Rigid Float (3)

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年末にレコードプレーヤーを手に入れた時には思ってもみなかった展開で手元にかなりの数のトーンアームを集めてしまった。さすがのDDX-1000をもってしてもすべてを同時に装着することができなくなったので、どのアームをスタメンにして、どのカートリッジとバッテリーを組んだらいいか、明日から待望のGWなのでじっくり聴いてみようと思う。

すべての組み合わせを試す時間はなかったが、これまでの体験で思わずハッとするような音を聴かせてくれたアームはSeries IVとやっぱりRigid Floatだ。DDX-1000導入以来、置き場所の問題があってしばらくRigid Floatを使っていなかったのだが、TD321Mk2をガラスラックの上に戻し、昨日、久しぶりに聴いてみたところ、やっぱり音が良いのだ。AT-50anvを付けても良かったが、SPUが良く合うので今はSPUを装着している。ちなみにDL-103はFR64sに付けたら存外素晴らしい音なので、そちらに付けた。

このRigid Float、パイプとアーム本体との間に機械的接点がないところがキモなのだが、手元に物がないと一体どういう構造なのかわかりづらい。ということで、ちょっと写真に撮ってみた。

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アームパイプと本体のアップ写真。
ちょっとわかりづらいのだが、まず台形の本体の中央がくり抜かれた部分、真ん中下当たりに液体が光っているのが見えるだろうか?

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もうちょっと寄ってみるとよくわかると思うが、この光っている液体が「磁性流体」ということで、磁力を帯びた液体である。Rigid Floatを買うとこの液体が二本、注射器に入っている。一本は予備。この液体を中央部分に流し込むと、おそらくは鉄のような金属に吸い寄せられて、中央に盛り上がる。と同時に表面張力でパイプを浮かす。

問題はこの浮いたパイプをそのままにしておいては不安定極まりないところをどう安定させるかだ。

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そこで先ほどの写真をもう一度ご覧いただくと、パイプがもう一つの部品で下から支えられていることがわかる。液体に直接接して浮いているのはパイプそのものではなく、この部品がちょうど水に浮かぶ舟のような役割を果たしてパイプ全体を支えている。

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逆サイドから見てみる。左上の写真は演奏時、右上の写真はアームを左一杯に振って小さな銀色のアームレストに乗せたところだ。手元のデジカメのマクロに限界があって写真が不鮮明なのだが、右の写真をよく見ていただくと舟にあたる部品の形がお分かりになると思う。

この部品がバランスを取ってくれるおかげでこのアームの操作性は非常に良く、左右の安定感はAC-3000MCのようなユニピボットアームよりもはるかに高い。それでいて演奏時にはアーム筐体とパイプが直接接触しない。液体注入前にしげしげと観察しなかったので本当のところはわからないのだが、この部品が左右に流れない秘密は液体を引き寄せている中心の金属か、部品の下側の形にも隠れているかもしれない。いずれにしてもよく考えられたアームだと思う。
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写真入りのご説明、まことに

有り難うございます。すごーく良く分かりました…っというわけには残念ながら参りませんでしたが、液体が盛り上がるというお話にはビックリでした! 相当な磁力を効かせてる感じですね。フロートと言っても水に浮かんでると言うよりは、あるいは磁力で浮かせてるようなところがあるのかもしれませんね。ですから、水平方向の位置決めも、ひょっとすると磁力で行なってるんではないかとも思われますが、でも、私のような高齢者の感覚では、こちらは常に変化する力が相手なんで、何か機械的に位置を決めといてやらないとマズイような気がして仕方がありません。
とにかく、興味深い情報を有り難うございます。これがデジタル時代のアナログ、ってもんなんですねェ、感慨深~…。

