続いてゲッツのサックスが流れた時に「これは凄い!」と思ったのだが、喜んだのはその瞬間だけで、その後しばらくは何を聴いても失望だった。

MC30Wに比べて高音も低音もきちんと出ない上に高音が耳に障る。カートリッジを替えた時は素性がわかりやすいピアノと室内楽をよく聞くのだが、スメタナ四重奏団の演奏するシューベルトの弦楽五重奏曲はまるで知らないうちにヴァイオリンを安物に替えてしまったように薄っぺらくいらいらする音をまき散らすばかりだった。

いくらなんでも実力を出していないと思って、水平を確認したり、裏側の白いカバーを取り外したり、リード線の接続を確認したり、針圧を重くしたり軽くしたりいろいろ試してみたのだが、大きな変化はなかった。所詮、50年前のオールドタイマーなのか、それとも外れの個体を引いたか。

それでもあきらめきれずに聴き続けていたところ、少しずつ音が変わってきた。中低音は厚みを増し、高音は太めの温かい音に変化してきた。設計の新しいMC30WやAT-F7に比べてレンジは狭く感じるが、長時間ずっと聴いていても疲れない。もっと聴きたいと思う音だ。きっとこのSPUは長い間使われずにいたのだろう。ダンパーが固くなって本来の性能が発揮できずにいたのが、少しずつほぐれてきたのかもしれない。

カートリッジに限らず、オーディオはずっと同じ機材を聴き続けていると耳のエージングが進んで音の善し悪しが良く分からなくなってくる。1週間くらい連続で聴いた後にMC30Wに戻してみた。

一言で言えばMC30Wの方がオーディオ的スペックは高い。ワイドレンジだし一つ一つの音をより細密に再生する。考えてみれば新しいだけでなくこっちの方が定価も高いのだから実力がないのもおかしな話だ。このカートリッジで聴くレコードも実に魅力的で良い音である。

しかし、結局、一日聴いた後にSPUに戻してしまった。何が理由かと言うとうまく説明できない。また元に戻すかもしれないが、今のところ、SPUで音楽を聴きたい気分である。

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