最新版「名曲名盤500」

最新版「名曲名盤500」という見出しが目に入ったので久しぶりにレコード芸術を買った。

「名曲名盤300」は何度かあったようだが、前回「名曲名盤500」が企画されたのは86年~87年ということなので28年振りの更新である。今回購入した5月号が初回で次回以降は8月、11月、それに来年まで続くということだからかなり大がかりな特集だ。1回目はバッハからベルリオーズまで、作曲者で言うとJ・S・バッハ、バルトーク、ベートーヴェン、ベッリーニ、ベルク、ベルリオーズの6人。Bには巨匠目白押しなので、ブラームスもブルックナーも控えているし、この特集が長期に渡るのもよくわかる。

評者の得点の合計で順位が決まるので、いきおい有名盤に点が集まるだろうし、平均点が高い演奏が上位に来る可能性も否めないが、こういう企画は大好きである。

考えてみると今回対象になっている作曲者について90年代以降の新譜はあまり知らない。社会人になってからは、マーラー、ブルックナーばかり追いかけていた。この間、往時の定番演奏の評価がどう変わったのか興味津々である。

ということで、ワクワクしながら読み始めたのだが、冒頭のバッハで(勝手な)期待は早速裏切られた。1曲目の管弦楽組曲、2曲目のブランデンブルク協奏曲はいずれもリヒターが一位。リヒターの録音は50年前の演奏であり、30年前にも歴史的名盤だった。だからこそ歴史的名盤なのだろうが、あんまり新鮮味がない。曲によって細かい異同(もちろん前回の順位を覚えているわけではなく、記憶との比較。)はあるものの、鍵盤曲は全部グールド、宗教曲はリヒター、アーノンクール、ガーディナーといったところが並んでいて、新しい名前は鍵盤以外の器楽曲に見つけることができるのみ。

バルトークも状況は一緒でライナー、ブーレーズ、アルバン・ベルクと、まさに定番のまま。

少々、残念な気持ち(というのもおかしいのだが。。)で読み進んだところ、うれしいことにベートーヴェンの交響曲では大きな変化があった。「音楽いろいろ鑑賞日記」のakifuyu102さんが何度もお奨めされているP・ヤルヴィの演奏が大躍進だ。カルロス・クライバーの録音が残った3曲、フルトヴェングラーの「合唱」、ワルターの「田園」は点数上越えられなかったが、それ以外の交響曲はすべて1位。(6、7番以外の7曲で1位か2位。)古楽器演奏、ピリオド奏法の登場以来、ベートーヴェンの演奏は新旧演奏スタイルが入り混じって点数も相当ばらけているので、その中でこれだけ安定した評価はすごい。ヤルヴィのベートーヴェンはまだ聴いたことがないので早速聴いてみなくては。

ベートーヴェンの交響曲では僕が好きなショルティは全9曲で1点も評が入らず、バーンスタイン/VPOもほぼ姿を消した。初出の頃に評価が高いとは思わなかったアバド/BPOがそこそこ上位にランクインしており、ほぼ同じ時期に出て両極端に違う演奏スタイルだったシャイーとティーレマンは双方ともぼちぼち評価されている。フルトヴェングラー、ワルター、クレンペラー、セル、クリュイタンスといったモノラル・ステレオ初期の演奏も顔を出しているし百花繚乱の様相。なかなか面白い。

同じベートーヴェンでも交響曲以外は定番スターソリストの名前が続いてあまり変わり映えしない。つい先日記事を書いた「ハンマークラヴィーア」では僕の感想と真逆でポリーニが圧勝で1位。R・ゼルキンの演奏は一人が最高点をつけただけだった。これから、この人の評論はちょっと注目してみよう。

ベルリオーズの「幻想」は予想通りミュンシュ/パリ管が1位だったが、2位にMTT/SFO、3位にミンコフスキがランクイン。両方とも未聴なので近々これも聴いてみたい。
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こんばんは

P・ヤルヴィの評価は私にとって嬉しい結果です。
どんな風に評価されているのかレコード芸術を確認してみたいです。(^^)

それにしても500曲を評価する作業はかなりの労力でしょうね。
個性的な意見の評論家もいたり、自分とフィーリングが合う方もいたりと
面白そうですね。

こんにちは。

akifuyu102さん、こんにちは。コメントありがとうございました。

1位の演奏にしかコメントがないのがちょっと物足りないのですが、P・ヤルヴィが最多得票だった4曲についてはほぼ絶賛と言って良い評価です。伝統的なベートーヴェンの演奏(といって良いのかな?)はフルトヴェングラーとワルターによる2曲のみですからベートーヴェンに関しては演奏の主流は確実に変わりましたね。

確かに500曲、すべてを一から再評価するのは大変な作業ですね。おそらくかなりの部分、記憶との比較だったり一部の録音のみの評価になってしまうのだと思います。そういえば宇野氏もいないですし、評論家陣も少しずつ若返っているようです。
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