オーディオテクニカ AT-50ANV

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4月の初めにヨドバシカメラで特売されていたAT-50ANVを購入してからしばらくの間はSeries IIIに装着していたのだが、やはりSeriesIIIには販売当時に想定していたと思われるMMカートリッジを組み合わせることにしたので、今はStantonとNagaokaのMMカートリッジを付けて聴いている。

それ以降はRigid Floatに付けたりWE-308に付けたりしてみたのだが、正直言うとあまり気に入らなかった。AT-50ANVは空芯型という形式を採用しており、この形式としては大出力らしいのだが、それでも僕が所有するカートリッジでは出力が最も小さく0.12mVしかない。十分増幅してあげないと当たり前だが通常のボリューム位置では音が小さい。小さい音で聴くとやはり迫力が足りない、線が細い音に聴こえがちである。ボリュームを上げると今度はSN比が厳しくなる。ジャズやロックでは特に問題ないのだが、クラシックを聴くとなると微小なハム音もピアニッシモの時には気になる。最初の頃はその当たりのバランスも悪かった。結果としてなんとも元気のない音だったのだ。

僕の持っているイコライザーやプリアンプとのマッチングを考えるとだいたい30倍くらい増幅するとちょうど良い。ということに気付くまで約2か月かかった。それまではもっと倍率の小さいトランスと組み合わせたり、MC対応のイコライザーに直接つないだりしていたのだ。電気的なマッチングの重要性にようやく気付いて、手持ちのトランスでは最も倍率の高いC-2080に繋いでみた。これは30db増幅なので出力は問題ない。一方、インピーダンスは1000倍になるのでフォノイコライザーのMM入力に繋いだ場合、一次側のインピーダンスは47Ωになる。AT-50ANVの推奨負荷インピーダンスは「100Ω以上」とあるので、それに比べると多少インピーダンスが小さすぎるのだが、繋いだ結果は悪くない。というより、最初に聴いた時よりはぐんと音が良くなった。

マッチングの問題に加えてエージングも影響しているかもしれない。まあ、僕の場合、プレーヤー、アーム、シェル、イコライザーの組み合わせをあれこれ頻繁に変えてしまったので経時変化を断じることはできないのだが。

最初の頃は元気がない上に音場が小さく、風通しの悪い感じだったのだが、最近、ぐっと開放的な音になったきた。どこかにレーザーのような切れ味と書いてあったが、確かに膨らみがなく非常にスピード感のある音がする。

以前、ShelterのModel 7000を良くできた明るい標準レンズと例えたが、このAT-50ANVもやはり癖の少ない標準レンズという感じ。ただ、同じ標準レンズでもこちらはもっとコントラストが高くてカラフル、一方、線は少し細い。中低域がどっしりとしたピラミッド型の音が好きな人には物足りないかもしれないが、このカートリッジのタイトな低音が僕は好きだ。ちなみに低音は出ないわけではなく、レンジはもの凄く広い。

それにしても、オーディオテクニカやDENONに加えて、Shelter、ZYX、My Sonic Lab等々、カートリッジには現在でも日本のメーカーにたくさん良い製品がある。うれしい限りだ。
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