マーラー交響曲第9番 : ノイマン

マーラーの交響曲第9番は僕がクラシック音楽の中で最も好きな曲だ。高校入学祝でもらった交響曲全集でこの曲を聴いて以来、もう30年が過ぎたが、その間、不動のベスト1である。

ショルティ、バルビローリ、バーンスタイン、カラヤン、ジュリーニ、クレンペラー、ワルター、クーベリック、マゼール、アバド、テンシュテット、レヴァイン、ラトル、etc.・・・。とにかくいろいろな演奏を聴いた。

何度聴いても新しい発見のある曲である。そしてこれが定番という演奏のない曲でもある。好みの演奏はあるが、100点満点だと感じた演奏は一つもない。曲の懐が深すぎるというか、さまざまな表情を持ったフレーズが限りなくあるので、一つの演奏がすべての点で他の演奏を凌駕するというのは不可能なのかもしれない。自分の気分に合った演奏を聴くことにしている。

今日、手にした演奏はヴァーツラフ・ノイマンが95年にチェコフィルと録音したものである。ノイマンが亡くなる数日前の録音で、結果的にノイマンの最後の録音となった。手元にあるのはエクストンのラボラトリーゴールドラインシリーズ。リマスタリングのSACDだ。

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ノイマンは言わずと知れたチェコの人だ。どうもチェコの人というとドヴォルザークとスメタナの人と思ってしまうのだが、アンチェルもしかり、チェコは伝統的にマーラー演奏の先進国らしい。交響曲第9番はノイマンにとって三回目の録音である。

この演奏、僕にはなかなか評価の難しい演奏である。歌にあふれた演奏だ。息の長いフレーズとホールのエコーがあいまって余計にそう聞こえる。美しい演奏だ。心臓病を自覚したマーラーが作曲したこの曲は、生に対する希望と同時に死を予感させるとよく言われるが、ホールトーン豊かな録音のせいで全体が現実の音楽のように聞こえないのだ。そう、死を予感させるというより、すでに死んでしまったことに気づかずに音楽を聴いているようだ。(死んでから音楽が聴こえるわけもないだろうが。)

夢の中にいるような不思議な気分にさせてくれる演奏だ。
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