SME Series III

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TD321Mk2にはMicroのMA707Xが付いているのだが、もともとアームレスプレーヤーなのでアームは交換可能である。音の善し悪しは関係なく、交換できると知っていると交換したくて仕方がない。交換の仕方がよくわからないので手をつけずにいたが、その間、Rigid Floatを追加して二本のアームをしげしげと眺めたりカートリッジ交換でバランス調整したりするうちに、だんだんアームの動作原理がわかってきた。調整用のネジやダイヤルがいろいろあるので複雑そうに見えるが、原理は単純なものだ。だんだん、自分でも交換できそうだと思うようになり、ついに昨日、交換にチャレンジした。

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これが交換前の姿。右上に見えるアームボードごとアームを取り外し、そこに新しいボードとアームを設置する。

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まず、ターンテーブルを取り外す。トーレンスのプレーヤーはテーブルが二重構造なので、最初は外側のアウターテーブルを外したところ。

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ベルト、インナーテーブルを外し、裏蓋のネジを緩め、アームとアームケーブルごとボードを外す。

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アームボードを外したところ。中は空洞だ。

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取り外したMA-707X。5ピンのフォノケーブルかと思っていたが、そうではなくてボードの裏側にターミナルがあった。これは他の場所で使うにもけっこう大変そうだ。とりあえずしばらくお休みしていてもらおう。

交換するアームはSMEのSeries IIIにした。興味を惹くアームはたくさんあったが、アームボードを手に入れることを考えるとメジャーブランドが良いし、頼りないほどフレームがフラフラのTD321Mk2には重量級アームは合わないと思う。

SMEのアームにもいろいろあるが、実際に手に入れようとすると意外と選択肢は限られる。オークションで程度の良いものを落札するのも簡単ではない。どうしようかと思ってプレーヤーを購入したショップのホームページを見たところ、3009 S3が売られていた。アームはほとんどが売り切れで残っているのは数少ない。SMEはこれだけだった。
Series III(オーディオの足跡さんのサイト)

Series IIIはSMEにとって画期的な製品だが、ユニバーサルマウントをやめてしまった上、見た目も精密金属機械といった風情の先代までと打って変わってプラスチッキーなので、所有欲をくすぐる製品ではないようだ。しかも、当時、このアームが想定していた軽量・ハイコンプライアンスのMMカートリッジは時代とともに衰退し、今やミドル・ローコンプライアンスのMCカートリッジが主流なので、いよいよ人気がなさそうである。(だからこそ売れ残っていたのだろう。)

しかし、私はこのデザインがかなり気に入った。他に選択肢もないし、速攻で購入した。ネットで注文したので2日くらいで現物が到着した。すぐには取り付けられないので、しばらく眺めたり触っていたのだが、あちこちがガタガタと動くし、全体に予想以上に華奢で、何かの拍子に大きな力がかかったら簡単に壊れそうである。不安定な状態で保管するのも嫌だったので早く取り付けしたかったのだが、懸案のアームボードが見つからない。実は購入ショップで穴あけ加工込みで13,000円と言われたのだが、このショップ、腕は悪くないと思うのだが良くも悪くも適当なので、今回は遠慮した。加工するのに図面もないと言うし。。。

まあ、何とかなるだろうと思ったのだが何ともならず、困り果てていたところ、ある日、ネットで私と同じTD321Mk2のオーナーの方のブログを発見した。この方は私とは比較にならないような知識を持たれていて、トーレンスのプレーヤーのことをいろいろ記事にされているのだが、その中で321Mk2のアーム交換を掲載されていて、そこで交換していたアームがなんとSeries IIIだった。すごい偶然である。もちろんアームボードは新品に交換されている。思い切ってコメント欄でボードの購入元を聞いてみた。2か月以上前の記事でご覧になるか心配だったが、数時間後には返信をいただいた。eBayで台湾の業者から購入されたとのことで、親切にそのサイトのアドレスも教えてくれた。早速、eBayに行って速攻で購入。送料込みで60ドル。日本の価格の半分以下である。落札から5日後、昨日、ボードが無事に届いた。

さて、アームを取り外した後は順次、新しいアームを組み付けていったのだが、残念ながら写真が一枚もない。外す方は余裕綽綽だったのだが、付ける方は予想以上に大変で写真どころではなかった。特徴的なSMEのスライドベースをアームにネジ止めするだけでも微妙にネジの長さが短かったりして四苦八苦。挙句の果てにようやく組み付けて音出ししたところ、右チャンネルの音が出ない。あちこちチェックした結果、ピンジャックのところで断線が判明。中学の授業以来の半田付けをする羽目になった。幸いなことに、とにもかくにも音が出るようになったが、やっぱり素人には簡単な作業ではない。特に中古やオークションでアームを入手する場合にはいざという時には自分である程度の修理ができる必要があると思う。できれば、信頼できるオーディオショップに相談しながらチャレンジする方が良さそうである。

組みあがったTD321Mk2とSeries IIIからは努力が報われる音を聞くことができた。軽量アームなので軽量カートリッジであるAT-F7を装着したが、軽量という言葉から想像するとびっくりするほどの低音が出てくる。イメージと実際の音が違う。錘の範囲ぎりぎりになるがもう一つのキャリングアームにMC30Wを装着してみる。このカートリッジは重量、針圧、コンプライアンスともSeries IIIの本来の想定と異なるが、中低音がたっぷりの音が聴ける。アームの押さえが効かずに響いてしまっているのかもしれないが、この音も面白い。総じて何を聴いても予想を超えて良い。まあ、苦労して自分で取り付けしたからかもしれない。先のブログ主の方に報告したところ、「苦労した後は気のせいか音も良く感じますね。」とコメントいただいた。やっぱり、そうか。

この組み合わせは見た目もよろしい。と思う。

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どうだろうか?
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いい仕事してますね~(^^)

ばけぺんさん、こんばんは。

SMEの3009/SeriesⅢに交換されて凄くかっこ良くなりましたね~。音溝を確実にトレースしてるって見た目にも感じますよ。それにしてもばけぺんさんのレコードは綺麗ですね。愛着を持って取り扱っておられる状況が見えるようです。
本題から外れますが交換後のモノクロ写真、良い味出してますねぇ。

お褒めいただき嬉しいです!

akifuyu102さん、こんばんは。コメントありがとうございました。

思った以上に大変でしたが、出来上がりは苦労が報われるものでした。予想していた以上にアーム交換による音の変化は大きかったです。察するにRigid Floatももっと良い音で鳴るはずなので、まだまだ工夫の余地が大きいみたいです。

中古レコードは買ったらすぐにSmart Matrixでクリーニングしています。けっこう綺麗になります。写真では朝日にやんわり照らされて余計艶があるように見えますね。最近はiPhone写真でごまかしていたのですが、今日はせっかくなので割とちゃんとしたデジカメ(コンパクトですが)を使いました。やっぱりレンズの違いは大きいですね。
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