ようやく

実家に帰ってきたら庭に新しい車庫を建てている真っ最中だった。今年の冬、二度目の大雪で屋根が完全につぶれてしまった車庫だが、実家周辺の様々な建築物が同じような被害を受けたために人出不足、建材不足で半年経ってようやく工事になったらしい。

3月には立て直す車庫の見積もりが終わっていたのだが、半壊状態の車庫の取り壊しが5月、さらに3か月経って先週から新しい車庫の設置になった。家庭用の車庫なのでそれぞれの作業はそれほど大げさなものではなく、取り壊しは一日、建てるのにも二日しかかからない。それぞれの作業にあたる人たちも片手くらいの人数である。

そもそも建設業に従事する人の人数が減っているうえ、東北の震災復興でいまだに相当の建設需要があるようだし、当然、大きなお金の落ちる大都市の工事が優先されるだろうから、田舎の家までなかなか人出が回らないようだ。

お盆前の猛暑、しかも折悪く天候不順が重なったが、昨日も今日も職人さん達はわき目も振らず黙々と作業を続けている。何人かで作業をしていても雑談の一つもない。何かに憑かれたように無心で早朝から夕方まで作業を続けている。母親が3時のおやつを提供するときだけ手を休めるが、その間も無口なまま。ただ、喉が渇くだけでなく、猛烈にお腹が空くようでとにかくたくさん食べる。さもありなんだ。どんどん飲んで食べてください。

工事全体を請け負った会社の現場監督に聞くともう何年もしないうちにこの当たりではこうした工事もままならなくなるだろうという話だった。外国人労働者を使ったこともあったそうだが、プロフェッショナルとしての意識を共有するのが難しかったらしい。作業の様子を眺めているとそれも納得である。

物の輸入はできても職人さん達の輸入はできない。今の子供が大人になる頃、日本はどうなっているのだろうか。
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こんばんは

ご実家でお休み何よりです。
大震災復興需要などでの建設需要に加え、労働力の減少は田舎に行けばいくほど深刻ですね。当地では建設会社の倒産や機材の整理などで、除排雪委託への影響の声が上がっています。

JR北海道の一連の事故も採用抑制による技術継承の失敗例とも報じられています。ホント日本はどうなるのでしょうか。

考えさせられる記事でした。

ばけぺんさん、おはようございます。

記事やsankichi1689さんのコメントから私も少し考えさせられました。

団塊の世代が退いた後、やはり日本の企業力は落ちてきている気がします。生活面での身近な場面でもそれを感じずにはおれません。
人も物もかっての「Made in Japan」とはかなり質が違ってきていますね。利益優先で走ってきて社員教育や技術伝承がしっかり出来ていない企業はこれから先が危ぶまれます。
とは言ってもやはり日本人は優れた人種です。おもてなしの心や長い歴史が育んだ日本人の感性は世界一だと思います。もう一度、人も物も世界に誇れる品質を取り戻したいものです。

sankichi1689さん、こんにちは。

こんにちは、コメントありがとうございました。

せっかく実家に帰ったものの、台風の影響で朝から雨。切り替えてひたすらのんびりしております。

昨今、公共事業も一昔前の勢いは無いでしょうから、どこでも建設業は構造的に厳しいんでしょうね。加えて作業を眺めていると本当に厳しい仕事だということがわかるので、若い人たちもなかなか就職しないと思います。

先日の大雪で再確認しましたが、除雪作業は日常生活を続けるうえで生命線なので、そうした作業まで困難になると雪国は非常に厳しいですね。

日本の土木・建設技術は間違いなく世界一の水準だと思うので、なんとかこの伝統を継承してほしいものです。

akifuyu102さん、こんにちは。

こんにちは。コメントありがとうございました。

物流と情報が世界規模になってからどうしても価格の安いものが優先されているので、多少価格が高くても常に100点満点を目指してきた日本企業のモノ作りは正念場を迎えていますね。

戦後はずっと輸出が経済を牽引していますが、それでも以前は国内市場がしっかり需要を支えていたので日本の企業にも良い意味で余裕があったと思います。ソニーや本田なんてひと昔前は遊び心満点だったと思いますが、今は昔ですね。日本企業が元気ないと結局、国内のサービス業も元気が出ないので、なんとか頑張ってほしいです。仕事で外国に行くと日本製の製品への絶大な信頼をよく感じます。今、この瞬間、失われつつある古き良き日本に危機意識が一番薄いのはほかならぬ日本人かもしれないです。自分でできることは限りがありますが、せめてMade in Japanを応援しようと思います。
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