ショパン ピアノ協奏曲第2番 : ワッツ

ソニーは昔から今に至るまで綿々と「ベストクラシック100」というシリーズを販売している。僕がクラシックを聴き始めた80年代前半にはLPのシリーズでベストクラシック100選というのがあった。当時、それほどレコードを買えたわけでもないのにどういうわけかこのシリーズの販促用レコードというのが我が家にあって、そこに収録された各演奏の抜粋を繰り返し繰り返し聴いたものだ。アンドレ・ワッツの演奏もその中に含まれていて記憶に残っている。今でも決して多くはないが、カタログの中で黒人の演奏家はおそらく彼だけだったと思う。

今までワッツは生粋のアメリカ人と思っていたが、実はハンガリー人とアメリカ人のハーフでドイツ生まれだという。どうも僕は「ハンガリー」出身者やその系統の人の演奏が好きなようだ。彼が表舞台に出たのはグールドの代役としてバーンスタインと共演したのがきっかけということだが、このアルバムはその時にも演奏してワッツの代名詞となっているリストのピアノ協奏曲第1番との組み合わせである。指揮もバーンスタインで、リストの方は期待にたがわずとても良い演奏。

では、ショパンはどうか。正直言うとあまり期待していなかったのだが、これまたなかなかイカした演奏だった。彼はいまだにバリバリの現役でコンサートを数多くこなしている。僕は生を聴きに行ったことはないが、一度、アメリカでのコンサートの模様をテレビで見たことがあって、それはもう汗びっしょりの超熱演だった。その時のイメージはリストに代表される技術的難度の高い曲をバリバリ弾くといったものだったので、ショパンとはちょっと違うかなと思っていたのだ。

録音は65年、まだワッツが10代の演奏である。そう考えると演奏の完成度はかなり高い。シッパーズの指揮ともども颯爽と速めのテンポだが優等生的演奏からは一歩はみ出したよく歌うピアノだ。この人の録音は若い頃にソニーに残したもの以外、あまり数がないが、きっとコンサートでこそ本領を発揮するタイプなのだろう。70歳手前の最近はどういう風にこの曲を演奏するのだろうか?
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