メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 : ハイフェッツ

IMG_0493 (2)

以前、景気が上向きの時は車のデザインが四角くなり、景気が悪い時には丸くなるという話を聞いたことがある。何も車だけの話ではなくバブルの頃のテレビドラマを再放送で見れば髪型も服装も確かに四角い。日本の経済がこれから本当に上向いてくれば、またトヨタからも角ばった車が出てくるだろうか。

この理論の正当性はさておき、流行というものはだいたいにおいて周期的に行ったり来たりするものみたいだ。スカートが長くなったり短くなったり、ソース顔が流行ったり醤油顔が流行ったり。眉が太くなったり細くなったり。

ハイフェッツの二大有名ヴァイオリン協奏曲の演奏を聴くと、その後の名ヴァイオリニストが弾くこれらの曲が実に感情たっぷりセンチメンタルな演奏であることに驚く。ハイフェッツの演奏には大袈裟な表情は一切ない。快刀乱麻を断つ切れ味の鋭さで颯爽と演奏している。チャイコフスキーのバックを務めるライナーはもとよりメンデルスゾーンのバックを務めるミュンシュもまた実に潔い伴奏ぶりである。トスカニーニしかり、戦中戦後からステレオ初期には実に「モダン」な演奏スタイルがすでに確立している。

その後、しばらくの間、流行りの作曲家も流行りの演奏もどんどん濃厚ロマンティックな方向に展開していった感がある。その方向が定着すると今度は古楽器演奏に代表される楽譜に忠実な感情表現控えめな演奏が流行り始めたり。まあ、どの時代もそんな単純に演奏スタイルが分類できるわけではないし、かなり乱暴な話だが。

ハイフェッツの演奏スタイルは好きな人も嫌いな人もいるだろうが、僕は2曲とも凄く良い演奏だと思う。折に触れて繰り返し聴きたくなる飽きのこない演奏だ。録音はさすがに少し古い。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

こんばんは

演奏スタイルも変化というか、流行がありますよね。ハイフェッツ盤は今は手元に音源がないのですが、中学のころはよく聴いておりました。演奏の記憶も薄れてきましたが、記事にもありますように録音が古く少しつらい感じはよく覚えております(笑)

腕が立つ若手は多い中で、廃盤にはらないのは魅力があるのでしょうね。再発見したい、そんな気持ちになりながら読ませていただきました。

こんばんは。

sankichi1689さん、こんばんは。コメントありがとうございました。

はい、最近の演奏はどちらかというと切れ味鋭いスリムな方向に向かっていると感じます。こってり、思い入れたっぷりの演奏スタイルは少し飽きられたのでしょうか。指揮者でもドホナーニとかブロムシュテットとかどんどん見直されそうですね。

ハイフェッツの演奏はヴァイオリンが弾けない人間には技術的に凄いのかどうかすらわからない感じです。今の名手なら技術的にはあるいはハイフェッツ以上の人もいるかもしれませんが、ここまでサラサラさっさと弾く勇気はなかなかないんじゃないでしょうか。機会があればぜひ聴いてみてください。
プロフィール

ばけぺん

Author:ばけぺん

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
Since 3/28/2013
検索フォーム
リンク