ムソルグスキー「展覧会の絵」 : デイヴィス

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以前、中古CDを購入したらライナーノーツに挟まれたレシートを発見した話を書いたが、中古商品を購入するとまれにこうした以前の所有者の痕跡のようなものを発見することがある。同じような商品に興味を持つだけあって、そこから推察される行動や性格が自分と似ていたりと、なかなか微笑ましいことが多い。

デイヴィス/コンセルトヘボウの「展覧会の絵」は79年の録音なので「ザ・グレイト」と同時期の録音だが、あちらはアナログ録音、こちらはデジタル録音である。時代はアナログからデジタルへの変わり目、まだデジタル録音LPが珍しかった時代だ。このレコードは輸入盤だが、シュリンプパックが残っていて、ジャケットとシュリンプパックの間にこの録音に関する評価記事の切り抜きが挟んであった。3枚あって、うち2枚には「神崎一雄」「長岡鉄男」と評者が鉛筆書きされている。残りの一枚は対談形式なので記事中に「高城」「若林」と評者の名前が印刷されている。記事を見て購入を決めたのだろうか?購入してから関連記事を切り抜いて保存したのだろうか?いずれにしてもクラシックファンにしてオーディオ好きに違いない。そう考えると親近感が湧くではないか。

3枚の記事はいずれもこの演奏に加えてショルティ/シカゴ響の演奏に言及している。このレコードの1月前くらいにショルティ盤がリリースされたようだ。面白いことに言っていることは三者三様。「長岡」氏はこの録音を酷評し、「高城」「若林」氏はデイヴィス盤の方が鮮明で自然だと評価。「神崎」氏は上手に比較を回避している。

肝心の演奏だが、表題曲を描き分けるようなアプローチではなく、全体の構成を計算した知的な演奏と感じた。先日、紹介したフェドセーノフは冒頭のトランペット一発で聞き手をグッと引き込む演奏だったが、デイヴィスの演奏は比較すれば非常に地味に始まる。コンセルトヘボウの音色もどちらかといえば渋めなので、余計おとなしく感じるのかもしれない。大人の演奏と言った感じだ。

フィルアップされた「はげ山の一夜」はメリハリの効いたなかなかの秀演。僕はこの曲がかなり好きなので得した気分だった。

録音は悪くないが、なぜか開始早々の部分は音が冴えず、曲が進むにつれてだんだん良くなっていく感じ。演奏との兼ね合いでそう感じるだけかもしれないが、ちょっと不思議な録音である。
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