ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」: クリップス

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僕がクラシックを聴き始めた頃すでにヨーゼフ・クリップスは亡くなってしばらく経っていたので、名前は聞いたことがあるものの、これまでこの指揮者の演奏は一度も聴いたことがなかった。そもそもどういうキャリアの人か知らないので調べてみると戦前、31歳でウィーン国立歌劇場の常任指揮者、33歳でウィーン国立音楽大学の教授という凄い経歴。ナチスに協力しなかったのでオーストリアを追放されたが、逆にそのおかげで戦後の復帰も早かったらしい。この「新世界より」が録音された61年にはBPOはBPOでもアメリカのバッファロー・フィルの音楽監督を務めている。最晩年はウィーン交響楽団の首席指揮者。ウィーンフィルとも縁が深い。とても重要な指揮者であることがわかった。

「新世界より」はチューリヒ・トーンハレ管弦楽団との演奏。録音年代を考えても音は良くない。オーケストラホールの音響にも問題がありそうだが、特に低音楽器の抜けが悪く、ティンパニの音はかなりこもり気味。比較して中高音はかなりマシで特に木管の音が非常に目立つ。木管を強調するのはクリップスの個性のようだ。

最新のCDを聴いているのと比較すると実に貧相な音なのだが、にもかかわらず、聴き手をがっちりと惹きつける演奏である。全楽章通じてスマートで都会的な演奏だが、そこここでテンポの上げ下げがあり、ちょっとライブ演奏のような高揚感を感じる。有名な第二楽章はしっとりとして心に染みる演奏だ。思いもかけず良い演奏を聴くことができた。
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