Quad ESL63 Pro

僕が普段音楽を聴いている部屋は八畳間くらいの大きさの洋間だが、一つの壁(背中側)に作り付けの収納棚があり、向かって左側の壁には家の中で行き場を失った箪笥があるので、実際には六畳間程度の平面しかない。以前、リビングにオーディオを置いていた時にはもっと空間があったので大型スピーカーを置いていたのだが、オーディオをこの部屋に移してからは小型スピーカーで音楽を聴いていた。クラシック、特に管弦楽曲を聴く時の低音補強用にフォステクスのサブウーファーを一つ追加して、いわゆる2.1chで聴くことも多い。小型スピーカーでも特に不満はなかったのだが、先日、オーディオに目覚めた頃からずーっと欲しいと思っていたQuadのESL63Proを購入してしまった。

わかっていたことだが、部屋に入れるとかなり大きい。初代のESLに比べれば横幅がないとはいえ66cm×92.5cmの物体が目の前にあるのはかなりの圧迫感だが、背面からも音が出るので壁からはなるべく離したい。ぎりぎりのセッティングをした結果、壁からの距離は115cmになった。二台のスピーカーの中心とリスニングポジションは一辺1.2mの正三角形で配置している。おそらくESLを使っている方々の中では相当ニアフィールドセッティングだと思う。

ESL63proは86年の発売なのでもうすぐ30年選手になる。古い製品である上に高い電圧をかけて薄いフィルムを動かすという仕組みゆえか故障が多いらしい。僕が購入した個体はとあるショップで整備されたものだが、外見はネットがほつれていたり黒い木枠が擦れていたりと決して綺麗ではない。使い方を間違えなければ言うほど壊れないらしいが、少しでもおかしいと思ったら様子を見ないですぐに送り返してほしいと言われたのでデリケートな製品であることは間違いなさそうだ。今まで使っていたスピーカーは下取りに出そうかと思ったが、故障した時のバックアップとして保管することにした。

このスピーカー、巷では低音が足りないと言われていたのでその点は覚悟していたのだが、ボリュームを上げると結構なレベルで低音も出てくる。大きな出力を受け付けないので大音量も出せないと聞いていたが、狭い僕の部屋ではこれ以上の音量は無理というレベルでもびくともしなかった。スピーカー後ろからの音も反射するので意外なほど賑やかに鳴る。低音が出ないというより反射音の効果もあってか聴感上高音のレベルが高いと感じる。何曲かいろいろなジャンルの音楽を聴いて、低音を補強して全体のボリュームを下げるために、今までも使っていた村田製作所のES105とフォステクスのCW250を引き続き併用することにした。ES105は単体ではほとんど音が聞こえないが、併用するとなぜか低音が充実する。CW250は今までと同じレベルで鳴らすと中低音が濁って話にならなかったのでLPFを一杯まで下げてボリュームもごくごく小さくした。これも単体では隠し味程度にしか鳴っていないが効果は間違いなくある。ESLの使い方として邪道かもしれないが、エアボリュームを考えるとこうする方が無理がない。

到着してまだ三日目。それほど聴きこんでいないが、実に良い音だ。良く言われている通り、ボーカルや小編成の音楽はジャンルを問わず抜群に良いが、サブウーファーを併用している甲斐あってか大編成のオーケストラも悪くない。ESL本体のスピードが速いのでサブウーファーを使うことによるもたつきを懸念したが、僕の耳では大きな弊害は感じなかった。もう元のスピーカーには戻れない感じ。故障せず長く付き合えるといいのだが。
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おめでとうございます

QuadのESL63Proご購入 おめでとうございます。

同じ平面タイプでこちらの静電型とは違いますが私のオーディオの師匠がアポジーを使っておりました。 確かこちらはリボン型だったかな?

場所をとるようで壁から1m以上は話さなければだめだったような気がします。
これを鳴らし切ると夢見心地のような気分になると話されていました。

低音が余り出ないとの評判ですが ばけべんさんの工夫により その不安も払拭されたようで良かったと思います。

なるほどスピードが速いのですの過度特性がものすごく良いのでしょう。
アポジーよりアンプの選べないので鳴らしやすいのではないでしょうか。

故障の不安もあると書かれていますが ばけべんさんの喜びと楽しみの感情の方が勝っているように感じられました。

ありがとうございます!

キタサン、こんばんは。コメントありがとうございました。

長い間憧れていたのでようやく手に入れることができて浮かれてます。憧れていたとはいえ、不精者なのできちんと試聴したことすらなく、音のイメージがなかったのですが、自分好みの音で大満足です。

アポジーのスピーカーも生々しい音がすると聞きます。インピーダンスが低くてアンプにとても厳しいみたいですが、ESLはその辺りさほど厳しくないようです。ただ、大出力を受け付けないので逆に小出力のアンプやクォードのアンプは気になります。今まで特にパワーアンプにはほとんど無頓着でしたがおいおい勉強してみようと思ってます。

僕の設置環境は望ましいレベルから言えば落第ギリギリなんではないかと。でも、意外なほどスムースに鳴ってくれてます。むしろ記事にも書きましたが、録音のされ方次第で聞こえ方がかなり違う点が予想外でした。クラシックだとデッカみたいな録音は前後左右が誇張されてしまいます。なるべく自然なマスタリングが相性良さそうです。キタサンの仰るとおり、音源が重要ですね。

普通のスピーカーだと故障って滅多にないと思うので今までそんな心配したことなかったのですが、この点はどうしても不安です。まあ、スタジオで酷使するわけではないので、大事に使って長く付き合いたいと思ってます。
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