ブルックナー交響曲第8番 : クナッパーツブッシュ

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クナッパーツブッシュ/ミュンヘン・フィルの演奏によるブルックナーの交響曲第8番。クナッパーツブッシュの8番はほかにウィーンフィルとのライブや、この演奏とほぼ同時期にミュンヘン・フィルとライブ録音されたもの(いずれもモノ)もある。どちらかと言うと、ライブでこそ真価を発揮するというイメージの指揮者なのでそれらの演奏にも興味は湧くが、まだ聴いたことがない。

クナッパーツブッシュの演奏記録は数が多くないので、何はともあれこの演奏がステレオ録音で残ったことは幸いだと思う。良く言われるようにエコーがほとんどない非常にデッドな録音で、最新録音のクオリティとは比べるべくもないが、演奏を知るにはまったく問題ない。

ライブでこそ真価を発揮すると書いたが、この人の場合、セッション録音も丁寧に作りこんでいく感じは皆無なので、ライブ録音との違いは聴衆がいるかどうかの違いだけと思わなくもない。技術的にははっきり言って「へたくそ」である。ミュンヘン・フィルの力量の問題ではなく、おそらく指揮者の指揮法に問題があるんだろう。縦のラインは始終そこここでずれている。しかも録音がデッドなのでずれを隠しようがない。素人がカラオケをエコーゼロで歌っているのを聴いているようなピッチと音程の不安定さを感じる。音量一つとっても練習で合わせていないせいか、オケが弾きながら指揮者の指示を受けて微調整している感じがする。結果として、おそらく楽譜の指示と関わりなくクレッシェンドしたりデクレッシェンドしたり(笑)。

だからといってこの演奏がダメかと言うとそうでもない。僕にとって8番はなかなか難しい曲で、最後まで聴きとおすことが特に最近は少ないのだが、これは最後まで聴けた。さりとて、この演奏のどこが良いかと言うと説明が難しい。人によってはこの演奏を完全否定するのもなんとなくわかる気がする。

この演奏では後半の二つの楽章がより良い。特に終楽章はそれまでどうも立ち位置がはっきりしなかった金管が全開になって音響的にも気持ちが良い音がする。

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こんばんは

今回の記事、とても面白く読ませていただきました。
というのも、ずっと昔、クナさんの8番を試聴した際、同じような、なんだこれは?という感想を持ち、所有に至らなかったからです。時が過ぎれば感じ方も変わるでしょうか・・・
VPOとの3番は時々楽しんでいますが、これらはたぶんLPの方が数段いいような気がします。

おはようございます。

sankichi1689さん、おはようございます。コメントありがとうございました。

私もこの演奏、かなり久しぶりに聴いたのですが、今回もやはり「なんだこれは?」という気持ちになりました(笑)。これは実に特殊なブル8と言って良いと思います。少なくともこの曲を初めて聴く人にはお薦めできません。

録音と演奏の拙さを補って余りある演奏というのも多くないので、ブルックナー好きには貴重な一枚だと思います。CDで聞いたことがないのですが、確かにこういう古い録音はLPの方が雰囲気があって良いかもしれないですね。
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