ピアノによるワーグナー・コンサート : グールド

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グレン・グールドはピアノに編曲された管弦楽曲を何枚か録音していて、それらのレコードには中高生の頃、とても興味を惹かれたのだが、結局、限られた予算の中で買える数少ないアルバムの対象となることはなく、CD時代にはすっかり存在も忘れていた。

先月末、中古アルバムをけっこうまとめて購入した際、このアルバムを発見。これだけでなくリスト編曲のベートーヴェンの交響曲もあったが、まず一枚試しに聴いてみようと購入したのがワーグナー・コンサート。先に結論を書いてしまうとベートーヴェンも買うべきであった。まだ残っていることを祈る気分。

一曲目の「マイスタージンガー」、もう最初の数十秒ですっかり虜になってしまう。もちろん、原曲が好きだと言うこともあるが、原曲の良さを存分に残しつつ、グールドのバッハと同様、ピアノの響きと絶妙なリズム感でまったく違う魅力を伝えてくれる。計算されつくしているに違いないのだが、演奏からは即興性のようなものを感じる。たくさん装飾音が付されているが、一音一音無駄な音は一つもない。なんて凄い演奏なんだろう。

「神々の黄昏」も「ジークフリート牧歌」もそれぞれ素晴らしい演奏だが、個人的には最初の「マイスタージンガー」が一番好きだ。最初のインパクトが強すぎただけで、もしかしたら、聴き続けていくうちに違う感想を持つかもしれないが。

この時代のグールドとホロヴィッツのソニー録音に共通して感じるのだが、ピアノの音が独特に響く。録音のせいではなく、この二人のタッチが特別なのかもしれない。余韻には少し、ワウを感じる。だからといって、この演奏の価値に傷をつけるようなことは全くない。
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