DENKEN DA-7050T(3) と英国製プレーヤー

インターネットで海外の情報も簡単に取れるようになったので、海外製のオーディオ製品の購入を検討する際、それが母国ではいくらで売られているのかとても気になる。調べてみるとかなりの割合で日本で買うのは割高に思えてしまう。とはいえ、アンプやスピーカーを直輸入するのは輸送時の事故や修理が必要な際の対応を考えると不安が大きい。CDプレーヤー等のデジタル機器はメカの部分がほとんど日本の独壇場だし、海外のハイエンド製品は海外でも高い。結果、今まで機器の直輸入には手を出してこなかったのだが、アナログ製品、特に零細なメーカーが製造するプレーヤーは内外価格差がことのほか大きく、今回、初めて英国製のプレーヤーを英国のショップから直輸入してみた。

家族からも、えー、また、プレーヤー買ったの?という批判を受けたが、甘んじて受け入れることにした。言い訳になるかもしれないが、発注したのは2月なのだ。まさか、こんなに時間がかかるとは思わなかったので、到着するまでにDDX-1000を買ってしまったのである。

このプレーヤーそのものについては追ってブログに記そうと思うのだが、時間がかかった以外に今回思いもしなかった事態が生じたので、今日はそのことを書く。もしかしたら、同じような計画を持っている人がいるかもしれないので参考まで。

僕が買ったプレーヤーはミッチェルエンジニアリングのORBEという製品。ダストカバーやアクリル製の土台のついていないSE(アームレス)である。この製品、日本の価格は現在の為替でイギリスの3倍近い。(ポンドが安かった頃で比較すれば4倍近い。)ここまで安いと直輸入したくなる。ベルトドライブのプレーヤーは構造も単純でモーター以外、壊れるところはない。ということでとある英国ショップのウエブサイトから購入を申し込んだ。

翌日、ショップから「日本に輸出するのは問題ないが、うちから出せるものは230V/50Hzしかない。日本は100V/60Hzだろ?」というメールが来た。きっと西日本の人が過去に問い合わせをしたのだろう。電圧の違いは認識していたので「昇圧トランスを使うので230Vは大丈夫。自分は東日本なので周波数も問題ない。」と返事を送った。それならばということで色とアーム(装着するアームに合わせてアームプレートが一枚無料でついてくる。)について追加で情報を伝えた。これが今年の2月末の出来事である。その時からミッチェルエンジニアリングは受注生産なので2か月かかると言われていたのだが、蓋を開けてみれば4か月もかかった。

せっかく並行輸入するので日本で発売されていない黒/金というカラーを選んだのが時間がかかった理由らしい。途中で2回経過報告の連絡があった。現地から発送される前日に「Good News」というタイトルでメールが来て、それ以降は配送が詳細にトラッキングできる。いやはや便利なものだ。税関通過までは4日。その後の国内配送が不便で曜日は指定できても時間指定ができない。関税と消費税が代引きになるため土曜しか受け取れず、昨日の昼前にとうとう現物が到着した。

組み立てはそれほど難しいわけではないが、英語のマニュアルと非常に簡単なスケッチしかないので一部部品の組み合わせの解読に手間取った。しかし、自分で土台から順番に組み立てるとこのシンプルな製品が実に繊細に設計されていることがわかる。ちなみに3月に製品が届いていたらお手上げだったかもしれない。組み立てには、この間にTD-321MkIIのアームを交換したり、DDX-1000にあれこれアームを取り付けたりした経験が役立った。

さて、すべてを組み上げ、昇圧トランスに変換プラグを経由してコンセントを繋ぐ。電源が入ることを確認し、まずは仮の配線で一枚聞いてみる。試聴にはグールドの「ゴールドベルグ」を選んだ。どんな音がするかワクワクである。

………………………………………………  う~ん。これは。。いや、どうかな。。いや、間違いない。

気持ちを言葉にすればこういう具合だが、一言でいうと回転数が足りない。最初の一音でおかしいと思ったが、そうであってほしくないと願う気持ちが強かったので最終結論を出すまでに5分くらいかかった。しかし、間違いない。はっきり、明らかに遅いのだ。