オーディオ三昧の幕開け

今日からGW後半、4連休ですね。
Rigid Floatのご説明、大変興味深く読ませて頂きました。

カートリッジが信号を拾い上げる時、いかに信号を汚さないように外的振動を排除するか。このRigid Floatはそう言う意味では究極の方式と感じました。ハウリングにもきっと強いのでしょうね。
オーディオの入り口において低歪でS/N比の高い信号を取り出せると言うことはやはり効果絶大のようですね。

後段(アンプやスピーカ)で信号を忠実に増幅出来たとしても前段(カートリッジやCDプレーヤ)で発生した歪やS/N比を完全に改善(除去)することは無理ですよね。
前段においていかに綺麗な状態で信号を取り出すのか、その重要性を改めて認識しました。

のす爺ィさん、こんにちは。

こんにちは。コメントありがとうございました。

なかなか上手く写真が撮れなくてすみません。そうなんですよ。この液体が見事に盛り上がってパイプを浮かせているのです。カートリッジと錘はバランスが取れていますが、総重量としては結構な重さがあると思うので、液体の表面張力はかなりのものです。ご覧のとおり、SPUだと錘がかなり後ろでバランスするので追加の錘を購入しようと製作者に問い合わせたら、これ以上の重さだと浮かばなくなってしまう可能性があるとのことで、このままにしています。

のす爺ィさんの懸念、私も頭では同じ思いなのですが、出てくる音はこれが良いんです。しかもこのアーム、指定がアンダーハングなんですよ。それでいて内周部での歪を比較するとこのアームが一番優秀なんです。不思議なアームです。

akifuyu102さん、こんにちは。

こんにちは。コメントありがとうございました。

4連休のはずが、私は不運にも6日から出張です。。。それでも3連休なので有意義に過ごしたいものです。

Rigid Float、実に良くできたメカニズムです。この方はもともと電気メーカーの出身だと思いましたが、きっとその当時からこの構想を温めていたんだと思います。磁性流体もその当時に扱ったことがあったんでしょうね。頭に浮かんだこともすごいことですが、実際に作って世に出したというところが本当にすごいところだと思います。

仰るとおりで、レコードのピックアップというのはもう繊細な部分なので、ここでいかに情報を漏らさず汚さず取り込むかが勝負所ですね。どんなに精密なカートリッジであってもアームがしっかり支えてカートリッジに仕事をさせないと意味がないので、トーンアームの影響力は大きいと思います。ま、私の場合はちょっと度を超えてアームに入れ込んでますが(笑)。

昔なら想像もつかなかった

アームがいろいろあるんですね。実に興味深いです。一枚目のお写真からしますと、なるほど SPU を付けた時はウェイトがかなり後ろに行ってますね。ですが、これによって実効質量はかなり大きくなってるはずですから、むしろ結構なことなんじゃないでしょうか。仮に可能だったとしても、より重いウェイトを付けるよりもこの方が調子が良さそうに見えます。
オーバー・ハングならぬアンダー・ハングにつきましては、このアームが完全なストレート形式だということから理解できます。一番条件が厳しくなるレコードの最内周部でアーム・チューブが溝の接線と一致するように設定しますと、ターン・テーブルの軸の位置では当然アンダー・ハング状態になりますからね。
なんとも凄いアームのようですが、これがターンテーブルに固定せず、ただ置くだけという扱いやすさとも結び付いている以上、結構な数が売れるんではないかという気がいたします。

こんばんは。

のす爺ィさん、こんばんは。

確かに教えていただいた実効質量のことを考えると重くてコンプライアンスも低いSPUには錘も後ろの位置の方が合ってますね。実際、良い音です。

アンダーハングの件についてもご指摘で納得できました。同じストレートアームでもSeries IVが先端部分でカートリッジに角度をつけているのはトラッキングエラーを少なくするためだと思うのですが、このアームはそこら辺を完全無視なのが面白いところです。

もともと同じようにバッフルとの機械的接点を持たないスピーカーが最初の製品だと思うのですが、売れているのは圧倒的にアームのようです。少しでも稼いでいただいて新しい製品を開発してくれることを期待しています。
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