電源ケーブル

オーディオが好きな人なら理解してくれるであろう。電源ケーブルを交換するとなんとも言えずわくわくする。音が変わるか?答えはイエスだったり、ノーだったり。

以前、マンションに住んでいた時は、おそるおそるコンセントを交換しただけでびっくりするほど音が良くなった。よっぽど電源環境が悪かったのか。それともプラセボか。僕は面倒くさがりなので、いったん交換した後、もう一度もとのコンセントに換えなかった。だから、本当のところはよくわからない。

今、住んでいる田舎の一軒家では壁コンセントを一般のものからホスピタルグレードに換えても即座に変化を感じなかった。それどころかクリーン電源をメーカーから借りてみても変化が良くわからないくらいである。

では電源が汚れていないかというと、少なくとも興味本位で一つ購入したノイズハーベスターは導入以来、ものすごい勢いで点滅している。あまりの勢いで点滅しているのでずっと点灯しているように見えるくらいだ。家中の電気を落としてみても日中はこの状況に変化がない。

一方、深夜と休日は故障したかのようにまったく点滅しない。どうやら近隣で何か動力を使用しているか、あるいは平日はどこかで誰かが怪しいノイズを発生させているようだ。

そんなに汚れている(はずの)電源だが、クリーン電源を入れても変化を感じられなかったというのはどういうことか。クリーン電源が高価なだけでまったくの役立たずなのか、電源の効用は思ったよりも少ないのか、耳が悪いかのどれかだと思う。残念ながら、正解は最後なのかもしれない。

本題からずれてしまったが、そんな状況で電源ケーブルを交換することに何の意味があるのだろう?

その答えがなんであれ、男は電源ケーブルを交換するのである。そう、誰がなんと言っても交換する。なぜか。それはもうロマンだからだ。たかだか電線を交換するだけでベールが一枚も二枚も取れ、サロメの七つのベールの踊りのごとく最後は生の音が丸裸になって現れるかもしれないという妄想を追いかけ続けるロマンなのだ。

僕は男なので、もちろん、いろいろ換えて遊んでいる。

高級品は本当に驚くほど高いので、当初はRCAケーブル同様、ネットで販売されている完成品の電源ケーブル中心に楽しんでいたが、今年に入ってからは自作を始めた。自作と言うと凄そうだが、電源ケーブルの自作は誰でもできる。要は市販されているプラグと電線をねじ止めするだけだ。

最初は雑誌の付録を組み立てた。ついてきた電線はいかにもイマイチな感じだったので、電線だけフジクラの5.5スケアを別途購入し、付録のプラグに繋いだ。このフジクラの電線というのが曲者で(というか、もともとこんな用途を想定していないのだが)太くてものすごく硬いのである。

そもそもオーディオ信仰者には太くて重いものを崇める教徒が多い。他方、まったく逆に細くて軽いものが言いという宗派も存在する。僕はどっちでもいい。しかし、直感的には電気が通るルートが太くて硬いのはたくさん電流が流れそうな気はした。(科学的にはどうやら間違った発想らしい。)

とにかく何かが起きることを期待しつつ、四苦八苦して組み立てた電源ケーブルはしなやかに曲がってくれないので壁コンセントと機器の位置関係を考えてあらかじめ折り癖をつけて繋がないと下手すればケーブルの硬さに負けて機器が動いたりコンセントからプラグが抜けたりする。普通の人からすれば本当に理解しがたいだろう。

苦労してつないで音を出してみた。

どうだろう。音の勢いは増しただろうか。

正直、あんまり変わらないかも。いや、でも、こういうケーブルはすべからくエージングが必要なのでしばらく様子をみよう。

一週間もエージングすると、交換前の音との比較は不可能になった。記憶なんてあいまいなものだ。良くなったとも言えるしそうでもないとも言える。

そして、しばらくするとまた新しいプラグと電線が家に届くのである。もちろん今度は少しずつ違うモデルだ。同じものを組み立てても面白くない。そしてこの新しいセットがなじむ頃には、果たして純正品と前回の自作品と最新の自作品がどう違うのかというのは再び判断不能になるし、どうでもよくなるのだ。

では、どうして電源ケーブルを換えるのか。

それはロマンだからである。

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