ハイドン後期ピアノソナタ集 : グールド

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新譜が出た時に欲しいけど高くて買えなかったことが鮮明に記憶に残っているLPが何枚かある。グールドの弾く「ハイドン後期6大ソナタ集」はそんな思い出の中の一枚、というか二枚組。

82年の新譜だから、まだ高校生の頃。この前にリリースされた「ゴールドベルグ変奏曲」の再録音でグールドのことを知り、ほどなくFM放送でその演奏を聴いて感動した。そうこうするうちにこのハイドンのソナタ集。ハイドンのピアノソナタ?「交響曲の父」なのに?と思ったのを覚えている。今でも決してメジャーな曲ではないと思うが、その頃はそんな曲があることも知らなかった。

ご覧のとおり、なんだか楽しい音楽が詰まっていそうなジャケット。デジタル録音の記載も誇らしげな高級感溢れる帯。欲しい。でも二枚組で5,600円!当時の僕には天文学的数字であった。いざ、貯金を使うにはあまりにリスキー。で、結局、CD時代にも購入せず、30年以上の時を経てついに中古LPを購入。とってもハッピーである。

残念ながら実際に購入したLPには帯は付いていなかったが、盤の状態はすこぶる良好。2枚目のLPに至ってはほぼ聴いていない状態ではないだろうか。針を落とした時にあまりに静かだったのでミュートボタンを押したままかと思ったくらいだ。

演奏はもう抜群に素晴らしい。僕はこの演奏でしかハイドンのピアノ・ソナタを聴いたことがないので、他のピアニストがこれらの曲をどう演奏するのかわからないが、おそらくずいぶん違った印象の曲になるのではないだろうか。自由気ままに思えるタッチ、伸び縮みするテンポ、ダイナミックな強弱の対比、古典派なのにドラマティックな表現等々独特な表現を取り上げれば枚挙に暇がない。グールドにしか描けない世界が展開する。こんな面白いハイドンを聴いてしまったら他のものはいらなくなってしまいそうな、そんな演奏である。
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