まず疑ったのは昇圧トランス。ハードオフで仕入れた中古である。中古とはいえ、使用された形跡がなかったが、電圧が足りないのかもしれない。どうするか。テスターもないので確認のしようがない。ORBEは電源が別筐体で電源を入れるとLEDが点灯するのだが、これは問題なく点灯している。不思議な現象である。電源ケースはアクリルとおそらくトランスの組み合わせで、半透明のアクリルごしに半導体基板が見える。ここで回転を制御しているのだろうが、ここがアウトならお手上げだ。どうするか迷ったのだが、イギリスに返送することを考えれば別の昇圧トランスを試す方が安いと思って近くの電器店でもっとも安い海外製品用昇圧トランスを買ってきた。さっそく、差し替えてみる。ダメ。グールドの鮮やかなタッチが台無し。鼻歌も今にも眠りに落ちそうだ。

届いたのがお昼だったので組み立て時はまだ明るかった。だんだん日も落ちてきて部屋が薄暗くなってきたのだが、その時、おかしなことに気が付いた。ORBEには電源とは別に本体のモーターにもオン・オフのスイッチがついている。これがオフの時にも少しだけ点灯しているのだ。ターンテーブルを回すためのゴムを外してプーリーを触ってみると電源オフの状態で逆回転していることがわかった。スイッチをオンにすると正回転するのだが、この逆回転分回転数が合わないのだろうか?はて、どうしたものか。

こうなると電気の知識がないので苦しい。電源を入れなくても通電しているとはなぜだろうか?答えはないのだが、とりあえずいろいろ試してみようと思って次はDA-7050Tから給電されているタップに繋いでみた。DA-7050Tからの給電は入力周波数に関わりなく60Hzである。ショップが50Hzと60Hzを間違えたかもと思って試したのだが、結果は予想外なことにさらに遅くなった。ほとんど止まりそうである。早くなるとか、回らないというのならまだわかるが遅くなるとは。。。

次に疑ったのは変換プラグ。といってもプラグそのものの不具合を疑ったのではない。英国のプラグは、いろいろあるプラグの中でもっともごつくて頑丈そうな三本足。日本でもよく見かける3本足とは違う。200V給電は正相と逆相のバランス給電だから音が良いという話を聞いたことがあるが、この三本足が、単相でアースの来ていない我が家の電源ではうまく機能しないのかと思ったのだ。とはいえ、もしこれが原因ならどうにもなりそうにない。とりあえず三本目の足をうまくアースに落とせないかとおもってコンセントパネルを外してみた。が、やはりコンセントには白と黒のラインしか来ていない。やっぱりダメかと元に戻してもう一度メインの電源を入れてみるとプーリーは逆回転していない。なぜ???と思ったが、この状態で本体のスイッチをオンにすると明らかに回転数が上がっている。理由はともあれ直ってくれれば御の字である。この状態で音のチェックと思ってフォノイコライザー等他の機器に給電しているDA-7050Tの電源を入れたところ、また逆回転が始まった。。。なんと原因はDA-7050Tだったのだ。

なぜそうなるのかは僕にはわからない。しかし、どうやらDA-7050Tの電源を入れると他のコンセントに流れる電気になにがしかの影響があるようだ。僕の部屋には壁に二口コンセントが3つついている。合わせて6口のコンセントがあるのだが、DA-7050Tに電源を供給しているコンセントのもう一つの差込口にORBEを繋ぐとほとんど止まりそうな速度でしか回転しない。別の二口コンセントに繋ぐとゆっくり回転しスイッチを切ると逆回転する。DA-7050Tを外すと何事もなかったように普通に回る。不思議だ。

今まで使った日本製の3つのプレーヤー、それにTD321MkIIでもこんな現象はなかった。4つとも周波数に関係なくモーターが回転するのに対しORBEは電源の周波数に左右されるのでそこが違うのか、それとも230Vで使用されることが前提の製品だからこの問題が生じたのか。皆目わからないので、もしも電気に詳しい方で答えがわかる方がいたら教えてほしい。いずれにしてもDA-7050TとORBEは併用できないのでDA-7050Tを外すことにした。

ちなみに国内正規品のスペックには100V・50Hz/60Hzと記載されているので、見た目はまったく同じでも国内仕様の電源は改造して電源の周波数とモーターの回転を切り離しているようだ。したがってこんな問題は生じないはず。やっぱり正規品は安心である。それでも価格設定は高過ぎると思うが。
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